IS-IS ルーティングの設定

IS-IS ルーティングに関する情報

Integrated Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)は、ISO ダイナミック ルーティング プロトコルの一つです(ISO 105890 を参照)。IS-IS をイネーブルするには、IS-IS ルーティングプロセスを作成し、それをネットワークではなく特定のインターフェイスに割り当てる必要があります。マルチエリア IS-IS コンフィギュレーション シンタックスを使用することで、レイヤ 3 デバイスごとに複数の IS-IS ルーティングプロトコルを指定できます。その後、IS-IS ルーティングプロセスのインスタンスごとにパラメータを設定する必要があります。

小規模の IS-IS ネットワークは、ネットワーク内にすべてのデバイスが含まれる単一のエリアとして構築されます。このネットワークは、その規模が大きくなるにしたがって、ローカルエリアに接続されたままの、接続済みのレベル 2 デバイスのセットで構成されるバックボーンエリア内に再編成されます。ローカル エリアの内部では、デバイスがすべてのシステム ID に到達する方法を認識しています。エリア間では、デバイスはバックボーンへの到達方法を認識しており、バックボーン デバイスは他のエリアに到達する方法を認識しています。

デバイスは、ローカルエリア内でルーティングを実行するために、レベル 1 の隣接関係を確立します(ステーションルーティング)。デバイスは、レベル 2 隣接関係を確立して、レベル 1 エリア間でルーティングを実行します(エリアルーティング)。

1 つの Cisco デバイスは、最大 29 エリアのルーティングに参加でき、バックボーンでレベル 2 ルーティングを実行できます。一般に、ルーティング プロセスごとに 1 つのエリアに対応します。デフォルトでは、設定されているルーティングプロセスの最初のインスタンスが、レベル 1 ルーティングと レベル 2 ルーティングの両方を実行します。追加のデバイスインスタンスを設定できます。このインスタンスは、自動的にレベル 1 エリアとして扱われます。IS-IS ルーティング プロセスの各インスタンスごとに個別にパラメータを設定する必要があります。

IS-IS マルチエリア ルーティングでは、シスコの各装置に対して最大 29 個の レベル 1 エリアを定義できますが、レベル 2 ルーティングを実行するプロセスは 1 つだけ設定できます。レベル 2 ルーティングが任意のプロセス上に設定されている場合、追加のプロセスは、すべて自動的にレベル 1 に設定されます。同時に、このプロセスがレベル 1 ルーティングを実行するように設定することもできます。デバイスインスタンスにレベル 2 ルーティングが必要でない場合は、 グローバル コンフィギュレーション モードで is-type コマンドを使用してレベル 2 の機能を削除します。別のデバイスインスタンスをレベル 2 デバイスとして設定する場合にも is-type コマンドを使用します。

NSF 認識

統合型 IS-IS ノンストップ フォワーディング(NSF)認識機能は IPv4G でサポートされています。この機能により、NSF を認識する顧客宅内機器(CPE)デバイスが、NFS 対応デバイスによるパケットのノンストップ フォワーディングを実現します。ローカルデバイスでは、必ずしも NSF を実行している必要はありませんが、その NSF を認識機能により、スイッチオーバープロセス時にルーティングデータベースの完全性と精度、および隣接 NSF 対応デバイス上のリンクステートデータベースが保持できます。

統合型 IS-IS ノンストップ フォワーディング(NSF)認識機能は自動的に有効になり、設定は不要です。

IS-IS グローバル パラメータ

次に、設定可能なオプションの IS-IS グローバルパラメータを示します。

  • ルートマップによって制御されるデフォルトルートを設定することで、デフォルトルートを IS-IS ルーティングドメイン内に強制的に設定できます。ルートマップで設定可能な、その他のフィルタリングオプションも指定できます。

  • 内部チェックサムエラーとともに受信された IS-IS リンクステートパケット(LSP)を無視したり、破損した LSP を消去するようにデバイスを設定できます。これにより、LSP の発信側は、LSP を再生成します。

  • エリアおよびドメインにパスワードを割り当てられます。

  • ルーティングテーブルでサマリーアドレスによって表される(経路集約に基づいた)集約アドレスを作成できます。他のルーティング プロトコルから学習したルートも集約できます。サマリーをアドバタイズするのに使用されるメトリックは、すべての個別ルートにおける最小のメトリックです。

