送信元が最初のマルチキャスト パケットを送信すると、送信元に直接接続された先頭ホップ ルータ(指定ルータまたは RP)によって RP に PIM 登録メッセージが送信されます。RP は登録メッセージを使用し、アクティブな送信元を登録したり、ローカル ドメイン内の共有ツリーの下方向にマルチキャスト パケットを転送します。MSDP が設定されている場合は、Source-Active(SA)メッセージも、すべての MSDP ピアに転送します。送信元、送信元からの送信先であるグループ、および RP のアドレスまたは発信元 ID(RP アドレスとして使用されるインターフェイスの IP アドレス)が設定されている場合は、SA メッセージによってこれらが識別されます。
各 MSDP ピアは SA メッセージを発信元の RP から受信して転送し、ピア Reverse-Path Forwarding(RPF)フラッディングを実現します。MSDP デバイスは、BGP または MBGP ルーティング テーブルを調べ、どのピアが SA メッセージの発信元 RP へのネクスト ホップであるかを検出します。このようなピアは RPF ピアと呼ばれます。MSDP デバイスでは、RPF ピア以外のすべての MSDP ピアにメッセージが転送されます。BGP および MBGP がサポートされていない場合に MSDP を設定する方法については、デフォルトの MSDP ピアの設定を参照してください。
MSDP ピアは、非 RPF ピアから発信元 RP へ向かう同じ SA メッセージを受信すると、そのメッセージをドロップします。それ以外の場合、すべての MSDP ピアにメッセージが転送されます。
ドメインの RP ピアは MSDP ピアから SA メッセージを受信します。この RP が SA メッセージに記述されているグループへの加入要求を持ち、空でない発信インターフェイス リストに(*,G)エントリが含まれている場合、そのグループはドメインの対象となり、RP から送信元方向に(S,G)Join メッセージが送信されます。(S,G)Join メッセージが送信元の DR に到達してからは、送信元からリモート ドメイン内の RP への送信元ツリーのブランチが構築されています。この結果、マルチキャスト トラフィックを送信元から送信元ツリーを経由して RP へ、そしてリモート ドメイン内の共有ツリーを下ってレシーバへと送信できます。
図 1. RP ピア間で動作する MSDP. この図に、2 つの MSDP ピアの間での MSDP の動作を示します。PIM では、ドメインの RP に送信元を登録するための標準メカニズムとして、MSDP が使用されます。MSDP が設定されている場合は、次のシーケンスが発生します。
デフォルトでは、スイッチで受信された SA メッセージ内の送信元やグループのペアは、キャッシュに格納されません。また、MSDP SA 情報が転送される場合、この情報はメモリに格納されません。したがって、ローカル RP で SA メッセージが受信された直後にメンバーがグループに加入した場合、そのメンバーは、その次の SA メッセージによって送信元に関する情報が取得されるまで、待機する必要があります。この遅延は加入遅延と呼ばれます。
ローカル RP では、SA 要求を送信し、指定されたグループに対するすべてのアクティブな送信元の要求をすぐに取得できます。デフォルトでは、新しいメンバーがグループに加入してマルチキャスト トラフィックを受信する必要が生じた場合、スイッチは MSDP ピアに SA 要求メッセージを送信しません。新しいメンバーは次の定期的な SA メッセージを受信する必要があります。
グループへの送信元である接続 PIM SM ドメイン内のアクティブなマルチキャスト送信元を、グループの新しいメンバーが学習する必要がある場合は、新しいメンバーがグループに加入したときに、指定された MSDP ピアに SA 要求メッセージを送信するようにスイッチを設定します。