マルチキャスティングの機能
ここでは、Catalyst 6500シリーズ スイッチのマルチキャスティング機能について説明します。
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「マルチキャスティングおよびマルチキャスト サービスの概要」
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「IGMPスヌーピングの機能」
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「GMRPの機能」
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「RGMPの機能」
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「マルチキャスト トラフィックの抑制」
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「非RPF MFD」
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「直接接続サブネット インストールのイネーブル化」
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「IGMPクエリアの機能」
マルチキャスティングおよびマルチキャスト サービスの概要
IGMPスヌーピングは、IPマルチキャスト トラフィックのスイッチングを制御することにより、スイッチのマルチキャスト トラフィックを管理します。GMRPはプロトコルに依存せず、IPマルチキャスト トラフィックとレイヤ2マルチキャスト トラフィックの両方を管理できます。
スイッチは、IGMPスヌーピングまたはGMRPを使用してスイッチ ポートを動的に設定し、IPマルチキャスト ホストに関連づけられたポートだけにIPマルチキャスト トラフィックを転送します。IGMPソフトウェア コンポーネントは、シスコ ルータおよびスイッチの両方で稼働します。
(注) IPマルチキャストおよびIGMPの詳細については、RFC 1112を参照してください。GMRPについては、IEEE 802.1pを参照してください。
set cam static コマンドを使用して、マルチキャスト グループをスタティックに設定することができます。IGMPスヌーピングによって学習されるマルチキャスト グループは動的です。マルチキャスト グループ アドレスにグループ メンバーシップを指定すると、スタティックな設定がIGMPスヌーピングまたはGMRPによる自動処理よりも優先されます。マルチキャスト グループ メンバーシップのリストは、ユーザが定義した設定値と、IGMPスヌーピングまたはGMRPによって学習された設定値の両方で構成することができます。
IGMPスヌーピングの機能
(注) スイッチ上でGMRPがすでにイネーブルになっている場合は、IGMPスヌーピングをイネーブルに設定できません。
(注) どのCatalyst 6500シリーズ スーパバイザ エンジン モデル(Supervisor Engine 1、Supervisor Engine 1A、およびSupervisor Engine 2)でもIGMPスヌーピングを実行できます。IGMPスヌーピングをイネーブルにするのにPFCは必要ではありません。Cisco Group Management Protocol(CGMP)は、Catalyst 6500シリーズ スイッチではサポートされていません。ただし、CGMPサーバはMSFC上でサポートされています。CGMPクライアント装置をサポートするには、CGMPサーバとしてMSFCを設定します。
IGMPスヌーピングは、IPマルチキャスト トラフィックを振り分けてスイッチングできるようにすることによって、Catalyst 6500シリーズ スイッチ上でレイヤ2マルチキャスト トラフィックを管理します。
スイッチは、IGMPスヌーピングを使用してレイヤ2インターフェイスを動的に設定し、IGMP Joinおよびレポート メッセージを通じて特定のIPマルチキャスト トラフィック ストリームの受信を表明しているインターフェイスだけにIPマルチキャスト トラフィックが転送されるようにします。
Catalyst 6500シリーズ スイッチは、IGMP制御トラフィックとマルチキャスト データ トラフィックを区別できます。スイッチでIGMPがイネーブルになっている場合、IGMP制御トラフィックはCPUに転送されて処理されます。このプロセスは特殊なASICによってハードウェアで実行されるので、スイッチはパフォーマンスを低下させることなく、IGMP制御トラフィックのスヌーピングを行うことができます。
ルータが全VLAN(仮想LAN)に汎用クエリを定期的に送り、マルチキャスト レシーバーがルータのクエリに応答すると、スイッチがその応答を代行受信します。ルータに転送されるのは、各VLAN、または各IPマルチキャスト グループの最初のIGMP Join(レポート)だけです。同一VLANおよびグループに対する以後のレポートは抑制されます。スイッチ プロセッサは、IGMP Join要求の送信元となる各MACグループのレイヤ2転送テーブルに、VLANごとにエントリを1つずつ作成します。このマルチキャスト トラフィックに関与するすべてのホストがJoin要求を送信し、この転送テーブル エントリのポート リストに加わります。ポートがディセーブルになると、そのポートはすべてのマルチキャスト グループ エントリから削除されます。
(注) IGMPバージョン3は、Supervisor Engine 2を搭載したシステムでだけサポートされています。
IGMPバージョン3は、送信元ベースのフィルタリングを使用し、ホストがSource Specific Multicast(SSM;送信元特定マルチキャスト)でチャネル加入を信号通知する業界指定の標準プロトコルになっています。送信元ベースのフィルタリングによって、ホストとルータは特定のマルチキャスト グループに対してどの送信元アドレスを許可またはブロックするかを指定できます。Catalyst 6500シリーズ スイッチでIGMPバージョン3スヌーピングをイネーブルにすると、スイッチは、グループ単位、VLAN単位でポートから受信IGMPバージョン3のレポートに基づいてIGMPバージョン3ステートを維持します。また、スイッチは、受信するIGMPバージョン3メッセージのタイプに基づいてそのポート上で送信元トラフィックを許可またはブロックします。
(注) Catalyst 6500シリーズ スイッチでIGMPバージョン3をイネーブルにするには、まずMSFCルータ プロンプトでno mls ip multicastコマンドを入力してIP MMLSをディセーブルにする必要があります。
(注) IGMPバージョン3スヌーピングは、INCLUDEモード専用でサポートされています。EXCLUDEモード用にはサポートされていません。たとえば、特定VLANの特定グループ用にIGMPバージョン3ステートがEXCLUDEモードになると、スイッチはバージョン3ステートをバージョン3ルータと同じように維持し、バージョン3ステートに基づいてバージョン3レポートを送信したポートに、マルチキャスト トラフィックが送信されます。
(注) IGMPバージョン3スヌーピングでは、MSFC2上でCisco IOS Release 12.1(11b)E1以降のリリースを使用します。
マルチキャスト グループへの加入
IGMPバージョン2では、IPマルチキャスト グループに加入するホストは、ルータのクエリに応答するか、または加入するIPマルチキャスト グループを指定して(たとえば、グループ224.1.2.3)、IGMP Join(別名、Joinメッセージ)を送信します。スイッチ ハードウェアは、パケットがIGMPレポートであることを認識して、スイッチのCPUに転送します。スイッチは01-00-5e-01-02-03に対応する新しいグループ エントリを組み込み、そのエントリにホスト ポートおよびルータ ポートを追加します。スイッチはさらに、ホストからのJoinを全マルチキャスト ルータ ポートにリレーします。セグメントに対応する指定マルチキャスト ルータがグループのOutgoing Interface List(OIL;発信インターフェイス リスト)にOutgoing Interface(OIF;発信インターフェイス)を追加し、224.1.2.3のマルチキャスト トラフィックをこのセグメントに転送し始めます。
このVLANの2番めのホストがグループ244.1.2.3に加わる場合は、ホストからこのグループへのIGMP Joinを送信します。スイッチ ハードウェアは、このパケットがIGMP制御パケットであることを認識して、スイッチのCPUに転送します。スイッチにはこのVLANの01-00-5e-01-02-03に対応するグループ エントリがすでにあるので、2番めのホスト ポートをただエントリに追加します。初めてグループに加入するホストではないので、スイッチはレポートを抑制します(スイッチはレポートをルータに送りません)。
