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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco ONS 15454 SDH 用のシスコ ソフトウェア インターフェイスである Cisco Transport Controller(CTC; シスコトランスポートコントローラ)について説明します。CTC の設定とログイン方法については、『Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』を参照してください。
ONS 15454 SDH のプロビジョニングと管理は、CTC ソフトウェアを使用して実行します。CTC は、2 つの場所にインストールされる Java アプリケーションです。CTC は Advanced Timing Communications and Control(TCC2)カードまたは Advanced Timing, Communications, and Control Plus(TCC2P)カードに格納され、ソフトウェアの新しいリリースで ONS 15454 SDH に初回ログインを行った時にワークステーションにダウンロードされます。
CTC ソフトウェアは、ONS 15454 SDH TCC2/TCC2P カードに事前にロードされています。このため、TCC2/TCC2P カードにソフトウェアをインストールする必要はありません。新しいバージョンの CTC ソフトウェアがリリースされた場合には、各リリースに対応するソフトウェア アップグレード ガイドを使用して、TCC2/TCC2P カードの ONS 15454 SDH ソフトウェアをアップグレードしてください。
CTC ソフトウェアをアップグレードすると、CTC の新バージョンは TCC2/TCC2P カードに CTC の保護バージョンとして保存されます。新しい CTC ソフトウェアを有効にすると、CTC の旧バージョンは TCC2/TCC2P カードに CTC の保護バージョンとして保存され、CTC の新しいリリースが現用バージョンとなります。ノード ビューの Maintenance > Software タブを選択すると、ONS 15454 SDH にインストールされているソフトウェアのバージョンを表示できます(図8-1)。
図8-1 CTC ソフトウェア バージョン(ノード ビュー)
すべてのネットワーク ノードにインストールされているソフトウェア バージョンを表示するには、ネットワーク ビューの Maintenance > Software タブを選択します(図8-2)。
図8-2 CTC ソフトウェア バージョン(ネットワーク ビュー)
新しいソフトウェア リリースで ONS 15454 SDH へ初めて接続すると、自動的に CTC ソフトウェアが TCC2/TCC2P カードからダウンロードされ、コンピュータにインストールされます。CTC ソフトウェア ファイルが自動的にダウンロードされることにより、アクセス先の TCC2/TCC2P カードと同じバージョンの CTC ソフトウェア がコンピュータで自動的に実行されます。コンピュータの CTC ソフトウェア ファイルは、オペレーティング システムで指定された一時ディレクトリに格納されます。Delete CTC Cache ボタンを使用すると、一時ディレクトリに格納されているファイルを削除できます。ファイルを削除した場合、次に ONS 15454 SDH に接続したときにファイルがダウンロードされます。「JAR」という Java アーカイブ ファイルのダウンロードには数分を要します。この時間はワークステーションと ONS 15454 SDH の接続の帯域幅に応じて異なります。たとえば、モデムまたは Data Communication Channel(DCC; データ通信チャネル)ネットワーク リンクから JAR ファイルをダウンロードする場合は、LAN 接続を介して JAR ファイルをダウンロードするよりも時間がかかります。
ネットワーク トポロジ ディスカバリでは、CTC はネットワーク内の各ノードをポーリングし、最新バージョンの CTC ソフトウェアを含むノードを特定します。現在実行中のバージョンよりも新しいバージョンの CTC ソフトウェアを持つネットワーク ノードを発見した場合、CTC は新バージョンの CTC がネットワークで見つかったことを通知するメッセージを生成し、CTC ソフトウェア アップグレードのインストールを試みます。ネットワーク ディスカバリを無効にすると、CTC は新しいバージョンのソフトウェアを探しません。到達不能のノードはアップグレード ディスカバリに含まれません。
(注) CTC ソフトウェアをアップグレードすると、既存のソフトウェアは上書きされます。アップグレードが完了したら、CTC を再起動する必要があります。
