MPLS

mpls ip default-route

IP デフォルト ルートに関連付けられたラベルの配信を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで mpls ip default-route コマンドを使用します。

mpls ip default-route

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

IP デフォルト ルートのラベルの配信はありません。

コマンド モード


グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

mpls ip default-route コマンドを使用する前に、ダイナミック ラベル スイッチング(つまり、ルーティング プロトコルに基づくラベルの配信)を有効にする必要があります。

次に、IP デフォルト ルートに関連付けられたラベルの配信を有効にする例を示します。


Switch# configure terminal
Switch(config)# mpls ip
Switch(config)# mpls ip default-route

mpls ip(グローバル コンフィギュレーション)

プラットフォームの通常のルーテッド パスでの IPv4 および IPv6 パケットのマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)転送を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで mpls ip コマンドを使用します。この機能をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

mpls ip

no mpls ip

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

プラットフォームの通常のルーテッド パスでの IPv4 および IPv6 パケットのラベル スイッチングは有効になっています。

コマンド モード


グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

通常のルーテッド パスでの IPv4 および IPv6 パケットの MPLS 転送(ダイナミック ラベル スイッチングと呼ばれることもある)は、このコマンドによって有効になります。ダイナミック ラベル スイッチングを実行するように指定されたインターフェイスには、そのインターフェイス用およびプラットフォーム用にこのスイッチング機能がイネーブルになっていなければなりません。

このコマンドの no 形式は、インターフェイスの設定に関係なく、すべてのプラットフォーム インターフェイスのダイナミック ラベル スイッチングを停止します。また、ダイナミック ラベル スイッチングのためのラベルの配信も停止します。ただし、このコマンドの no 形式は、ラベル スイッチ パス(LSP)トンネルを介してのラベルの付いたパケットの送信には影響しません。

次に、プラットフォームのダイナミック ラベル スイッチングをディセーブルにし、プラットフォームのすべてのラベル配信を停止させる例を示します。


Switch(config)# no mpls ip

mpls ip(インターフェイス コンフィギュレーション)

特定のインターフェイスの通常のルーテッド パスでの IPv4 パケットおよび IPv6 パケットのマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)フォワーディングを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで mpls ip コマンドを使用します。この設定を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

mpls ip

no mpls ip

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド デフォルト

インターフェイスの通常のルーテッド パスで IPv4 パケットおよび IPv6 パケットを MPLS フォワーディングする機能は無効になっています。

コマンド モード


インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

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変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

通常のルーテッド パスで IPv4 パケットおよび IPv6 パケットを MPLS フォワーディングする機能は、ダイナミック ラベル スイッチングとも呼ばれます。プラットフォームでダイナミック ラベル スイッチングがイネーブルになっている場合、インターフェイス上でこのコマンドを実行すると、ネイバー探索 HELLO メッセージの定期送信によりインターフェイスでラベル配布が開始されます。インターフェイスを経由してルーティングされる宛先の出ラベルがわかっている場合、宛先のパケットにその出ラベルが付され、インターフェイスを経由してフォワーディングされます。

このコマンドの no 形式を使用すると、インターフェイスを経由してルーティングされるパケットはラベルなしで送信されます。また、インターフェイスのラベル配布も終了します。しかし、このインターフェイスを使用するリンクステート パケット(LSP)トンネルを経由するラベル付きパケットの送信が、コマンドの no 形式による影響を受けることはありません。

次に、イーサネット インターフェイスでラベル スイッチングを有効にする例を示します。


Switch(config)# configure terminal
Switch(config-if)# interface TenGigabitEthernet1/0/3
Switch(config-if)# mpls ip

次に、Cisco Catalyst スイッチの指定された VLAN インターフェイス(SVI )でラベル スイッチングを有効にする例を示します。


Switch(config)# configure terminal
Switch(config-if)# interface vlan 1
Switch(config-if)# mpls ip

mpls label protocol(グローバル コンフィギュレーション)

プラットフォームの Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで mpls label protocol コマンドを使用します。デフォルト LDP に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

mpls label protocol ldp

no mpls label protocol ldp

構文の説明

ldp

LDP をデフォルトのラベル配布プロトコルとすることを指定します。

コマンド デフォルト

LDP がデフォルトのラベル配布プロトコルです。

コマンド モード


グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

global mpls label protocol ldp コマンドまたは interface mpls label protocol ldp コマンドのどちらも使用されていない場合は、すべてのラベル配布セッションで LDP が使用されます。

次のコマンドは、LDP をプラットフォームのラベル配布プロトコルとして確立します。


Switch(config)# mpls label protocol ldp

mpls label protocol(インターフェイス コンフィギュレーション)

インターフェイスの Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)を指定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで mpls label protocol コマンドを使用します。インターフェイスから LDP を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。

mpls label protocol ldp

no mpls label protocol ldp

構文の説明

ldp

LDP がインターフェイスで使用されるように指定します。

コマンド デフォルト

インターフェイスにプロトコルが明示的に設定されていない場合は、プラットフォームに設定された LDP が使用されます。プラットフォームの LDP を設定するには、mpls label protocol コマンドを使用します。

コマンド モード


インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)

コマンド履歴

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変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

2 つのラベル スイッチ ルータ(LSR)を接続するリンクのラベル配布用のセッションを正常に確立するには、LSR のリンク インターフェイスが同じ LDP を使用するように設定されている必要があります。2 つの LSR を接続する複数のリンクがある場合は、2 つの LSR に接続しているすべてのリンク インターフェイスが同じプロトコルを使用するように設定されている必要があります。

