この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
トレースについて
トレース機能により内部イベントが記録されます。トレース ファイルは自動的に作成され、crashinfo の下の tracelogs サブディレクトリに保存されます。
トレース ファイルのデータは、次の処理を行う場合に役立ちます。
トラブルシューティング:スイッチに問題がある場合、トレース ファイルの出力により、問題の特定および解決に使用できる情報が得られる場合があります。
デバッグ:トレース ファイルの出力は、システム動作の詳細情報を得るために役立ちます。
特定のモジュールに関する最新のトレース情報を表示するには、show platform software trace message コマンドを使用します。
トレース レベルを変更してトレース メッセージ出力の量を調整するために、set platform software trace コマンドを使用して新しいトレーシング レベルを設定できます。トレース レベルは、set platform software trace コマンドで all-modules キーワードを使用してプロセスごとに設定することも、プロセス内のモジュールごとに設定することもできます。
各プロセスは、btrace インフラストラクチャを使用してトレース メッセージをログに記録します。プロセスがアクティブのときは、対応するインメモリ トレースログが /tmp/<FRU>/trace/ ディレクトリにあります。ここで、<FRU> は、プロセスが実行されている場所(rp、fp、または cc)を表します。
トレースログ ファイルがプロセスに関して許可されている最大ファイル サイズの上限に達すると、またはプロセスが終了すると、次のディレクトリにローテーションされます。
/crashinfo/tracelogs(スイッチで crashinfo: パーティションを使用できる場合)
/harddisk/tracelogs(スイッチで crashinfo: パーティションを使用できない場合)
トレースログ ファイルは、ディレクトリに保存される前に圧縮されます。
btrace を使用して作成されるすべてのトレースログには、次の命名規則が適用されます。
<process_name>_<FRU><SLOT>-<BAY>.<pid>_<counter>.<creation_timestamp>.bin
ここで、counter は、64 ビットのフリーランニング カウンタで、当該プロセスの新しいファイルが作成されるたび増加します。たとえば、wcm_R0-0.1362_0.20151006171744.bin にようになります。圧縮されると、ファイル名に gz 拡張子が付加されます。
トレースログ ファイルの最大サイズはプロセスごとに 1 MB で、保持されるトレースログ ファイルの最大数はプロセスごとに 25 です。
最初は、すべての トレースログ ファイルが、初期ディレクトリの /tmp/<FRU>/trace から中継ディレクトリの /tmp/<FRU>/trace/stage に移されます。次に、btrace_rotate スクリプトによって、これらのトレースログが中継ディレクトリから /crashinfo/tracelogs ディレクトリに移されます。プロセスごとに /crashinfo/tracelogs ディレクトリに保存されるファイルの数が最大数の上限に達すると、そのプロセスの最も古いファイルが削除されますが、それより新しいファイルは保持されます。これは、最悪の場合、60 分ごとに繰り返されます。
その他、次の 2 種類のファイルセットが /crashinfo/tracelogs ディレクトリからパージされます。
エラーのあるプロセスがスイッチの機能に影響を与えないように、スロットリング ポリシーが導入されました。プロセスが非常に高い頻度でログを記録する(たとえば、そのプロセスに関して中継ディレクトリに 4 秒間隔で 17 以上のファイルが保存される)場合は常に、そのプロセスがスロットリングされます。そのプロセスのファイルは /tmp/<FRU>/trace から /tmp/<FRU>/trace/stage にローテーションされませんが、最大サイズに達すると削除されます。ファイル数が 7 以下になるとスロットリングが再度有効になります。
トレース レベルは、トレース バッファまたはトレース ファイルに保存する必要のあるモジュール情報の量を決定します。
次の表に、使用可能なすべてのトレース レベルを示し、各トレース レベルで表示されるメッセージについて説明します。
トレース レベル |
説明 |
---|---|
Emergency |
システムが使用不能になる問題のメッセージです。 |
Error |
システム エラーについてのメッセージです。 |
Warning |
システム警告についてのメッセージです。 |
Notice |
重大な問題に関するメッセージです。ただし、スイッチは通常どおり動作しています。 |
Informational |
単に情報を提供するだけのメッセージです。 |
Debug |
デバッグレベルの出力を提供するメッセージです。 |
Verbose |
生成可能なすべてのトレース メッセージが送信されます。 |
Noise |
モジュールについての生成可能なすべてのトレース メッセージが記録されます。 ノイズ レベルは常に最上位のトレース レベルに相当します。今後、トレース機能の拡張が行われ、さらに低いトレース レベルが導入された場合でも、ノイズ レベルはこの新しい拡張機能のレベルと同じレベルに相当します。 |
プロセス内の特定のモジュールのトレース レベルを設定するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで set platform software trace コマンドを使用します。
set platform software trace process slot module trace-level
すべてのモジュールのデフォルトのトレース レベルは notice です。
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
module オプションは、プロセスおよび hardware-module によって異なります。このコマンドを入力する際に、各キーワード シーケンスで使用可能な module オプションを確認するには、? オプションを使用します。
トレース メッセージを表示するには、show platform software trace message コマンドを使用します。
トレース ファイルは、harddisk: ファイル システムのトレースログ ディレクトリに保存されます。これらのファイルは、スイッチの動作に影響を与えずに削除できます。
トレース ファイル出力は、デバッグに使用されます。トレース レベルは、モジュールに関するどのぐらいの量の情報をトレース ファイルに保存するかを決定する設定です。
次に、dbm プロセスのすべてのモジュールのトレース レベルを設定する例を示します。
Device# set platform software trace dbm R0 all-modules debug
特定のモジュールの最新のトレース情報を表示するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで show platform software trace filter-binary コマンドを使用します。
