NTP の設定

この章は、次の内容で構成されています。

NTP の概要

ネットワーク タイム プロトコル(NTP)は、分散している一連のタイム サーバとクライアント間で 1 日の時間を同期させ、複数のネットワーク デバイスから受信するシステム ログや時間関連のイベントを相互に関連付けられるようにします。NTP ではトランスポート プロトコルとして、ユーザ データグラム プロトコル(UDP)を使用します。すべての NTP 通信は UTC を使用します。

NTP サーバは通常、タイム サーバに接続されたラジオ クロックやアトミック クロックなどの正規の時刻源から時刻を受信し、ネットワークを介してこの時刻を配信します。NTP はきわめて効率的で、毎分 1 パケット以下で 2 台のマシンを相互に 1 ミリ秒以内に同期します。

NTP ではストラタム(stratum)を使用して、ネットワーク デバイスと正規の時刻源の距離を表します。

  • ストラタム 1 のタイム サーバは、信頼できる時刻源に直接接続されます(無線時計や原子時計または GPS 時刻源など)。

  • ストラタム 2 の NTP サーバは、ストラタム 1 のタイム サーバから NTP を使用して時刻を受信します。

同期の前に、NTP は複数のネットワーク サービスが報告した時刻を比較し、1 つの時刻が著しく異なる場合は、それが Stratum 1 であっても、同期しません。Cisco NX-OS は、無線時計や原子時計に接続できず、ストラタム 1 サーバとして動作することはできないため、インターネット上で利用できるパブリック NTP サーバを使用することを推奨します。ネットワークがインターネットから切り離されている場合、Cisco NX-OS では、NTP によって時刻が同期されていなくても、NTP で同期されているものとして時刻を設定できます。


(注)  

NTP ピア関係を作成して、サーバで障害が発生した場合に、ネットワーク デバイスを同期させて、正確な時刻を維持するための時刻提供ホストを指定できます。


デバイス上の時刻は重要な情報であるため、NTP のセキュリティ機能を使用して、不正な時刻を誤って(または悪意を持って)設定できないように保護することを強く推奨します。その方法として、アクセス リストベースの制約方式と暗号化認証方式があります。

時間サーバとしての NTP

Cisco NX-OS デバイスでは、時刻を配信するために NTP を使用できます。他のデバイスからタイム サーバとして設定できます。デバイスを正規の NTP サーバとして動作するよう設定し、外部の時刻源と同期していないときでも時刻を配信させることもできます。

CFS を使用した NTP の配信

Cisco Fabric Services(CFS)は、ローカル NTP コンフィギュレーションをネットワーク内のすべてのシスコ デバイスに配信します。デバイス上で CFS をイネーブルにすると、NTP コンフィギュレーションが起動された場合には常に、ネットワーク全体のロックが NTP に適用されます。NTP コンフィギュレーションを変更した後で、これらの変更を破棄することもコミットすることもできます。いずれの場合でも、CFS のロックはこのときに NTP アプリケーションから解放されます。

クロック マネージャ

クロックはさまざまなプロセス間で共有する必要のあるリソースです。

クロック マネージャを使用して、システム内のさまざまなクロックを制御するプロトコルを指定できます。プロトコルを指定すると、システム クロック更新が開始します。

仮想化のサポート

NTP は Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスを認識します。NTP サーバおよび NTP ピアに対して特定の VRF を設定していない場合、NTP はデフォルトの VRF を使用します。

NTP の注意事項と制約事項

NTP に関する設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。

  • NTP を設定するには、NTP が動作している 1 つ以上のサーバに接続できなければなりません。

  • NTP は、クロック プロトコルが NTP に設定されている場合に動作します。PTP と NTP を同時に構成することはサポートされていません。

  • 別のデバイスとの間にピア アソシエーションを設定できるのは、使用するクロックの信頼性が確実な場合(つまり、信頼できる NTP サーバーのクライアントである場合)に限られます。

  • 単独で設定したピアは、サーバーの役割を担いますが、バックアップとして使用する必要があります。サーバが 2 台ある場合、いくつかのデバイスが一方のサーバに接続し、残りのデバイスが他方のサーバに接続するように設定できます。その後、2 台のサーバ間にピア アソシエーションを設定すると、信頼性の高い NTP 構成になります。

