この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
IP マルチキャスト ルーティングを有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで ipmulticast-routing コマンドを使用します。IP マルチキャスト ルーティングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
ip multicast-routing [ vrf vrf-name ]
no ip multicast-routing [ vrf vrf-name ]
vrfvrf-name |
(任意)vrf-name 引数に指定されたマルチキャスト VPN ルーティングおよび転送(MVRF)インスタンスのための IP マルチキャスト ルーティングを有効にします。 |
IP マルチキャスト ルーティングはディセーブルになっています。
グローバル コンフィギュレーション(config)。
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
IP マルチキャスト ルーティングがディセーブルになっている場合、Cisco IOS ソフトウェアはどのマルチキャスト パケットも転送しません。
(注) | IPマルチキャストの場合は、IP マルチキャスト ルーティングを有効にした後に、PIM をすべてのインターフェイスに設定する必要があります。IP マルチキャスト ルーティングを無効にしても PIM は削除されません。PIM は、インターフェイスの設定から明示的に削除する必要があります。 |
次に、IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# ip multicast-routing
次に、特定の VRF の IP マルチキャスト ルーティングを有効にする例を示します。
Switch(config)# ip multicast-routing vrf vrf1
次に、IP マルチキャスト ルーティングをディセーブルにする例を示します。
Switch(config)# no ip multicast-routing
次に、Cisco IOS XE リリース 3.3S で特定の VRF の MDS を有効にする例を示します。
Switch(config)# ip multicast-routing vrf vrf1
コマンド |
説明 |
---|---|
ippim |
インターフェイスに対して PIM をイネーブルにします。 |
マルチキャスト ルータ情報(mrinfo)要求パケットをフィルタ処理するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ipmulticastmrinfo-filter コマンドを使用します。mrinfo 要求のフィルタを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
ip multicast [ vrf vrf-name ] mrinfo-filter access-list
no ip multicast [ vrf vrf-name ] mrinfo-filter
vrf |
(任意)VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスをサポートします。 |
vrf-name |
(任意)VRF に割り当てられた名前。 |
access-list |
どのネットワークまたはホストが mrinfo コマンドを使用して、ローカル マルチキャスト デバイスをクエリできるかを判別する IP 標準の番号付けまたは名前付けされたアクセス リスト。 |
デフォルトの動作または値はありません。
グローバル コンフィギュレーション
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
ipmulticastmrinfo-filter コマンドは、指定されたアクセス リストによって拒否されたすべての送信元からの mrinfo 要求パケットをフィルタ処理します。つまり、アクセス リストが送信元を拒否すると、その送信元の mrinfo 要求は除外されます。ACL によって許可された送信元からの mrinfo 要求は処理が許可されます。
次に、ネットワーク 192.168.1.1 のすべてのホストからの mrinfo 要求パケットをフィルタ処理し、その他のホストからの要求は許可する例を示します。
ip multicast mrinfo-filter 51 access-list 51 deny 192.168.1.1 access list 51 permit any
コマンド |
説明 |
---|---|
mrinfo |
ピアリングしている隣接するマルチキャスト デバイスについて、マルチキャスト デバイスにクエリします。 |
データ マルチキャスト配信ツリー(MDT)プールで使用されるアドレス範囲を指定するには、VRF コンフィギュレーション モードまたは VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで mdtdata コマンドを使用します。この機能をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。
mdt data threshold kb/s
no mdt data threshold kb/s
thresholdkb/s |
(任意)帯域幅しきい値をキロビット/秒(kb/s)単位で定義します。範囲は 1 ~ 4294967 です。 |
データ MDT プールは設定されていません。
VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-vrf-af)
VRF コンフィギュレーション(config-vrf)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
データ MDT には、MVPN ごとに最大 256 のマルチキャスト グループを含めることができます。データ MDT の作成に使用されるマルチキャスト グループは、設定済み IP アドレスのプールからダイナミックに選択されます。
データ MDT プールで使用されるアドレス範囲を指定するには、mdtdata コマンドを使用します。しきい値は、kb/s 単位で指定されます。オプションの list キーワードと access-list 引数を使用して、データ MDT プールで使用する (S, G) MVPN エントリを定義できます。これによって、データ MDT プールの作成は、access-list 引数に指定されたアクセス リストで定義された特定の (S, G) MVPN エントリにさらに限定されます。
mdtdata コマンドには、ipvrf グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してアクセスできます。また、mdtdata コマンドには、vrfdefinition グローバル コンフィギュレーション コマンドに続けて address-familyipv4 VRF コンフィギュレーション コマンドを使用することでもアクセスできます。
次に、MDT データ プールのグループ アドレスの範囲を設定する例を示します。500 kb/s のしきい値が設定されています。つまり、マルチキャスト ストリームが 1 kb/s を超えると、データ MDT が作成されます。
ip vrf vrf1 rd 1000:1 route-target export 10:27 route-target import 10:27 mdt default 236.1.1.1 mdt data 228.0.0.0 0.0.0.127 threshold 500 list 101 ! . . . ! ip pim ssm default ip pim vrf vrf1 accept-rp auto-rp !