CTC を使用して ONS 15454 SDH に接続するには、Netscape Communicator、または Microsoft Internet Explorer などの URL フィールドに ONS 15454 SDH の IP アドレスを入力します。ONS 15454 SDH に接続すると、次の処理が自動的に行われます。
1. CTC ランチャ アプレットが、TCC2/TCC2P カードからコンピュータへダウンロードされます。
2. ランチャは、コンピュータの CTC リリースが ONS 15454 SDH の TCC2/TCC2P カードに格納されているリリースと一致するかどうかを確認します。
3. コンピュータに CTC がインストールされていない場合、またはインストールされているリリースが TCC2/TCC2P カードに格納されているバージョンよりも古い場合は、ランチャによって、CTC プログラム ファイルが TCC2/TCC2P カードからダウンロードされます。
4. ランチャが CTC を起動します。CTC セッションは Web ブラウザのセッションとは別のものであるため、Web ブラウザは不要になります。必ず、最新のソフトウェア リリースがインストールされているノードにログインしてください。古いバージョンの CTC が存在する ONS 15454 SDH に接続されている ONS 15454 SDH にログインすると、CTC ファイルは自動的にダウンロードされ、それらのノードと対話できるようになります。CTC ファイルのダウンロードは、初回ログイン時など必要な場合にしか行われません。CTC の起動に使用したノードよりも新しいソフトウェア バージョンが存在するネットワーク上のノードとは対話できません。
各 ONS 15454 SDH は、5 回までの CTC セッションを同時に処理できます。CTC のパフォーマンスは、各セッションのアクティビティ量、ネットワークの帯域幅、TCC2/TCC2P カードの負荷に応じて変わります。
ONS 15454 SDH で CTC を使用する場合は、コンピュータに、適切な Java Runtime Environment(JRE; Java ランタイム環境)がインストールされている Web ブラウザが必要です。各 CTC ソフトウェアの適切な JRE は、ONS 15454 SDH ソフトウェア CD に収録されています。ネットワーク上で複数の CTC ソフトウェア リリースを実行している場合は、コンピュータにインストールされている JRE と各種ソフトウェア リリースとの間の互換性を保証する必要があります。
表8-1 に、ONS ソフトウェア リリースとの JRE 互換性を示します。
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ONS 15454 SDH Release 4.0 1 |
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1.JRE の古いバージョンが PC または UNIX ワークステーションで実行されている場合、ソフトウェア リリース 4.0 以降では通知が表示されます。 |
(注) ネットワーク パフォーマンスの問題を防止するため、CTC で同時に管理するノードの数を最大 50 までにすることを推奨します。50 のノードは単一の DCC に配置することも、複数の DCC に分散させることもできます。複数の大規模ネットワークを管理するときに複数の CTC セッションを実行することを推奨しません。
50 を超えるノードを管理する場合は、Cisco Transport Manager(CTM)の使用を推奨します。CTC を使用して 50 を超えるノードを管理する場合は、ヒープ サイズを調整することでパフォーマンスを改善できます。『Cisco ONS 15454 SDH Troubleshooting Guide』の「General Troubleshooting」の章を参照してください。また、ログイン ノード グループを作成することもできます。
『Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』の「Connect the PC and Log Into the GUI」の章を参照してください。
表8-2 に、PC および UNIX ワークステーションの要件を示します。ONS 15454 SDH ソフトウェア CD には、JRE 以外に Java プラグインが収録されています。
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ワークステーションで複数のアプリケーションを実行する場合や CTC がノード数と回線数の多いネットワークを管理する場合は、高速の CPU を推奨します。 |
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ワークステーションで複数のアプリケーションを実行する場合や CTC がノード数と回線数の多いネットワークを管理する場合は、1 GB 以上を推奨します。 |