  • サーバーが 1 台だけの場合は、すべてのデバイスをそのサーバーのクライアントとして設定する必要があります。

  • 設定できる NTP エンティティ(サーバーおよびピア)は、最大 64 です。

  • NTP に対して CFS がディセーブルになっていると、その NTP からコンフィギュレーションは配信されず、ネットワーク内の他のデバイスからの配信も受け取られません。

  • NTP に対して CFS 配信をイネーブルにしても、commit コマンドを入力するまで、NTP コンフィギュレーション コマンドのエントリは NTP コンフィギュレーションに対してネットワークをロックします。ロック中は、ネットワーク内の(ロックを保持しているデバイス以外の)すべてのデバイスは NTP コンフィギュレーションを変更できません。

  • CFS を使用して NTP をディセーブルにする場合、ネットワーク内のすべてのデバイスは、NTP に対して使用するよう設定したものと同じ VRF を持っている必要があります。

  • VRF で NTP を設定する場合は、NTP サーバーおよびピアが、設定された VRF を介して相互にアクセスできることを確認します。

  • ネットワーク全体の NTP サーバーおよび Cisco NX-OS デバイスに、NTP 認証キーを手動で配信する必要があります。

デフォルト設定

表 1. デフォルトの NTP パラメータ

パラメータ

デフォルト

NTP 認証

無効

NTP アクセス

有効

NTP ロギング

無効

NTP の設定

NTP サーバーおよびピアの構成

NTP サーバーおよびピアを設定できます。

始める前に

NTP サーバとそのピアの IP アドレスまたは DNS 名がわかっていることを確認します。

CFS を使用して他のデバイスに NTP コンフィギュレーションを配信する場合は、次を完了している必要があります。

  • CFS 配信の有効化。

  • CFS for NTP の有効化。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# [no] ntp server {ip-address | ipv6-address | dns-name} [ key key-id] [ maxpoll max-poll] [ minpoll min-poll] [prefer] [ use-vrf vrf-name]
  3. switch(config)# [no] ntp peer {ip-address | ipv6-address | dns-name} [ key key-id] [ maxpoll max-poll] [ minpoll min-poll] [prefer] [ use-vrf vrf-name]
  4. (任意) switch(config)# show ntp peers
  5. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# [no] ntp server {ip-address | ipv6-address | dns-name} [ key key-id] [ maxpoll max-poll] [ minpoll min-poll] [prefer] [ use-vrf vrf-name]

1 つのサーバと 1 つのサーバ アソシエーションを形成します。

NTP サーバとの通信で使用するキーを設定するには、key キーワードを使用します。key-id 引数の範囲は 1 ~ 65535 です。

サーバをポーリングする最大および最小の間隔を設定するには、 maxpoll および minpoll キーワードを使用します。 max-poll および min-poll 引数の範囲は 4〜16(2 の累乗として設定されます。つまり、実質的に16〜65536秒)で、デフォルト値はそれぞれ 6 と 4 です(maxpoll デフォルト = 64秒、minpoll デフォルト= 16秒)。

これをデバイスの優先 NTP サーバーにするには、prefer キーワードを使用します。

指定された VRF を介して通信するように NTP サーバを設定するには、use-vrf キーワードを使用します。vrf-name 引数として、default、management、または 32 文字までの任意の英数字の文字列を使用できます(大文字と小文字は区別されます)。

(注)   

NTP サーバとの通信で使用するキーを設定する場合は、そのキーが、デバイス上の信頼できるキーとして存在していることを確認してください。

ステップ 3

switch(config)# [no] ntp peer {ip-address | ipv6-address | dns-name} [ key key-id] [ maxpoll max-poll] [ minpoll min-poll] [prefer] [ use-vrf vrf-name]

1 つのピアと 1 つのピア アソシエーションを形成します。複数のピア アソシエーションを指定できます。

NTP ピアとの通信で使用するキーを設定するには、key キーワードを使用します。key-id 引数の範囲は 1 ~ 65535 です。

サーバをポーリングする最大および最小の間隔を設定するには、 maxpoll および minpoll キーワードを使用します。 max-poll および min-poll 引数の範囲は 4〜16(2 の累乗として設定されます。つまり、実質的に 16〜131072 秒)で、デフォルト値はそれぞれ 6 と 4 です(maxpoll デフォルト = 64秒、minpoll デフォルト= 16秒)。

