統合プラットフォーム コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS Release 15.2(3) E(Catalyst 3560-CX および 2960 CX スイッチ)
マニュアルのコンテンツ
マニュアルのコンテンツ
はじめに
コマンドライン インターフェイスの使用
インターフェイスおよびハードウェア
IPv6
レイヤ 2
High Availability(高可用性)
Network Management
QoS
ルーティング
マルチキャスト ルーティング
セキュリティ
システム管理
VLAN
重要な通知
Search
ダウンロード
Download Options
Book Title
統合プラットフォーム コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS Release 15.2(3) E(Catalyst 3560-CX および 2960 CX スイッチ)
Chapter Title
Embedded Event Manager の設定
プリント
章のタイトル: Embedded Event Manager の設定
目次
Embedded Event Manager の概要
Embedded Event Manager(EEM)は、Cisco IOS デバイス内でイベント検出および回復のために配布されカスタマイズされたアプローチです。 EEM はイベントを監視する機能を提供します。また、監視されたイベントが発生するかしきい値に達した場合に情報を得たり、是正措置を行ったり、または他の EEM 処理を実行したりする機能も提供します。 EEM ポリシーは、イベントおよびイベントが発生した場合に行う処理を定義します。
EEM はキー システムのイベントを監視し、セット ポリシーを通してイベントに作用します。 このポリシーはプログラムされたスクリプトで、これを使用して、発生した特定の一連のイベントに基づいて処理を呼び出すように、スクリプトをカスタマイズできます。 このスクリプトは、カスタム Syslog または簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)トラップの生成、CLI(コマンドライン インターフェイス)コマンドの呼び出し、フェールオーバーの強制などの処理を生成します。 スイッチからすべてのイベント管理を管理できるわけではなく、何らかの問題によって、スイッチと外部ネットワーク管理デバイス間の通信に障害が発生することがあるため、EEM のイベント管理機能は役立ちます。 スイッチをリブートすることなく自動回復処理が行われる場合、ネットワークのアベイラビリティは向上します。
次に、EEM サーバ、コア イベント パブリッシャ(イベント検出器)、およびイベント サブスクライバ(ポリシー)の関係の例を示します。 イベント パブリッシャはイベントを選別し、イベント サブスクライバによって提供されたイベント仕様と一致するイベントがいつ発生するかを決定します。 イベントが発生すると、イベント検出器が EEM サーバに通知します。 次に、システムの現在の状態と特定のイベントに対してポリシーで指定された処理に基づいて、EEM ポリシーが回復を実行します。
図 1. Embedded Event Manager コア イベント検出器
(注)
EEM をサポートするのは、Cisco Catalyst 3560-CX スイッチのみです。
EEM をサポートするのは、IP Base ライセンスおよび IP Services ライセンスを実行する Catalyst スイッチのみです。
Embedded Event Manager のアクション
イベントに応答して次の処理が発生します。
名前付きカウンタの修正。
アプリケーション特有のイベントのパブリッシュ。
SNMP トラップの生成。
優先化された syslog メッセージの生成。
Cisco IOS ソフトウェアのリロード。
スイッチ スタックのリロード。
マスター切り替え時のマスター スイッチのリロード。 この場合、新しいマスター スイッチが選択されます。
Embedded Event Manager ポリシー
EEM はイベントを監視して情報を提供するか、または監視されたイベントが発生するかしきい値に達した場合に是正措置を行うことができます。 EEM ポリシーは、イベントおよびイベントが発生した場合に行う処理を定義するエンティティです。
EEM ポリシーにはアプレットとスクリプトの 2 つのタイプがあります。 アプレットは、CLI 設定内で定義される簡易なポリシーです。 イベントの選別基準とイベントが発生した場合に行う処理を定義する簡易な方法です。 スクリプトは、ASCII エディタを使用して、ネットワーキング デバイス上で定義されます。 スクリプト(バイトコード(.tbc)とテキスト(.tcl)スクリプトで作成できます)は、次に、ネットワーキング デバイスにコピーされ、EEM によって登録されます。 さらに、1 つの .tcl ファイルに複数のイベントを登録できます。
EEM を使用して、EEM ポリシー ツール コマンド言語(TCL)スクリプトを使用する独自のポリシーを記述して実行します。 マスター スイッチで TCL スクリプトを設定すると、ファイルはメンバー スイッチに自動的に送信されます。 マスター スイッチが変わった場合に TCL スクリプト ポリシーが機能し続けるように、メンバー スイッチでユーザ定義の TCL スクリプトが使用できる必要があります。
キーワード拡張という形のシスコの TCL 機能拡張は、EEM ポリシーの開発を容易にします。 これらのキーワードは、検出されたイベント、その後の処理、ユーティリティ情報、カウンタ値、およびシステム情報を識別します。
Embedded Event Manager の環境変数
EEM は EEM ポリシーで環境変数を使用します。 この環境変数は、CLI コマンドおよび event manager environment コマンドを実行して、EEM ポリシー Tool Command Language(TCL)スクリプトで定義します。
ユーザ定義の変数:ユーザ定義のポリシーに対して、ユーザにより定義されます。
シスコ定義の変数:特定のサンプル ポリシーに対してシスコにより定義されます。
