- はじめに
- アクセス ポイント機能の概要
- Web ブラウザ インターフェイスの使用方法
- コマンドライン インターフェイスの使用
- アクセス ポイントの最初の設定
- アクセス ポイントの管理
- 無線の設定
- 複数の SSID の設定
- スパニングツリー プロトコルの設定
- ローカル認証サーバとしてのアクセス ポイ ントの設定
- WLAN 認証および暗号化の設定
- 認証タイプの設定
- その他のサービスの設定
- RADIUS サーバと TACACS+ サーバの設定
- VLAN の設定
- QoS の設定
- フィルタの設定
- CDP の設定
- SNMP の設定
- リピータ/スタンバイ アクセス ポイントお よびワークグループ ブリッジ モードの設定
- ファームウェアと設定の管理
- SCEP の設定
- LLDP の設定
- L2TPv3 over UDP/IP の設定
- Ethernet over GRE の設定
- システム メッセージ ロギングの設定
- トラブルシューティング
- その他の AP 固有の設定
- プロトコル フィルタ
- サポート対象 MIB
- エラー メッセージおよびイベント メッ セージ
コマンドライン インターフェイスの使用
この章では、ワイヤレス デバイスの設定に使用できる Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)について説明します。
Cisco IOS コマンド モード
Cisco IOS ユーザ インターフェイスには多くのモードがあります。使用可能なコマンドは、現在のモードによって異なります。各コマンド モードで使用できるコマンドのリストを取得するには、システム プロンプトで疑問符(?)を入力します。
ワイヤレス デバイスでセッションを開始すると、ユーザ モードになります。このモードは、通常、ユーザ EXEC モードと呼ばれます。ユーザ EXEC モードでは、Cisco IOS コマンドのサブセットを利用することができます。たとえば、現在の設定ステータスを示す show コマンドや、カウンタまたはインターフェイスを消去する clear コマンドなど、ほとんどのユーザ EXEC コマンドは 1 回限りのコマンドです。ユーザ EXEC コマンドは、ワイヤレス デバイスをリブートするときには保存されません。
すべてのコマンドにアクセスする場合は、特権 EXEC モードを開始する必要があります。特権 EXEC モードを開始するには、通常、パスワードが必要です。グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、特権 EXEC モードを開始していなければなりません。
コンフィギュレーション モード(グローバル、インターフェイス、およびライン)を使用して、実行コンフィギュレーションを変更できます。設定を保存した場合はこれらのコマンドが保存され、ワイヤレス デバイスをリブートするときに使用されます。各種のコンフィギュレーション モードにアクセスするには、まずグローバル コンフィギュレーション モードを開始する必要があります。グローバル コンフィギュレーション モードから、インターフェイス コンフィギュレーション モードおよびライン コンフィギュレーション モードに移行できます。
表 3-1 は主なコマンド モードと、それぞれのモードへのアクセス方法、各モードで表示されるプロンプト、およびモードの終了方法をまとめたものです。表内の例では、ホスト名に ap を使用しています。
ヘルプの表示
システム プロンプトで疑問符(?)を入力すると、各コマンド モードに使用できるコマンドのリストが表示されます。また、任意のコマンドについて、関連するキーワードおよび引数の一覧を表示することもできます。 表 3-2 を参照してください。
コマンドの短縮形
ワイヤレス デバイスでコマンドが一意に認識される長さまでコマンドを入力します。次の例は、 show configuration 特権 EXEC コマンドの入力方法を示しています。
コマンドの no 形式および default 形式の使用
ほとんどのコンフィギュレーション コマンドに no 形式があります。 no 形式は一般に、特定の機能または動作をディセーブルにする場合、あるいはコマンドの動作を取り消す場合に使用します。たとえば、インターフェイス コンフィギュレーション コマンド no shutdown を使用すると、インターフェイスのシャットダウンが取り消されます。キーワード no を指定せずにコマンドを使用すると、ディセーブルにした機能が再びイネーブルになり、また、デフォルトでディセーブルに設定されている機能がイネーブルになります。
コンフィギュレーション コマンドには、 default 形式もあります。コマンドの default 形式を使用すると、コマンドの設定がデフォルト値に戻ります。ほとんどのコマンドはデフォルトで無効に設定されているため、default 形式を使用しても no 形式と同じ結果になります。ただし、デフォルトでイネーブルに設定されていて、なおかつ変数が特定のデフォルト値に設定されているコマンドもあります。このような場合、default コマンドはそのコマンドを有効にし、変数をそのデフォルト値に設定します。
