VLANトランクの機能
ここでは、Catalyst 6500シリーズ スイッチ上でのVLANトランクの機能について説明します。
• 「トランクの概要」
• 「トランキング モードおよびカプセル化タイプ」
• 「802.1Qトランク設定時の注意事項および制限事項」
トランクの概要
トランクとは、1つまたは複数のイーサネット スイッチ ポートと他のネットワーキング装置(別のスイッチ、ルータなど)の間に設定するポイントツーポイント リンクです。トランクを使用して複数のVLANトラフィックを転送することにより、ネットワーク全体にわたってVLANを拡張することができます。
すべてのイーサネット ポートで、次の2種類のトランキング カプセル化方式を使用できます。
• ISL(スイッチ間リンク) ― ISLは、シスコ独自のトランキング カプセル化方式です。
• IEEE 802.1Q ― 802.1Qは、業界標準のトランキング カプセル化方式です。
トランクを設定できるのは、1つのイーサネット ポートまたはEtherChannelバンドルに対してです。EtherChannelの詳細については、「EtherChannelの設定」を参照してください。
イーサネットのトランク ポートは、5種類のトランキング モードをサポートしています( 表 5-1 を参照)。さらに、トランクでのISLカプセル化の使用、802.1Qカプセル化の使用、またはカプセル化タイプの自動ネゴシエーションを指定することもできます。
自動ネゴシエーションでトランキングを行うには、各ポートが同じVLAN Trunking Protocol(VTP; VLANトランキング プロトコル)ドメインに存在する必要があります。ただし、異なるドメインにあっても、 on または nonegotiate モードを使用して、ポートを強制的にトランクにすることができます。VTPドメインの詳細については、「VTPの設定」を参照してください。
トランク ネゴシエーションは、Dynamic Trunking Protocol(DTP)によって管理されます。DTPは、ISLおよび802.1Qの両方のトランクで自動ネゴシエーションをサポートします。
トランキング モードおよびカプセル化タイプ
(注) 10ギガビット イーサネット スイッチング モジュールは、ISLカプセル化をサポートしません。
表 5-1 に、 set trunk コマンドで設定できるトランキング モード、およびファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および10ギガビット イーサネット ポートでのこれらのモードの機能を示します。
表 5-1 イーサネット トランキング モード
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ポートに永続的なトランキング モードを設定し、リンクをトランク リンクに変換するためのネゴシエーションを行います。近接ポートが変更に同意しなくても、ポートはトランク ポートになります。 |
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ポートに永続的な非トランキング モードを設定し、リンクを非トランク リンクに変換するためのネゴシエーションを行います。近接ポートが変更に同意しなくても、ポートは非トランク ポートになります。 |
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リンクからトランク リンクへの変換をポートに積極的に試行させます。近接ポートが on 、 desirable 、または auto モードに設定されていれば、ポートはトランク ポートになります。 |
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ポートにリンクからトランク リンクへの変換を試行させます。近接ポートが on または desirable モードに設定されていれば、ポートはトランク ポートになります。これはすべてのイーサネット ポートのデフォルトのモードです。 |
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ポートを永続的なトランキング モードにしますが、ポートがDTPフレームを生成しないようにします。トランク リンクを確立するには、近接ポートを手動でトランク ポートとして設定する必要があります。 |
表 5-2 に、 set trunk コマンドで設定できるカプセル化タイプ、およびイーサネット ポートでの機能を示します。 show port capabilities コマンドを使用すると、個々のポートでサポートされるカプセル化タイプを調べることができます。
表 5-2 イーサネット トランク カプセル化タイプ
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トランク リンクにISLカプセル化を指定します。 |
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トランク リンクに802.1Qカプセル化を指定します。 |
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ポートが近接ポートとネゴシエーションを行い、近接ポートの設定および機能に応じて、ISL(優先)または802.1Qトランクになることを指定します。 |
トランク リンクを確立できるかどうか、また、確立したリンクに設定されるトランク タイプは、2つの接続ポートのトランキング モード、トランク カプセル化タイプ、およびハードウェア機能によって決まります。 表 5-3 に、可能なトランク設定およびその結果を示します。
表 5-3 ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および10ギガビット イーサネットのトランク設定の結果
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ローカル ポートのトランク モードおよびカプセル化
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
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ローカル: 非トランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: ISLトランク1 |
ローカル: 非トランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 非トランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: ISLトランク1 近接: 1Qトランク1 |
ローカル: 非トランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
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ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 1Qトランク 近接: 1Qトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
ローカル: ISLトランク 近接: ISLトランク |
ローカル: 非トランク 近接: 非トランク |