これをデバイスの優先 NTP サーバーにするには、prefer キーワードを使用します。

指定された VRF を介して通信するように NTP サーバを設定するには、use-vrf キーワードを使用します。vrf-name 引数として、default、management、または 32 文字までの任意の英数字の文字列を使用できます(大文字と小文字は区別されます)。

ステップ 4

(任意) switch(config)# show ntp peers

(任意)

設定されたサーバおよびピアを表示します。

(注)   

ドメイン名が解決されるのは、DNS サーバが設定されている場合だけです。

ステップ 5

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

NTP サーバおよびピアを設定する例を示します。

switch# config t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# ntp server 192.0.2.10 key 10 use-vrf Red
switch(config)# ntp peer 2001:0db8::4101 prefer use-vrf Red
switch(config)# show ntp peers
--------------------------------------------------
Peer IP Address Serv/Peer
--------------------------------------------------
2001:0db8::4101 Peer (configured)
192.0.2.10 Server (configured)
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
switch(config)#

NTP 認証の設定

ローカル ロックを同期させる時刻源を認証するようデバイスを設定できます。NTP 認証を有効にすると、ntp trusted-key コマンドによって指定されたいずれかの認証キーを時刻ソースが保持している場合のみ、デバイスはその時刻ソースと同期します。デバイスは、認証チェックに失敗したすべてのパケットをドロップし、それらのパケットでローカル クロックがアップデートされないようにします。NTP 認証はデフォルトでディセーブルになっています。

始める前に

この手順で指定する予定の認証キーによって、NTP サーバが設定されていることを確認します。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# [no] ntp authentication-key number md5 md5-string
  3. (任意) switch(config)# show ntp authentication-keys
  4. switch(config)# [no]ntp trusted-key number
  5. (任意) switch(config)# show ntp trusted-keys
  6. switch(config)# [no] ntp authenticate
  7. (任意) switch(config)# show ntp authentication-status
  8. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# [no] ntp authentication-key number md5 md5-string

認証キーを定義します。デバイスが時刻源と同期するのは、時刻源がこれらの認証キーのいずれかを持ち、ntp trusted-key number コマンドによってキー番号が指定されている場合だけです。

ステップ 3

(任意) switch(config)# show ntp authentication-keys

(任意)

設定済みの NTP 認証キーを表示します。

ステップ 4

switch(config)# [no]ntp trusted-key number

1 つ以上のキーを指定します。デバイスが時刻ソースと同期するために、時刻ソースはこのキーを NTP パケット内に提供する必要があります。trusted key の範囲は 1 ~ 65535 です。

このコマンドにより、デバイスが、信頼されていない時刻源と誤って同期する、ということが防止されます。

ステップ 5

(任意) switch(config)# show ntp trusted-keys

(任意)

設定済みの NTP の信頼されているキーを表示します。

ステップ 6

switch(config)# [no] ntp authenticate

NTP 認証機能をイネーブルまたはディセーブルにします。NTP 認証はデフォルトでディセーブルになっています。

ステップ 7

(任意) switch(config)# show ntp authentication-status

(任意)

NTP 認証の状況を表示します。

ステップ 8

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、NTP パケット内で認証キー 42 を提示している時刻源とだけ同期するようデバイスを設定する例を示します。

switch# config t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# ntp authentication-key 42 md5 aNiceKey
switch(config)# ntp trusted-key 42
switch(config)# ntp authenticate
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
switch(config)#

NTP アクセス制限の設定

アクセス グループを使用して、NTP サービスへのアクセスを制御できます。具体的には、デバイスで許可する要求のタイプ、およびデバイスが応答を受け取るサーバを指定できます。

アクセス グループを設定しない場合は、すべてのデバイスに NTP アクセス権が付与されます。何らかのアクセス グループを設定した場合は、ソース IP アドレスがアクセス リストの基準をパスしたリモート デバイスに対してだけ、NTP アクセス権が付与されます。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# [no] ntp access-group {peer | serve | serve-only | query-only} access-list-name
  3. (任意) switch(config)# show ntp access-groups
  4. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# [no] ntp access-group {peer | serve | serve-only | query-only} access-list-name

