この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco ONS 15454 SDH のカード保護構成について説明します。カード保護のプロビジョニング方法については、『Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』を参照してください。
• 「非保護カード」
ONS 15454 SDH には、各種の電気回路カードの保護スキームが用意されています。ここでは、保護オプションについて説明します。
1:1 保護では、現用カードが同じタイプの保護カードと対になります。現用カードが故障した場合、現用カードからのトラフィックが保護カードに切り替えられます。現用カードの故障が修復されると、トラフィックは自動的に現用カードに復帰します。図7-1 は、1:1 保護構成の ONS 15454 SDH を示しています。スロット 2 がスロット 1 を保護し、スロット 4 がスロット 3 を保護し、スロット 17 がスロット 16 を保護し、スロット 15 がスロット 14 を保護しています。現用カードはそれぞれ保護カードとペアになっています。スロット 6 および 12 は、電気回路カードには使用されていません。対応する Front Mount Electrical Connection(FMEC; フロント マウント電気接続)スロットはありません。
図7-1 1:1 保護構成の ONS 15454 SDH カード
1:N 保護では、1 枚のカードが複数の現用カードを保護します。E1-N-14 カードは、最大 4 枚の E1-N-14 カードを保護し、DS3i-N-12 カードは最大 4 枚の DS3i-N-12 カードを保護します。
現在、1:N 保護は E-1、DS-3、および DS-1 レベルでのみ動作します。1:N 保護カードは、現用カードのレベルと一致していなければなりません。たとえば、E1-N-14 は E1-N-14 カードだけを保護し、DS3i-N-12 は DS3i-N-12 カードだけを保護します。
ONS 15454 SDH FMEC カード上の E-1、DS-3、または DS-1 物理ポートは、現用カードに障害が発生するまで現用カードを使用します。ノードがこの障害を検出すると、保護カードはバックプレーンのリレーおよび信号ブリッジングを経由して、E-1、DS-3、または DS-1 物理電気インターフェイスとしての役割を引き継ぎます。図7-2 は、1:N 保護構成の ONS 15454 SDH を示しています。シェルフ アセンブリの左右それぞれの側に、その側の他のすべてのカードを保護するカードが 1 枚だけあります。
図7-2 1:N 保護構成の ONS 15454 SDH カード
1:N 保護では、復元切り替え機能をサポートしています。復元切り替え機能では、カードがオンラインに復帰したあと、電気インターフェイスが元の現用カードに復帰します。アクティブな現用カードを検出すると、復帰プロセスがトリガーされます。検出と復帰の間には、復元遅延と呼ばれる設定可能なタイム ラグがあり、Cisco Transport Controller(CTC; シスコトランスポートコントローラ)を使用して設定できます。手順については、『Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide』を参照してください。保護グループのすべてのカードには、同じ復元の設定が適用されます。1:N 保護グループのデフォルト設定は自動復帰です。
ONS 15454 SDH の 1:N 保護グループには、次のような規則が適用されます。
• 現用カードと保護カードのグループは同じカード バンク(A または B)になければなりません。
• 1:N 保護カードは、サイド A のスロット 3 とサイド B のスロット 15 になければなりません。
ONS 15454 SDH は、ITU-T G.841 の規定に従うすべての add/drop multiplexer(ADM; add/drop マルチプレクサ)分岐挿入装置の構成(リング、リニア、およびターミナル)で 1:N 機器保護をサポートします。
カードがスロット 3 またはスロット 15 に装着されると、ONS 15454 SDH は自動的に 1:N 保護カードの検出と識別を行います。ただし、デフォルトではすべて現用カードに設定されているため、保護グループの 1:N 保護カードがあるスロットは手動で保護スロットとしてプロビジョニングする必要があります。
1+1 ポート間保護では、任意の数の保護カード上のポートを、現用カードの対応するポートを保護するために割り当てることができます。現用カードと保護カードはノード内の隣同士に配置する必要はありません。現用カードは、タイプとポート数が同じ保護カードと対にする必要があります。たとえば、シングル ポートの STM-4 は別のシングル ポートの STM-4 と対にし、4 ポートの STM-4 は別の 4 ポートの STM-4 と対にする必要があります。一方のカードがシングルポートで、もう一方のカードがマルチポートの場合、STM-N レートが同じであっても 1+1 保護グループは作成できません。保護はポートレベルで行われ、保護カード上のポートをいくつでも、現用カードの対応するポートを保護するために割り当てることができます。
たとえば、4 ポート カードでは、保護カード上の 1 つのポートを保護ポート(現用カードの対応するポートを保護する)として割り当て、残りの 3 つのポートを非保護のままにすることができます。反対に、3 つのポートを保護ポートとして割り当て、残り 1 つを非保護とすることもできます。
1+1 スパン保護には、リバーティブと非リバーティブがあります。非リバーティブ 1+1 保護で、障害が発生して信号が現用カードから保護カードに切り替わった場合、手動で元に戻されるまで信号は保護カードに切り替えられたままとなります。リバーティブ 1+1 保護機能では、現用カードがオンラインに復帰すると、信号が自動的に現用カードに切り替わります。
保護スキームの作成および変更には、CTC ソフトウェアを使用します。詳細については、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』の「Turn up Node」の章を参照してください。
非保護カードは保護スキームに含まれないため、カードに障害が発生したり、信号エラーがあるとデータが失われてしまいます。非保護構成は、1:0 保護と呼ばれることがあります。非保護スキームを採用すると、保護のために予約される帯域幅がないので、ONS 15454 SDH の利用可能な帯域幅が最大になります。図7-3 は、非保護構成の ONS 15454 SDH を示しています。この図では、すべてのカードが稼働状態です。
ONS 15454 SDH の外部切り替えコマンドには、Manual、Force、Lockout があります。Manual 切り替えを選択すると、パスのエラー レートが Signal Degrade(SD; 信号劣化)ビット エラー レートのしきい値よりも低い場合にだけトラフィックが切り替えられます。Force では、パスが SD 状態や Signal Fail(SF; 信号障害)状態でもトラフィックが切り替わりますが、1+1 保護チャネル上の SF は上書きされません。Force 切り替えは、Manual 切り替えよりも優先順位が高くなります。Lockout は、保護カード(1+1 構成の)だけに使用でき、どのような状況でもトラフィックが保護ポートに切り替わらなくなります。Lockout は最優先です。
(注) Force および Manual 切り替えは、1:1 保護グループには適用されません。これらのポートには単独の切り替えコマンドがあります。
1+1 構成で保護切り替えを禁止するもう 1 つの方法は、現用ポートにロック オンを適用することです。ロック オンが適用された現用ポートは、保護グループ(ペア)の保護ポートにトラフィックを切り替えることはできません。1:1 保護グループでは、現用ポートまたは保護ポートにロック オンを設定できます。