IGMPバージョン3レポートは、ホストによってアドレス224.0.0.22に送信されます。マルチキャスト ルータは、インターフェイスの各グループについてステート レコードを維持し、スイッチはVLAN単位で各グループのステート レコードを維持します。ステート レコードに含まれているのは、マルチキャストIPアドレス、グループ タイマー、送信元タイマー、およびホストによって指定されたフィルタ モードです。ホストは次のいずれかのフィルタ モードを指定できます。
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INCLUDEモード ― このモードでは、ホストはマルチキャスト グループにメンバーシップを知らせ、トラフィックを受信する送信元IPアドレスのリスト(INCLUDEリスト)を提供します。
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EXCLUDEモード ― このモードでは、ホストはマルチキャスト グループにメンバーシップを知らせ、トラフィックを受信しない送信元IPアドレスのリスト(EXCLUDEリスト)を提供します。このモードは、ホストがIPアドレスがEXCLUDEリストに記載されていない送信元からだけトラフィックを受信するということです。すべての送信元のトラフィックを受信するには、ホストは空のEXCLUDEリストでEXCLUDEモードのメンバーシップを表明します。
(注) IGMP互換性モードは、VLAN上のグループ(そのVLANのその特定グループについてバージョン3ステートが以前存在していた)についてバージョン1またはバージョン2メッセージを受け取るとすぐに、バージョン1またはバージョン2に変わります。
マルチキャスト トラフィックの抑制
ホストがグループにマルチキャスト トラフィックを送信した場合、スイッチ ハードウェアはそのストリームをIGMP制御パケットとして認識しないので、パケットはスイッチのCPUに転送されません。代わりに、マルチキャスト トラフィックはMACグループ エントリに転送され、
スイッチはそのグループ エントリに追加されているポートだけにトラフィックを限定します。
ルータはIGMP汎用クエリを送信します。スイッチはVLAN内の全ポートにこれらのクエリをフラッディングし、マルチキャスト グループに関係するホストが、関係する各グループに対するIGMP Joinで応答します。
スイッチはこのIGMP Joinを代行受信し、VLANごとに、またIPマルチキャスト グループごとに最初のJoinだけをマルチキャスト ルータ ポートに転送します。同一VLANおよびグループに対する以後のレポートは抑制されます(ルータに送られません)。スイッチのIGMPバージョン3スヌーピングをイネーブルにすると、すべてのJoinがルータ ポートに転送されます。
(注) ネットワークにCGMPスイッチが含まれている場合、JoinおよびLeaveメッセージの抑制は行われません。IGMPバージョン2スイッチとCGMPスイッチの両方が含まれているネットワークでは、ルータがCGMP JoinおよびLeaveメッセージを生成できるように、すべてのJoinおよびLeaveメッセージがマルチキャスト ルータに転送されます。
マルチキャスト グループからの脱退
IGMPバージョン1または2が稼働しているネットワークでは、マルチキャスト トラフィックを受信するホストがVLANに少なくとも1つあるかぎり、セグメントの指定マルチキャスト ルータは、そのVLANへのマルチキャスト トラフィックの転送を継続します。ホストがマルチキャスト グループから脱退する場合、マルチキャスト ルータから定期的に送られる汎用クエリを無視する(IGMPバージョン1ホストの動作)か、またはIGMP Leaveを送信する(IGMPバージョン2ホストの動作)ことができます。Leaveメッセージを受け取ったスイッチは、Leaveメッセージが届いたポートにMACベースの汎用クエリを送り、そのポートの接続装置が特定のマルチキャスト グループに対するトラフィックに関与していないかどうかを調べます。そのポートがVLANで最後のポートだった場合、スイッチはVLAN内の全ポートにMACベースの汎用クエリを送ります。MACベースの汎用クエリは、受け取ったIGMP Leaveメッセージの対象であるレイヤ2 Group Destination Address(GDA)MACアドレスが宛先になります。レイヤ3では、MACベースの汎用クエリの宛先は244.0.0.1(全ホスト)になり、IGMPヘッダーでグループ アドレス フィールドが0.0.0.0に設定されます。
MACマルチキャスト グループ アドレスに対応づけられたIPマルチキャスト グループを宛先とするIGMP Joinを受信しなかった場合、そのポートはマルチキャスト転送エントリから削除されます。ポートがエントリで最後に残った非マルチキャスト ルータ ポートでないかぎり、スイッチはIGMP Leaveを抑制します(ルータに送信されません)。ポートがエントリで最後の非マルチキャスト ルータ ポートだった場合は、IGMP Leaveはマルチキャスト ルータ ポートに転送され、MACグループ転送エントリが削除されます。
IGMP Leaveを受信したルータは、複数のIGMPグループ特定クエリを送信します。クエリへの応答としてJoinメッセージが届かず、そのインターフェイス経由で接続されたダウンストリーム ルータがない場合、ルータはマルチキャスト ルーティング テーブルで、そのIPマルチキャスト グループ エントリに対応するOILからインターフェイスを削除します。最後のレシーバーがマルチキャスト グループから脱退した後、スイッチはこのマルチキャスト グループに一瞬トラフィックをフラッディングします。最後のホストがマルチキャスト グループを脱退した後のマルチキャスト トラフィックのフラッディングを防止するには、set igmp flooding disableコマンドを実行します。
IGMP高速脱退処理
IGMPスヌーピング高速脱退処理を使用すると、スイッチ プロセッサは最初にMACベースの汎用クエリをポートに送らなくても、転送テーブル エントリのポート リストからインターフェイスを削除できます。ポートにIGMP Leaveが届くと、そのポートはマルチキャスト転送エントリからただちに削除されます(またはエントリ全体が削除されます)。
IGMP高速ブロック処理
IGMPバージョン3は、高速ブロック処理をサポートします。スイッチで高速ブロック処理をイネーブルにすると、スイッチはポートに接続したホストからBlock(ブロック)またはExclude(除外)メッセージを受け取ると、ただちにそのポートへのマルチキャスト パケットの転送を中止します。
(注) 各ポートに複数のホストが接続している場合は、高速脱退処理機能は使用しないでください。各ポートに複数のホストが接続しているときに高速脱退をイネーブルにすると、一部のホストが削除されることがあります。高速脱退は、IGMPバージョン2を搭載したホストでだけサポートされます。
GMRPの機能
GMRPは、IGMPスヌーピングと同様、制約付きマルチキャスト フラッディング機能を提供するGeneric Attribute Registration Protocol(GARP)アプリケーションです。GMRPおよびGARPは、IEEEによって定義された標準プロトコルです。プロトコル動作の詳細は、802.1pを参照してください。
GMRPソフトウェア コンポーネントは、スイッチとホストの両方で稼働します(GMRPホスト ソフトウェアは別途必要です)。IPマルチキャスト環境では、ホスト上でIGMPとGMRPを組み合わせて使用する必要があります。ホストのGMRPソフトウェアで、ホストのレイヤ3 IGMP制御パケットのレイヤ2 GMRPバージョンを生成するためです。スイッチはホストから、レイヤ2 GMRPトラフィックとレイヤ3 IGMPトラフィックの両方を受信します。スイッチはルータにレイヤ3 IGMP制御パケットを転送し、受信したGMRPトラフィックを使用して、ホストのVLAN内のマルチキャストをレイヤ2で制限します。
ホストがIPマルチキャスト グループに加わる場合、ホストからIGMP Joinを送信します。その結果、GMRP Joinが生成されます。スイッチは、GMRP Joinメッセージを受信すると、Joinの受信に使用したポートを該当するマルチキャスト グループに追加します。スイッチは、このGMRP JoinをVLAN内の他のすべてのホストに伝達します。通常、そのうちの1つがマルチキャスト送信元です。送信元からグループにマルチキャストを行う場合、スイッチはグループへのJoinメッセージを受信したポートに限定してマルチキャストを転送します。
スイッチは定期的にGMRPクエリを送信します。ホストはマルチキャスト グループにとどまる場合、そのクエリに応答し、スイッチは何も実行しません。マルチキャスト グループにとどまる予定がないホストは、Leaveメッセージを送信するか、またはスイッチからの定期クエリを無視することができます。Leaveメッセージを受信したスイッチ、または leaveall タイマーが満了するまでの間にホストから応答を受信しなかったスイッチは、そのホストをマルチキャスト グループから削除します。