show platform software trace filter-binarymodules [ context mac-address]
contextmac-address |
フィルタ処理に使用されるコンテキストを表します。また、モジュール名とトレース レベルに基づいてフィルタ処理できます。コンテキスト キーワードは、タグが付いているトレースに基づき MAC アドレスまたは他の引数を受け入れます。 |
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドは、モジュールに関連するすべてのプロセス全体で /tmp/.../ に存在するすべてのログを照合してソートします。指定されたモジュールに関連するすべてのプロセスのトレース ログがコンソールに出力されます。このコマンドでは、同じコンテンツの collated_log_{system time} という名前のファイルも /crashinfo/tracelogs ディレクトリに生成されます。
次に、ワイヤレス モジュールのトレース情報を表示する例を示します。
Device# show platform software trace filter-binary wireless
プロセスのトレース メッセージを表示するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで set platform software trace コマンドを使用します。
show platform software trace message process slot
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
次に、Stack Manager プロセスおよび Forwarding Engine Driver プロセスのトレース メッセージを表示する例を示します。
Device# show platform software trace message stack-mgr switch active R0 10/30 09:42:48.767 [btrace] [8974]: (note): Successfully registered module [97] [uiutil] 10/30 09:42:48.762 [btrace] [8974]: (note): Successfully registered module [98] [tdl_cdlcore_message] 10/29 13:28:19.023 [stack_mgr] [8974]: (note): Examining peer state 10/29 13:28:19.023 [stack_mgr] [8974]: (note): no switch eligible for standby election presently 10/29 13:28:19.022 [stack_mgr] [8974]: (note): Posting event stack_fsm_event_wait_standby_elect_timer_expired, curstate stack_fsm_state_active_ready 10/29 13:28:19.022 [stack_mgr] [8974]: (note): Timer HDL - STACK_WAIT_STANDBY_ELECT_TIMER expired 10/29 13:26:46.584 [btrace] [8974]: (note): Successfully registered module [99] [tdl_ui_message] 10/29 13:26:46.582 [bipc] [8974]: (note): Pending connection to server 10.129.1.0 10/29 13:26:36.582 [evutil] [8974]: (ERR): Connection attempt for sman-ui-serv (uipeer uplink to slot 1) failed, invoking disconnect 10/29 13:26:36.582 [evutil] [8974]: (ERR): Asynchronous connect failed for [uipeer uplink to slot 1] (fd == -1) 10/29 13:26:36.581 [bipc] [8974]: (note): Pending connection to server 10.129.1.0 10/29 13:26:26.581 [evutil] [8974]: (ERR): Connection attempt for sman-ui-serv (uipeer uplink to slot 1) failed, invoking disconnect Device# show platform software trace message fed switch active 11/02 10:55:01.832 [btrace]: [11310]: UUID: 0, ra: 0 (note): Successfully registered module [86] [uiutil] 11/02 10:55:01.848 [btrace]: [11310]: UUID: 0, ra: 0 (note): Single message size is greater than 1024 11/02 10:55:01.822 [btrace]: [11310]: UUID: 0, ra: 0 (note): Successfully registered module [87] [tdl_cdlcore_message] 11/01 09:54:41.474 [btrace]: [12312]: UUID: 0, ra: 0 (note): Successfully registered module [88] [tdl_ngwc_gold_message] 11/01 09:54:11.228 [btrace]: [12312]: UUID: 0, ra: 0 (note): Successfully registered module [89] [tdl_doppler_iosd_matm_type] 11/01 09:53:37.454 [btrace]: [11310]: UUID: 0, ra: 0 (note): Successfully registered module [90] [tdl_ui_message] 11/01 09:53:37.382 [bipc]: [11310]: UUID: 0, ra: 0 (note): Pending connection to server 10.129.1.0 11/01 09:53:34.227 [xcvr]: [18846]: UUID: 0, ra: 0 (ERR): FRU hardware authentication Fail, result = 1. 11/01 09:53:33.775 [ng3k_scc]: [18846]: UUID: 0, ra: 0 (ERR): SMART COOKIE: SCC I2C receive failed: rc=10 11/01 09:53:33.775 [ng3k_scc]: [18846]: UUID: 0, ra: 0 (ERR): SMART COOKIE receive failed, try again 11/01 09:53:33.585 [ng3k_scc]: [18846]: UUID: 0, ra: 0 (ERR):