(注) DTPはポイントツーポイント プロトコルです。ただし、インターネットワーキング装置によっては、DTPフレームが正しく転送されないことがあります。この問題を回避するために、スイッチ以外の装置に接続するポートで、これらのポートのリンクにトランクを使用しない場合には、トランク モードを必ずoffに設定してください。シスコ ルータへのリンク上のトランクを手動でイネーブルにする場合は、nonegotiateキーワードを使用してください。これにより、ポートはトランクを設定してもDTPフレームを生成しません。
802.1Qトランク設定時の注意事項および制限事項
802.1Qトランクを使用し、かつネットワークのトランク設定にいくつかの制限を設ける場合、以下の注意事項および制限事項を考慮してください。
• 802.1Qトランクを介してシスコ製スイッチを接続している場合は、802.1QトランクのネイティブVLANが、トランク リンクの両端で同じであることを確認してください。トランクの一端のネイティブVLANと反対側のネイティブVLANが異なると、スパニングツリー ループの原因になります。
• ネットワーク上のすべてのVLANについてスパニングツリーをディセーブルにせずに、802.1QトランクのネイティブVLAN上のスパニングツリーをディセーブルにすると、スパニングツリー ループが発生することがあります。802.1QトランクのネイティブVLAN上のスパニングツリーは、イネーブルのままにしてください。それができない場合は、ネットワークの全VLANのスパニングツリーをディセーブルにしてください。スパニングツリーをディセーブルにする場合には、前もってネットワークで物理ループが発生しないことを確認してください。
• 802.1Qトランクを使用して2台のシスコ製スイッチを接続している場合は、スイッチはトランク上で許容されているVLANごとにスパニングツリーBPDUを交換します。トランクのネイティブVLAN上のBPDUは、タグなしで予約IEEE 802.1Dスパニングツリー マルチキャストMACアドレス(01-80-C2-00-00-00)に送信されます。トランクの残りのVLAN上のBPDUは、タグ付きで予約Cisco Shared Spanning Tree(SSTP)マルチキャストMACアドレス(01-00-0c-cc-cc-cd)に送信されます。
• 他社製の802.1Qスイッチは、全VLANのスパニングツリー トポロジーを定義するスパニングツリーの1つのインスタンス(Mono Spanning Tree[MST;モノ スパニングツリー])しか維持しません。802.1Qトランクを介して他社製のスイッチにシスコ製スイッチを接続すると、他社製のスイッチのMSTとシスコ製スイッチのネイティブVLANスパニングツリーが統合されて、Common Spanning Tree(CST;コモン スパニングツリー)という1つのスパニングツリー トポロジーを形成します。
他社製のスイッチにシスコ製スイッチを接続すると、CSTは常にVLAN 1上にあります。シスコ製スイッチは、CSTのVLAN 1上でタグのないIEEE BPDU(01-80-C2-00-00-00)を送信します。ネイティブVLAN上では、シスコ製スイッチはタグのないCisco BPDU(01-00-0C-CC-CC-CC)を送信します。このCisco BPDUは他社製スイッチが転送しても処理対象になりません(ネイティブVLANでは、IEEE BPDUは転送されません)。
• シスコ製スイッチは、トランクのネイティブVLAN以外のVLAN上でSSTPマルチキャストMACアドレスにBPDUを送信するので、他社製のスイッチはこれらのフレームをBPDUとは認識せず、対応するVLANの全ポートにフラッディングします。他社製の802.1Qに接続された他のシスコ製スイッチは、このフラッディングされたBPDUを受信します。これにより、シスコ製スイッチは、他社製の802.1Qスイッチ群の間で、VLANごとにスパニングツリー トポロジーを維持できます。シスコ製スイッチを隔てる他社製の802.1Q群は、802.1Qトランクを介して他社製の802.1Q群に接続している全スイッチ間の単一のブロードキャスト セグメントとして処理されます。
• ネイティブVLANは、他社製の802.1Q群にシスコ製スイッチを接続する「すべての」802.1Qトランク上で必ず同じになるようにしてください。
• 他社製の802.1Q群に複数のシスコ製スイッチを接続する場合は、すべての接続において802.1Qトランクを使用する「必要があります」。ISLトランクまたはアクセス ポートを使用して、シスコ製スイッチを他社製の802.1Q群に接続することは「できません」。接続した場合、ISLトランクまたはアクセス ポートは、スイッチによりスパニングツリーの「ポートに一貫性のない(port inconsistent)」ステートになり、そのポートではトラフィックを伝送できません。
トランク リンクの設定
ここでは、イーサネット ポートのトランク リンクの設定手順、およびトランク上でのVLAN許容範囲の定義方法について説明します。
• 「ISLトランクの設定」
• 「802.1Qトランクの設定」
• 「ISL/802.1Qネゴシエーション トランク ポートの設定」
• 「トランク上での許容VLANの定義」
• 「トランク ポートのディセーブル化」
• 「トランク上でのVLAN 1のディセーブル化」
• 「ネイティブVLANトラフィックの802.1Qタギングのイネーブル化」
• 「特定ポートでの802.1Qタギングのディセーブル化」
ISLトランクの設定
ISLトランクを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ISLトランクを設定します。 |
set trunk mod/port [ on | desirable | auto | nonegotiate ] isl |
ステップ 2 |
トランキングの設定を確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
ポートをトランクとして設定し、トランク設定を確認する例を示します。この例では、近接ポートが auto モードに設定されています。
Console> (enable) set trunk 1/1 on
Port(s) 1/1 trunk mode set to on.
Console> (enable) 06/16/1998,22:16:39:DTP-5:Port 1/1 has become isl trunk
06/16/1998,22:16:40:PAGP-5:Port 1/1 left bridge port 1/1.
06/16/1998,22:16:40:PAGP-5:Port 1/1 joined bridge port 1/1.
Console> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
次に、ポートを desirable モードに設定し、トランク設定を確認する例を示します。この例では、近接ポートが auto モードに設定されています。
Console> (enable) set trunk 1/2 desirable
Port(s) 1/2 trunk mode set to desirable.
Console> (enable) 06/16/1998,22:20:16:DTP-5:Port 1/2 has become isl trunk
06/16/1998,22:20:16:PAGP-5:Port 1/2 left bridge port 1/2.
