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目次
この章では、Cisco Unified IP Phone または IP テレフォニー ネットワークの問題をトラブルシューティングする際に役立つ情報を提供します。 音声ネットワークのメンテナンス方法や電話機のクリーニング方法についても説明しています。
問題解決のために、さらにサポートが必要な場合は、マニュアルおよびテクニカル サポートを参照してください。
電話機の起動確認で説明したとおり、Cisco Unified IP Phone をネットワークに設置し、Cisco Unified Communications Manager に追加すると、電話機は起動します。 電話機が正しく起動しない場合は、次の項のトラブルシューティング情報を参照してください。
Cisco Unified IP Phone をネットワーク ポートに接続すると、電話機は電話機の起動確認で説明した通常の起動プロセスを実行します。
電話機が起動プロセスを実行しない場合、ケーブル不良、不正な接続、ネットワークの停止、電力の不足などの原因が考えられます。 または、電話機が動作していない可能性もあります。
電話機が動作しているかどうかを確認するには、次の手順で、考えられるその他の問題を体系的に排除します。
これらの解決策を試みても電話機が正常に機能しない場合は、シスコのテクニカルサポートの担当者に連絡して、サポートを受けてください。
電話機が起動プロセスの第 1 段階(すべての LED ボタンが点灯)を完了しても、電話機は正常に起動していません。 電話機は、イーサネット ネットワークに接続され、Cisco Unified Communications Manager サーバに登録されていない限り、正常に起動できません。
これ以外に、セキュリティ上の問題によって電話機が正常に起動しないこともあります。 詳細については、一般的なトラブルシューティング情報を参照してください。
電話機が起動プロセスを繰り返している間は、問題の原因に関する情報を提供するステータス メッセージにアクセスできます。 ステータス メッセージへのアクセス手順については、デバイス ログを参照してください。
電話機と、TFTP サーバまたは Cisco Unified Communications Manager との間のネットワークがダウンしていると、電話機は正常に起動できません。
TFTP 設定を確認してください。 TFTP 設定を参照してください。
電話機の IP アドレッシングおよびルーティングの設定を確認する必要があります。 DHCP を使用している場合は、DHCP サーバがこれらの値を提供します。 電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は、これらの値を手動で入力する必要があります。 DHCP 設定の確認を参照してください。
Cisco CallManager または TFTP サービスが作動していない場合は、電話機が正常に起動できないことがあります。 このような状況では、システム全体の障害が発生しており、他の電話機やデバイスも正常に起動できなくなっている可能性があります。
Cisco CallManager サービスが作動していない場合は、コールを確立するためにこのサービスに依存しているネットワーク上のすべてのデバイスが影響を受けます。 TFTP サービスが作動していない場合は、多数のデバイスが正常に起動できません。 詳細については、サービスの開始を参照してください。
この章に記載された他の解決策を試みても解決しない問題が特定の電話機で存続する場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。
電話機の新しいコンフィギュレーション ファイルを作成します。 新しいコンフィギュレーション ファイルの作成を参照してください。
Cisco Unified IP Phone は、電話機がサーバに追加されている場合、または自動登録が有効になっている場合であって、十分な数のユニット ライセンスが利用できる場合のみ、Cisco Unified Communications Manager サーバに登録できます。 電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースに追加されているかどうかを確認するには、Cisco Unified Communications Manager における電話機の追加方法の説明と手順を参照してください。
電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースに登録されていることを確認するには、[Cisco Unified CM の管理(Cisco Unified Communications Manager Administration)] で を選択して、MAC アドレスに基づいて電話機を検索します。 MAC アドレスを特定する方法については、Cisco Unified IP Phone を調べるための MAC アドレスを参照してください。
電話機がすでに Cisco Unified Communications Manager データベースに登録されている場合は、その設定ファイルが損傷している可能性があります。 サポートについては、新しいコンフィギュレーション ファイルの作成を参照してください。
ライセンスの詳細については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Licenses for Phones」の項を参照してください。
電話機が起動時に IP アドレスを取得できない場合、その電話機が、DHCP サーバと同じネットワークまたは VLAN にないか、または電話機が接続されているスイッチ ポートが無効になっている可能性があります。