特定のプロセスですべてのモジュールのトレース レベルを表示するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで show platform software trace level コマンドを使用します。
show platform software trace level process slot
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
次に、トレース レベルを表示する例を示します。
Device# show platform software trace level dbm switch active R0
Module Name Trace Level
-------------------------------------------------
binos Notice
binos/brand Notice
bipc Notice
btrace Notice
bump_ptr_alloc Notice
cdllib Notice
chasfs Notice
dbal Informational
dbm Debug
evlib Notice
evutil Notice
file_alloc Notice
green-be Notice
ios-avl Notice
klib Debug
services Notice
sw_wdog Notice
syshw Notice
tdl_cdlcore_message Notice
tdl_dbal_root_message Notice
tdl_dbal_root_type Notice
スイッチでの最後のリロード以降にシステム上で実行されているすべてのプロセスに関連するすべてのトレース ログをアーカイブし、これを指定された場所に保存するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで request platform software trace archive コマンドを使用します。
request platform software trace archive [ last number-of-days [ days [ target location]] | target location]
last number-of-days |
トレース ファイルをアーカイブする必要がある日数を指定します。 |
target location |
アーカイブ ファイルの場所と名前を指定します。 |
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
このアーカイブ ファイルは、tftp コマンドまたは scp コマンドを使用してシステムからコピーできます。
次に、過去 5 日以降にスイッチで実行されているプロセスのすべてのトレース ログをアーカイブする例を示します。
Device# request platform software trace archive last 5 days target flash:test_archive
現在のインメモリ トレース ログを crashinfo パーティションに循環させ、プロセスごとの新しいインメモリ トレース ログを開始するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで request platform software trace rotate all コマンドを使用します。
request platform software trace rotate all
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
トレース ログ ファイルは読み取り専用を目的としています。ファイルの内容は編集しないでください。特定のログ セットを表示するために、ファイルの内容を削除する必要がある場合は、このコマンドを使用して新しいトレース ログ ファイルを開始します。
次に、過去1日以降にスイッチで実行されているプロセスのすべてのインメモリ トレース ログを循環させる例を示します。
Device# request platform software trace slot switch active R0 archive last 1 days target flash:test
トレースログ サブディレクトリに存在するすべてのアーカイブ ログを照合して並べ替えるには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで request platform software trace filter-binary コマンドを使用します。
request platform software trace filter-binary modules [ context mac-address]
context mac-address |
フィルタ処理するために使用されるコンテキストを表します。また、モジュール名とトレース レベルに基づいてフィルタ処理することもできます。context キーワードは、タグ付けされたトレースに基づいて、MAC アドレスまたはその他の引数のいずれかを受け入れます。 |
ユーザ EXEC (>)
特権 EXEC(#)
リリース |
変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.1.1 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドは、モジュールに関連するすべてのプロセスを対象に、トレースログ サブディレクトリに存在するすべてのアーカイブされたログを照合して並べ替えます。さらに、このコマンドは同じ内容の collated_log_{system time} という名前のファイルを /crashinfo/tracelogs ディレクトリに生成します。
次に、ワイヤレス モジュールのトレース情報を表示する例を示します。
Device# request platform software trace filter-binary wireless
Cisco Hyperlocation 関連のメッセージをトレースするには、set platform software trace wireless switch active R0 hyperlocation コマンドを使用します。
set platform software trace wireless switch active R0 hyperlocation { debug | emergency | error | info | noise | notice | verbose | warning}
debug |
デバッグ メッセージ |
emergency |
緊急事態が考えられるメッセージ |
error |
エラー メッセージ |
info |
通知メッセージ |
noise |
考えられる最大のメッセージ |
notice |
通知メッセージ |
verbose |
詳細デバッグ メッセージ |
warning |
警告メッセージ |
特権 EXEC
リリース | 変更内容 |
---|---|
Cisco IOS XE Denali 16.2.1 |
このコマンドが導入されました。 |