CLI メッセージの概要
表 3-3 は、CLI を使用してワイヤレス デバイスを設定しているときに表示されるエラー メッセージの一部を示しています。
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コマンド履歴の使用方法
CLI は、入力されたコマンドの履歴を保存します。この機能は、アクセス リストなど、長いまたは複雑なコマンドやエントリを呼び出す場合、特に便利です。コマンド履歴機能は、次の項で説明するように要件に合わせてカスタマイズできます。
コマンド履歴バッファ サイズの変更
デフォルトでは、ワイヤレス デバイスは履歴バッファにコマンド ライン 10 行を記録します。特権 EXEC モードで次のコマンドを入力して、現在のターミナル セッションでワイヤレス デバイスが記録するコマンド ライン数を変更します。
特定のライン上のすべてのセッションでワイヤレス デバイスが記録するコマンド ライン数を設定するには、ライン コンフィギュレーション モードから次のコマンドを入力します。
コマンドの呼び出し
履歴バッファにあるコマンドを呼び出すには、 表 3-4 にリストされているいずれかの操作を行います。
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履歴バッファに保存されているコマンドを、最新のコマンドから順に呼び出します。キーを押すたびに、より古いコマンドが順次表示されます。 |
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Ctrl+P キーまたは↑キーを使用してコマンドを呼び出した後、履歴バッファ内のより新しいコマンドに戻ります。キーを押すたびに、より新しいコマンドが順次表示されます。 |
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特権 EXEC モードで、直前に入力したいくつかのコマンドを表示します。表示されるコマンドの数は、グローバル コンフィギュレーション コマンド terminal history および回線コンフィギュレーション コマンド history の設定によって決まります。 |
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コマンド履歴機能のディセーブル化
現在の端末セッションでこの機能をディセーブルにするには、 terminal no history 特権 EXEC コマンドを使用します。
回線に関するセッションでコマンド履歴をディセーブルにするには、 no history ライン コンフィギュレーション コマンドを使用します。
編集機能の使用方法
ここでは、コマンドラインの操作に役立つ編集機能について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
編集機能のイネーブル化およびディセーブル化
拡張編集モードは自動的に有効に設定されますが、ディセーブルにできます。
現在の端末セッションで拡張編集モードを再びイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを入力します。
特定の回線について拡張編集モードを再び設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。
拡張編集モードをグローバルにディセーブルにするには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを入力します。
キー入力によるコマンドの編集
表 3-5 は、コマンド ラインの編集に必要なキー入力を示しています。
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| バッファからコマンドを呼び出し、コマンドラインにペーストします。ワイヤレス デバイスは、直前に削除された 10 項目をバッファに入れます。 |
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| バッファには、最後に削除またはカットした 10 項目しか保存されません。Esc+Y を 11 回以上押すと、最初のバッファ エントリに戻って表示されます。 |
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| 1 行または 1 画面下へスクロールして、端末画面に収まりきらない表示内容を表示させます。 (注) show コマンドの出力など、ターミナル画面で表示しきれない行のある出力には、More プロンプトが表示されます。More プロンプトが表示されている場合は、いつでも Return および Space バーを使用できます。 |
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画面幅よりも長いコマンドラインの編集