(注) ルーティング環境でGMRPを使用するには、ルータを接続するすべてのポートでGMRP forwardallオプションをイネーブルにする必要があります(GMRP forward-allオプションのイネーブル化を参照)。
RGMPの機能
RGMPを使用しなかった場合、すべてのマルチキャスト ルータがスイッチに入ってきたあらゆるマルチキャスト データ トラフィックを受信することになります。RGMPを利用すると、マルチキャスト ルータは、そのルータにマルチキャスト トラフィックのダウンストリーム レシーバーがない場合に、マルチキャスト トラフィックを受信しないことを要求できます。Catalyst 6500シリーズ スイッチは、RGMPをサポートします。RGMPを使用すると受信ルータとして設定されたルータだけにマルチキャスト データ トラフィックを転送するので、ネットワークの輻輳が軽減されます。
(注) RGMPを使用するには、スイッチ上でIGMPスヌーピングを、ルータ上でProtocol Independent Multicast(PIM)をイネーブルにする必要があります。現在サポートされているのは、PIM sparse(疎)モードだけです。
ネットワーク上のすべてのルータがRGMP対応でなければなりません。RGMP対応ルータは、スイッチにRGMP Helloメッセージを定期的に送信します。RGMP Helloメッセージはスイッチに対して、ルータからスイッチにRGMP Joinも送信された場合に限り、そのルータにマルチキャスト データを送信するように指示します。RGMP Joinが送信されると、ルータはマルチキャスト データを受信できるようになります。RGMPデータを受信できるようにルータを設定する方法については、「RGMP関連のCLIコマンド」を参照してください。
マルチキャスト データの受信を中止する場合、ルータからスイッチへ、RGMP Leaveメッセージを送信する必要があります。ルータ上でRGMPをディセーブルにするには、ルータからスイッチへ、RGMP Byeメッセージを送信しなければなりません。
表 42-1 に、RGMPメッセージ タイプの概要を示します。
表 42-1 RGMPメッセージ タイプ
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Hello |
ルータ上でRGMP機能がイネーブルになっている場合、スイッチがルータにマルチキャスト データ トラフィックを送信するのは、グループに対してRGMP Joinが送信された場合に限られます。 |
Bye |
ルータ上でRGMP機能がディセーブルになっている場合、スイッチはルータにすべてのマルチキャスト データ トラフィックを送信します。 |
Join |
マルチキャストMACアドレス宛のマルチキャスト データ トラフィックが、レイヤ3グループ アドレスGからルータへ送信されます。これらのパケットは、RGMPパケットのGroup AddressフィールドにグループGが指定されています。 |
Leave |
グループG宛のマルチキャスト データ トラフィックは、ルータに送信されません。これらのパケットは、RGMPパケットのGroup AddressフィールドにグループGが指定されています。 |
マルチキャスト トラフィックの抑制
ギガビット イーサネット ポートでは、マルチキャスト トラフィックに使用する帯域幅の範囲を制限することができます。ギガビット イーサネット ポートでマルチキャスト トラフィックに使用する帯域幅全体に対する割合を指定するには、set port broadcastコマンドを使用します。
非RPF MFD
複数のルータが同じLANセグメントに接続する冗長構成では、送信元から発信インターフェイスのレシーバーにマルチキャスト トラフィックを転送するルータは1つだけです。この種のトポロジーでは、Protocol Independent Multicast Designated Forwarder(PIM-DF)だけが共通VLANのデータを転送しますが、非PIM-DFは転送されたマルチキャスト トラフィックを受信します。冗長ルータ(非PIM-DF)はこのトラフィックを廃棄する必要があります。誤ったインターフェイスに着信しており、Reverse Path Forwarding(RPF)チェックに失敗するためです。RPFチェックに失敗するトラフィックを非RPFトラフィックといいます。
非RPF Multicast Fast Drop(MFD)レートは、RPFチェック(非RPFパケット)に失敗するパケットを制限し、ハードウェア内の非RPFパケットの大部分を廃棄します。マルチキャスト プロトコル仕様に従って、ルータはPIMアサート メカニズムの非RPFパケットが機能するかどうかを確認する必要があるので、すべての非RPFパケットをハードウェア内で廃棄することはできません。PIMアサート メカニズムをサポートするため、PFCは非RPFフロー パケットの一部をMSFCにリークします。
非RPF-MFDは、デフォルト設定ではスイッチ上でイネーブルになっています。非RPF-MFDがサポートされるのは、Supervisor Engine 2に限られます。
直接接続サブネット インストールのイネーブル化
PIM sparseモードでは、インターフェイスのdesignated router(DR;指定ルータ)である第1ホップ ルータは、PIMレジスタ メッセージ内に送信元トラフィックをカプセル化し、rendezvous point(RP;ランデブー ポイント)にユニキャストすることが必要な場合があります。グループの新しい発信元がルーティング テーブル内で学習されないように、(*,G)フローは完全にハードウェア スイッチング フローのままである必要があります。ハードウェアFIBに組み込まれている(サブネット/マスク、224/4)エントリにより、(*,G)フローが完全にハードウェア スイッチング フローのままであることも、新しい直接接続発信元を完全に学習することもできます。直接接続サブネットのインストールは、デフォルトでグローバルにイネーブルです。PIM対応インターフェイスごとに1つずつ(サブネット/マスク、224/4)がインストールされます。
FIBエントリを表示するには、show mls ip multicast connectedコマンドを使用します。
直接接続サブネットのインストールをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにします。 |
Router(config) # mls ip multicast connected |
直接接続サブネットのインストールをイネーブルにする例を示します。
Router(config)# mls ip multicast connected
IGMPクエリアの機能
IGMPクエリア機能を使用すると、PIMおよびIGMPが設定されていないVLAN内でIGMPスヌーピングを行うことができます。マルチキャスト トラフィックはルーティングが不要なためです。
(注) マルチキャスト ルータのないVLANでIGMPスヌーピングを正しく機能させるには、IGMPクエリア機能をイネーブルにする必要があります。
VLANにIGMPクエリア機能を設定すると、スイッチは125秒間隔でIGMP汎用クエリ メッセージを送信し、他のスイッチからの汎用クエリ メッセージを待ち受けます。スイッチが汎用クエリを受信すると、クエリ送信元の選定が開始されます。スイッチ間でのクエリ送信元選定は、IPアドレスまたはMACアドレスのどちらかに基づいて行われます。着信クエリで、送信元IPアドレスがゼロ以外の場合、IPアドレスに基づいて選定が行われ、送信元IPアドレスの小さいスイッチがクエリ送信元になります。着信クエリで、送信元IPアドレスがゼロの場合は、送信元MACアドレスに基づいて選定が行われ、送信元MACアドレスの小さいスイッチが選定されてクエリ送信元になります。クエリ送信元に選定されなかったスイッチは、「他のクエリ送信元インターバル」タイマーを維持します。このタイマーが満了すると、そのスイッチはクエリ送信元として自己選定します。
IGMPクエリア機能をイネーブルにする手順については、「IGMPクエリア機能のイネーブル化」を参照してください。
スイッチにおけるIGMPスヌーピングの設定
IGMPスヌーピングにより、スイッチでIGMPパケットを確認し、パケットの内容に基づいて転送先を決定することができます。
(注) IGMPスヌーピングがイネーブルの場合、Quality of Service(QoS;サービス品質)はIGMPトラフィックをサポートしません。
ここでは、IGMPスヌーピングを設定する手順について説明します。
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「IGMPスヌーピングのデフォルト設定」