06/16/1998,22:20:16:PAGP-5:Port 1/2 joined bridge port 1/2.
Console> (enable) show trunk 1/2
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/2 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
802.1Qトランクの設定
802.1Qトランクを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
802.1Qトランクを設定します。 |
set trunk mod/port [ on | desirable | auto | nonegotiate ] dot1q |
ステップ 2 |
トランキングの設定を確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
802.1Qトランクを設定し、トランク設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set trunk 2/9 desirable dot1q
Port(s) 2/9 trunk mode set to desirable.
Port(s) 2/9 trunk type set to dot1q.
Console> (enable) 07/02/1998,18:22:25:DTP-5:Port 2/9 has become dot1q trunk
Console> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
2/9 desirable dot1q trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
2/9 1,5,10-32,101-120,150,200,250,300,400,500,600,700,800,900,1000
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
2/9 5,10-32,101-120,150,200,250,300,400,500,600,700,800,900,1000
ISL/802.1Qネゴシエーション トランク ポートの設定
トランク ポートがトランク カプセル化タイプ(ISLまたは802.1Q)のネゴシエーションを行うように設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポートにトランク カプセル化タイプのネゴシエーションを設定します。 |
set trunk mod/port [ on | desirable | auto | nonegotiate ] negotiate |
ステップ 2 |
トランキングの設定を確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
ポートにカプセル化タイプのネゴシエーションを設定し、トランク設定を確認する例を示します。この例では、近接ポートは auto モードで、カプセル化は isl または negotiate が設定されています。
Console> (enable) set trunk 4/11 desirable negotiate
Port(s) 4/11 trunk mode set to desirable.
Port(s) 4/11 trunk type set to negotiate.
Console> (enable) show trunk 4/11
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
4/11 desirable n-isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
4/11 1,5,10-32,55,101-120,998-1000
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
4/11 1,5,10-32,55,101-120,998-1000
トランク上での許容VLANの定義
トランク ポートを設定すると、すべてのVLANがそのトランクの許容VLANリストに追加されます。許容リストからVLANを削除することにより、特定のVLANのトラフィックがトランク上で伝送されないようにすることができます。
(注) ポートを最初にトランクとして設定する時点では、set trunkコマンドの入力により、常にトランクの許容VLANリストにすべてのVLANが追加されます。VLAN範囲を指定しても、そのVLAN範囲は無視されます。許容VLANリストを変更するには、clear trunkコマンドとset trunkコマンドを組み合わせて、許容VLANを設定します。
トランク ポートの許容VLANリストを定義するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
トランクの許容VLANリストからVLANを削除します。 |
clear trunk mod/port vlans |
ステップ 2 |
(任意)トランクの許容VLANリストに、特定のVLANを追加します。 |
set trunk mod/port vlans |
ステップ 3 |
トランクの許容VLANリストを確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
トランク ポート1/1の許容VLANリストでVLAN 1~100、VLAN 500~1005、およびVLAN 2500が許可されるように定義し、トランクに設定した許容VLANリストを確認する例を示します。
Console> (enable) clear trunk 1/1 101-499
Removing Vlan(s) 101-499 from allowed list.
Port 1/1 allowed vlans modified to 1-100,500-1005.
Console> (enable) set trunk 1/1 2500
Adding vlans 2500 to allowed list.
Port(s) 1/1 allowed vlans modified to 1-100,500-1005,2500.
Console> (enable) show trunk 1/1
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/1 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
トランク ポートのディセーブル化
ポートのトランキング機能をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポートのトランキングをオフにします。 |
set trunk mod/port off |
ステップ 2 |
トランキングの設定を確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
ポートをそのポート タイプに応じたデフォルトのトランク タイプおよびモードに戻すには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポートを、そのポート タイプに応じたデフォルトのトランク タイプおよびモードに戻します。 |
clear trunk mod/port |
ステップ 2 |
トランキングの設定を確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
トランク上でのVLAN 1のディセーブル化
Catalyst 6500シリーズ スイッチでは、制御プロトコルがネットワーク トポロジー全体でパケットを送受信できるよう、VLAN 1はデフォルトでイネーブルに設定されています。ただし、大規模で複雑なネットワークのトランク リンクでVLAN 1がイネーブルになっていると、ブロードキャスト ストームによる影響が大きくなります。スパニングツリーはネットワーク全体に適用されるので、すべてのトランク リンクでVLAN 1がイネーブルになっていると、スパニングツリー ループが発生する可能性が大きくなります。このような状況を防ぐため、トランク インターフェイスでVLAN 1をディセーブルにすることができます。
トランク インターフェイスでVLAN 1をディセーブルにすると、そのトランク インターフェイスではユーザ トラフィックは送受信されなくなりますが、スーパバイザ エンジンが引き続きCisco Discovery Protocol(CDP)、VTP、Port Aggregation Protocol(PAgP)、およびDTPなどの制御プロトコルからのパケットを送受信します。
VLAN 1をディセーブルにしたトランク ポートが非トランク ポートになると、そのポートはネイティブVLANに追加されます。ネイティブVLANがVLAN 1である場合は、ポートはイネーブルになり、VLAN 1に追加されます。
トランク インターフェイスでVLAN 1をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
トランク インターフェイスでVLAN 1をディセーブルにします。 |
clear trunk mod/port [ vlan-range ] |
ステップ 2 |
トランクの許容VLANリストを確認します。 |
show trunk [ mod/port ] |
トランク リンクでVLAN 1をディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable)
clear trunk 8/1 1
Removing Vlan(s) 1 from allowed list.