電話機が接続されているネットワークまたは VLAN が DHCP サーバにアクセスできるようにし、スイッチ ポートが有効になっていることを確認します。
電話機が通話中やデスク上でアイドル状態のときにリセットされるという報告をユーザから受けた場合は、原因を調査する必要があります。 ネットワーク接続と Cisco Unified Communications Manager の接続が安定している場合は、Cisco Unified IP Phone が単独でリセットされることはありません。
通常は、イーサネット ネットワークまたは Cisco Unified Communications Manager への接続に問題がある場合に電話機がリセットされます。
Cisco Unified IP Phone が接続されているイーサネット接続が作動していることを確認します。 たとえば、電話機が接続されている特定のポートまたはスイッチがダウンしていないか、またスイッチが再起動中でないかどうかを確認します。 また、ケーブルが切断されていないことを確認します。
断続的なネットワークの停止は、データ トラフィックと音声トラフィックにそれぞれ異なる影響を与えます。 ネットワークは、検出されないまま断続的に停止していることがあります。 この場合、データ トラフィックでは喪失パケットを再送信し、パケットが受信および送信されたことを確認できます。 ただし、音声トラフィックでは、喪失パケットを取り戻すことはできません。 電話機は、失われたネットワーク接続を再送信するのではなく、リセットしてネットワークへの再接続を試みます。 音声ネットワークの既知の問題の詳細については、システム管理者にお問い合わせください。
電話機が DHCP を使用するように正しく設定されていることを確認します。 詳細については、設定メニューを参照してください。 DHCP サーバが正しく設定されていることを確認します。 DHCP リース期間を確認します。 シスコでは、この値を 8 日に設定することを推奨しています。
電話機にスタティック IP アドレスが割り当てられている場合は、正しい設定値が入力されていることを確認します。 詳細については、設定メニューを参照してください。
ネットワークの使用量が多いときに Cisco Unified IP Phone がリセットされるように見受けられる場合は(たとえば、電話機と同じスイッチに接続されているコンピュータで過度に Web サーフィンをしている場合など)、ボイス VLAN が設定されていない可能性があります。
電話機を個別の補助 VLAN に分離することで、音声トラフィックの品質が向上します。 詳細については、Cisco Unified SIP Phone 3905 と VLAN の連携を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager へのアクセス権を持つ管理者が 1 人だけではない場合は、他の管理者が意図的に電話機をリセットしていないかどうかを確認する必要があります。
Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified Communications Manager からリセットするコマンドを受信したかどうかを確認するには、電話機の [アプリケーション(Applications)] ボタンを押し、 を選択します。 最近、電話機がリセットされた場合は、次のいずれかのメッセージが表示されます。
電話機が継続してリセットされる場合、DNS または接続の問題を特定するで DNS または他の接続エラーをなくします。
外部電源から電話機に電力が供給されていたが、外部電源との接続が失われ、PoE に切り替わった場合に、電話機が再起動することがよくあります。 同様に、PoE を使用して電力が供給されている電話機が外部電源に接続された場合にも、電話機が再起動することがあります。
少なくとも 1 人の通話者がオーディオを受信できない場合、電話機間の IP 接続が確立されていません。 ルータとスイッチの設定をチェックし、IP 接続が正しく設定されていることを確認します。
AvgJtr 統計情報と MaxJtr 統計情報を確認します。 これらの統計に大きな差がある場合は、ネットワークのジッタに問題があるか、または周期的にネットワーク アクティビティが高くなっている可能性があります。 統計情報表示の詳細については、コール統計(Call Statistics)を参照してください。
タンデム オーディオ符号化で品質が低下しています。 IP Phone とデジタル携帯電話との間で通話しているときに、会議ブリッジを使用しているか IP 対 IP 通話の一部が PSTN 経由でルーティングされる場合、タンデム符号化が発生することがあります。
電話機に DHCP IP アドレスがないため、Cisco Unified Communications Manager に登録できません。 LCD ディスプレイを搭載した電話機には「Configuring IP or Registering」というメッセージが表示されます。 LCD ディスプレイを搭載していない電話機の場合、ユーザが通話しようとすると(ダイヤル トーンではなく)リオーダー トーンが再生されます。
これらの手順を使用して、問題を特定して解消できます。
[アプリケーション(Applications)] を押し、 を選択して、電話機で使用された TFTP サーバの IP アドレスを判断できます。
電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は、手動で [TFTP サーバ 1(TFTP Server 1)] オプションに設定値を入力する必要があります。 設定メニューを参照してください。