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「IGMPスヌーピングの設定時の注意事項」
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「IGMPスヌーピングのイネーブル化」
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「IGMPスヌーピング モードの指定」
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「IGMP高速脱退処理のイネーブル化」
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「IGMPバージョン3スヌーピングのイネーブル化」
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「IGMPバージョン3高速ブロック処理のイネーブル化」
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「IGMPクエリア機能のイネーブル化」
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「マルチキャスト ルータ情報の表示」
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「マルチキャスト グループ情報の表示」
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「IGMPスヌーピング統計情報の表示」
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「IGMP高速脱退処理のディセーブル化」
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「IGMPスヌーピングのディセーブル化」
IGMPスヌーピングのデフォルト設定
表 42-2 に、IGMPスヌーピングのデフォルト設定を示します。
(注) IGMPスヌーピングは、スーパバイザ エンジン ソフトウェア リリース5.5(9)以上および6.3(1)以上のリリースでデフォルトでイネーブルに設定されています。
表 42-2 IGMPスヌーピングのデフォルト設定
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IGMPスヌーピング |
イネーブル |
マルチキャスト ルータ |
設定なし |
IGMPスヌーピングの設定時の注意事項
IGMPスヌーピング設定時の注意事項は次のとおりです。
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IGMPバージョン3スヌーピングでは、プロキシ レポートのサポートはありません。IGMPバージョン2スヌーピングでは、最初のJoinと最後のLeaveだけがルータに転送されます。ルータによって開始されたGroup Specific(GS;グループ固有)クエリの場合、最低限1つのポートがグループに存在していれば、スイッチはレポートで応答します。IGMPバージョン3スヌーピングでは、すべてのレポートはルータに転送され、GSおよびGroup and Source-Specific(GSS;グループおよび送信元固有)クエリはVLANにフラッディングされ、メンバーシップを更新します。
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IGMPバージョン3スヌーピングが機能するには、最低限1台のバージョン3ルータがVLANになければなりません。
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IGMPバージョン2スヌーピングとは違い、IGMPバージョン3スヌーピングでは、再起動の後も保持される永続的なエントリは追加できません。
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IGMPバージョン2スヌーピング レポートはキャプチャされ、スーパバイザ エンジンに送信されます。IGMPバージョン3スヌーピング レポートは、アドレス224.0.0.22に送信されます。この範囲ではスヌーピングがサポートされていないため、レポートはフラッディング以外にスーパバイザ エンジン用にキャプチャされます。
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このリリースのIGMPバージョン3スヌーピングでは、RGMP、SPAN、およびRSPANの相互作用はイネーブルになっていません。
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IGMPクエリアは、IGMPバージョン2スヌーピングとだけ相互作用します。IGMPバージョン3スヌーピングをイネーブルにする前に、IGMPクエリアをディセーブルにする必要があります。
IGMPスヌーピングのイネーブル化
(注) GMRPがイネーブルの場合は、IGMPスヌーピングをイネーブルにできません。
IGMPスヌーピングをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチのIGMPスヌーピングをイネーブルにします。 |
set igmp enable |
ステップ 2 |
IGMPスヌーピングがイネーブルに設定されていることを確認します。 |
show igmp statistics [ vlan ] |
IGMPスヌーピングをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set igmp enable
IGMP Snooping is enabled.
Console> (enable) show igmp statistics
IGMP statistics for vlan 1:
Group Specific Queries: 0
Group Specific Queries: 0
Group and Source Specific Queries: 2
MAC-Based General Queries: 0
Failures to add GDA to EARL: 0
Topology Notifications: 0
IGMP Leave msgs in the list: 0
IGMP V3 IS_IN messages: 13
IGMP V3 IS_EX messages: 5
IGMP V3 TO_IN messages: 0
IGMP V3 TO_EX messages: 1
IGMP V3 ALLOW messages: 0
IGMP V3 BLOCK messages: 1
IGMPスヌーピング モードの指定
IGMPスヌーピングは、IGMP-onlyモードまたはIGMP-CGMPモードで動作します。スイッチは、ネットワーク上に存在するトラフィックに応じて、動的にIGMP-onlyモードまたはIGMP-CGMPモードのいずれかを選択します。IGMP-onlyモードは、CGMPデバイスがまったく存在しないネットワークで使用します。IGMP-CGMPモードは、IGMPデバイスとCGMPデバイスの両方が存在するネットワークで使用します。autoモードは、モードの動的スイッチングを無効にします。
IGMPスヌーピング モードを指定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
IGMPスヌーピング モードを指定します。 |
set igmp mode { igmp-only | igmp-cgmp | auto } |
ステップ 2 |
IGMPスヌーピング モードを表示します。 |
show igmp mode |
IGMPモードをIGMP-onlyに設定し、この設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set igmp mode igmp-only
IGMP mode set to igmp-only
Console> (enable) show igmp mode
IGMP Operational Mode: igmp-only
IGMP Address Aliasing Mode: normal
IGMP高速脱退処理のイネーブル化
IGMP高速脱退処理をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上でIGMP高速脱退処理をイネーブルにします。 |
set igmp fastleave enable |
ステップ 2 |
IGMP高速脱退処理がイネーブルに設定されていることを確認します。 |
show igmp statistics |
IGMP高速脱退処理をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set igmp fastleave enable
IGMP fastleave set to enable.