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CTC アプリケーション ファイルは、TCC2/TCC2P からご使用のコンピュータの Temp ディレクトリにダウンロードされます。これらのファイルは、ハード ドライブの空き容量の 5 ~ 10 MB を占有します。 |
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JRE 5.0 は、Cisco ONS 15454 SDH ソフトウェア CD に収録されている CTC Installation Wizard でインストールされます。JRE 5.0 では、特に回線数の多い大規模なネットワークに対して CTC のパフォーマンスが改善されています。 ソフトウェア R8.5 のノードを備えたネットワークの場合、JRE 5.0 の使用を推奨します。ソフトウェア R5.0 または R6.0 を実行するノードから CTC を直接起動する必要がある場合、JRE 1.4.2 を推奨します。R5.0 より前のソフトウェアを実行するノードから CTC を直接起動する必要がある場合は、JRE 1.3.1_02 を推奨します。 |
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PC の場合は JRE 5.0 を、サポートされている任意のブラウザで使用します。Internet Explorer 6.x を推奨します。UNIX の場合は、JRE 5.0 と Netscape 7.x を使用するか、JRE 1.3.1_02 と Netscape 4.76 を使用します。 Netscape 4.76 または 7.x は、 Internet Explorer 6.x は、 http://www.microsoft.com から入手できます。 |
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コンピュータを ONS 15454 SDH に直接接続するかまたはLAN を経由して接続するための、両端に RJ-45 コネクタの付いたカテゴリ 5 のストレート ケーブル(ユーザが用意) |
ONS 15454 SDH には、複数の接続方法があります。TCC2/TCC2P の RJ-45 ポート、バックプレーンの LAN ピンを使用して PC と ONS 15454 SDH を直接接続する(ローカル クラフト接続)方法や、MIC-C/T/P の LAN ピンに接続する方法、または ONS 15454 SDH に接続されているハブまたはスイッチに PC を接続する方法があります。LAN またはモデムで ONS 15454 SDH に接続し、PC または TL1 端末からの TL1 接続を確立できます。 表8-3 に、ONS 15454 SDH の接続方法と要件を示します。
ONS 15454 SDH にログインすると CTC ウィンドウが表示されます(図8-3)。このウィンドウには、メニューバー、ツールバー、および上下のペインがあります。上部のペインには、選択されたオブジェクトに関するステータス情報と、現在のビューの図があります。下部のペインには、タブとサブタブがあります。これらは、ONS 15454 SDH 情報を表示したり、ONS 15454 SDH のプロビジョニングとメンテナンスを実行するために使用します。このウィンドウから、ネットワーク、ノード、カードの 3 つの ONS 15454 SDH ビューを表示できます。
図8-3 に示すノード ビューは、ONS 15454 SDH にログインした直後にオープンされる最初のビューです。ログイン ノードは最初に表示されるノードで、これがセッションの「ホーム ビュー」になります。ノード ビューでは、ONS 15454 SDH ノードの表示と管理を行うことができます。ステータス領域には、ノード名、IP アドレス、セッションのブート日付と時刻、Critical(CR; クリティカル)アラーム、Major(MJ; メジャー)アラーム、Minor(MN; マイナー)アラームの数、現在ログインしているユーザの名前、ユーザのセキュリティ レベル、ソフトウェア バージョン、およびネットワーク要素のデフォルト セットアップが表示されます。
CTC ウィンドウのグラフィック領域には、ONS 15454 SDH のシェルフ アセンブリが示されます。グラフィック領域に表示されるカードの色は、物理カードおよびスロットの実際のステータスをリアルタイムで表します( 表8-4 )。
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Front Mount Electrical Connection(FMEC)カードの色は、物理 FMEC カードの実際のステータスをリアルタイムで表します。 表8-5 に、FMEC カードの色を示します。CTC に表示される FMEC ポートの色は変化しません。
