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目次
Cisco Unified IP Phone を使用すると、データ ネットワークを経由して、音声を使用して通信できるようになります。 この機能を提供するために、IP Phone では、Cisco Unified Communications Manager など、他の主要な Cisco Unified IP テレフォニー コンポーネントを利用し、それらと連携します。
この章では、 Cisco Unified SIP Phone 3905 と Cisco Unified Communications Manager、DNS サーバ、DHCP サーバ、TFTP サーバ、およびスイッチとの間の連携を中心に説明します。 また、電話機への電源供給に関するオプションについても説明します。
音声通信と IP 通信については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/partner/products/sw/voicesw/index.htmlhttp://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/index.html
この章では、Cisco Unified IP Phone と Voice over IP(VoIP)ネットワークの他の主要コンポーネントとの間で行われる相互対話の概要について説明します。 この章は、次の項で構成されています。
Cisco IP Phone を IP テレフォニー ネットワークで機能させるには、IP Phone を Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーク デバイスに接続する必要があります。 コールを発着信できるようにするには、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified Communications Manager システムに登録する必要もあります。
Cisco Unified Communications Manager は、業界標準のオープンなコール処理システムです。 Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアは、従来の PBX 機能を企業の IP ネットワークに統合して、電話機間でコールを確立および切断します。 Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランなどの機能で必要になる IP テレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。 また、Cisco Unified Communications Manager には、次の機能もあります。
この章で説明している IP デバイスと連携するための Cisco Unified Communications Manager の設定方法については、『 Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Cisco Unified IP Phone Configuration」の章を参照してください。
(注) |
設定しようとする Cisco Unified IP Phone のモデルが、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話のタイプ(Phone Type)] ドロップダウン リストに表示されない場合は、次の URL にアクセスして、使用している Cisco Unified Communications Manager バージョンの最新のサポート パッチをインストールします。http://tools.cisco.com/support/downloads/go/Redirect.x?mdfid=278875240 |
(注) |
詳細については、『Cisco Unified Communications Operating System Administration Guide』の「Software Upgrades」を参照してください。 |
Cisco Unified SIP Phone 3905 にはイーサネット スイッチが内蔵されているため、パケットを電話機と、電話機の背面にあるアクセス ポートおよびネットワーク ポートに転送できます。
アクセス ポートにコンピュータを接続した場合、コンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。 このように物理リンクが共有されるため、ネットワークの VLAN 設定について、次のような考慮事項が存在します。
これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離することで解決できます。 電話機の接続先となるスイッチ ポートには、次の 2 つのトラフィックの伝送用に、それぞれ別個の VLAN を設定します。
電話機を独立した補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上するとともに、各電話機に割り当てるための IP アドレスが十分にない既存ネットワークに対しても、多数の電話機を追加できるようになります。
詳細については、Cisco スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。 スイッチに関する情報には、次の URL からもアクセスできます。
http://cisco.com/en/US/products/hw/switches/index.html
Cisco Unified SIP Phone 3905 への電力は、外部電源または Power over Ethernet(PoE)によって供給できます。 外部電源は、独立型の電源を通じて提供されます。 PoE は、イーサネット ケーブルを介して電話機に接続されているスイッチによって提供されます。
(注) |
外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。 外部電源から電力が供給されている電話機を取り外す場合は、電源装置を取り外す前に、イーサネット ケーブルを電話機から取り外してください。 |
次の表に、 Cisco Unified SIP Phone 3905 に電力を供給するためのガイドラインを示します。
電話で緊急サービスにアクセスする場合、電話に電源が供給される必要があります。 電源障害がある場合、電源が復旧するまで、利用および緊急コール サービス ダイヤルは機能しません。 電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、利用および緊急コール サービスへのダイヤルを行う必要があります。
次の表に記載されたマニュアルは、次のトピックについて説明しています。
ドキュメントのトピック |
URL |
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Cisco Unified IP Phone パワー インジェクタ |
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6951/index.html |
PoE ソリューション |
http://www.cisco.com/en/US/netsol/ns340/ns394/ns147/ns412/index.html |
Cisco Catalyst スイッチ |
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/switches/index.html |
サービス統合型ルータ |
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/routers/index.html |
Cisco IOS ソフトウェア |
電話機の設定ファイルは TFTP サーバに保存されており、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータを定義しています。 通常、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified Communications Manager に加えると、その変更内容は、電話機のコンフィギュレーション ファイルに自動的に反映されます。
設定ファイルには、電話機がどのイメージ ロードを実行するかも記述されています。 このイメージ ロードが電話機にロードされているものと異なる場合、電話機は TFTP サーバにアクセスし、必要なロード ファイルを要求します。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでセキュリティ関連の設定を行うと、電話機の設定ファイルに重要な情報が保存されます。 設定ファイルのプライバシーを確保するには、そのファイルを暗号化用に設定する必要があります。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「Configuring Encrypted Phone Configuration Files」の章を参照してください。 Cisco Unified Communications Manager でリセットおよび登録されるたびに、電話機は設定ファイルを要求します。
次の条件を満たしている場合、電話機は、TFTP サーバにある XmlDefault.cnf.xml という名前のデフォルト設定ファイルにアクセスします。
自動登録が有効になっておらず、電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースにまだ追加されていない場合、電話機の登録要求が拒否されます。
電話機の設定の詳細については、 『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Cisco Unified IP Phone Configuration」の章を参照してください。