Console> (enable) show igmp statistics
IGMP statistics for vlan 1:
Group Specific Queries: 0
Group Specific Queries: 0
Group and Source Specific Queries: 2
MAC-Based General Queries: 0
Failures to add GDA to EARL: 0
Topology Notifications: 0
IGMP Leave msgs in the list: 0
IGMP V3 IS_IN messages: 13
IGMP V3 IS_EX messages: 5
IGMP V3 TO_IN messages: 0
IGMP V3 TO_EX messages: 1
IGMP V3 ALLOW messages: 0
IGMP V3 BLOCK messages: 1
IGMPバージョン3スヌーピングのイネーブル化
IGMPバージョン3スヌーピングをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
MSFCがインストールされている場合は、MSFCルータ プロンプトでMMLSをディセーブルにします。 |
no mls ip multicast |
ステップ 2 |
スイッチ上でIGMPバージョン3スヌーピングをイネーブルにします。 |
set igmp v3-processing enable |
ステップ 3 |
IGMPバージョン3スヌーピング情報を表示します。 |
show multicast v3-group show multicast router |
IGMPスヌーピングをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Router(config)# no mls ip multicast
Multilayer Switching for Multicast is disabled for this device.
Console> (enable) set igmp v3-processing enable
IGMP V3 processing enabled
Console> (enable) show multicast v3-group
Displaying V3 group information for all vlans
---------------------------------------------
(G,C): (227.1.1.1,2), V3 state: INC
V1/V2 Compatibility mode: none (V3)
Include list: 2.2.2.6, Src timer 125 sec, Ports: 6/29 15/1
2.2.2.5, Src timer 125 sec, Ports: 6/29 15/1
(G,C): (227.1.1.1,60), V3 state: INC
V1/V2 Compatibility mode: none (V3)
Include list: 2.2.2.7, Src timer 115 sec, Ports: 13/30 15/1
2.2.2.5, Src timer 115 sec, Ports: 13/30 15/1
2.2.2.8, Src timer 115 sec, Ports: 13/30 15/1
Console> (enable) show multicast v3-group 2 227.1.1.1
----IGMP V3 information----
(G,C): (227.1.1.1,2), V3 state: INC
V1/V2 Compatibility mode: none (V3)
Include list: 2.2.2.6, Src timer 125 sec, Ports: 6/29 15/1
2.2.2.5, Src timer 125 sec, Ports: 6/29 15/1
Console> (enable) show multicast v3-group
Displaying V3 group information for all vlans
---------------------------------------------
(G,C): (227.1.1.1,2), V3 state: EX
V1/V2 Compatibility mode: none (V3) Group timer: 125 sec
Exclude list: 2.2.2.6, Excluded Ports: 6/29
2.2.2.5, Excluded Ports: 6/29
Console> (enable) show multicast router
-------------- ----------------
Total Number of Entries = 1
IGMPバージョン3高速ブロック処理のイネーブル化
IGMPバージョン3高速ブロック処理をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上でIGMP高速ブロック処理をイネーブルにします。 |
set igmp fastblock enable |
ステップ 2 |
IGMP高速ブロック処理がイネーブルに設定されていることを確認します。 |
show multicast protocols status |
IGMP高速ブロック処理をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set igmp fastblock enable
IGMP V3 fastblock enabled
Console> (enable) show multicast protocols status
IGMP V3 processing enabled
IGMP V3 fastblock feature enabled
IGMPクエリア機能のイネーブル化
IGMPクエリア機能を使用すると、PIMおよびIGMPが設定されていないVLAN内でIGMPスヌーピングをサポートできます。マルチキャスト トラフィックはルーティングが不要なためです。
(注) VLAN内のすべてのスイッチに対してIGMPクエリアをイネーブルに設定することができます。1台のスイッチがクエリアとして選定されます。
VLAN内でIGMPクエリア機能をイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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特定のVLANまたはすべてのVLAN上でIGMPクエリア機能をイネーブルにします。 |
set igmp querier disable | enable vlan |
スイッチが汎用クエリを送信する間隔を指定します。デフォルトの設定は125秒です。 |
set igmp querier vlan qi val |
汎用クエリが送信されない場合に、クエリ送信元として自己選定するまでにスイッチが待機する時間の長さを指定します。デフォルトの設定は300秒です。 |
set igmp querier vlan oqi val |
IGMPクエリア情報を表示します。 |
show igmp querier information |
IGMPクエリア機能をイネーブルにし、クエリ送信元情報を表示する例を示します。
Console> (enable) set igmp querier enable 4001
Console> (enable) set igmp querier 4001 qi 130
Console> (enable) show igmp querier information
--------------------------------------------------------------------------------
| vlanNo | Querier State | Query Tx Count | QI (seconds)| OQI (seconds) |
--------------------------------------------------------------------------------
| 4001 | QUERIER | 0 | 130 | 300 |
--------------------------------------------------------------------------------
マルチキャスト ルータ情報の表示
IGMPスヌーピングをイネーブルにすると、スイッチは、マルチキャスト ルータの接続先ポートを自動的に学習します。
動的に学習されたマルチキャスト ルータ情報を表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
動的に学習されたマルチキャスト ルータ ポートおよび手動で設定されたマルチキャスト ルータ ポートの情報を表示します。 |
show multicast router [ mod/port ] [ vlan_id ] |
IGMPスヌーピングを使用して動的に学習されたマルチキャスト ルータ ポートの情報だけを表示します。 |
show multicast router igmp [ mod/port ] [ vlan_id ] |
すべてのマルチキャスト ルータ ポートについて情報を表示する例を示します(ポート5/7のマルチキャスト ルータの横にあるアスタリスク[*]は、そのエントリが手動で設定されたことを示しています)。
Console> (enable)
show multicast router
--------- ----------------
Total Number of Entries = 3
次に、IGMPにより動的に学習されたマルチキャスト ルータ ポートだけを表示する例を示します。
Console> (enable)
show multicast router igmp
--------- ----------------
Total Number of Entries = 2
マルチキャスト グループ情報の表示
マルチキャスト グループ情報を表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
マルチキャスト グループについての情報を表示します。 |
show multicast group [ mac_addr ] [ vlan_id ] |
IGMPにより動的に学習されたマルチキャスト グループの情報だけを表示します。 |
show multicast group igmp [ mac_addr ] [ vlan_id ] |
各VLANに含まれるマルチキャスト アドレス(グループ)の総数を表示します。 |
show multicast group count [ vlan_id ] |
各VLANで、IGMPによって動的に学習されたマルチキャスト アドレス(グループ)の総数を表示します。 |
show multicast group count igmp [ vlan_id ] |
スイッチ上のすべてのマルチキャスト グループについて、情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show multicast group
VLAN Dest MAC/Route Des Destination Ports or VCs / [Protocol Type]
---- ------------------ ----------------------------------------------------
1 01-00-11-22-33-44* 2/6-12
1 01-11-22-33-44-55* 2/6-12
1 01-22-33-44-55-66* 2/6-12
1 01-33-44-55-66-77* 2/6-12
Total Number of Entries = 4
IGMPスヌーピング統計情報の表示
スイッチ上のIGMPスヌーピング統計情報を表示するには、次の作業を行います。
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IGMPスヌーピング統計情報を表示します。 |
show igmp statistics [ vlan_id ] |
IGMPスヌーピング統計情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show igmp statistics
IGMP statistics for vlan 1:
Total valid pkts rcvd: 18951
Total invalid pkts recvd 0
General Queries recvd 377
Group Specific Queries recvd 0
MAC-Based General Queries recvd 0
Failures to add GDA to EARL 0
Topology Notifications rcvd 10
IGMP高速脱退処理のディセーブル化
IGMP高速脱退処理をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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スイッチ上でIGMP高速脱退処理をディセーブルにします。 |
set igmp fastleave disable |
スイッチのIGMP高速脱退処理をディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set igmp fastleave disable
IGMP fastleave set to disable.