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カードおよびノード ビュー両方のポートの色は、サービスの状態を示します。 表8-6 に、ポートの色とそのサービス状態を示します。ポートのサービス状態の詳細については、 付録B「管理状態およびサービス状態」 を参照してください。
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ポートは、ループバック状態です。ノード ビューのカードでは、ポート間のラインが、そのポートが終端であるかファシリティ ループバックであるかを示します(図8-4 および 図8-5 を参照)。トラフィックは伝送され、アラームの報告は抑制されます。アラームが報告されているかどうかに関係なく、発生した障害状態は、CTC の |
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ポートはメンテナンスのためアウト オブ サービス状態です。トラフィックは伝送され、ループバックは許可されます。アラームの報告は抑制されます。アラームが報告されているかどうかに関係なく、発生した障害状態は、CTC の Conditions タブまたは TL1 RTRV-COND コマンドを使用して確認できます。テストを行ったりアラームを一時的に抑制する場合は Locked-enabled,maintenance を使用します。テストが終了すると、状態を Unlocked-enabled、Locked-enabled,disabled、または |
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ポートは完全に機能しており、プロビジョニングしたとおりに動作しています。ポートは信号を送信し、アラームを表示します。ループバックは許可されません。 |
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ポートはアウト オブ サービスですが、トラフィックは伝送されています。アラームの報告は抑制されます。ノードは、ポートでエラーのない信号を監視します。エラーのない信号が検出されると、ポートはソーク期間の間、この状態を保ちます。ソーク期間が終了すると、ポートのサービス状態は Unlocked-enabled に変わります。 アラームが報告されているかどうかに関係なく、発生した障害状態は、CTC の Conditions タブまたは |
ノード ビューの下段シェルフ カード上の記号は、カードのステータス(Active、Standby、Loading、Not Provisioned)を示します。 表8-7 に、カードのステータスを示します。
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ノード ビューのポート上のグラフィック(対角線またはループ)は、ポートの状態を示します。 表8-8 は、ポートのグラフィックとその説明です。
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ポートはイン サービスで、Card View > Maintenance > Loopback タブでループバックがプロビジョニングされました。 |
図に表示されているカード上にマウスを移動すると、該当のカードに関する詳細情報が表示されます。この情報には、カードの種類、カードのステータス(アクティブまたはスタンバイ)、アラームの種類(CR、MJ、MN)(存在する場合)、およびカードで使用されるアラーム プロファイルがあります。カードを右クリックすると、ショートカット メニューが表示されます。このメニューを使用して、カードのオープン、リセット、または削除を行うことができます。スロットを右クリックすると、カードを事前にプロビジョニングできます(つまり、カードを装着する前にスロットをプロビジョニングできます)。
表8-9 に、ノード ビューに表示されるタブとサブタブを示します。
ネットワーク ビュー(図8-6)では、ログインしたノードおよび選択したログイン ノード グループに DCC 接続している ONS 15454 SDH を表示および管理できます。
(注) Login ダイアログボックスで Disable Network Discovery チェックボックスをオンにした場合には、ログイン ノードに DCC 接続しているノードは表示されません。
グラフィック領域には、バックグラウンド イメージと色分けされた ONS 15454 SDH アイコンが表示されます。スーパーユーザは論理ネットワーク ビュー機能を設定して、各ユーザが同じネットワーク ビューを参照できるようにすることができます。グラフィック領域でノードまたはスパンを選択すると、ステータス領域に選択したノードとスパンに関する情報が表示されます。
表8-10 に示すネットワーク ビューのノードの色は、ノードのアラーム ステータスを表します。
