スイッチは、IPv6 専用ノードまたはデュアル スタック ノードに対し IPv6 モビリティをサポートします。IPv6 クライアント モビリティは次のレイヤに分かれます。
リンク層は、リンク層接続を失うことなく、同じ SSID で識別される同一 BSS(基本サービス セット)の任意の AP にクライアントがローミングできるようにする 802.11 プロトコルによって処理されます。
ただし、リンク層モビリティは、ローミング中にワイヤレス クライアントのレイヤ 3 アプリケーションがシームレスに動作を継続するには十分ではありません。Cisco IOSd のワイヤレス モビリティ モジュールは、モビリティ トンネリングを使用して、クライアントが異なるスイッチ上の異なるサブネット間をローミングするときに、クライアントのレイヤ 3 PoP(Point of Presence)用のシームレスな接続を維持します。
IPv6 は、プロトコルの TCP/IP スイートの IPv4 に代わることを目的とした次世代ネットワーク層インターネット プロトコルです。この新しいバージョンでは、一意のグローバル IP アドレスを必要とするユーザとアプリケーションに対応するためのインターネット グローバル アドレス空間を増大させます。IPv6 は、128 ビットの送信元アドレスおよび宛先アドレスを組み込むことにより、32 ビットの IPv4 アドレスよりも格段に多くのアドレスを提供します。
コントローラをまたいだ IPv6 クライアントをサポートするには、IPv6 クライアントが同じレイヤ 3 ネットワーク上にとどまるように、ICMPv6 メッセージを特別に処理する必要があります。スイッチは、ICMPv6 メッセージを代行受信することで IPv6 クライアントを追跡し、シームレスなモビリティを提供して、ネットワーク攻撃からネットワークを保護します。NDP(ネイバー ディスカバリ パケット)パケットは、マルチキャストからユニキャストに変換され、クライアントごとに個別に配信されます。この固有なソリューションによって、ネイバー ディスカバリ パケットとルータ アドバタイズメント パケットの VLAN 間でのリークを防止できます。クライアントは、特定のネイバー ディスカバリ パケットおよびルータ アドバタイズメント パケットを受信することで IPv6 アドレス指定が適切であることを確認し、不要なマルチキャスト トラフィックを回避します。
IPv6 モビリティの設定は、IPv4 モビリティと同一であり、シームレスなローミングを実現するためにクライアント側で別個のソフトウェアを使用する必要はありません。スイッチは、同じモビリティ グループに属している必要があります。IPv4 と IPv6 の両クライアント モビリティが、デフォルトで有効になります。
IPv6 クライアント モビリティは次のことに使用されます。