IGMPスヌーピングのディセーブル化
スイッチのIGMPスヌーピングをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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|
スイッチのIGMPスヌーピングをディセーブルにします。 |
set igmp disable |
IGMPスヌーピングをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set igmp disable
IGMP feature for IP multicast disabled
スイッチにおけるGMRPの設定
ここでは、GMRPを設定する方法について説明します。
•
「GMRPのソフトウェア要件」
•
「GMRPのデフォルト設定」
•
「GMRPのグローバルなイネーブル化」
•
「スイッチ ポート単位でのGMRPのイネーブル化」
•
「スイッチ ポート単位でのGMRPのディセーブル化」
•
「GMRP forward-allオプションのイネーブル化」
•
「GMRP forward-allオプションのディセーブル化」
•
「GMRP登録の設定」
•
「GARPタイマーの設定」
•
「GMRP統計情報の表示」
•
「GMRP統計情報の消去」
•
「スイッチ上のGMRPのグローバルなディセーブル化」
(注) GMRP動作の概要については、「GMRPの機能」を参照してください。
GMRPのソフトウェア要件
GMRPを使用するには、リリース5.2以降のスーパバイザ エンジン ソフトウェア リリースが必要です。
GMRPのデフォルト設定
表 42-3 に、GMRPのデフォルト設定を示します。
表 42-3 GMRPのデフォルト設定
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GMRPイネーブル ステート |
ディセーブル |
GMRPポート別イネーブル ステート |
ディセーブル |
GMRP forward-all(すべて転送) |
すべてのポートでディセーブル |
GMRP登録 |
すべてのポートで標準 |
GARP/GMRPタイマー |
• Join時間:200ミリ秒 • Leave時間:600ミリ秒 • Leaveall時間:10,000ミリ秒 |
GMRPのグローバルなイネーブル化
(注) IGMPスヌーピングがイネーブルの場合は、GMRPをイネーブルにできません。
グローバルにGMRPをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上でグローバルにGMRPをイネーブルにします。 |
set gmrp enable |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
グローバルにGMRPをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set gmrp enable
Console> (enable) show gmrp configuration
Global GMRP Configuration:
GMRP Feature is currently enabled on this switch.
GMRP Timers (milliseconds):
Port based GMRP Configuration:
Port GMRP Status Registration ForwardAll
-------------------------------------------- ----------- ------------ ----------
1/1-2,3/1,6/1-48,7/1-24 Enabled Normal Disabled
スイッチ ポート単位でのGMRPのイネーブル化
(注) GMRPがグローバルにイネーブル化されているかどうかに関係なく、ポート単位でGMRPの設定を変更できます。ただし、GMRPをグローバルにイネーブル化するまで、GMRPは個々のポートに対して機能しません。スイッチに対するGMRPのグローバル設定については、「GMRPのグローバルなイネーブル化」を参照してください。
スイッチ ポート単位でGMRPをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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|
ステップ 1 |
スイッチ ポート単位でGMRPをイネーブルにします。 |
set port gmrp enable mod/port |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
ポート6/12でGMRPをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port gmrp enable 6/12
GMRP enabled on port 6/12.
Console> (enable) show gmrp configuration
Global GMRP Configuration:
GMRP Feature is currently enabled on this switch.
GMRP Timers (milliseconds):
Port based GMRP Configuration:
Port GMRP Status Registration ForwardAll
-------------------------------------------- ----------- ------------ ----------
1/1-2,3/1,6/1-9,6/12,6/15-48,7/1-24 Enabled Normal Disabled
6/10-11,6/13-14 Disabled Normal Disabled
スイッチ ポート単位でのGMRPのディセーブル化
(注) GMRPがグローバルにイネーブル化されているかどうかに関係なく、ポート単位でGMRPの設定を変更できます。ただし、GMRPをグローバルにイネーブル化するまで、GMRPは個々のポートに対して機能しません。スイッチに対するGMRPのグローバル設定については、「GMRPのグローバルなイネーブル化」を参照してください。
スイッチ ポート単位でGMRPをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ ポート単位でGMRPをディセーブルにします。 |
set port gmrp disable mod/port |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
次に、ポート6/10~14でGMRPをディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port gmrp disable 6/10-14
GMRP disabled on ports 6/10-14.
Console> (enable) show gmrp configuration
Global GMRP Configuration:
GMRP Feature is currently enabled on this switch.
GMRP Timers (milliseconds):
Port based GMRP Configuration:
Port GMRP Status Registration ForwardAll
-------------------------------------------- ----------- ------------ ----------
1/1-2,3/1,6/1-9,6/15-48,7/1-24 Enabled Normal Disabled
6/10-14 Disabled Normal Disabled
GMRP forward-allオプションのイネーブル化
ポート上でGMRP forward-allオプションをイネーブルにすると、スイッチで登録されているすべてのマルチキャスト トラフィックのコピーがそのポートに転送されます。マルチキャストを受信しなければならないルータに接続されているすべてのポート上で、forward-allオプションをイネーブルにしてください(ルータはGMRPをサポートしないので、GMRP Joinメッセージを送信できません)。forward-allオプションを使用して、ネットワーク アナライザまたはプローブが接続されたポートに、すべての登録マルチキャスト トラフィックを転送することもできます。
スイッチ ポート上でGMRP forward-allオプションをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
スイッチ ポート上でGMRP forward-allオプションをイネーブルにします。 |
set gmrp fwdall enable mod/port |
ポート1/1でGMRP forward-allオプションをイネーブルにする例を示します。
Console> (enable) set gmrp fwdall enable 1/1
GMRP Forward All groups option enabled on port 1/1.
GMRP forward-allオプションのディセーブル化
ポート上でGMRP forward-allオプションをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
ポート上でGMRP forward-allオプションをディセーブルにします。 |
set gmrp fwdall disable mod/port |
ポート1/1でGMRP forward-allオプションをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set gmrp fwdall disable 1/1
GMRP Forward All groups option disabled on port 1/1.
normal(標準)登録の設定
normal 登録モードでポートを設定すると、そのポート上で動的なGMRPマルチキャストの登録および登録解除ができるようになります。すべてのスイッチ ポートでnormalモードがデフォルトの設定です。
ポート上でnormal登録モードを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
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ステップ 1 |
ポート上でnormal登録を設定します。 |
set gmrp registration normal mod/port |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
ポート2/10にnormal登録を設定する例を示します。
Console> (enable) set gmrp registration normal 2/10
GMRP Registration is set normal on port 2/10.
fixed(固定)登録の設定
fixed 登録モードでポートを設定すると、その時点ですべてのポートで登録されているマルチキャスト グループが、すべてそのポートに登録されます。ただし、それ以後、他のポートで登録または登録解除が行われても無視されます。fixed登録モードのポートは引き続き、そのポート固有のマルチキャスト グループを登録します。そのポートのマルチキャスト グループの登録を解除するには、ポートを normal 登録モードに戻す必要があります。
ポート上でfixed登録モードを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート上でfixed登録を設定します。 |
set gmrp registration fixed mod/port |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
ポート2/10にfixed登録を設定し、その設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set gmrp registration fixed 2/10
GMRP Registration is set fixed on port 2/10.