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表8-11 に、ネットワーク ビューに表示されるタブとサブタブを示します。
線は、ノード間の DCC 接続を表します。DCC 接続はグリーン(アクティブ)またはグレー(障害)で示されます。また、実線(このリンクによる回線のルーティングが可能)か破線(このリンクによる回線のルーティングは不可)のどちらかで示されます。
DCC の表示では、グリーン/実線、グリーン/破線、グレー/実線、またはグレー/破線の 4 通りがあります。DCC の表示は、アクティブ/ルーティング可能、アクティブ/ルーティング不可、障害/ルーティング可能、または障害/ルーティング不可の状態に対応します。回線のプロビジョニングでは、アクティブ/ルーティング可能な状態にあるリンクを使用します。
CTC には、ネットワーク ビューに表示される DCC、General Communications Channel(GCC; 汎用通信チャネル)、Optical Transport Section(OTS)、Provisionable Patchcord(PPC; プロビジョニング可能パッチコード)、およびサーバ トレール リンクを統合し、ビューを簡素化する機能があります。リンクの統合によって、複数のノード間リンクを単一のリンクに圧縮できます。リンクの統合では、クラスごとにリンクをソートします。たとえば、DCC リンクはすべて 1 つに統合されます。統合リンク内の個々のリンクには、右クリックで表示されるショートカット メニューを使用してアクセスできます。
各リンクには、対応するアイコンがあります( 表8-12 )。
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(注) リンクの統合は簡易マップでしか利用できません。簡易マップでは、ノードが詳細形式(側面にポートを備えた長方形)ではなく、アイコン形式で表示されます。リンクの統合の詳細については、『Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』を参照してください。
カード ビューには、個別の ONS 15454 SDH カードに関する情報が表示されます(図8-7)。このウィンドウでは、カードに固有のメンテナンスとプロビジョニングを実行します。グラフィック領域には、カードのポートを示す図が表示されます。ステータス領域には、ノード名、スロット、アラーム数、カードの種類、機器の種類、およびカードのステータス(アクティブまたはスタンバイ)、カードがある場合はカードの状態、またはポートの状態( 表8-6 )が表示されます。表示される情報および実行できる作業はカードによって異なります。カードのサービス状態の詳細については、 付録B「管理状態およびサービス状態」 を参照してください。
(注) CTC には、すべての ONS 15454 SDH カードのカード ビューがありますが、TCC2、TCC2P、XC10G、XC-VXL-10G、XC-VXL-2.5G、XC-VXC-2.5G、および SC-VSC-10G カードは例外です。これらの一般的なコントロール カードのプロビジョニングは、ノード ビューで行うため、カード ビューは不要です。
ONS 15454 SDH のプロビジョニングと管理には、 表8-13 に示すカードビューのタブとサブタブを使用します。各タブの下に表示されるサブタブ、フィールド、情報は、選択したカード タイプによって異なります。AIC-I カードの場合には、Performance タブは使用できません。
File > Print または File > Export オプションを使用すると、記録の保存やトラブルシューティングのために、CTC のプロビジョニング情報を印刷またはエクスポートできます。この機能は、カード ビュー、ノード ビュー、ネットワーク ビューで実行できます。File > Print 機能では、ローカルまたはネットワーク プリンタにデータが送信されます。File > Export では、データをファイルにエクスポートし、そのファイルを他のコンピュータ アプリケーション(スプレッドシートやデータベース管理プログラムなど)にインポートできます。
データを印刷するかエクスポートするかに応じて、次のオプションを選択します。
• Entire frame ― カード、ノード、またはネットワークの図を含む、CTC ウィンドウ全体を印刷またはエクスポートします。このオプションは、すべてのウィンドウで利用できます。
• Tabbed view ― タブおよびデータを含む、CTC ウィンドウの下半分を印刷またはエクスポートします。選択したタブ(先頭)とタブ ウィンドウに表示されるデータも印刷されます。たとえば、History ウィンドウを Tabbed view で印刷すると、ウィンドウに表示される履歴項目のみが表示されます。このオプションは、すべてのウィンドウで利用できます。