次に、LDP をインターフェイスのラベル配布プロトコルとして確立する例を示します。


Switch(config-if)# mpls label protocol ldp

mpls label range

パケット インターフェイス上のマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)で使用できるローカル ラベルの範囲を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで mpls label range コマンドを使用します。プラットフォームをデフォルトの設定に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

mpls label range minimum-value maximum-value [ static minimum-static-value maximum-static-value ]

no mpls label range

構文の説明

minimum-value

ラベル スペースで許容される最小のラベルの値。デフォルトは 16 です。

maximum-value

ラベル スペースで許容される最大のラベルの値。デフォルトはプラットフォームによって異なります。

static

(任意)スタティック ラベル割り当てに使用するローカル ラベルのブロックを予約します。static キーワードと minimum-static-valuemaximum-static-value 引数を省略すると、スタティック割り当て用にラベルは予約されません。

minimum-static-value

(任意)スタティック ラベル割り当ての最小値。デフォルト値はありません。

maximum-static-value

(任意)スタティック ラベル割り当ての最大値。デフォルト値はありません。

コマンド デフォルト

プラットフォームのデフォルト値が使用されます。

コマンド モード


グローバル コンフィギュレーション

コマンド履歴

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変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

ラベル 0 ~ 15 は IETF によって予約されており(詳細については、RFC 3032「MPLS Label Stack Encoding」を参照)、mpls label range コマンドで指定する範囲に含めることはできません。コマンドに 0 を入力すると、コマンドが認識されなかったコマンドであることを示すメッセージが表示されます。

mpls label range コマンドで定義されたラベル範囲は、(ダイナミック ラベル スイッチング、MPLS、MPLS トラフィック エンジニアリング、MPLS バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)などの)ローカル ラベルを割り当てるすべての MPLS アプリケーションによって使用されます。

Label Distribution Protocol(LDP; ラベル配布プロトコル)などのラベル配布プロトコルを使用して、16 ~ 1048575 の汎用的なラベル範囲をダイナミック割り当て用に予約できます。

スタティック割り当て用にラベルを予約するには、オプションの static キーワードを指定します。MPLS スタティック ラベル機能では、スタティック割り当て用のラベルの範囲を設定する必要があります。スタティック バインディングは現在のスタティック範囲からのみ設定できます。スタティック範囲が設定されていないか、使い果たされている場合は、スタティック バインディングを設定できません。

ラベル値の範囲は、16 ~ 4096 です。最大値のデフォルトは、4096 です。たとえば、スタティック ラベル スペースを 16 ~ 100、ダイナミック ラベル スペースを 101 ~ 4096 のように分割することができます。

最小スタティック ラベル値の上限と下限がヘルプ ラインに表示されます。たとえば、ダイナミック ラベルの最小値を 16、最大値を 100 に設定すると、ヘルプ ラインには次のように表示されます。


Switch(config)# mpls label range 16 100 static ?
<100>  Upper Minimum static label value
<16>         Lower Minimum static label value
Reserved Label Range  --> 0    to 15
Available Label Range --> 16   to 4096
Static Label Range    --> 16   to 100
Dynamic Label Range   --> 101  to 4096

この例では、スタティックを 16 ~ 100 に設定できます。

下部の最小スタティック ラベル スペースが使用できない場合、最小値の下限はヘルプ ラインに表示されません。次に例を示します。


Switch(config)# mpls label range 16 100 static ?
  <16-100>  static label value range

次に、ローカル ラベル スペースのサイズを設定する例を示します。この例では、最小スタティック値が 200 に、最大スタティック値が 4000 に設定されています。


Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Switch(config)# mpls label range 200 4000
Switch(config)#

現在の範囲に重複する新しい範囲を指定すると(たとえば、新しい範囲の最小スタティック値を 16、最大スタティック値を 1000 に設定する)、新しい範囲が即座に有効になります。

次に、ダイナミック ローカル ラベル スペースの最小スタティック値を 100、最大スタティック値を 1000 に設定し、スタティック ラベル スペースの最小スタティック値を 16、最大スタティック値を 99 に設定する例を示します。


Switch(config)# mpls label range 100 1000 static 16 99
Switch(config)#

リロード後に実行される show mpls label range コマンドの次の出力では、設定された範囲が有効になっていることが示されます。


Switch# show mpls label range 	
Downstream label pool: Min/Max label: 100/1000
Range for static labels: Min/Max/Number: 16/99

次に、ラベル範囲をデフォルト値に戻す例を示します。


Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Switch(config)# no mpls label range 
Switch(config)# end

show mpls label range

パケット インターフェイスで使用可能なローカル ラベルの範囲を表示するには、特権 EXEC モードで show mpls label range コマンドを使用します。

show mpls label range

構文の説明

このコマンドには引数またはキーワードはありません。

コマンド モード


特権 EXEC

コマンド履歴

リリース

変更内容

Cisco IOS XE Denali 16.3.1

このコマンドが導入されました。

使用上のガイドライン

mpls label range コマンドを使用して、デフォルトの範囲とは異なるローカル ラベルの範囲を設定できます。show mpls label range コマンドでは、現在使用中のラベル範囲と、スイッチの次のリロード後に使用されるラベル範囲の両方が表示されます。

次に、最初のラベル範囲にオーバーラップしないラベル範囲を設定するために mpls label range コマンドを使用する前と後で、 show mpls label range コマンドを使用した場合の出力例を示します。


Switch# show mpls label range 
Downstream label pool: Min/Max label: 16/100
Switch# configure terminal
Switch(config)# mpls label range 101 4000
Switch(config)# exit
Switch# show mpls label range
Downstream label pool: Min/Max label: 101/4000