Console> (enable) show gmrp configuration
Global GMRP Configuration:
GMRP Feature is currently enabled on this switch.
GMRP Timers (milliseconds):
Port based GMRP Configuration:
GMRP-Status Registration ForwardAll Port(s)
----------- ------------ ---------- --------------------------------------------
Enabled Normal Disabled 1/1-4
Enabled Fixed Disabled 2/10
forbidden(禁止)登録の設定
forbidden 登録モードでポートを設定すると、すべてのGMRPマルチキャストを登録解除し、そのポート上での以降のGMRPマルチキャスト登録を防止することができます。
ポート上でforbidden登録モードを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
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ステップ 1 |
ポート上でforbidden登録を設定します。 |
set gmrp registration forbidden mod/port |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show gmrp configuration |
ポート2/10にforbidden登録を設定し、その設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set gmrp registration forbidden 2/10
GMRP Registration is set forbidden on port 2/10.
Console> (enable) show gmrp configuration
Global GMRP Configuration:
GMRP Feature is currently enabled on this switch.
GMRP Timers (milliseconds):
Port based GMRP Configuration:
GMRP-Status Registration ForwardAll Port(s)
----------- ------------ ---------- --------------------------------------------
Enabled Normal Disabled 1/1-4
Enabled Forbidden Disabled 2/10
GARPタイマーの設定
(注) set gmrp timerおよびshow gmrp timerコマンドは、set garp timerおよびshow garp timerコマンドのエイリアスです。必要に応じてこれらのエイリアスを使用できます。
(注) GARPタイマーの値を変更すると、GMRPだけではなく、スイッチで実行しているすべてのGARPアプリケーションに影響を及ぼします(たとえば、GVRPは同じタイマーを使用します)。
(注) GMRP Leaveallメッセージを送信するポートのみが、以前にGMRP Joinメッセージを受信しています。
デフォルトのGARPタイマー値は、スイッチ上で変更できます。
タイマー値を設定する場合には、 leave の値を join の値の3倍以上にしなければなりません( leave >= join ×3)。また、 leaveall の値は、 leave の値より大きくなければなりません( leaveall > leave )。スイッチに登録する属性が多いほど、 leave 値と join 値の差を広げて設定する必要があります。
多数のマルチキャスト グループが登録された状況で、スイッチのパフォーマンスをさらに向上させるには、タイマー値を秒単位まで増やします。
このルールから外れたタイマー値を設定しようとすると、エラーが返されます。たとえば、 leave タイマーを600ミリ秒に設定し、 join タイマーを350ミリ秒に設定しようとすると、エラーになります。この場合、 leave タイマーを1050ミリ秒以上に設定してから、 join タイマーを350ミリ秒に設定してください。
注意 レイヤ2で接続されたすべての装置に同じGARPタイマー値を設定してください。レイヤ2で接続された装置間でGARPタイマーが異なっていると、GARPアプリケーション(たとえば、GMRPおよびGVRP)が正常に動作しません。
GARPタイマーの値を設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
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ステップ 1 |
GARPタイマー値を設定します。 |
set garp timer { join | leave | leaveall } timer_value |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show garp timer |
GARPタイマーを設定し、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set garp timer leaveall 12000
GMRP/GARP leaveAll timer value is set to 12000 milliseconds.
Console> (enable) set garp timer leave 650
GMRP/GARP leave timer value is set to 650 milliseconds.
Console> (enable) set garp timer join 300
GMRP/GARP join timer value is set to 300 milliseconds.
Console> (enable) show garp timer
Timer Timer Value (milliseconds)
-------- --------------------------
GMRP統計情報の表示
スイッチ上のGMRP統計情報を表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
GMRP統計情報を表示します。 |
show gmrp statistics [ vlan_id ] |
VLAN 23のGMRP統計情報を表示する例を示します。
Console> show gmrp statistics 23
GMRP Statistics for vlan <23>:
Total valid GMRP Packets Received:500
Total valid GMRP Packets Transmitted:600
Total valid GMRP Packets Received:0
Total GMRP packets dropped:0
Total GMRP Registrations Failed:0
GMRP統計情報の消去
スイッチ上のGMRP統計情報を消去するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
GMRP統計情報を消去します。 |
clear gmrp statistics { vlan_id | all } |
すべてのVLANについて、GMRP統計情報を消去する例を示します。
Console> (enable) clear gmrp statistics all
スイッチ上のGMRPのグローバルなディセーブル化
スイッチ上でグローバルにGMRPをディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
スイッチ上でグローバルにGMRPをディセーブルにします。 |
set gmrp disable |
スイッチ上でグローバルにGMRPをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set gmrp disable
RGMPの機能
RGMPは、関与しないマルチキャスト ルータだけに接続しているポートを介してスイッチからマルチキャスト トラフィックが送信されることを抑制します。Catalyst 6500シリーズ スイッチは、RGMPをサポートします。RGMPを使用すると、受信ルータとして設定したルータだけにマルチキャスト データ トラフィックが転送されるので、ネットワークの輻輳が軽減されます。
(注) RGMPを使用するには、スイッチ上でIGMPスヌーピングをイネーブルにする必要があります。IGMPスヌーピングは、ホストが接続されているスイッチ ポートからのマルチキャスト トラフィック送信を抑制します。IGMPスヌーピングは、1つまたは複数のマルチキャスト ルータが接続されているポートからのトラフィックは抑制しません。
(注) RGMPを動作させるすべてのルータおよびスイッチ上で、PIMをイネーブルにする必要があります。現在サポートされているのは、PIM sparseモードだけです。
ネットワーク上のすべてのルータがRGMP対応でなければなりません。RGMP対応ルータは、スイッチにRGMP Helloメッセージを定期的に送信します。RGMP Helloメッセージはスイッチに対して、ルータからスイッチにRGMP Joinメッセージも送信された場合に限り、そのルータにマルチキャスト データを送信するように指示します。RGMP Joinメッセージが送信されると、ルータはマルチキャスト データを受信できるようになります。RGMPデータを受信できるようにルータを設定する方法については、「RGMP関連のCLIコマンド」を参照してください。
マルチキャスト データの受信を中止する場合、ルータからスイッチへ、RGMP Leaveメッセージを送信する必要があります。ルータ上でRGMPをディセーブルにするには、ルータからスイッチへ、RGMP Byeメッセージを送信しなければなりません。