NTP のアクセスを制御し、基本の IP アクセス リストを適用するためのアクセス グループを作成または削除します。

アクセス グループのオプションは、次の順序で制限の緩いものから厳しいものへとスキャンされます。ただし、ピアに設定された拒否 ACL ルールに NTP が一致した場合、ACL 処理は停止し、次のアクセス グループ オプションへと継続しません。

  • peer キーワードは、デバイスが時刻要求と NTP 制御クエリーを受信し、アクセス リストで指定されているサーバと同期するようにします。

  • serve キーワードは、アクセス リストに指定されているサーバからの時刻要求と NTP 制御クエリーをデバイスが受信できるようにしますが、指定されたサーバとは同期しないようにします。

  • serve-only キーワードは、デバイスがアクセス リストで指定されたサーバからの時刻要求だけを受信するようにします。

  • query-only キーワードは、デバイスがアクセス リストで指定されたサーバからの NTP 制御クエリーのみを受信するようにします。

ステップ 3

(任意) switch(config)# show ntp access-groups

(任意)

NTP アクセス グループのコンフィギュレーションを表示します。

ステップ 4

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、アクセス グループ「accesslist1」からピアと同期できるようデバイスを構成する例を示します。

switch# config t
switch(config)# ntp access-group peer accesslist1
switch(config)# show ntp access-groups
Access List Type
-----------------------------
accesslist1 Peer
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
switch(config)#

NTP ソース IP アドレスの設定

NTP は、NTP パケットが送信されたインターフェイスのアドレスに基づいて、すべての NTP パケットにソース IP アドレスを設定します。特定のソース IP アドレスを使用するよう NTP を設定できます。

NTP ソース IP アドレスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

手順の概要

  1. switch(config)# [no] ntp source ip-address

手順の詳細

コマンドまたはアクション 目的

switch(config)# [no] ntp source ip-address

すべての NTP パケットにソース IP アドレスを設定します。ip-address には IPv4 または IPv6 形式を使用できます。

次に、NTP をソース IP アドレスに構成する例を示します。

switch(config)# ntp source 192.0.2.1

NTP ソース インターフェイスの設定

特定のインターフェイスを使用するよう NTP を設定できます。

NTP ソース インターフェイスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

手順の概要

  1. switch(config)# [no] ntp source-interface interface

手順の詳細

コマンドまたはアクション 目的

switch(config)# [no] ntp source-interface interface

すべての NTP パケットに対してソースインターフェイスを設定します。サポートされているインターフェイスのリストを表示するには、? キーワードを使用します。

次に、NTP を特定のインターフェイスに構成する例を示します。

switch(config)# ntp source-interface
ethernet 2/1

NTP ロギングの設定

重要な NTP イベントでシステム ログを生成するよう、NTP ロギングを設定できます。NTP ロギングはデフォルトでディセーブルになっています。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# [no] ntp logging
  3. (任意) switch(config)# show ntp logging-status
  4. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# [no] ntp logging

重要な NTP イベントでシステム ログを生成することをイネーブルまたはディセーブルにします。NTP ロギングはデフォルトでディセーブルになっています。

ステップ 3

(任意) switch(config)# show ntp logging-status

(任意)

NTP ロギングのコンフィギュレーション状況を表示します。

ステップ 4

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、重要な NTP イベントによってシステム ログを生成するよう、NTP ロギングをイネーブルにする例を示します。

switch# config t
switch(config)# ntp logging
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
switch(config)#

NTP 用の CFS 配信のイネーブル化

NTP コンフィギュレーションを他の CFS 対応デバイスに配信するために、NTP 用の CFS 配信をイネーブルにできます。

始める前に

デバイスの CFS 配信をイネーブルにしていることを確認します。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# [no] ntp distribute
  3. (任意) switch(config)# show ntp status
  4. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# [no] ntp distribute

CFS を介して配信される NTP コンフィギュレーションのアップデートをデバイスが受信することを、イネーブルまたはディセーブルにします。

ステップ 3

(任意) switch(config)# show ntp status

(任意)