コマンド |
説明 |
---|---|
mdtdefault |
VPN VRF のデフォルトの MDT グループを設定します。 |
バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)ルーティングおよび転送(VRF)のデフォルトのマルチキャスト配信ツリー(MDT)グループを設定するには、VRF コンフィギュレーションまたは VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで mdtdefault コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
mdt default group-address
no mdt default group-address
group-address |
デフォルト MDT グループの IP アドレス同じグループ アドレスで設定されるプロバイダー エッジ(PE)デバイスはグループのメンバーになるため、このアドレスはコミュニティの ID として機能し、これによってプロバイダーエッジ ルータ間で相互にパケットを送受信できるようになります。 |
このコマンドはディセーブルです。
VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-vrf-af)VRF コンフィギュレーション(config-vrf)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
デフォルト MDT グループは、同じ VPN に属するすべての PE デバイスに設定された同じグループである必要があります。
Source Specific Multicast(SSM; 送信元特定マルチキャスト)がデフォルト MDT のプロトコルとして使用されている場合、送信元 IP アドレスは、Border Gateway Protocol(BGP)セッションの送信元に使用されるアドレスです。
このコマンドによって、トンネル インターフェイスが作成されます。デフォルトでは、トンネル ヘッダーの宛先アドレスは、 group-address 引数です。
mdtdefault コマンドには、ipvrf グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してアクセスできます。また、mdtdefault コマンドには、vrfdefinition グローバル コンフィギュレーション コマンドに続けて address-familyipv4 VRF コンフィギュレーション コマンドを使用することでもアクセスできます。
次に、Protocol Independent Multicast(PIM)SSM をバックボーンに設定する例を示します。そのため、デフォルト グループとデータ MDT グループは、IP アドレスの SSM 範囲内に設定されています。VPN の内部では、PIM スパースモード(PIM-SM)が設定され、Auto-RP アナウンスのみが受け入れられます。
ip vrf vrf1 rd 1000:1 mdt default 236.1.1.1 mdt data 228.0.0.0 0.0.0.127 threshold 50 mdt data threshold 50 route-target export 1000:1 route-target import 1000:1 ! !
コマンド |
説明 |
---|---|
mdtdata |
データ MDT グループ用にマルチキャスト グループのアドレス範囲を設定します。 |
データ マルチキャスト配信ツリー(MDT)の再利用の記録を有効にするには、VRF コンフィギュレーション モードまたは VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで mdtlog-reuse コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
mdt log-reuse
no mdt log-reuse
このコマンドには引数またはキーワードはありません。
このコマンドはディセーブルです。
VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション(config-vrf-af)VRF コンフィギュレーション(config-vrf)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
mdtlog-reuse コマンドは、データ MDT が再利用されるたびに Syslog メッセージを生成します。
mdtlog-reuse コマンドには、ipvrf グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してアクセスできます。また、mdtlog-reuse コマンドには、vrfdefinition グローバル コンフィギュレーション コマンドに続けて address-familyipv4 VRF コンフィギュレーション コマンドを使用することでもアクセスできます。
次に、MDT の再利用のログを有効にする例を示します。
mdt log-reuse
コマンド |
説明 |
---|---|
mdtdata |
データ MDT グループ用にマルチキャスト グループのアドレス範囲を設定します。 |
mdtdefault |
VPN VRF のデフォルトの MDT グループを設定します。 |
マルチキャスト配信ツリー(MDT)のデフォルト グループのルート識別子(RD)の Border Gateway Protocol(BGP)アドバタイズメントに関する詳細を表示するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで show ip pim mdt bgp コマンドを使用します。
show ip pim [ vrf vrf-name ] mdt bgp
vrfvrf-name |
(任意)vrf-name 引数に指定されたマルチキャスト バーチャル プライベート ネットワーク(MVPN)ルーティングおよび転送(MVRF)インスタンスに関連付けられた MDT デフォルト グループの RD の BGP アドバタイズメントに関する情報を表示します。 |
ユーザ EXEC、特権 EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
MDT デフォルト グループの RD の詳細な BGP アドバタイズメントを表示するには、このコマンドを使用します。
次に、showippimmdtbgp コマンドの出力例を示します。
Device# show ip pim mdt bgp MDT-default group 232.2.1.4 rid:10.1.1.1 next_hop:10.1.1.1
次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。