VoIP ネットワークに接続する場合、 Cisco Unified SIP Phone 3905 は、次の表に記載の標準の起動プロセスを実行します。 ネットワークの設定によっては、Cisco Unified IP Phone でこれらのステップの一部が発生しないこともあります。
ステップ 1 |
スイッチから電力を取得します。 電話機が外部電源を使用していない場合は、電話機に接続されているイーサネット ケーブルを通じて、スイッチがインラインパワーを供給します。 詳細については、Cisco Unified Communications Manager における電話機の追加方法および起動時の問題を参照してください。 |
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ステップ 2 | VLAN の設定。 Cisco Unified IP Phone を Cisco Catalyst スイッチに接続している場合、スイッチは、スイッチ上に定義されているボイス VLAN を電話機に通知します。 電話機が Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)要求を使用して IP アドレスの取得を開始するには、自身の VLAN メンバーシップを電話機があらかじめ把握している必要があります。 | ||
ステップ 3 | IP アドレスを取得します。 Cisco Unified IP Phone で DHCP を使用して IP アドレスを取得する場合、電話機は DHCP サーバにクエリーを発行してアドレスを取得します。 ネットワークで DHCP を使用していない場合は、個々の電話機がある場所でスタティック IP アドレスを手動で割り当てる必要があります。 | ||
ステップ 4 |
TFTP サーバへアクセスします。 DHCP サーバは、IP アドレスを割り当てるほかに、Cisco Unified IP Phone に対して TFTP サーバも指定します。 電話機の IP アドレスを静的に定義した場合は、電話機がある場所で TFTP サーバを設定する必要があります。設定すると、電話機は TFTP サーバに直接アクセスします。
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ステップ 5 |
コンフィギュレーション ファイルを要求します。 TFTP サーバは、設定ファイルを保持しています。このファイルは、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータに加え、電話機に関するその他の情報を定義しています。 詳細については、Cisco Unified Communications Manager における電話機の追加方法および起動時の問題を参照してください。 |
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ステップ 6 |
保存されている電話イメージをロードします。 Cisco Unified IP Phone は、ファームウェア イメージとユーザ定義の設定値を保存する不揮発性フラッシュ メモリを備えています。 電話機は、フラッシュ メモリに保存されている電話イメージをロードするブートストラップ ローダーを起動時に実行します。 このイメージを使用して、電話機は自身のソフトウェアとハードウェアを初期化します。 詳細については、起動時の問題を参照してください。 |
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ステップ 7 |
Cisco Unified Communications Manager と通信します。 設定ファイルは、Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified Communications Manager とどのように通信するかを定義し、電話機にロード ID を提供します。 電話機は、このファイルを TFTP サーバから取得すると、リストで優先順位が最も高い Cisco Unified Communications Manager への接続を確立しようとします。 電話機をデータベースに手動で追加した場合は、Cisco Unified Communications Manager が電話機を識別します。 電話機をデータベースに手動で追加しておらず、Cisco Unified Communications Manager で自動登録が有効になっている場合、電話機の Cisco Unified Communications Manager データベースへの自動登録が試みられます。 詳細については、起動時の問題を参照してください。 |
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法を選択しておく必要があります。 電話機を追加するには、電話機タイプ別に定められた数のデバイス ライセンス ユニットが必要です。サーバに用意されているユニット ライセンスの数によっては、電話機の登録に影響が生じる場合があるので注意してください。 ライセンスの詳細については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Licenses for Phones」の項を参照してください。
次の表に、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法の概要を示します。
電話機を設置する前に自動登録を有効にしておくと、次のことが可能になります。
(注) |
自動登録は、ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合に使用することを推奨します。 100 台を超える電話機をネットワークに追加するには、一括管理ツール(BAT)を使用します。 |
自動登録は、デフォルトでは無効になっています。 場合によっては、自動登録の使用が適さないことがあります。たとえば、電話機に特定の電話番号を割り当てる場合です。 自動登録の有効化については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Enabling Auto-Registration」を参照してください。
自動登録と TAPS(Tool for Auto-Registered Phones Support)を使用すると、MAC アドレスを最初に電話機から収集しなくても、電話機を追加することができます。
TAPS は、一括管理ツール(BAT)と連携して、Cisco Unified Communications Manager データベースにダミー MAC アドレスを使用して追加された一連の電話機をアップデートします。 TAPS を使用して電話機の MAC アドレスをアップデートし、あらかじめ定義しておいた設定をダウンロードします。
(注) |
自動登録と TAPS は、ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合に使用することを推奨します。 100 台を超える電話機をネットワークに追加するには、一括管理ツール(BAT)を使用します。 |
TAPS を利用するには、管理者またはエンド ユーザが TAPS の電話番号をダイヤルして、音声プロンプトに従います。 このプロセスが完了すると、電話機は電話番号とその他の設定値がダウンロードされた状態になり、Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、電話機が適切な MAC アドレスを使用してアップデートされます。
TAPS が機能するためには、Cisco Unified Communications Manager の管理( )で自動登録を有効にする必要があります。
詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Bulk Administration」の章を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して、個別の電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加できます。 追加するには、まず各電話機の MAC アドレスを入手する必要があります。
MAC アドレスを収集できたら、Cisco Unified Communications Manager の管理で の順に選択し、[新規追加(Add New)] をクリックして開始します。
詳細な手順および Cisco Unified Communications Manager の概念については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Cisco Unified Communications Manager Overview」の章を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Tool(BAT; 一括管理ツール)は、複数の電話機に対して登録などのバッチ操作を実行できます。
BAT を TAPS と併用せずに、単独で使用して電話機を追加するには、対象になる各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
[一括管理(Bulk Administration)] メニューを使用した電話機の追加方法の詳しい手順については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』の「Inserting Phones」の章を参照してください。
このマニュアルで説明されている手順の一部では、Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスを調べる必要があります。 電話機の MAC アドレスは、次の方法で調べることができます。