  • 過負荷ビットを設定できます。

  • LSP リフレッシュインターバルおよび LSP がリフレッシュなしでデバイスデータベース内にとどまることができる最大時間を設定できます。

  • LSP 生成に対するスロットリング タイマー、最短パス優先計算、および部分ルート計算を設定できます。

  • IS-IS 隣接関係(アジャセンシー)がステートを変更(アップまたはダウン)する際に、デバイスがログメッセージを生成するように設定できます。

  • ネットワーク内のリンクが、1500 バイト未満の最大伝送ユニット(MTU)サイズの場合、それでもルーティングが行われるように LSP MTU の値を低くできます。

  • partition avoidance コマンドを使用して、レベル 1-2 境界デバイス、隣接レベル 1 デバイス、およびエンドホスト間で完全な接続が失われた場合に、エリアがパーティション化されるのを防ぐことができます。

IS-IS インターフェイス パラメータ

任意で、特定のインターフェイス固有の IS-IS パラメータを、付加されている他のデバイスとは別に設定できます。ただし、デフォルト値(乗数およびタイムインターバルなど)を変更する場合、複数のデバイスおよびインターフェイス上でもこれを変更する必要があります。ほとんどのインターフェイス パラメータは、レベル 1、レベル 2、またはその両方で設定できます。

設定可能なインターフェイスレベルのパラメータは次のとおりです。

  • インターフェイスのデフォルトメトリック:Quality of Service(QoS)ルーティングが実行されない場合に、IS-IS メトリックの値として使用され、割り当てられます。

  • hello インターバル(インターフェイスから送信される hello パケットの間隔)またはデフォルトの hello パケット乗数:インターフェイス上で使用されて、IS-IS hello パケットで送信されるホールド タイムを決定します。ホールド タイムは、ネイバーがダウンしていると宣言するまでに、別の hello パケットを待機する時間を決定します。これにより、障害リンクまたはネイバーが検出される速さも決定し、ルートを再計算できるようになります。hello パケットが頻繁に失われ、IS-IS 隣接に無用な障害が発生する場合は、hello 乗数を変更してください。hello 乗数を大きくし、それに対応して hello インターバルを小さくすると、リンク障害を検出するのに必要な時間を増やすことなく、hello プロトコルの信頼性を高めることができます。

  • その他のタイム インターバル:

    • Complete Sequence Number PDU(CSNP)インターバル:CSNP は、データベースの同期を維持するために指定デバイスによって送信されます。

    • 再送信インターバル:これは、ポイントツーポイントリンクの IS-IS LSP の再送信間隔です。

    • IS-IS LSP 再送信スロットルインターバル:これは、IS-IS LSP がポイントツーポイントリンク上で再送信される最大レート(パケット間のミリ秒数)です。この間隔は、同じ LSP の連続した再送信の間隔である再送信インターバルとは異なります。

  • 指定デバイスの選択の優先順位:マルチアクセスネットワークで必要な隣接数を削減し、その代わりに、ルーティング プロトコル トラフィックの量およびトポロジデータベースのサイズを削減できます。

  • インターフェイス回線タイプ:指定されたインターフェイス上のネイバーに必要な隣接タイプです。

  • インターフェイスのパスワード認証。

IS-IS の設定方法

ここでは、インターフェイスで IS-IS を有効にする方法、IS-IS グローバルパラメータを設定する方法、および IS-IS インターフェイスパラメータを設定する方法について説明します。

IS-IS のデフォルト設定

表 1. IS-IS のデフォルト設定

機能

デフォルト設定

リンクステート PDU(LSP)エラーを無視

イネーブル。

IS-IS タイプ

従来型の IS-IS:ルータは、レベル 1(ステーション)とレベル 2(エリア)両方のルータとして機能します。

マルチエリア IS-IS:IS-IS ルーティングプロセスの最初のインスタンスがレベル 1-2 ルータです。残りのインスタンスは、レベル 1 ルータです。

デフォルト情報送信元

ディセーブル。

IS-IS 隣接関係のステート変更を記録

ディセーブル。

LSP 生成スロットリング タイマー

連続した 2 つのオカレンス間の最大インターバル:5000 ミリ秒

初期 LSP 生成遅延:50 ミリ秒

最初と 2 番目の LSP 生成の間のホールド時間:200 ミリ秒

LSP 最大ライフ タイム(リフレッシュなし)