フィールド |
説明 |
---|---|
MDT-default group |
このルータにアドバタイズされた MDT デフォルト グループ。 |
rid:10.1.1.1 |
アドバタイズしたルータの BGP ルータ ID。 |
next_hop:10.1.1.1 |
アドバタイズメントに含まれていた BGP ネクスト ホップ アドレス。 |
再利用されているデータ マルチキャスト配信ツリー(MDT)グループの履歴に関する情報を表示するには、特権 EXEC モードで showippimmdthistory コマンドを使用します。
show ip pim vrf vrf-name mdt history interval minutes
vrfvrf-name |
vrf-name 引数に指定されたマルチキャスト VPN(MVPN)ルーティングおよび転送(MVRF)インスタンス用に再利用されているデータ MDT グループの履歴を表示します。 |
intervalminutes |
再利用されているデータ MDT グループの履歴について情報を表示する間隔(分単位)を指定します。範囲は 1 ~ 71512 分(7 週間)です。 |
特権 EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
showippimmdthistory コマンドの出力には、interval キーワードと minutes 引数で指定された間隔の再利用された MDT データ グループの履歴が表示されます。間隔は過去から現在まで、つまり、minutes 引数に指定された時間からコマンドが実行された時間までです。
次に、showippimmdthistory コマンドの出力例を示します。
Device# show ip pim vrf vrf1 mdt history interval 20 MDT-data send history for VRF - vrf1 for the past 20 minutes MDT-data group Number of reuse 10.9.9.8 3 10.9.9.9 2
次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。
フィールド |
説明 |
---|---|
MDT-data group |
情報が表示されている MDT データ グループ。 |
Number of reuse |
このグループで再利用されたデータ MDT の数。 |
プロバイダー エッジ(PE)ルータから受信したデータ マルチキャスト配信ツリー(MDT)グループ マッピングを表示するには、特権 EXEC モードで showippimmdtreceive コマンドを使用します。
show ip pim vrf vrf-name mdt receive [detail]
vrfvrf-name |
vrf-name 引数に指定されたマルチキャスト VPN(MVPN)ルーティングおよび転送(MVRF)インスタンスのデータ MDT マッピングを表示します。 |
detail |
(任意)受信されたデータ MDT アドバタイズメントの詳細な説明を表示します。 |
特権 EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
ルータがデフォルトの MDT からデータ MDT に切り替えるときには、VRF 送信元、グループ ペア、およびトラフィックが送信されるグローバル マルチキャスト アドレスをアドバタイズします。リモート ルータがこのデータを受信する場合は、このグローバル アドレス マルチキャスト グループに加入します。
次に、さらに情報を取得するために detail キーワードを使用した showippimmdtreceive コマンドの出力例を示します。
Device# show ip pim vrf vpn8 mdt receive detail Joined MDT-data groups for VRF:vpn8 group:172.16.8.0 source:10.0.0.100 ref_count:13 (10.101.8.10, 225.1.8.1), 1d13h/00:03:28/00:02:26, OIF count:1, flags:TY (10.102.8.10, 225.1.8.1), 1d13h/00:03:28/00:02:27, OIF count:1, flags:TY
次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。
使用中のデータ マルチキャスト配信ツリー(MDT)グループを表示するには、特権 EXEC モードで showippimmdtsend コマンドを使用します。
show ip pim vrf vrf-name mdt send
vrfvrf-name |
vrf-name 引数に指定されたマルチキャスト VPN(MVPN)ルーティングおよび転送(MVRF)インスタンスによって使用されているデータ MDT グループを表示します。 |
特権 EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.3.2 |
このコマンドが導入されました。 |
指定された MVRF によって使用されているデータ MDT グループを表示するには、このコマンドを使用します。
次に、showippimmdtsend コマンドの出力例を示します。
Device# show ip pim vrf vpn8 mdt send MDT-data send list for VRF:vpn8 (source, group) MDT-data group ref_count (10.100.8.10, 225.1.8.1) 232.2.8.0 1 (10.100.8.10, 225.1.8.2) 232.2.8.1 1 (10.100.8.10, 225.1.8.3) 232.2.8.2 1 (10.100.8.10, 225.1.8.4) 232.2.8.3 1 (10.100.8.10, 225.1.8.5) 232.2.8.4 1 (10.100.8.10, 225.1.8.6) 232.2.8.5 1 (10.100.8.10, 225.1.8.7) 232.2.8.6 1 (10.100.8.10, 225.1.8.8) 232.2.8.7 1 (10.100.8.10, 225.1.8.9) 232.2.8.8 1 (10.100.8.10, 225.1.8.10) 232.2.8.9 1
次の表で、この出力に表示される重要なフィールドを説明します。
フィールド |
説明 |
---|---|
source, group |
このルータがデータ MDT に切り替えた送信元とグループのアドレス |
MDT-data group |
これらのデータ MDT が送信されるマルチキャスト アドレス |
ref_count |
このデータ MDT を再利用している (S, G) ペアの数。 |