Port 8/1 allowed vlans modified to 2-1005.
Console> (enable) show trunk 8/1
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
8/1 2-6,10,20,50,100,152,200,300,400,500,521,524,570,776,801-802,850,917,9
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
8/1 2-6,10,20,50,100,152,200,300,400,500,521,524,570,776,802,850,917,999,1
Console> (enable) show config
ネイティブVLANトラフィックの802.1Qタギングのイネーブル化
set dot1q-all-tagged enable コマンドは、スイッチがネイティブVLAN(デフォルトVLAN)内のトラフィックも含めて802.1Qトランクからの全フレーム(802.1Qタグ付き)を転送し、802.1Qトランクには802.1Qタグ付きフレームだけを流し、タグのないトラフィック(ネイティブVLAN内のタグなしトラフィックも含む)は廃棄するように設定するグローバル コマンドです。802.1Qトランクによる802.1Qトンネリングのサポートが必要な任意のスイッチに、このコマンドを入力できます。
802.1Qトランクですべての802.1Qタグ付きフレームを転送するようにスイッチを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチがすべての802.1Qタグ付きフレームを転送できるようにします。 |
set dot1q-all-tagged enable [ all ] |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show dot1q-all-tagged |
すべての802.1Qトラフィックをスイッチが転送できるようにし、その設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set dot1q-all-tagged enable
Dot1q-all-tagged feature enabled globally.
Console> (enable) show dot1q-all-tagged
Dot1q-all-tagged feature globally enabled.
特定ポートでの802.1Qタギングのディセーブル化
set port dot1q-all-tagged mod/port enable | disable コマンドを使用すると、特定ポートでの802.1Qタギングをディセーブルにできます。802.1Qタグ付きトラフィックをサポートしないデバイスに接続するポートでの802.1Qタギングを選択的にディセーブルにするには、 set port dot1q-all-tagged disable コマンドを使用します。EtherChannelポートでの802.1Qタギングをイネーブルまたはディセーブルにすると、その設定はチャネル内のすべてのポートに適用されます。
(注) グローバルset dot1q-all-tagged enableコマンドを使用しなかった場合は、デフォルトのグループにはタグ付けされず、ポート単位の設定も効果がありません。
グローバルset dot1q-all-tagged enableコマンドを使用した場合は、ポート単位の設定によってフレームがタグ付きかどうかが制御されます。
(注) MSFC上のポートやWS-X6101 OC-12 ATMモジュール上のポートでは、set port dot1q-all-tagged mod/port enable | disable コマンドはサポートされていません。
特定ポートでの802.1Qタグ付きフレームの転送をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
特定ポートまたは全ポートでの802.1Qタグ付きフレームの転送をイネーブルまたはディセーブルにします。 |
set port dot1q-all-tagged mod/port enable | disable |
ステップ 2 |
設定を確認します。 |
show port dot1q-all-tagged |
ポート3/2での802.1Qタグ付きフレームの転送をディセーブルにし、その設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port dot1q-all-tagged 3/2 disable
Packets on native vlan will not be tagged on port 3/2.
Console> (enable) show port dot1q-all-tagged
Dot1q-all-tagged feature globally enabled.
Port Dot1q-all-tagged mode
---- ---------------------
VLANトランクの設定例
ここでは、VLANトランクの設定例を紹介します。
• 「ISLトランクの設定例」
• 「EtherChannelリンクによるISLトランクの例」
• 「EtherChannelリンクによる802.1Qトランクの例」
• 「並列トランクによるVLANトラフィック ロードシェアリングの例」
ISLトランクの設定例
ここでは、2台のスイッチ間にISLトランクを設定し、トランクの許容VLANをVLAN 1およびVLAN 520~530に制限する設定例を示します。
この例では、スイッチ1上のポート1/1は、他のスイッチ上のファスト イーサネット ポートに接続しています。どちらのポートもデフォルトの状態で、トランク モードは auto です(詳細については、トランクのデフォルト設定を参照)。
ステップ 1 set trunk コマンドを入力して、スイッチ1のポート1/1をISLトランク ポートとして設定します。近接ポート(スイッチ2のポート1/2)との自動ネゴシエーションが行われるように、 desirable キーワードを指定します。ここでは、ISLカプセル化をサポートするハードウェア タイプを前提としています。
Switch1> (enable) set trunk 1/1 desirable
Port(s) 1/1 trunk mode set to desirable.
Switch1> (enable) 06/18/1998,12:20:23:DTP-5:Port 1/1 has become isl trunk
06/18/1998,12:20:23:PAGP-5:Port 1/1 left bridge port 1/1.
06/18/1998,12:20:23:PAGP-5:Port 1/1 joined bridge port 1/1.
ステップ 2 show trunk コマンドを入力して、設定を確認します。画面出力のStatusフィールドで、ポート1/1がtrunkingになっています。
Switch1> (enable) show trunk 1/1
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/1 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
ステップ 3 トランクの許容VLANリストを定義するために、 clear trunk コマンドを使用して、このトランク リンク上でトラフィックを伝送しないVLANを削除します。
Switch1> (enable) clear trunk 1/1 2-519
Removing Vlan(s) 2-519 from allowed list.
Port 1/1 allowed vlans modified to 1,520-1005.
Switch1> (enable) clear trunk 1/1 531-1005
Removing Vlan(s) 531-1005 from allowed list.
Port 1/1 allowed vlans modified to 1,520-530.