•Table Contents ― CTC データを、シェルフ、カード、タブの図式表現を含まない表形式で印刷します。このオプションは、すべてのウィンドウでは利用できません。詳細については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』の印刷またはレポート作業を参照してください。
Table Contents オプションでは、表内でカラム ヘッダーが同じデータをすべて印刷します。たとえば、History ウィンドウの Table Contents ビューでは、ウィンドウに表示されているかどうかにかかわらず、表内のすべてのデータが印刷されます。
CTC ランチャ アプリケーションとは、Cisco ONS 製品のソフトウェア リリース 8.5 CD で提供される、StartCTC.exe という実行可能ファイルです。CTC ランチャを使用すれば、Web ブラウザを使用しなくても、CTC ソフトウェア リリース 3.3 以降を実行している複数の ONS ノードにログインできます。
CTC ランチャは、2 つの接続オプションを提供します。最初のオプションは、CTC コンピュータに IP 接続された ONS NE に接続するために使用されます。2 つめのオプションは、サードパーティ製の OSI ベースの gateway network element(GNE; ゲートウェイ ネットワーク要素)の後ろに常駐する ONS NE に接続するために使用されます。このオプションの場合、CTC ランチャは TL1 トンネルを作成し、TCP トラフィックを OSI ベースの GNE 経由で転送します。
TL1 トンネルは、TCP トラフィックを OSI ベースの GNE を介して ONS end network element(ENE)へ、また ENE から転送します。TL1 トンネルは、CTC を使用して ONS NE で作成可能な既存のスタティック IP-over-CLNS トンネル、GRE および Cisco IP に類似しています(スタティック IP-over-CLNS トンネルの詳細については、Cisco ONS 製品のマニュアルを参照してください)。ただし、スタティック IP-over-CLNS トンネルとは異なり、TL1 トンネルには ONS ENE、サードパーティ製 GNE、または DCN ルータでのプロビジョニングが必要ありません。すべてのプロビジョニングは、CTC ランチャが起動されたとき、CTC コンピュータで行われます。
図8-8 に、2 つのスタティック IP-over-CLNS トンネルの例を示します。スタティック Cisco IP トンネルは、他のベンダー GNE 1 を経由して ENE 1 から DCN ルータに作成され、スタティック GRE トンネルは、ONS ENE 2 から他のベンダーGNE 2 に作成されます。いずれのスタティック トンネルの場合も、ONS ENE でのプロビジョニングが必要になります。さらに、Cisco IP トンネルは DCN ルータでプロビジョニングされる必要があり、GRE トンネルは GNE 2 でプロビジョニングされる必要があります。
図8-9 に、TL1 トンネルを使用している同じネットワークを示します。トンネル プロビジョニングは、トンネルが CTC ランチャで作成されたときに、CTC コンピュータ上で行われます。ONS NE、GNE、またはルータでは、プロビジョニングは必要ありません。
TL1 トンネルには、スタティック IP-over-CLNS トンネルに勝る利点がいくつかあります。トンネルでは CTCコンピュータでのプロビジョニングだけが必要なので、設定がすばやく行えます。また、TCP 転送に TL1 を使用するため、安全性も高くなります。TL1 トンネルは、フロー制御にも優れています。一方、IP-over-CLNS トンネルでは、必要となるオーバーヘッドが少なく、通常は TL1 トンネルに比べて多少のパフォーマンスの優位性があります(ネットワーク条件によります)。TL1 トンネルは、SNMP および RADIUS 認証など、すべての IP アプリケーションをサポートするわけではありません。 表8-14 に、2 つのタイプのトンネルの比較を示します。
• 各トンネルは、一般的に 6 ~ 8 の ENE をサポートします。これは、ENE でのトンネル数によって異なります。
• 各 CTC セッションは、最大 32 トンネルまでサポートできます。
• TL1 トンネル データベースは、CTC Preferences ファイルにローカルに保存されます。
ONS 15454 SDH TCC2/TCC2P カードをリセットするには、CTC を使用するか(ソフト リセット)、または物理的に TCC2/TCC2P カードを装着し直します(ハード リセット)。ソフト リセットを実行すると、TCC2/TCC2P カードが再起動し、オペレーティング システムとアプリケーション ソフトウェアがリロードされます。また、カードをハード リセットすると、TCC2/TCC2P カードの電源が一時的に切断され、すべてのバッファ メモリがクリアされます。