画面上で複数行にわたるコマンドに対して折り返し機能を使用できます。カーソルが右マージンに達すると、そのコマンドラインは 10 文字分だけ左へシフトされます。コマンドラインの先頭から 10 文字までは見えなくなりますが、左へスクロールして、コマンドの先頭部分の構文をチェックできます。
コマンドの先頭にスクロールして入力内容をチェックするには、Ctrl+B キーまたは←キーを繰り返し押します。コマンドラインの先頭に直接移動するには、Ctrl+A を押します。
(注
) 矢印キーが使用できるのは、VT100 などの ANSI 互換端末に限られます。
次の例では、 access-list グローバル コンフィギュレーション コマンド エントリが 1 行分よりも長くなっています。最初にカーソルが行末に達すると、その行は 10 文字分だけ左へシフトされ、再表示されます。ドル記号($)は、その行が左へスクロールされたことを表します。カーソルが行末に達するたびに、その行は再び 10 文字分だけ左へシフトされます。
コマンドの入力が終わった後、Ctrl+A を押して全体の構文をチェックし、その後 Return キーを押してコマンドを実行してください。行末に表示されるドル記号($)は、その行が右へスクロールされたことを表します。
ソフトウェアでは、端末画面は 80 カラム幅であると想定されています。それ以外の幅の場合は、特権 EXEC コマンド terminal width を使用してターミナルの幅を設定します。
ラップアラウンド機能とコマンド履歴機能を併用すると、前に入力した複雑なコマンド エントリを呼び出して変更できます。前に入力したコマンド エントリの呼び出し方法については、“キー入力によるコマンドの編集” sectionを参照してください。
show および more コマンド出力の検索およびフィルタリング
show コマンドおよび more コマンドの出力を検索してフィルタリングできます。この機能は、大量の出力をソートしたり、表示する必要のない出力を除外したりする場合に便利です。
この機能を使用するには、 show または more コマンドを入力した後、 パイプ 記号( | )、 begin 、 include 、または exclude のいずれかのキーワード、および文字列(検索またはフィルタの条件)を指定します。
command | { begin | include | exclude } regular-expression
文字列では、大文字と小文字が区別されます。たとえば、 | exclude output と入力した場合、 output を含む行は表示されませんが、 Output を含む行は表示されます。
次に、 protocol が使用されている行だけを出力するように指定する例を示します。
CLI のアクセス
ワイヤレス デバイス CLI は、Telnet またはセキュア シェル(SSH)を使用して開くことができます。
Telnet を使用して CLI を開く
Telnet を使用して CLI を開く手順は、次のとおりです。これらの手順は、Microsoft Windows を実行する PC で Telnet 端末アプリケーションを使用する場合を想定しています。オペレーティング システムの詳細な操作方法については、ご使用の PC の操作マニュアルを確認してください。
ステップ 1 [Start] > [Programs] > [Accessories] > [Telnet] の順に選択します。
[Accessories] メニューに Telnet がない場合は、[Start] > [Run] の順に選択し、入力フィールドに Telnet と入力して Enter を押します。
ステップ 2 [Telnet] ウィンドウで、open の後にワイヤレス デバイスの IP アドレスを入力し、Enter キーを押します。
ステップ 3 ユーザ名とパスワードが要求されたら、管理者のユーザ名とパスワードを入力します。デフォルトのユーザ名は Cisco、デフォルトのパスワードは Cisco です。デフォルトのイネーブル パスワードも Cisco です。ユーザ名とパスワードでは、大文字と小文字が区別されます。
セキュア シェルを使用して CLI を開く
セキュア シェル プロトコルは、ネットワーキング デバイスとの安全なリモート接続を可能にするプロトコルです。セキュア シェル(SSH)は、セッション全体を暗号化することによって、安全なログイン セッションを実現するソフトウェア パッケージです。SSH は、強力な暗号の認証、強力な暗号化、および完全性保護を特長としています。SSH の詳細は、SSH Communications Security, Ltd. のホームページ(http://www.ssh.com/)を参照してください。
SSH はデバイスの認証時に強力な暗号化を行うため、Telnet よりもリモート接続の安全性が高くなります。このリリースでは SSH バージョン 1 および 2 がサポートされています。ワイヤレス デバイスの SSH アクセスに関する設定手順の詳細は、“アクセス ポイントのセキュア シェルの設定”を参照してください。
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