DHCP を使用している場合は、電話機は TFTP サーバのアドレスを DHCP サーバから取得します。 オプション 150 またはオプション 66 で設定した IP アドレスを確認します。
また、電話機が代替 TFTP サーバを使用できるように設定することもできます。 このような設定は、電話機の場所を最近移動した場合などに特に役立ちます。 手順については、設定メニューを参照してください。
Cisco Unified IP Phone で、[アプリケーション(Applications)] を押し、 を選択し、次のオプションを確認します。
(注) |
サービスを開始または停止するには、事前にサービスをアクティブにする必要があります。 サービスを開始するには、 を選択します。 |
この章に記載された他の解決策を試みても解決しない問題が特定の電話機で存続する場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。
ステップ 1 | Cisco Unified Communications Manager で、 を選択し、問題が発生している電話機を見つけます。 |
ステップ 2 | [削除(Delete)] を選択して、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースから削除します。 |
ステップ 3 | 電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加し直します。 詳細については、Cisco Unified Communications Manager における電話機の追加方法を参照してください。 |
ステップ 4 | 電話機の電源をオフ/オンします。 |
ステップ 1 | [設定のリセット(Reset Settings)] メニューを使用して、電話機をデフォルト値にリセットします。 詳細については、Cisco Unified IP Phone のリセットまたは復元を参照してください。 |
ステップ 2 | 次の操作を実行して、DHCP および IP の設定を変更します。 |
ステップ 3 | Cisco Unified Communications Manager サーバで、正しい IP アドレスにマッピングされている正しい Cisco Unified Communications Manager サーバ名がローカル ホスト ファイルに指定されていることを確認します。 |
ステップ 4 | Cisco Unified Communications Manager で、 を選択し、サーバが DNS 名ではなく IP アドレスで参照されていることを確認します。 |
ステップ 5 | Cisco Unified Communications Manager で、Cisco Unified IP Phone を調べるための MAC アドレスを参照してください。 を選択し、この Cisco Unified IP Phone に正しい MAC アドレスが割り当てられていることを確認します。 MAC アドレスを特定する方法については、 |
ステップ 6 | 電話機の電源をオフ/オンします。 |
次の表に、Cisco Unified IP Phone の一般的なトラブルシューティングの問題を示します。
要約 |
説明 |
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Cisco Unified IP Phone から別の Cisco Unified IP Phone への接続。 |
シスコでは、PC ポートを介した IP Phone 間の接続はサポートしていません。 各 IP Phone は、スイッチ ポートに直接接続する必要があります。 電話機が(PC ポートを使用して)1 つの回線にまとめて接続されている場合、それらの電話機は動作しません。 |
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長時間のブロードキャスト ストームのために、IP Phone がリセットしたり、コールの発信や応答ができなくなることがある。 |
ボイス LAN 上の長時間(数分間)にわたるレイヤ 2 ブロードキャスト ストームのために、IP Phone がリセットされたり、アクティブなコールが失われたり、コールの発信や応答ができなくなることがあります。 ブロードキャスト ストームが終了するまで、電話機が起動しないことがあります。 |
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ネットワーク接続を電話機からワークステーションに移行する。 |
ネットワーク接続を介して電話機に電力を供給している場合は、電話機のネットワーク接続を外して、そのケーブルをデスクトップ コンピュータに接続する際に注意する必要があります。
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電話機の設定を変更する。 |
デフォルトでは、ネットワーク接続に影響を与える可能性のある変更をユーザが加えないように、ネットワーク設定オプションはロックされています。 ネットワーク設定オプションを設定する前に、それらをロック解除する必要があります。 詳細については、設定メニューを参照してください。 |
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電話機がリセットされる。 |
電話機は、Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアとの接続が失われるとリセットされます。 この接続が失われる原因としては、ケーブルの切断、スイッチの停止、スイッチのリブートなど、ネットワーク接続障害が考えられます。 |