表 42-4 に、RGMPパケット タイプの概要を示します。
表 42-4 RGMPパケット タイプ
|
|
Hello |
ルータ上でRGMPがイネーブルになっている場合、スイッチがルータにマルチキャスト データ トラフィックを送信するのは、グループに対してRGMP Joinが送信された場合に限られます。 |
Bye |
ルータ上でRGMPがディセーブルになっている場合、スイッチはルータにすべてのマルチキャスト データ トラフィックを送信します。 |
Join |
マルチキャストMACアドレス宛のマルチキャスト データ トラフィックが、レイヤ3グループ アドレスGからルータへ送信されます。これらのパケットは、RGMPパケットのGroup AddressフィールドにグループGが指定されています。 |
Leave |
グループG宛のマルチキャスト データ トラフィックは、ルータに送信されません。これらのパケットは、RGMPパケットのGroup AddressフィールドにグループGが指定されています。 |
RGMPを使用する場合の制限事項は、次のとおりです。
•
sparse(疎)モードに限定 ― RGMPがサポートしているのはPIM sparseモードだけです。RGMPは、PIM dense(密)モードをサポートしていません。ただし、RGMPでは、2つのAutoRPグループのdenseモードがサポートされます。これらのグループへのトラフィックは抑制されず、すべてのルータ ポートにフラッディングされます。そのため、PIM sparse-denseモードを設定する必要があります。AutoRPグループ以外のグループをdenseモードに設定すると、これらのトラフィックは、RGMP対応ルータ ポートからは正しく転送されません。
•
RGMPを使用してマルチキャスト トラフィックを効率的に抑制するには、RGMP対応ルータを、RGMP対応スイッチ上の個別ポートに接続してください。
•
RGMPは、RGMP対応ルータを検出したポートからのトラフィック送信を抑制するだけです。ポート上でRGMP非対応ルータが検出されると、そのポートはすべてのマルチキャスト トラフィックを受信します。
•
RGMPは、ネットワーク上の直接接続された送信元をサポートしていません。直接接続された送信元のトラフィックは、RGMPまたはPIMが適用されずにネットワーク上に送信されます。RGMP対応ルータは、RGMPを介したそのグループからの受信をあらかじめ要求していないかぎり、このトラフィックを受信しません。この制約は、ホストおよびルータのマルチキャスト トラフィック送信機能( ping コマンドや mtrace コマンドなど、およびUDPTNなどのマルチキャスト トラフィックを送信するマルチキャスト アプリケーション)に適用されます。
•
RGMPは、ネットワーク内の直接接続されたレシーバーをサポートします。これらのレシーバーへのトラフィックは、IGMPスヌーピングによって制限されます。または、レシーバーがルータ自体の場合、PIMおよびRGMPによって制限されます。ルータ上でRGMPがイネーブルになっている場合、ネットワーク上のCGMPはサポートされません。ルータ インターフェイスでイネーブルにできるのは、RGMPまたはCGMPのどちらか一方だけです。インターフェイス上でRGMPをイネーブルにすると、CGMPは自動的にディセーブルになります。逆の場合も同じです。
•
RGMPの次の特性は、IGMPスヌーピングと同じです。
–
RGMPは、送信元のIPアドレスではなく、マルチキャスト グループに基づいてトラフィックを抑制します。
–
ネットワークのスパニング ツリー トポロジーが変更された場合、CGMPと同様に、ステートは反映されません。
–
RGMPは、RGMP制御ネットワークでPIMv2 Bootstrap Router(BSR;ブートストラップ ルータ)を使用できるマルチキャスト グループ224.0.0.x(x = 0...255)のトラフィックは抑制しません。
–
シスコ スイッチのRGMPは、IPマルチキャスト アドレス上ではなく、MACアドレス上に適用されます。1つのMACアドレスに複数のIPマルチキャスト アドレスをマッピングできますが(RFC 1112を参照)、RGMPは1つのMACアドレスにマッピングされた複数のIPマルチキャスト グループを識別しません。
–
スイッチのトラフィック抑制機能は、Content Addressable Memory(CAM;コンテンツ アドレス可能メモリ)テーブルの容量により制限されます。
スイッチにおけるRGMPの設定
ここでは、RGMPの設定コマンドについて説明します。
•
「スーパバイザ エンジン上でのRGMPの設定」
•
「MSFC上でのRGMPの設定」
RGMPのデフォルト設定
RGMPはディセーブルがデフォルトの設定です。
RGMPのイネーブル化およびディセーブル化
(注) RGMPをイネーブルにするには、IGMPスヌーピングがイネーブルに設定されている必要があります。
RGMPをイネーブルまたはディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
RGMPをイネーブルにします。 |
set rgmp enable |
RGMPをディセーブルにします。 |
set rgmp disable |
RGMPをイネーブルにする例を示します。
Console> (enable) set rgmp enable
次に、RGMPをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set rgmp disable
RGMPグループ情報の表示
次のコマンドを使用して、1つまたは複数のRGMP対応ルータによって加えられたマルチキャスト グループをすべて表示し、さらに、1つまたは複数のRGMP対応ルータによって加えられたマルチキャスト グループの数を表示します。
RGMPグループ情報を表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
1つまたは複数のRGMP対応ルータによって加えられたマルチキャスト グループをすべて表示します。 |
show rgmp group [ mac_addr ] [ vlan_id ] |
1つまたは複数のRGMP対応ルータによって加えられたマルチキャスト グループの数を表示します。 |
show rgmp group count [ vlan_id ] |
RGMPグループ情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show rgmp group
Vlan Dest MAC/Route Des RGMP Joined Router Ports
---------------------------------------------------------------------------------------
1 01-00-5e-00-01-28 5/1,5/15
2 01-00-5e-27-23-70* 3/1, 5/1
Total Number of Entries = 3
Console> (enable) show rgmp group count 1
Total Number of Entries = 2
RGMP VLAN統計情報の表示
指定したVLANのRGMP統計情報を表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
指定されたVLANのRGMP統計情報を表示します。 |
show rgmp statistics [ vlan ] |
次に、特定のVLANについてRGMP統計情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show rgmp statistics 23
RGMP Statistics for vlan <23>:
RGMP対応ルータ ポートの表示
次のコマンドを使用すると、検出されたRGMP対応ルータ ポートが表示されます。ポートの前にある[+]が、RGMP対応ルータであることを示しています。
RGMP対応ルータ ポートを表示するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
RGMP対応ルータ ポートを表示します。 |
show multicast router [ igmp | rgmp ] [ mod/port ] [ vlan_id ] |
RGMP対応ルータに接続しているポートを表示する例を示します。
Console> (enable) show multicast router
Total Number of Entries = 3
RGMP統計情報の消去
次のコマンドを使用すると、保存されているRGMP統計情報が消去されます。
RGMP統計情報を消去するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
|
|
RGMP統計情報を消去します。 |
clear rgmp statistics |
RGMP統計情報を消去する例を示します。
Console> (enable) clear rgmp statistics
RGMP関連のCLIコマンド
ルータからアクセスできるRGMP関連のCLIコマンドは、次のとおりです。
|
|
RGMPをイネーブルまたはディセーブルにします。 |
ip rgmp |
RGMPデバッギングをイネーブルまたはディセーブルにします。 |
debug ip rgmp { group name | group address } |
MSFC上でのRGMPの設定
MSFC上のVLANインターフェイスにRGMPを設定するには、次の作業を行います。
|
|
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ステップ 1 |
VLANインターフェイス コンフィギュレーション モードにアクセスします。 |
Router(config)# interface vlan vlan_ID |
ステップ 2 |
RGMPをイネーブルにします。 |
Router(config-if)# ip rgmp |
debug ip rgmp コマンドを使用して、MSFC上のRGMPをモニタできます。