指定の送信元 MAC アドレスから指定の宛先 MAC アドレスまでをパケットが通過するレイヤ 2 パスを表示するには、特権 EXEC モードで traceroute mac コマンドを使用します。
traceroute mac [ interface interface-id ] source-mac-address [ interface interface-id ] destination-mac-address [ vlan vlan-id ] [detail]
構文の説明
interface interface-id
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(任意)送信元または宛先デバイス上のインターフェイスを指定します。
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source-mac-address
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送信元デバイスの 16 進形式の MAC アドレス。
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destination-mac-address
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宛先デバイスの 16 進形式の MAC アドレス。
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vlan vlan-id
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(任意)送信元デバイスから宛先デバイスまでをパケットが通過するレイヤ 2 のパスをトレースする VLAN を指定します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。
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detail
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(任意)詳細情報を表示するよう指定します。
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コマンド デフォルト
デフォルトの動作や値はありません。
コマンド履歴
リリース |
変更内容 |
Cisco IOS XE 3.2SE
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このコマンドが導入されました。
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使用上のガイドライン
レイヤ 2 の traceroute を適切に機能させるには、Cisco Discovery Protocol(CDP)がネットワークのすべてのデバイスで有効になっている必要があります。CDP をディセーブルにすることは避けてください。
デバイスがレイヤ 2 パス内でレイヤ 2 traceroute をサポートしていないデバイスを検知した場合、デバイスはレイヤ 2 trace クエリを送信し続け、タイムアウトにします。
パス内で識別可能な最大ホップ数は 10 です。
レイヤ 2 traceroute はユニキャスト トラフィックだけをサポートします。マルチキャストの送信元または宛先 MAC アドレスを指定しても、物理的なパスは識別されず、エラー メッセージが表示されます。
指定された送信元および宛先アドレスが同じ VLAN にある場合、traceroute mac コマンド出力はレイヤ 2 パスを表示します。
異なる VLAN にある送信元および宛先アドレスを指定した場合、レイヤ 2 パスは識別されず、エラー メッセージが表示されます。
送信元または宛先 MAC アドレスが複数の VLAN に属する場合は、送信元および宛先 MAC アドレスの両方が属している VLAN を指定する必要があります。
VLAN を指定しないと、パスは識別されず、エラー メッセージが表示されます。
複数の装置がハブを介して 1 つのポートに接続されている場合(たとえば、複数の CDP ネイバーがポートで検出されるなど)、レイヤ 2 traceroute 機能はサポートされません。
複数の CDP ネイバーが 1 つのポートで検出された場合、レイヤ 2 パスは特定されず、エラー メッセージが表示されます。
この機能は、トークンリング VLAN ではサポートされません。
例
次の例では、送信元および宛先 MAC アドレスを指定することで、レイヤ 2 のパスを表示する方法を示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0601 0000.0201.0201
Source 0000.0201.0601 found on con6[WS-C3750E-24PD] (2.2.6.6)
con6 (2.2.6.6) :Gi0/0/1 => Gi0/0/3
con5 (2.2.5.5 ) : Gi0/0/3 => Gi0/0/1
con1 (2.2.1.1 ) : Gi0/0/1 => Gi0/0/2
con2 (2.2.2.2 ) : Gi0/0/2 => Gi0/0/1
Destination 0000.0201.0201 found on con2[WS-C3550-24] (2.2.2.2)
Layer 2 trace completed
次の例では、detail キーワードを使用することで、レイヤ 2 のパスを表示する方法を示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0601 0000.0201.0201 detail
Source 0000.0201.0601 found on con6[WS-C3750E-24PD] (2.2.6.6)
con6 / WS-C3750E-24PD / 2.2.6.6 :
Gi0/0/2 [auto, auto] => Gi0/0/3 [auto, auto]
con5 / WS-C2950G-24-EI / 2.2.5.5 :
Fa0/3 [auto, auto] => Gi0/1 [auto, auto]
con1 / WS-C3550-12G / 2.2.1.1 :
Gi0/1 [auto, auto] => Gi0/2 [auto, auto]
con2 / WS-C3550-24 / 2.2.2.2 :
Gi0/2 [auto, auto] => Fa0/1 [auto, auto]
Destination 0000.0201.0201 found on con2[WS-C3550-24] (2.2.2.2)
Layer 2 trace completed.
次の例では、送信元および宛先デバイスのインターフェイスを指定することで、レイヤ 2 のパスを表示する方法を示します。
Device# traceroute mac interface fastethernet0/1 0000.0201.0601 interface fastethernet0/3 0000.0201.0201
Source 0000.0201.0601 found on con6[WS-C3750E-24PD] (2.2.6.6)
con6 (2.2.6.6) :Gi0/0/1 => Gi0/0/3
con5 (2.2.5.5 ) : Gi0/0/3 => Gi0/0/1
con1 (2.2.1.1 ) : Gi0/0/1 => Gi0/0/2
con2 (2.2.2.2 ) : Gi0/0/2 => Gi0/0/1
Destination 0000.0201.0201 found on con2[WS-C3550-24] (2.2.2.2)
Layer 2 trace completed
次の例では、デバイスが送信元デバイスに接続されていない場合のレイヤ 2 のパスを示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0501 0000.0201.0201 detail
Source not directly connected, tracing source .....
Source 0000.0201.0501 found on con5[WS-C3750E-24TD] (2.2.5.5)
con5 / WS-C3750E-24TD / 2.2.5.5 :
Gi0/0/1 [auto, auto] => Gi0/0/3 [auto, auto]
con1 / WS-C3550-12G / 2.2.1.1 :
Gi0/1 [auto, auto] => Gi0/2 [auto, auto]
con2 / WS-C3550-24 / 2.2.2.2 :
Gi0/2 [auto, auto] => Fa0/1 [auto, auto]
Destination 0000.0201.0201 found on con2[WS-C3550-24] (2.2.2.2)
Layer 2 trace completed.
次の例では、デバイスが送信元 MAC アドレスの宛先ポートを検出できない場合のレイヤ 2 のパスを示します。
Device# traceroute mac 0000.0011.1111 0000.0201.0201
Error:Source Mac address not found.
Layer2 trace aborted.
次の例では、送信元および宛先デバイスが異なる VLAN にある場合のレイヤ 2 のパスを示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0601 0000.0301.0201
Error:Source and destination macs are on different vlans.
Layer2 trace aborted.
次の例では、宛先 MAC アドレスがマルチキャスト アドレスの場合のレイヤ 2 のパスを示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0601 0100.0201.0201
Invalid destination mac address
次の例では、送信元および宛先デバイスが複数の VLAN にある場合のレイヤ 2 のパスを示します。
Device# traceroute mac 0000.0201.0601 0000.0201.0201
Error:Mac found on multiple vlans.
Layer2 trace aborted.