Switch1> (enable) show trunk 1/1
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/1 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
ステップ 4 ping コマンドを入力して、トランクの接続を確認します。
Switch1> (enable) ping switch2
EtherChannelリンクによるISLトランクの例
次の例は、EtherChannelリンクにより、2台のスイッチ間にISLトランクを設定する手順を示しています。
図 5-1図 5-1に、2つの100BASE-TXファスト イーサネット ポートで接続されている2台のスイッチを示します。
図 5-1 Fast EtherChannelリンクによるISLトランク
次の例は、2ポートのEtherChannelバンドルを形成するためのスイッチの設定手順、およびISLトランク リンクとしてEtherChannelバンドルを設定する手順を示します。
ステップ 1 スイッチのチャネル ステータスおよびトランク ステータスを、 show port channel および show trunk コマンドで確認します。
Switch_A> (enable) show port channel
Switch_A> (enable) show trunk
Switch_B> (enable) show port channel
Switch_B> (enable) show trunk
ステップ 2 set port channel コマンドを入力して、近接スイッチとEtherChannelバンドルをネゴシエーションするよう、スイッチAのポートを設定します。次の例では、スイッチBの近接ポートは auto モードであると想定しています。EtherChannelバンドルの編成については、システム ログ メッセージで確認できます。
Switch_A> (enable) set port channel 1/1-2 desirable
Port(s) 1/1-2 channel mode set to desirable.
Switch_A> (enable) %PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 1/1 left bridge port 1/1
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 1/2 left bridge port 1/2
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 1/2 left bridge port 1/2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 1/1 joined bridge port 1/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 1/2 joined bridge port 1/1-2
Switch_B> (enable) %PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/1 left bridge port 3/1
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/2 left bridge port 3/2
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/2 left bridge port 3/2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/1 joined bridge port 3/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/2 joined bridge port 3/1-2
ステップ 3 EtherChannelバンドルのネゴシエーションの後、 show port channel コマンドを使用して、設定を確認します。
Switch_A> (enable) show port channel
Port Status Channel Channel Neighbor Neighbor
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
1/1 connected desirable channel WS-C5000 009979082(Sw 3/1
1/2 connected desirable channel WS-C5000 009979082(Sw 3/2
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
Switch_B> (enable) show port channel
Port Status Channel Channel Neighbor Neighbor
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
3/1 connected auto channel WS-C5500 069003103(Sw 1/1
3/2 connected auto channel WS-C5500 069003103(Sw 1/2
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
ステップ 4 set trunk コマンドを入力して、ISLトランクのネゴシエーションを行うようにEtherChannelバンドル内のポートの1つを設定します。
設定は、そのバンドル内のすべてのポートに適用されます。次の例では、スイッチBの近接ポートは isl または negotiate カプセル化を使用するように設定され、 auto トランク モードと想定しています。ISLトランクの編成は、システム ログ メッセージで確認できます。
Switch_A> (enable) set trunk 1/1 desirable isl
Port(s) 1/1-2 trunk mode set to desirable.
Port(s) 1/1-2 trunk type set to isl.
Switch_A> (enable) %DTP-5-TRUNKPORTON:Port 1/1 has become isl trunk
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 1/2 has become isl trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 1/1 left bridge port 1/1-2
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 1/2 left bridge port 1/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 1/1 joined bridge port 1/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 1/2 joined bridge port 1/1-2
Switch_B> (enable) %DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/1 has become isl trunk
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/2 has become isl trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/1 left bridge port 3/1-2
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/2 left bridge port 3/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/1 joined bridge port 3/1-2
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/2 joined bridge port 3/1-2
ステップ 5 ISLトランク リンクのネゴシエーションの後、 show trunk コマンドを使用して、設定を確認します。
Switch_A> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/1 desirable isl trunking 1
1/2 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
1/1 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
1/2 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
1/1 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
1/2 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
Switch_B> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
3/1 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/2 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
3/1 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,801,850,917,999
3/2 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,801,850,917,999
EtherChannelリンクによる802.1Qトランクの例
次の例は、2台のスイッチ間にEtherChannelリンクによる802.1Qトランクを設定する手順を示しています。
図 5-2図 5-2に、4つの1000BASE-SXギガビット イーサネット ポートを通して接続されている2台のスイッチを示します。
図 5-2 EtherChannelリンクによる802.1Qトランク
次の例は、4ポートのEtherChannelバンドルを形成するようにスイッチを設定し、802.1Qトランク リンクとしてEtherChannelバンドルを設定する手順を示しています。
ステップ 1 set vlan コマンドを入力して、スイッチAとスイッチBの両方のすべてのポートが同じVLANに割り当てられていることを確認します。このVLANは、トランクの802.1QネイティブVLANとして使用されます。次の例では、すべてのポートがVLAN 1のメンバーとして設定されます。
Switch_A> (enable) set vlan 1 2/3-6
---- -----------------------
Switch_B> (enable) set vlan 1 3/3-6
---- -----------------------
ステップ 2 スイッチのチャネル ステータスおよびトランク ステータスを、 show port channel および show trunk コマンドで確認します。
Switch_A> (enable) show port channel
Switch_A> (enable) show trunk
Switch_B> (enable) show port channel
Switch_B> (enable) show trunk
ステップ 3 set port channel コマンドを入力して、近接スイッチとEtherChannelバンドルをネゴシエーションするよう、スイッチAのポートを設定します。次の例では、スイッチBの近接ポートは auto モードであると想定しています。EtherChannelバンドルの編成については、システム ログ メッセージで確認できます。
Switch_A> (enable) set port channel 2/3-6 desirable
Port(s) 2/3-6 channel mode set to desirable.