LSP パケットが削除されるまで 1200 秒(20 分)

LSP リフレッシュ インターバル

900 秒(15 分)ごと

最大 LSP パケット サイズ

1497 バイト

NSF 認識

イネーブル。レイヤ 3 デバイスでは、ハードウェアやソフトウェアの変更中に、隣接するノンストップ フォワーディング対応ルータからのパケットを転送し続けることができます。

部分ルート計算(PRC)スロットリング タイマー

最大 PRC 待機インターバル:5000 ミリ秒

トポロジの変更後の初期 PRC 計算遅延:50 ミリ秒

最初と 2 番目の PRC 計算の間のホールド時間:200 ミリ秒

パーティション回避

ディセーブル。

パスワード

エリアまたはドメインのパスワードが定義されておらず、認証はディセーブルになっています。

過負荷ビットの設定

ディセーブル。有効の際に引数が入力されない場合、過負荷ビットがただちに設定され、no set-overload-bit コマンドが入力されるまで設定されたままになります。

Shortest Path First(SPF)スロットリング タイマー

連続した SFP 間の最大インターバル:5000 ミリ秒

トポロジの変更後の初期 SFP 計算:200 ミリ秒

最初と 2 番目の SFP 計算の間のホールド時間:50 ミリ秒

サマリー アドレス

ディセーブル

IS-IS ルーティングのイネーブル化

IS-IS をイネーブルにするには、各ルーティングプロセスに名前とネットワーク エンティティ タイトル(NET)を指定します。インターフェイス上で IS-IS ルーティングをイネーブルにし、ルーティングプロセスの各インスタンスに対してエリアを指定します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device>enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device#configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

clns routing

例:


Device(config)#clns routing

デバイス上で ISO コネクションレス型ルーティングをイネーブルに設定します。

ステップ 4

router isis [area tag]

例:


Device(config)#router isis tag1

指定したルーティングプロセスに対して IS-IS ルーティングをイネーブルにし、IS-IS ルーティング コンフィギュレーション モードを開始します。

(任意)area tag 引数を使用して、IS-IS ルータが割り当てられているエリアを特定します。複数の IS-IS エリアを設定する場合は、値を入力します。

最初に設定された IS-IS インスタンスは、デフォルトでレベル 1-2 です。後のインスタンスは、自動的にレベル 1 に設定されます。グローバル コンフィギュレーション モードで is-type コマンドを使用してルーティングのレベルを変更できます。

ステップ 5

net network-entity-title

例:


Device(config-router)#net 47.0004.004d.0001.0001.0c11.1111.00

ルーティング プロセスに NET を設定します。マルチエリア IS-IS を設定する場合は、各ルーティングプロセスに NET を指定します。NET およびアドレスの名前を指定します。

ステップ 6

is-type {level-1 | level-1-2 | level-2-only}

例:


Device(config-router)#is-type level-2-only

(任意)レベル 1(ステーション)ルータ、マルチエリアルーティング用のレベル 2(エリア)ルータ、または両方(デフォルト)として機能するようにルータを設定します。

  • level 1 :ステーションルータとしてだけ機能します。

  • level 1-2 :ステーションルータおよびエリアルータの両方として機能します。

  • level 2 :エリアルータとしてだけ機能します。

ステップ 7

exit

例:


Device(config-router)#end

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 8

interface interface-id

例:


Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/1

IS-IS をルーティングするインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスがまだレイヤ 3 インターフェイスとして設定されていない場合は、no switchport コマンドを入力してインターフェイスをレイヤ 3 モードに設定します。

ステップ 9

ip router isis [area tag]

例:


Device(config-if)#ip router isis tag1

インターフェイスに IS-IS ルーティングプロセスを設定し、エリア指示子をルーティングプロセスに割り当てます。

ステップ 10

ip address ip-address-mask

例:


Device(config-if)#ip address 10.0.0.5 255.255.255.0

インターフェイスの IP アドレスを定義します。インターフェイスのいずれかで IS-IS ルーティングが設定されている場合は、IS-IS がイネーブルになっているエリアに含まれるすべてのインターフェイスに IP アドレスが必要です。

ステップ 11

end

例:


Device(config)#end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 12

show isis [area tag] database detail

例:


Device#show isis database detail

入力を確認します。

IS-IS グローバル パラメータの設定

グローバル IS-IS パラメータを設定するには、次の手順を実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device>enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device#configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

router isis

例:


Device(config)#router isis

IS-IS ルーティング プロトコルを指定し、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

default-information originate [route-map map-name]

例:


Device(config-router)#default-information originate route-map map1

(任意)デフォルト ルートを IS-IS ルーティング ドメインに強制的に設定します。route-map map-name コマンドを入力すると、にルーティングロセスによって有効なルートマップのデフォルトルートが生成されます。

ステップ 5

ignore-lsp-errors

例:


Device(config-router)#ignore-lsp-errors

(任意)LSP を消去する代わりに、内部チェックサムにエラーがある LSP を無視するようにデバイスを設定します。このコマンドは、デフォルトでイネーブルになっています(破損した LSP はドロップされます)。破損した LSP を消去するには、ルータ コンフィギュレーション モードで no ignore-lsp-errors コマンドを入力します。

ステップ 6

area-password password

例:


Device(config-router)#area-password 1password

(任意)レベル 1(ステーションルータレベル)LSP に挿入されるエリア認証パスワードを設定します。

ステップ 7

domain-password password

例:


Device(config-router)#domain-password 2password

(任意)レベル 2(エリアルータレベル)LSP に挿入されるルーティングドメイン認証パスワードを設定します。

ステップ 8

summary-address address mask [level-1 | level-1-2 | level-2]

例:


Device(config-router)#summary-address 10.1.0.0 255.255.0.0 level-2

(任意)所定のレベルのアドレスのサマリーを作成します。

ステップ 9

set-overload-bit [on-startup {seconds | wait-for-bgp}]

例:


Device(config-router)#set-overload-bit on-startup wait-for-bgp

(任意)デバイスに問題がある場合に、他のデバイスが最短パス優先(SPF)計算でこのデバイスを無視するように過負荷ビットを設定します。

  • (任意)on-startup :スタートアップ時だけ過負荷ビットを設定します。on-startup が指定されない場合、過負荷ビットが即座に設定され、no set-overload-bit コマンドを入力するまで設定されたままになります。on-startup が指定されている場合は、秒数または wait-for-bgp のどちらかを入力する必要があります。

  • seconds on-startup キーワードが設定されている場合、システム起動時に過負荷ビットが設定されて、指定した秒数の間設定されたままになります。指定できる範囲は 5 ~ 86400 秒です。

  • wait-for-bgp on-startup キーワードが設定されている場合、過負荷ビットがシステム起動時に設定され、BGP が収束するまで設定されたままになります。BGP が収束されたことが IS-IS に通知されない場合、IS-IS は 10 分後に過負荷ビットをオフにします。

ステップ 10

lsp-refresh-interval seconds

例:


Device(config-router)#lsp-refresh-interval 1080

(任意)LSP リフレッシュインターバル(秒)を設定します。範囲は 1 ~ 65535 秒です。デフォルトでは、LSP リフレッシュを 900 秒(15 分)ごとに送信します。

ステップ 11

max-lsp-lifetime seconds

例:


Device(config-router)#max-lsp-lifetime 1000

(任意)LSP パケットがリフレッシュされずにルータ データベース内に存続する最大時間を設定します。範囲は 1 ~ 65535 秒です。デフォルト値は 1200 秒(20 分)です。指定された時間間隔のあと、LSP パケットは削除されます。

ステップ 12

lsp-gen-interval [level-1 | level-2] lsp-max-wait [lsp-initial-wait lsp-second-wait]

例:


Device(config-router)#lsp-gen-interval level-2 2 50 100

(任意)IS-IS 生成スロットリング タイマーを設定します。

  • lsp-max-wait :生成される LAP の連続した 2 つのオカレンス間の最大インターバル(ミリ秒)。指定できる範囲は 1 ~ 120 ミリ秒です。デフォルト値は 5000 ミリ秒です。

  • lsp-initial-wait :最初の LSP 生成遅延(ミリ秒)。指定できる範囲は 1 ~ 10000 ミリ秒です。デフォルト値は 50 ミリ秒です。

  • lsp-second-wait :最初と 2 番目の LSP 生成間(ミリ秒)のホールド時間。指定できる範囲は 1 ~ 10000 ミリ秒です。デフォルト値は 200 ミリ秒です。