シスコ組み込み変数(EEM アプレットで利用可能):シスコにより定義され、読み取り専用または読み取りと書き込みに設定できます。 読み取り専用変数は、アプレットが実行を開始する前に、システムによって設定されます。 1 つの読み取りと書き込み変数 _exit_status により、同期イベントからトリガーされるポリシーの終了ステータスを設定できます。
シスコ定義の環境変数とシスコ システム定義の環境変数は、特定の 1 つのイベント ディテクタまたはすべてのイベント ディテクタに適用されます。 ユーザ定義の環境変数またはサンプル ポリシーでシスコにより定義される環境変数は、event manager environment グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して設定されます。 ポリシーを登録する前に、変数を EEM ポリシーに定義する必要があります。
Embedded Event Manager 3.2
Embedded Event Manager 3.2 では次のイベント ディテクタがサポートされています。
ネイバー探索:ネイバー探索イベント検出器によって、次の場合に自動ネイバー検出に応答するポリシーをパブリッシュできます。
Cisco Discovery Protocol(CDP)のキャッシュ エントリが追加、削除、または更新された場合。
リンク層検出プロトコル(LLDP)キャッシュ エントリが追加、削除、または更新された場合。
インターフェイスのリンク ステータスが変更された場合。
インターフェイスのライン ステータスが変更された場合。
ID:ID イベント検出器は、AAA の許可および認証が成功した場合、障害が発生した場合、またはポート上で通常のユーザ トラフィックの送信が許可された後にイベントを生成します。
Mac-Address-Table:Mac-Address-Table イベント検出器は、MAC アドレスが MAC アドレス テーブルで学習された場合にイベントを生成します。
(注)
Mac-Address-Table イベント検出器は、スイッチ プラットフォームでだけサポートされており、MAC アドレスが学習されたレイヤ 2 インターフェイスだけで使用できます。 レイヤ 3 インターフェイスはアドレスを学習せず、ルータは通常、学習された MAC アドレスを EFM に通知するために必要な MAC アドレス テーブル インフラストラクチャをサポートしません。
EEM 3.2 では、新しいイベント検出器で動作するアプレットをサポートするための CLI コマンドも導入されています。
Embedded Event Manager アプレットの登録と定義
EEM にアプレットを登録し、event applet および action applet コンフィギュレーション コマンドを使用して EEM アプレットを定義するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
(注)
EEM アプレットでは、1 つのイベント アプレット コマンドしか使用できません。 複数の処理アプレット コマンドが使用できます。 no event および no action コマンドを指定しない場合、コンフィギュレーション モードを終了すると、アプレットは削除されます。
手順の概要
1. configure terminal
2. event manager applet applet-name
3. event snmp oid oid-value get-type {exact |next } entry-op { eq |ge |gt |le |lt |ne } entry-val entry-val [exit-comb {or |and }] [exit-op {eq |ge |gt |le |lt |nc }] [exit-val exit-val ] [exit-time exit-time-val ] poll interval poll-int-val
4. action label syslog [priority priority-level ] msg msg-text
5. end
手順の詳細
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 1
configure terminal 例: Switch # configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2
event manager applet applet-name
EEM でアプレットを登録し、アプレット コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3
event snmp oid oid-value get-type {exact |next } entry-op { eq |ge |gt |le |lt |ne } entry-val entry-val [exit-comb {or |and }] [exit-op {eq |ge |gt |le |lt |nc }] [exit-val exit-val ] [exit-time exit-time-val ] poll interval poll-int-val
EEM アプレットを実行する要因となるイベント基準を指定します。(任意)終了基準。 終了基準を指定しない場合、イベント モニタリングがすぐに再イネーブル化されます。
ステップ 4
action label syslog [priority priority-level ] msg msg-text
EEM アプレットがトリガーされたときの処理を指定します。 この処理を繰り返して、アプレットに他の CLI コマンドを追加します。
(任意)プライオリティ キーワードは、Syslog メッセージのプライオリティ レベルを指定します。 選択した場合、プライオリティ レベル引数を定義する必要があります。
msg-text の場合、引数は文字テキスト、環境変数、またはこの 2 つを組み合わせたものになります。
ステップ 5
end
アプレット コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
次に、SNMP オブジェクト ID によって指定されたフィールドの 1 つが、定義されたしきい値を超えた場合の EEM での出力例を示します。