CTC からソフト リセットを実行すると、トラフィックに影響を与えずに、ステータスがアクティブまたはスタンバイの TCC2/TCC2P カードをリセットできます。アクティブな TCC2/TCC2P カードをハード リセットする必要がある場合は、最初にソフト リセットを実行して TCC2/TCC2P カードをスタンバイ モードにします。
(注) アクティブな TCC2/TCC2P カードで CTC リセットを実行すると、AIC-I カードでは初期化プロセスが実行され、またリセットも行われます。これは、AIC-I カードがアクティブな TCC2/TCC2P カードによって制御されているからです。
(注) データベースを復元したあと、ノード IP とセキュア IP が最終的に同じドメインに含まれないようにするには、データベース内に格納されたノード IP のドメインが、リピータ モードにおけるノードのノード IP のドメインと異なるようにしておく必要があります。また、データベースを復元したあとに、ノード IP とセキュア IP のドメインが異なることを確認してください。
ONS 15454 SDH にデュアル TCC2/TCC2P カードを装着している場合には、各 TCC2/TCC2P カードはそれぞれ別のデータベースを使用します。これにより、現用の TCC2/TCC2P に障害が発生した場合に、保護カードのデータベースが利用できます。また、CTC を実行しているワークステーションにデータベースのバックアップ バージョンを格納することもできます。この作業は、週単位の周期で通常の ONS 15454 SDH メンテナンス作業の一部として行う必要があります。また、通常のメンテナンス作業とは別に、浸水や火災などの自然災害に備えるために必要に応じてバックアップ作業を行ってください。
データベースは、部分的または完全の 2 つの方法で保存されます。部分的データベース復元操作では、プロビジョニング データだけが復元されます。完全データベース復元操作では、システム データとプロビジョニング データの両方が復元されます。データベースの復元の詳細については、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
(注) ノード名、IP アドレス、マスクおよびゲートウェイ、Internet Inter-ORB Protocol(IIOP)ポートの各パラメータは、バックアップおよび復元されません。ノード名を変更してから、バックアップしたデータベースを別のノード名で復元すると、回線は新しいノード名にマップされます。古いノード名と新しいノード名を記録しておくことを推奨します。
ソフトウェアをアップグレードしたあとに Activate ボタンをクリックすると、TCC2/TCC2P によって現在の現用データベースがコピーされ、TCC2/TCC2P のフラッシュ メモリ内の特定の場所に保存されます。あとで保護ソフトウェア ロードから元の現用ソフトウェア ロードに復元する必要がある場合は、保存されているデータベースが自動的にインストールされます。データベースを手動で復元したり、回線を再作成する必要はありません。
(注) TCC2/TCC2P カードには、R4.0 より前のソフトウェアは含まれません。TCC2/TCC2P カードを装着して、ソフトウェア R4.0 より前のリリースに戻すことはできません。
CTC ソフトウェアのアップグレード時にメンテナンス ウィンドウが閉じている場合は、復元機能を使用すると便利です。この機能を使用すると、トラフィックを中断することなく、保護ソフトウェア ロードに戻すことができます。次にメンテナンス ウィンドウが開いたときに、アップグレードを実行し、新しいソフトウェア ロードを有効にします。
ソフトウェア ロードを有効化した(上位リリースのソフトウェアにアップグレードした)あとに作成されてプロビジョニングされた回線は、旧ソフトウェアに戻す際に失われます。有効化された時点のデータベース構成は、旧ソフトウェアに戻った際に元の状態に戻ります。ただし、メンテナンス リバートでは同じデータベースを使用しているため、これにはあてはまりません(たとえば、R4.6.2 から 4.6.1 に戻るなど)。
ソフトウェア R8.5 から戻ることができるのは(サービスへの影響なしに)、そのノードでソフトウェア R8.5 を最初に有効化したときに動作していたリリースだけです。これは、このサポートされている復帰で自動的に復元されるのが、直前に有効化したノード構成だからです。有効化のあとに行われた構成の変更は、ソフトウェアを元に戻した時点で失われます。新しいロードを有効にしたあと、リリース 8.5 を再度ダウンロードすると、前のソフトウェア ロードへの復帰が行われていないことが保証されます(TCC2/TCC2P はリセットされますが、トラフィックへの影響はなく、データベースも変更されません)。