ステップ 13

spf-interval [level-1 | level-2] spf-max-wait [spf-initial-wait spf-second-wait]

例:


Device(config-router)#spf-interval level-2 5 10 20

(任意)IS-IS SPF スロットリングタイマーを設定します。

  • spf-max-wait :連続する SFP 間(ミリ秒)の最大インターバル。指定できる範囲は 1 ~ 120 ミリ秒です。デフォルト値は 5000 ミリ秒です。

  • spf-initial-wait :トポロジ変更後の最初の SFP 計算(ミリ秒)。指定できる範囲は 1 ~ 10000 ミリ秒です。デフォルト値は 50 ミリ秒です。

  • spf-second-wait :最初と 2 番目の SFP 計算間(ミリ秒)のホールド時間。指定できる範囲は 1 ~ 10000 ミリ秒です。デフォルト値は 200 ミリ秒です。

ステップ 14

prc-interval prc-max-wait [prc-initial-wait prc-second-wait]

例:


Device(config-router)#prc-interval 5 10 20

(任意)IS-IS PRC スロットリングタイマーを設定します。

  • prc-max-wait :2 つの連続する PRC 計算間の最大インターバル(ミリ秒)。指定できる範囲は 1 ~ 120 ミリ秒です。デフォルト値は 5000 ミリ秒です。

  • prc-initial-wait :トポロジ変更後の最初の PRC 計算遅延(ミリ秒)。指定できる範囲は 1 ~ 10,000 ミリ秒です。デフォルト値は 50 ミリ秒です。

  • prc-second-wait :最初と 2 番目の PRC 計算間(ミリ秒)のホールド タイム。指定できる範囲は 1 ~ 10,000 ミリ秒です。デフォルト値は 200 ミリ秒です。

ステップ 15

log-adjacency-changes [all]

例:


Device(config-router)#log-adjacency-changes all

(任意)IS-IS 隣接ステート変更をログするようルータを設定します。End System-to-Intermediate System PDU および LSP など、IS-IS hello に関連しないイベントにより生成されたすべての変更をログに含めるには、all を入力します。

ステップ 16

lsp-mtu size

例:


Device(config-router)#lsp mtu 1560

(任意)最大 LSP パケットサイズ(バイト)を指定します。指定できる範囲は 128 ~ 4352 バイトです。デフォルト値は 1497 バイトです。

(注)  

 

ネットワーク内のリンクで MTU サイズが縮小された場合、ネットワーク内のすべてのデバイスで LSP MTU サイズを変更する必要があります。

ステップ 17

partition avoidance

例:


Device(config-router)#partition avoidance

(任意)境界ルータ、すべての隣接レベル 1 ルータ、およびエンド ホスト間で、フル接続が切断された場合、IS-IS レベル 1-2 境界ルータがレベル 1 エリア プレフィックスをレベル 2 バックボーンにアドバタイズしないようにします。

ステップ 18

end

例:


Device(config)#end

特権 EXEC モードに戻ります。

IS-IS インターフェイス パラメータの設定

IS-IS インターフェイス固有のパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device>enable

特権 EXEC モードを有効にします。

プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device#configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:


Device(config)#interface gigabitethernet 1/0/1

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスがまだレイヤ 3 インターフェイスとして設定されていない場合は、no switchport コマンドを入力してインターフェイスをレイヤ 3 モードに設定します。

ステップ 4

isis metric default-metric [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis metric 15

(任意)指定したインターフェイスにメトリック(またはコスト)を設定します。指定できる範囲は 0 ~ 63 です。デフォルトは 10 です。レベルが入力されない場合は、レベル 1 ルータとレベル 2 ルータの両方にデフォルト値が適用されます。

ステップ 5

isis hello-interval {seconds | minimal} [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis hello-interval minimal

(任意)デバイスが hello パケットを送信する間隔を指定します。デフォルトでは、hello インターバル seconds の 3 倍の値が、送信される hello パケットの holdtime としてアドバタイズされます。hello インターバルが狭まると、トポロジ変更の検出も速くなりますが、ルーティング トラフィック量は増大します。

  • minimal :結果として得られるホールドタイムが 1 秒になるように、hello 乗数に基づいて hello 間隔が計算されます。

  • seconds :指定できる範囲は 1 〜 65535 です。デフォルトは 10 秒です。

ステップ 6

isis hello-multiplier multiplier [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis hello-multiplier 5