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電話機と他のデバイスのコーデックの不一致。 |
RxType 統計および TxType 統計に、この Cisco Unified IP Phone と他のデバイスとのやり取りに使用されているコーデックが表示されます。 これらの統計情報の値は、一致している必要があります。 コーデックが一致しない場合、相手側のデバイスがコーデック会話を処理できるかどうか、またはトランスコーダがサービスを処理するように設置されているかどうかを確認します。 |
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電話機と別のデバイスの音声サンプルの不一致。 |
RxSize 統計および TxSize 統計に、この Cisco Unified IP Phone と他のデバイスとのやり取りに使用される音声パケットのサイズが表示されます。 これらの統計情報の値は、一致している必要があります。 |
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ループバック状態。 |
ループバック状態は、次の条件を満たすと発生します。
この場合、電話機のスイッチ ポートが無効になり、次のメッセージがスイッチのコンソール ログに表示されます。 HALF_DUX_COLLISION_EXCEED_THRESHOLD この問題を解決するには、スイッチからポートを再度有効にします。 |
Cisco Unified IP Phone のトラブルシューティングについてさらに疑問がある場合は、Cisco.com のいくつかの Web サイトで詳細な情報を得ることができます。 アクセス レベルに対応するサイトから選択してください。
Cisco Unified IP Phone の基本的なリセットを実行すると、電話機にエラーが発生している状態から復旧したり、各種の設定およびセキュリティ設定をリセットまたは復元したりすることができます。
次の表で、基本的なリセットの実行方法を説明します。 電話機が起動した後は、これらのいずれかの操作で電話機をリセットできます。 状況に応じて適切な操作を選択します。
オペレーション |
手順 |
説明 |
---|---|---|
電話機の再起動 |
電源ケーブルを抜き、もう一度差し込みます。 |
ユーザ設定およびネットワーク設定に変更を加えていても、電話機がフラッシュ メモリに書き込んでいない場合は、以前に保存された設定にリセットされ、その後、電話機が再起動されます。 |
設定のリセット |
電話機を工場出荷時の設定にリセットします。 |
ユーザ設定およびネットワーク設定をデフォルト値にリセットし、電話機をリセットし、電話機を再起動します。 |
Cisco Unified IP Phone を工場出荷時の状態にリセットすると、次の情報が消去されたり、デフォルト値にリセットされたりします。
工場出荷時の状態にリセットする前に、次の条件を満たしていることを確認します。
電話機を工場出荷時の状態にリセットするには、[アプリケーション(Applications)] を押し、 を選択するか、次の手順に従います。
ステップ 1 |
電話機の電源コードを抜き、もう一度差し込みます。 電話機は、電源投入サイクルを開始します。 |
ステップ 2 | 電話機の起動中に、回線 LED が緑色に変わるまで # を押し続けます。 |
ステップ 3 |
# ボタンを離し、123456789*0# を押します。 完了すると、電話機が再起動します。 |
ネットワーク内で送受信されるコールの音声品質を測定するために、Cisco Unified IP Phone では、次の秘匿イベントに基づいた統計メトリックを使用します。 DSP は、音声パケット ストリーム内でフレーム損失の部分をマスクするために、隠蔽フレームを再生します。
(注) |
フレーム損失率とフレーム損失発生秒数は、フレーム損失に基づいた主要な測定値です。 フレーム損失率がゼロの場合は、IP ネットワークが損失なく時間どおりにフレームやパケットを配信していることを示しています。 |
[ストリームの統計(Streaming Statistics)] を使用すると、リモートから音声品質メトリックにアクセスできます(リモート モニタリングの章を参照)。
音声品質モニタリング用のメトリックを使用する場合は、パケット損失のない通常の条件下で典型的なスコアを記録し、このメトリックを比較のベースラインとして使用してください。
メトリックにおいてランダムな変化と重大な変化を区別することも重要です。 重大な変化とは、約 0.2 MOS 以上の変化があるスコア、または 30 秒を超えるコールで持続するスコアです。 フレーム損失率に変化があると、3 % を超えるフレーム損失があることを意味します。
MOS LQK スコアは、Cisco Unified IP Phone が使用するコーデックに基づいて変化する可能性があります。 フレーム損失のない通常の条件下で Cisco Unified SIP Phone 3905 に最大 MOS LQK スコアを提供するコーデックを次に示します。
フレーム損失率がゼロの場合は、IP ネットワークが損失なく時間どおりにフレームやパケットを配信していることを示しています。
メトリックに大幅な変化が継続的に見られた場合、一般的なトラブルシューティング情報には次の表を使用してください。
(注) |
音声品質メトリックでは、ノイズや歪みは考慮されません。フレーム損失だけが考慮されます。 |
Cisco Unified IP Phone をクリーニングするには、必ず乾いた柔らかい布で軽く電話機を拭いてください。 液体や粉末を直接電話機に付けないでください。 すべての非耐候性の電子機器と同様に、液体や粉末はコンポーネントを損傷し、障害を引き起こすことがあります。