Switch (config-applet)# event snmp oid 1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6.1 get-type exact entry-op lt entry-val 5120000 poll-interval 10
次に、EEM イベントに応答して行われる処理の例を示します。
Switch (config-applet)# action 1.0 syslog priority critical msg "Memory exhausted; current available memory is $_snmp_oid_val bytes"
Switch (config-applet)# action 2.0 force-switchover
Embedded Event Manager TCL スクリプトの登録と定義
EEM で TCL スクリプトを登録し、TCL スクリプトとポリシー コマンドを定義するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. show event manager environment [all | variable-name ]
3. configure terminal
4. event manager environment variable-name string
5. event manager policy policy-file-name [type system ] [trap ]
6. exit
手順の詳細
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 1
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2
show event manager environment [all | variable-name ]
(任意)show event manager environment コマンドは、EEM 環境変数の名前と値を表示します。(任意)all キーワードは、EEM 環境変数を表示します。
(任意)variable-name 引数は、指定された環境変数に関する情報を表示します。
ステップ 3
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4
event manager environment variable-name string
指定された EEM 環境変数の値を設定します。 要求されたすべての環境変数でこのステップを繰り返します。
ステップ 5
event manager policy policy-file-name [type system ] [trap ]
ポリシー内で定義された指定イベントが発生した場合に、EEM ポリシーを実行するよう、定義します。
ステップ 6
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
次に、show event manager environment コマンドの出力例を示します。
Switch # show event manager environment all
No. Name Value
1 _cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
2 _show_cmd show ver
3 _syslog_pattern .*UPDOWN.*Ethernet1/0.*
次に、ソフトウェアによって割り当てられた CRON タイマー環境変数を毎日の毎時間、毎分、毎秒に設定する方法を示します。
Switch (config)# event manager environment_cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
次に、システム ポリシーとして登録された tm_cli_cmd.tcl という名前の EEM ポリシーの例を示します。 システム ポリシーは Cisco IOS イメージの一部です。 ユーザ定義の TCL スクリプトは、最初にフラッシュ メモリにコピーする必要があります。
Switch (config)# event manager policy tm_cli_cmd.tcl type system
Embedded Event Manager 情報の表示
例:SNMP 通知の生成
次に、SNMP オブジェクト ID によって指定されたフィールドの 1 つが定義されたしきい値を超えた場合の EEM での出力例を示します。
Switch (config-applet)# event snmp oid 1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6.1 get-type exact entry-op lt entry-val 5120000 poll-interval 10
例:EEM イベントへの応答
次に、EEM イベントに応答して行われる処理の例を示します。
Switch (config-applet)# action 1.0 syslog priority critical msg "Memory exhausted; current available memory is $_snmp_oid_val bytes"
Switch (config-applet)# action 2.0 force-switchover
例:EEM 環境変数の表示
次に、show event manager environment コマンドの出力例を示します。
Switch # show event manager environment all
No. Name Value
1 _cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
2 _show_cmd show ver
3 _syslog_pattern .*UPDOWN.*Ethernet1/0.*
4 _config_cmd1 interface Ethernet1/0
5 _config_cmd2 no shut
次に、ソフトウェアによって割り当てられた CRON タイマー環境変数を毎日の毎時間、毎分、毎秒に設定する方法を示します。