(任意)ネイバーが見落とすことができる IS-IS hello パケット数の最大値を指定します。見落とされたパケット数がこの値を超えると、デバイスは隣接がダウンしていると宣言します。指定できる範囲は 3 ~ 1000 です。デフォルトは 3 です。

(注)  

 

hello 乗数を小さくすると、高速コンバージェンスとなりますが、ルーティングが不安定になる場合があります。

ステップ 7

isis csnp-interval seconds [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis csnp-interval 15

(任意)インターフェイスに IS-IS CSNP を設定します。指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。デフォルトは 10 秒です。

ステップ 8

isis retransmit-interval seconds

例:


Device(config-if)#isis retransmit-interval 7

(任意)ポイントツーポイントリンクの IS-IS LSP の再送信間隔(秒)を設定します。整数で、ネットワーク上の 2 つのルータ間で予測されるラウンドトリップ遅延よりも大きい値を指定してください。指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。デフォルトは 5 秒です。

ステップ 9

isis retransmit-throttle-interval milliseconds

例:


Device(config-if)#isis retransmit-throttle-interval 4000

(任意)IS-IS LSP 再送信スロットルインターバルを設定します。これは、IS-IS LSP がポイントツーポイントリンク上で再送信される最大レート(パケット間のミリ秒数)です。指定できる範囲は 0 〜 65535 です。デフォルトは isis lsp-interval コマンドによって決定されます。

ステップ 10

isis priority value [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis priority 50

(任意)指定ルータの優先順位を設定します。指定できる範囲は 0 ~ 127 です。デフォルトは 64 です。

ステップ 11

isis circuit-type {level-1 | level-1-2 | level-2-only}

例:


Device(config-if)#isis circuit-type level-1-2

(任意)指定されたインターフェイス上のネイバーで必要な隣接タイプを設定します(インターフェイスの回線タイプを指定します)。

  • level-1 :このノードとネイバーの両方に共通のエリアアドレスが少なくとも 1 つある場合、レベル 1 隣接関係が確立されます。

  • level-1-2 :ネイバーもレベル 1 およびレベル 2 の両方として設定されていて、少なくとも 1 つの共通のエリアがある場合、レベル 1 およびレベル 2 隣接関係が確立されます。共通のエリアがない場合は、レベル 2 隣接関係が確立されます。これはデフォルト設定です。これがデフォルトのオプションです。

  • level 2 :レベル 2 隣接関係が確立されます。ネイバー ルータがレベル 1 ルータである場合、隣接関係は確立されません。

ステップ 12

isis password password [level-1 | level-2]

例:


Device(config-if)#isis password secret

(任意)インターフェイスの認証パスワードを設定します。デフォルトでは、認証はディセーブルに設定されています。レベル 1 またはレベル 2 を指定すると、それぞれレベル 1 またはレベル 2 ルーティング用のパスワードだけがイネーブルになります。レベルを指定しない場合、デフォルトはレベル 1 およびレベル 2 です。

ステップ 13

end

例:


Device(config)#end

特権 EXEC モードに戻ります。

IS-IS のモニタリングおよびメンテナンス

ルーティング テーブル、キャッシュ、およびデータベースの内容など、特定の IS-IS の統計情報を表示できます。また、特定のインターフェイス、フィルタ、またはネイバーに関する情報も表示できます。

次の表に、IS-IS ルーティングを消去および表示するために使用する特権 EXEC コマンドを示します。

表 2. IS-IS show コマンド
コマンド 目的

show ip route isis

IS-IS IP ルーティングテーブルの現在のステートを表示します。

show isis database

IS-IS リンクステート データベースを表示します。

show isis routes

IS-IS レベル 1 ルーティング テーブルを表示します。

show isis spf-log

IS-IS の SPF 計算の履歴を表示します。

show isis topology

すべてのエリア内の接続されたルータすべてのリストを表示します。

show route-map

設定済みのすべてのルートマップを表示するか、指定した 1 つのルートマップだけを表示します。

trace clns [接続先(Destination)]

ネットワークのパケットが指定された宛先までに経由するパスをトレースします。

IS-IS の機能情報

表 3. IS-IS の機能情報

機能名

リリース

機能情報

Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

この機能が導入されました。