Switch_A> (enable) %PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/3 left bridge port 2/3
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/4 left bridge port 2/4
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/5 left bridge port 2/5
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/6 left bridge port 2/6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/4 left bridge port 2/4
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/5 left bridge port 2/5
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/6 left bridge port 2/6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/3 left bridge port 2/3
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/3 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/4 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/5 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/6 joined bridge port 2/3-6
Switch_B> (enable) %PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/3 left bridge port 3/3
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/4 left bridge port 3/4
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/5 left bridge port 3/5
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/6 left bridge port 3/6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/4 left bridge port 3/4
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/5 left bridge port 3/5
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/6 left bridge port 3/6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/3 left bridge port 3/3
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/3 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/4 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/5 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/6 joined bridge port 3/3-6
ステップ 4 EtherChannelバンドルのネゴシエーションの後、 show port channel コマンドを使用して、設定を確認します。
Switch_A> (enable) show port channel
Port Status Channel Channel Neighbor Neighbor
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
2/3 connected desirable channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/3
2/4 connected desirable channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/4
2/5 connected desirable channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/5
2/6 connected desirable channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/6
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
Switch_B> (enable) show port channel
Port Status Channel Channel Neighbor Neighbor
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
3/3 connected auto channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/3
3/4 connected auto channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/4
3/5 connected auto channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/5
3/6 connected auto channel WS-C4003 JAB023806(Sw 2/6
----- ---------- --------- ----------- ------------------------- ----------
ステップ 5 set trunk コマンドを入力して、802.1Qトランクのネゴシエーションを行うようにEtherChannelバンドル内のポートの1つを設定します。設定は、そのバンドル内のすべてのポートに適用されます。次の例では、スイッチBの近接ポートは dot1q または negotiate カプセル化を使用するように設定され、 auto トランク モードであると想定しています。802.1Qトランクの編成については、システム ログ メッセージで確認できます。
Switch_A> (enable) set trunk 2/3 desirable dot1q
Port(s) 2/3-6 trunk mode set to desirable.
Port(s) 2/3-6 trunk type set to dot1q.
Switch_A> (enable) %DTP-5-TRUNKPORTON:Port 2/3 has become dot1q trunk
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 2/4 has become dot1q trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/3 left bridge port 2/3-6
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 2/5 has become dot1q trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/4 left bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/5 left bridge port 2/3-6
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 2/6 has become dot1q trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/6 left bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 2/3 left bridge port 2/3
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/3 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/4 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/5 joined bridge port 2/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 2/6 joined bridge port 2/3-6
Switch_B> (enable) %DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/3 has become dot1q trunk
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/4 has become dot1q trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/3 left bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/4 left bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/5 left bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/6 left bridge port 3/3-6
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/5 has become dot1q trunk
%DTP-5-TRUNKPORTON:Port 3/6 has become dot1q trunk
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/5 left bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTFROMSTP:Port 3/6 left bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/3 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/4 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/5 joined bridge port 3/3-6
%PAGP-5-PORTTOSTP:Port 3/6 joined bridge port 3/3-6
ステップ 6 802.1Qトランク リンクのネゴシエーションの後、 show trunk コマンドを使用して、設定を確認します。
Switch_A> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
2/3 desirable dot1q trunking 1
2/4 desirable dot1q trunking 1
2/5 desirable dot1q trunking 1
2/6 desirable dot1q trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
2/3 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
2/4 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
2/5 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
2/6 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
Switch_B> (enable) show trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
3/3 auto dot1q trunking 1
3/4 auto dot1q trunking 1
3/5 auto dot1q trunking 1
3/6 auto dot1q trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
3/3 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/4 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/5 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/6 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
3/3 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/4 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/5 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
3/6 1-5,10,20,50,152,200,300,400,500,521-524,570,850,917,999
並列トランクによるVLANトラフィック ロードシェアリングの例