Switch (config)# event manager environment_cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
次に、システム ポリシーとして登録された tm_cli_cmd.tcl という名前の EEM ポリシーの例を示します。 システム ポリシーは Cisco IOS イメージの一部です。 ユーザ定義の TCL スクリプトは、最初にフラッシュ メモリにコピーする必要があります。
Switch (config)# event manager policy tm_cli_cmd.tcl type system
Embedded Event Manager の概要
Embedded Event Manager(EEM)は、Cisco IOS デバイス内でイベント検出および回復のために配布されカスタマイズされたアプローチです。 EEM はイベントを監視する機能を提供します。また、監視されたイベントが発生するかしきい値に達した場合に情報を得たり、是正措置を行ったり、または他の EEM 処理を実行したりする機能も提供します。 EEM ポリシーは、イベントおよびイベントが発生した場合に行う処理を定義します。
EEM はキー システムのイベントを監視し、セット ポリシーを通してイベントに作用します。 このポリシーはプログラムされたスクリプトで、これを使用して、発生した特定の一連のイベントに基づいて処理を呼び出すように、スクリプトをカスタマイズできます。 このスクリプトは、カスタム Syslog または簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)トラップの生成、CLI(コマンドライン インターフェイス)コマンドの呼び出し、フェールオーバーの強制などの処理を生成します。 スイッチからすべてのイベント管理を管理できるわけではなく、何らかの問題によって、スイッチと外部ネットワーク管理デバイス間の通信に障害が発生することがあるため、EEM のイベント管理機能は役立ちます。 スイッチをリブートすることなく自動回復処理が行われる場合、ネットワークのアベイラビリティは向上します。
次に、EEM サーバ、コア イベント パブリッシャ(イベント検出器)、およびイベント サブスクライバ(ポリシー)の関係の例を示します。 イベント パブリッシャはイベントを選別し、イベント サブスクライバによって提供されたイベント仕様と一致するイベントがいつ発生するかを決定します。 イベントが発生すると、イベント検出器が EEM サーバに通知します。 次に、システムの現在の状態と特定のイベントに対してポリシーで指定された処理に基づいて、EEM ポリシーが回復を実行します。
図 1. Embedded Event Manager コア イベント検出器
(注)
EEM をサポートするのは、Cisco Catalyst 3560-CX スイッチのみです。
EEM をサポートするのは、IP Base ライセンスおよび IP Services ライセンスを実行する Catalyst スイッチのみです。
Embedded Event Manager のアクション
イベントに応答して次の処理が発生します。
名前付きカウンタの修正。
アプリケーション特有のイベントのパブリッシュ。
SNMP トラップの生成。
優先化された syslog メッセージの生成。
Cisco IOS ソフトウェアのリロード。
スイッチ スタックのリロード。
マスター切り替え時のマスター スイッチのリロード。 この場合、新しいマスター スイッチが選択されます。
Embedded Event Manager ポリシー
EEM はイベントを監視して情報を提供するか、または監視されたイベントが発生するかしきい値に達した場合に是正措置を行うことができます。 EEM ポリシーは、イベントおよびイベントが発生した場合に行う処理を定義するエンティティです。
EEM ポリシーにはアプレットとスクリプトの 2 つのタイプがあります。 アプレットは、CLI 設定内で定義される簡易なポリシーです。 イベントの選別基準とイベントが発生した場合に行う処理を定義する簡易な方法です。 スクリプトは、ASCII エディタを使用して、ネットワーキング デバイス上で定義されます。 スクリプト(バイトコード(.tbc)とテキスト(.tcl)スクリプトで作成できます)は、次に、ネットワーキング デバイスにコピーされ、EEM によって登録されます。 さらに、1 つの .tcl ファイルに複数のイベントを登録できます。
EEM を使用して、EEM ポリシー ツール コマンド言語(TCL)スクリプトを使用する独自のポリシーを記述して実行します。 マスター スイッチで TCL スクリプトを設定すると、ファイルはメンバー スイッチに自動的に送信されます。 マスター スイッチが変わった場合に TCL スクリプト ポリシーが機能し続けるように、メンバー スイッチでユーザ定義の TCL スクリプトが使用できる必要があります。
キーワード拡張という形のシスコの TCL 機能拡張は、EEM ポリシーの開発を容易にします。 これらのキーワードは、検出されたイベント、その後の処理、ユーティリティ情報、カウンタ値、およびシステム情報を識別します。
Embedded Event Manager の環境変数
EEM は EEM ポリシーで環境変数を使用します。 この環境変数は、CLI コマンドおよび event manager environment コマンドを実行して、EEM ポリシー Tool Command Language(TCL)スクリプトで定義します。
ユーザ定義の変数:ユーザ定義のポリシーに対して、ユーザにより定義されます。
シスコ定義の変数:特定のサンプル ポリシーに対してシスコにより定義されます。
シスコ組み込み変数(EEM アプレットで利用可能):シスコにより定義され、読み取り専用または読み取りと書き込みに設定できます。 読み取り専用変数は、アプレットが実行を開始する前に、システムによって設定されます。 1 つの読み取りと書き込み変数 _exit_status により、同期イベントからトリガーされるポリシーの終了ステータスを設定できます。
シスコ定義の環境変数とシスコ システム定義の環境変数は、特定の 1 つのイベント ディテクタまたはすべてのイベント ディテクタに適用されます。 ユーザ定義の環境変数またはサンプル ポリシーでシスコにより定義される環境変数は、event manager environment グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して設定されます。 ポリシーを登録する前に、変数を EEM ポリシーに定義する必要があります。
