自動アップグレード機能の目的は、スイッチを互換性のあるソフトウェア イメージにアップグレードしてスイッチ スタックに参加できるようにすることです。
新しいスイッチがスイッチ スタックに参加しようとすると、各スタック メンバーがそれ自体と新しいスイッチの互換性チェックを実行します。各スタック メンバーは、アクティブ スイッチに互換性チェックの結果を送信し、その結果に基づいてスイッチがスイッチ スタックに参加できるかどうかが判断されます。新しいスイッチ上のソフトウェアがスイッチ スタックと互換性がない場合は、新しいスイッチがバージョン不一致(VM)モードに入ります。
既存のスイッチ スタックで自動アップグレード機能がイネーブルになっている場合は、アクティブ スイッチ が、自動的に、互換性のあるスタック メンバー上で実行されているものと同じソフトウェア イメージで新しいスイッチをアップグレードします。自動アップグレードは、一致しないソフトウェアが検出された数分後に起動します。
自動アップグレードはデフォルトでディセーブルになっています。
自動アップグレードには自動コピー プロセスと自動抽出プロセスが含まれます。
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自動コピーは、スタック メンバー上で実行しているソフトウェア イメージを新しいスイッチに自動的にコピーして、そのスイッチをアップグレードします。また、自動コピーは、自動アップグレードがイネーブルになっている場合、新しいスイッチ上に十分なフラッシュ メモリが存在する場合、およびスイッチ スタック上で実行しているソフトウェア イメージが新しいスイッチに適合する場合に実行されます。
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VM モードのスイッチでは、すべてのリリース済みのソフトウェアが稼働するとは限りません。たとえば、新しいスイッチ ハードウェアは以前のバージョンのソフトウェアでは認識されません。
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自動抽出(auto-extract)は、自動アップグレード プロセスがスタック内で新しいスイッチにコピーする適切なソフトウェアを見つけられなかった場合に実行されます。この場合、自動抽出プロセスは、スイッチ スタックまたは新しいスイッチをアップグレードするために必要な bin ファイルを、スタック内のすべてのスイッチで検索します。bin ファイルは、スイッチ スタックまたは新しいスイッチ内の任意のフラッシュ ファイル システムに配置できます。スタック メンバー上で新しいスイッチに適した bin ファイルが見つかった場合は、このプロセスがファイルを抽出して自動的に新しいスイッチをアップグレードします。
自動アップグレード機能は、バンドル モードで使用することはできません。スイッチ スタックは、インストール済みモードで実行する必要があります。スイッチ スタックがバンドル モードになっている場合は、software expand 特権 EXEC コマンドを使用してインストール済みモードに変更します。
自動アップグレードをイネーブルにするには、新しいスイッチ上で software auto-upgrade enable グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。自動アップグレードのステータスをチェックするには、show running-config 特権 EXEC コマンドを使用して表示された Auto upgrade 行を確認します。
新しいスイッチを特定のソフトウェア バンドルでアップグレードするように自動アップグレードを設定するには、software auto-upgrade source url グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ソフトウェア バンドルが無効になっている場合は、新しいスイッチは、互換性のあるスタック メンバー上で実行しているものと同じソフトウェア イメージでアップグレードされます。
自動アップグレード プロセスが完了すると、新しいスイッチがリロードして、完全に機能するメンバーとしてスタックに参加します。リロード時に両方のスタック ケーブルが接続されていれば、スイッチ スタックが 2 つのリング上で動作するため、ネットワークのダウンタイムが発生しません。
互換性のないソフトウェアを実行しているスイッチのアップグレードの詳細については、『Cisco IOS File System, Configuration Files, and Bundle Files Appendix, Cisco IOS XE Release 3SE(Catalyst 3850 Switches)』を参照してください。