スパニングツリーのポートVLANプライオリティを使用して、並列トランク ポート間でVLANトラフィックのロードシェアリングを実行し、一部のVLANのトラフィックはあるトランクへ、別のVLANのトラフィックは別のトランクへ伝送することができます。この設定では、(一方のトランクをブロッキング モードにすることなく)トラフィックを両方のトランクで同時に転送できるので、フォールトトレラントな設定を維持しながら、個々のトランク上の総トラフィックを少なくすることができます。
図 5-3図 5-3に、スーパバイザ エンジン上のファスト イーサネット アップリンク ポートを使用した、2台のスイッチ間の並列トランクの設定を示します。
図 5-3 VLANトラフィック ロードシェアリング設定前の並列トランク設定
デフォルトの設定では、両方のトランクのポートVLANプライオリティは同じです(値は32)。STPは転送ループを阻止するために、スイッチ1の各VLANについて、ポート1/2(トランク2)をブロックします。トランク2は、トランク1で障害が発生するまでは、トラフィックの転送に使用されません。
複数のVLANから発生したトラフィックの負荷が並列トランク上で分散されるように、スイッチを設定するには、次の作業を実行します。
ステップ 1 set vtp コマンドを入力して、スイッチ1およびスイッチ2の両方でVTPドメインを設定し、スイッチ1で設定したVLAN情報をスイッチ2が学習するようにします。スイッチ1が、VTPサーバであることを確認してください。スイッチ2は、VTPクライアントまたはVTPサーバとして設定できます。
Switch_1> (enable) set vtp domain BigCorp mode server
VTP domain BigCorp modified
Switch_2> (enable) set vtp domain BigCorp mode server
VTP domain BigCorp modified
ステップ 2 set vlan コマンドを入力して、スイッチ1にVLANを作成します。この例では、VLAN10、20、30、40、50、および60を設定します。
Switch_1> (enable) set vlan 10
Vlan 10 configuration successful
Switch_1> (enable) set vlan 20
Vlan 20 configuration successful
Switch_1> (enable) set vlan 30
Vlan 30 configuration successful
Switch_1> (enable) set vlan 40
Vlan 40 configuration successful
Switch_1> (enable) set vlan 50
Vlan 50 configuration successful
Switch_1> (enable) set vlan 60
Vlan 60 configuration successful
ステップ 3 show vtp domain および show vlan コマンドを入力して、スイッチ1のVTPおよびVLAN設定を確認します。
Switch_1> (enable) show vtp domain
Domain Name Domain Index VTP Version Local Mode Password
-------------------------------- ------------ ----------- ----------- ----------
Vlan-count Max-vlan-storage Config Revision Notifications
---------- ---------------- --------------- -------------
Last Updater V2 Mode Pruning PruneEligible on Vlans
--------------- -------- -------- -------------------------
172.20.52.10 disabled enabled 2-1000
Switch_1> (enable) show vlan
VLAN Name Status Mod/Ports, Vlans
---- -------------------------------- --------- ----------------------------
1003 token-ring-default active
1004 fddinet-default active
1005 trnet-default active
ステップ 4 set trunk コマンドを入力して、スイッチ1にISLトランク ポートとしてスーパバイザ エンジン アップリンクを設定します。スイッチ1ポートに desirable モードを指定し、スイッチ2のポートがネゴシエーションによってトランク リンクになるようにします(スイッチ2のアップリンクは、デフォルトの auto モードです)。
Switch_1> (enable) set trunk 1/1 desirable
Port(s) 1/1 trunk mode set to desirable.
Switch_1> (enable) 04/21/1998,03:05:05:DISL-5:Port 1/1 has become isl trunk
Switch_1> (enable) set trunk 1/2 desirable
Port(s) 1/2 trunk mode set to desirable.
Switch_1> (enable) 04/21/1998,03:05:13:DISL-5:Port 1/2 has become isl trunk
ステップ 5 show trunk コマンドを入力して、トランク リンクがアップになっていることを確認します。
Switch_1> (enable) show trunk 1
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
-------- ----------- ------------- ------------ -----------
1/1 desirable isl trunking 1
1/2 desirable isl trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans allowed and active in management domain
-------- ---------------------------------------------------------------------
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
-------- ---------------------------------------------------------------------
ステップ 6 トランク リンクがアップになると、VTPにより、スイッチ2にVTPおよびVLAN設定が伝達されることに注意してください。スイッチ2で show vlan コマンドを入力し、スイッチ2にVLAN設定が反映されていることを確認します。
Switch_2> (enable) show vlan
VLAN Name Status Mod/Ports, Vlans
---- -------------------------------- --------- ----------------------------
1003 token-ring-default active
1004 fddinet-default active
1005 trnet-default active
ステップ 7 スパニングツリーのコンバージェンス処理には1~2分かかります。ネットワークが安定したら、 show spantree コマンドを入力して、スイッチ1の各トランク ポートのスパニングツリー ステートを確認します。
トランク1はすべてのVLANでフォワーディング ステートです。トランク2はすべてのVLANでブロッキング ステートです。スイッチ2では、両方のトランクがすべてのVLANでフォワーディング ステートですが、スイッチ1のポート1/2がブロッキング ステートのため、トランク2にトラフィックは伝送されません。
Switch_1> (enable) show spantree 1/1
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/1 1 forwarding 19 32 disabled
1/1 10 forwarding 19 32 disabled
1/1 20 forwarding 19 32 disabled
1/1 30 forwarding 19 32 disabled
1/1 40 forwarding 19 32 disabled
1/1 50 forwarding 19 32 disabled
1/1 60 forwarding 19 32 disabled
1/1 1003 not-connected 19 32 disabled
1/1 1005 not-connected 19 4 disabled
Switch_1> (enable) show spantree 1/2
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/2 1 blocking 19 32 disabled
1/2 10 blocking 19 32 disabled
1/2 20 blocking 19 32 disabled
1/2 30 blocking 19 32 disabled
1/2 40 blocking 19 32 disabled
1/2 50 blocking 19 32 disabled
1/2 60 blocking 19 32 disabled
1/2 1003 not-connected 19 32 disabled
1/2 1005 not-connected 19 4 disabled
ステップ 8 設定したVLANを2つのグループに分けます。各トランク リンクでVLANの半数のトラフィックを伝送することもできます。また、特定のVLANのトラフィックが多い場合は、そのVLANを1つのトランク リンクに転送し、残りのVLANのトラフィックを他方のトランク リンクに転送することもできます。
(注) 次の手順では、VLAN 10、20、および30(グループ1)のトラフィックをトランク1に伝送し、VLAN 40、50、および60(グループ2)をトランク2に伝送します。
ステップ 9 スイッチ1で、 set spantree portvlanpri コマンドを入力し、トランク1(ポート1/1)上のグループ1のVLANについて、ポートVLANプライオリティをデフォルトの32より小さい整数値に変更します。
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 10
Port 1/1 vlans 1-9,11-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 20
Port 1/1 vlans 1-9,11-19,21-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10,20 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 30
Port 1/1 vlans 1-9,11-19,21-29,31-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10,20,30 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
ステップ 10 スイッチ1で、 set spantree portvlanpri コマンドを入力し、トランク2(ポート1/2)上のグループ2のVLANについて、ポートVLANプライオリティをデフォルトの32より小さい整数値に変更します。
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 40
Port 1/2 vlans 1-39,41-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 50
Port 1/2 vlans 1-39,41-49,51-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40,50 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_1> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 60
Port 1/2 vlans 1-39,41-49,51-59,61-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40,50,60 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
ステップ 11 スイッチ2で、 set spantree portvlanpri コマンドを入力し、トランク1(ポート1/1)上のグループ1のVLANについて、ポートVLANプライオリティをスイッチ1のVLANと同じ値に変更します。
注意 リンクの両端で、各VLANのポートVLANプライオリティを同じ値に設定する必要があります。
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 10
Port 1/1 vlans 1-9,11-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 20
Port 1/1 vlans 1-9,11-19,21-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10,20 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/1 1 30
Port 1/1 vlans 1-9,11-19,21-29,31-1004 using portpri 32.