Embedded Event Manager 3.2
Embedded Event Manager 3.2 では次のイベント ディテクタがサポートされています。
ネイバー探索:ネイバー探索イベント検出器によって、次の場合に自動ネイバー検出に応答するポリシーをパブリッシュできます。
Cisco Discovery Protocol(CDP)のキャッシュ エントリが追加、削除、または更新された場合。
リンク層検出プロトコル(LLDP)キャッシュ エントリが追加、削除、または更新された場合。
インターフェイスのリンク ステータスが変更された場合。
インターフェイスのライン ステータスが変更された場合。
ID:ID イベント検出器は、AAA の許可および認証が成功した場合、障害が発生した場合、またはポート上で通常のユーザ トラフィックの送信が許可された後にイベントを生成します。
Mac-Address-Table:Mac-Address-Table イベント検出器は、MAC アドレスが MAC アドレス テーブルで学習された場合にイベントを生成します。
(注)
Mac-Address-Table イベント検出器は、スイッチ プラットフォームでだけサポートされており、MAC アドレスが学習されたレイヤ 2 インターフェイスだけで使用できます。 レイヤ 3 インターフェイスはアドレスを学習せず、ルータは通常、学習された MAC アドレスを EFM に通知するために必要な MAC アドレス テーブル インフラストラクチャをサポートしません。
EEM 3.2 では、新しいイベント検出器で動作するアプレットをサポートするための CLI コマンドも導入されています。
Embedded Event Manager アプレットの登録と定義
EEM にアプレットを登録し、event applet および action applet コンフィギュレーション コマンドを使用して EEM アプレットを定義するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
(注)
EEM アプレットでは、1 つのイベント アプレット コマンドしか使用できません。 複数の処理アプレット コマンドが使用できます。 no event および no action コマンドを指定しない場合、コンフィギュレーション モードを終了すると、アプレットは削除されます。
手順の概要
1. configure terminal
2. event manager applet applet-name
3. event snmp oid oid-value get-type {exact |next } entry-op { eq |ge |gt |le |lt |ne } entry-val entry-val [exit-comb {or |and }] [exit-op {eq |ge |gt |le |lt |nc }] [exit-val exit-val ] [exit-time exit-time-val ] poll interval poll-int-val
4. action label syslog [priority priority-level ] msg msg-text
5. end
手順の詳細
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 1
configure terminal 例: Switch # configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2
event manager applet applet-name
EEM でアプレットを登録し、アプレット コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3
event snmp oid oid-value get-type {exact |next } entry-op { eq |ge |gt |le |lt |ne } entry-val entry-val [exit-comb {or |and }] [exit-op {eq |ge |gt |le |lt |nc }] [exit-val exit-val ] [exit-time exit-time-val ] poll interval poll-int-val
EEM アプレットを実行する要因となるイベント基準を指定します。(任意)終了基準。 終了基準を指定しない場合、イベント モニタリングがすぐに再イネーブル化されます。
ステップ 4
action label syslog [priority priority-level ] msg msg-text
EEM アプレットがトリガーされたときの処理を指定します。 この処理を繰り返して、アプレットに他の CLI コマンドを追加します。
(任意)プライオリティ キーワードは、Syslog メッセージのプライオリティ レベルを指定します。 選択した場合、プライオリティ レベル引数を定義する必要があります。
msg-text の場合、引数は文字テキスト、環境変数、またはこの 2 つを組み合わせたものになります。
ステップ 5
end
アプレット コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
次に、SNMP オブジェクト ID によって指定されたフィールドの 1 つが、定義されたしきい値を超えた場合の EEM での出力例を示します。
Switch (config-applet)# event snmp oid 1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6.1 get-type exact entry-op lt entry-val 5120000 poll-interval 10
次に、EEM イベントに応答して行われる処理の例を示します。
Switch (config-applet)# action 1.0 syslog priority critical msg "Memory exhausted; current available memory is $_snmp_oid_val bytes"