Port 1/1 vlans 10,20,30 using portpri 1.
Port 1/1 vlans 1005 using portpri 4.
ステップ 12 スイッチ2で、 set spantree portvlanpri コマンド を入力し、トランク2(ポート2/1)上のグループ2のVLANについて、ポートVLANプライオリティをスイッチ1のVLANと同じ値に変更します。
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 40
Port 1/2 vlans 1-39,41-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 50
Port 1/2 vlans 1-39,41-49,51-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40,50 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
Switch_2> (enable) set spantree portvlanpri 1/2 1 60
Port 1/2 vlans 1-39,41-49,51-59,61-1004 using portpri 32.
Port 1/2 vlans 40,50,60 using portpri 1.
Port 1/2 vlans 1005 using portpri 4.
(注) リンクの両端でポートVLANプライオリティを設定すると、スパニングツリーのコンバージェンス後に新しい設定が使用されます。
ステップ 13 show spantree コマンドを入力して、スイッチ1のスパニングツリー ポートのステートを確認します。グループ1のVLANは、トランク1ではフォワーディング、トランク2ではブロッキングになります。グループ2のVLANは、トランク1ではブロッキング、トランク2ではフォワーディングになります。
Switch_1> (enable) show spantree 1/1
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/1 1 forwarding 19 32 disabled
1/1 10 forwarding 19 1 disabled
1/1 20 forwarding 19 1 disabled
1/1 30 forwarding 19 1 disabled
1/1 40 blocking 19 32 disabled
1/1 50 blocking 19 32 disabled
1/1 60 blocking 19 32 disabled
1/1 1003 not-connected 19 32 disabled
1/1 1005 not-connected 19 4 disabled
Switch_1> (enable) show spantree 1/2
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/2 1 blocking 19 32 disabled
1/2 10 blocking 19 32 disabled
1/2 20 blocking 19 32 disabled
1/2 30 blocking 19 32 disabled
1/2 40 forwarding 19 1 disabled
1/2 50 forwarding 19 1 disabled
1/2 60 forwarding 19 1 disabled
1/2 1003 not-connected 19 32 disabled
1/2 1005 not-connected 19 4 disabled
図 5-4
図 5-4に、VLANトラフィックのロードシェアリングを設定した後のネットワークを示します。
図 5-4 VLANトラフィック ロードシェアリング設定後の並列トランク設定
図 5-4図 5-4の設定では、ネットワークの正常稼働時には、両方のトランクが利用されます。また、一方のトランク リンクで障害が発生すると、他方のトランク リンクが代替パスとなり、障害リンクで送られていたトラフィックを引き受けます。
図 5-4図 5-4のトランク1でネットワーク障害が発生すると、次の例に示すように、STPの再コンバージェンスにより、すべてのVLANから発生したトラフィックがトランク2を使用して伝送されます。
Switch_1> (enable) 04/21/1998,03:15:40:DISL-5:Port 1/1 has become non-trunk
Switch_1> (enable) show spantree 1/1
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/1 1 not-connected 19 32 disabled
Switch_1> (enable) show spantree 1/2
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/2 1 learning 19 32 disabled
1/2 10 learning 19 32 disabled
1/2 20 learning 19 32 disabled
1/2 30 learning 19 32 disabled
1/2 40 forwarding 19 1 disabled
1/2 50 forwarding 19 1 disabled
1/2 60 forwarding 19 1 disabled
1/2 1003 not-connected 19 32 disabled
1/2 1005 not-connected 19 4 disabled
Switch_1> (enable) show spantree 1/2
Port Vlan Port-State Cost Priority Fast-Start Group-method
--------- ---- ------------- ----- -------- ---------- ------------
1/2 1 forwarding 19 32 disabled
1/2 10 forwarding 19 32 disabled
1/2 20 forwarding 19 32 disabled
1/2 30 forwarding 19 32 disabled
1/2 40 forwarding 19 1 disabled
1/2 50 forwarding 19 1 disabled
1/2 60 forwarding 19 1 disabled
1/2 1003 not-connected 19 32 disabled
1/2 1005 not-connected 19 4 disabled