Switch (config-applet)# action 2.0 force-switchover
Embedded Event Manager TCL スクリプトの登録と定義
EEM で TCL スクリプトを登録し、TCL スクリプトとポリシー コマンドを定義するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. show event manager environment [all | variable-name ]
3. configure terminal
4. event manager environment variable-name string
5. event manager policy policy-file-name [type system ] [trap ]
6. exit
手順の詳細
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 1
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2
show event manager environment [all | variable-name ]
(任意)show event manager environment コマンドは、EEM 環境変数の名前と値を表示します。(任意)all キーワードは、EEM 環境変数を表示します。
(任意)variable-name 引数は、指定された環境変数に関する情報を表示します。
ステップ 3
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4
event manager environment variable-name string
指定された EEM 環境変数の値を設定します。 要求されたすべての環境変数でこのステップを繰り返します。
ステップ 5
event manager policy policy-file-name [type system ] [trap ]
ポリシー内で定義された指定イベントが発生した場合に、EEM ポリシーを実行するよう、定義します。
ステップ 6
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
次に、show event manager environment コマンドの出力例を示します。
Switch # show event manager environment all
No. Name Value
1 _cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
2 _show_cmd show ver
3 _syslog_pattern .*UPDOWN.*Ethernet1/0.*
次に、ソフトウェアによって割り当てられた CRON タイマー環境変数を毎日の毎時間、毎分、毎秒に設定する方法を示します。
Switch (config)# event manager environment_cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
次に、システム ポリシーとして登録された tm_cli_cmd.tcl という名前の EEM ポリシーの例を示します。 システム ポリシーは Cisco IOS イメージの一部です。 ユーザ定義の TCL スクリプトは、最初にフラッシュ メモリにコピーする必要があります。
Switch (config)# event manager policy tm_cli_cmd.tcl type system
Embedded Event Manager 情報の表示
例:SNMP 通知の生成
次に、SNMP オブジェクト ID によって指定されたフィールドの 1 つが定義されたしきい値を超えた場合の EEM での出力例を示します。
Switch (config-applet)# event snmp oid 1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6.1 get-type exact entry-op lt entry-val 5120000 poll-interval 10
例:EEM イベントへの応答
次に、EEM イベントに応答して行われる処理の例を示します。
Switch (config-applet)# action 1.0 syslog priority critical msg "Memory exhausted; current available memory is $_snmp_oid_val bytes"
Switch (config-applet)# action 2.0 force-switchover
例:EEM 環境変数の表示
次に、show event manager environment コマンドの出力例を示します。
Switch # show event manager environment all
No. Name Value
1 _cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
2 _show_cmd show ver
3 _syslog_pattern .*UPDOWN.*Ethernet1/0.*
4 _config_cmd1 interface Ethernet1/0
5 _config_cmd2 no shut
次に、ソフトウェアによって割り当てられた CRON タイマー環境変数を毎日の毎時間、毎分、毎秒に設定する方法を示します。
Switch (config)# event manager environment_cron_entry 0-59/2 0-23/1 * * 0-6
次に、システム ポリシーとして登録された tm_cli_cmd.tcl という名前の EEM ポリシーの例を示します。 システム ポリシーは Cisco IOS イメージの一部です。 ユーザ定義の TCL スクリプトは、最初にフラッシュ メモリにコピーする必要があります。
Switch (config)# event manager policy tm_cli_cmd.tcl type system
© 2019 Cisco and/or its affiliates. All rights reserved.