NTP CFS の配信状況を表示します。

ステップ 4

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、NTP のための CFS 配信をイネーブルにする例を示します。

switch# config t
Enter configuration commands, one per
line. End with CNTL/Z.
switch(config)# ntp distribute
switch(config)# copy running-config
startup-config

NTP 構成変更のコミット

NTP コンフィギュレーションの変更をコミットすると、保留データベースのコンフィギュレーション変更によって有効なデータベースが上書きされ、ネットワーク内のすべてのデバイスが同じコンフィギュレーションを受け取ります。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config)# ntp commit

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config)# ntp commit

ネットワーク内のすべての Cisco NX-OS デバイスに NTP コンフィギュレーションの変更を配信し、CFS ロックを解放します。このコマンドは、保留データベースに対して行われた変更によって、有効なデータベースを上書きします。

次に、NTP 構成の変更をコミットする例を示します。

switch(config)# ntp commit

NTP 設定変更の廃棄

コンフィギュレーション変更の後で、これらの変更をコミットせずに、破棄するよう選択することもできます。変更を破棄すると、Cisco NX-OS によって保留データベースの変更が削除され、CFS ロックが解放されます。

NTP コンフィギュレーションの変更を破棄するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

手順の概要

  1. switch(config)# ntp abort

手順の詳細

コマンドまたはアクション 目的

switch(config)# ntp abort

保留データベースで NTP コンフィギュレーションの変更を破棄して、CFS ロックを解放します。このコマンドは、NTP コンフィギュレーションを起動したデバイスで使用します。

次の例は、NTP の構成変更を破棄する方法を示しています。

switch(config)# ntp abort

CFS セッション ロックの解放

NTP コンフィギュレーションを実行したが、変更をコミットまたは破棄してロックを解放し忘れた場合は、自分で、または他の管理者がネットワーク内の任意のデバイスからロックを解放できます。また、この操作では、保留データベースの変更が破棄されます。

任意のデバイスからセッション ロックを解放し、保留データベースの変更を破棄するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

手順の概要

  1. switch(config)# clear ntp session

手順の詳細

コマンドまたはアクション 目的

switch(config)# clear ntp session

保留データベースで NTP コンフィギュレーションの変更を破棄して、CFS ロックを解放します。

次の例は、CFS セッション ロックを解放する方法を示しています。

switch(config)# clear ntp session

NTP の設定確認

NTP 設定を表示するには、次のタスクのうちのいずれかを実行します。

clear ntp session コマンドを使用して、NTP セッションをクリアします。

clear ntp statistics コマンドを使用して、NTP 統計情報をクリアします。

手順の概要

  1. show ntp access-groups
  2. show ntp authentication-keys
  3. show ntp authentication-status
  4. show ntp logging-status
  5. show ntp peer-status
  6. show ntp peers
  7. show ntp pending
  8. show ntp pending-diff
  9. show ntp rts-update
  10. show ntp session status
  11. show ntp source
  12. show ntp source-interface
  13. show ntp statistics {io | local | memory | peer {ipaddr {ipv4-addr | ipv6-addr} | name peer-name}}
  14. show ntp status
  15. show ntp trusted-keys
  16. show running-config ntp

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

show ntp access-groups

NTP アクセス グループのコンフィギュレーションを表示します。

ステップ 2

show ntp authentication-keys

設定済みの NTP 認証キーを表示します。

ステップ 3

show ntp authentication-status

NTP 認証の状況を表示します。

ステップ 4

show ntp logging-status

NTP のロギング状況を表示します。

ステップ 5

show ntp peer-status

すべての NTP サーバおよびピアのステータスを表示します。

ステップ 6

show ntp peers

すべての NTP ピアを表示します。

ステップ 7

show ntp pending

NTP 用の一時 CFS データベースを表示します。

ステップ 8

show ntp pending-diff

保留 CFS データベースと現行の NTP コンフィギュレーションの差異を表示します。

ステップ 9

show ntp rts-update

RTS アップデートの状況を表示します。

ステップ 10

show ntp session status

NTP CFS 配信セッションの情報を表示します。

ステップ 11

show ntp source

設定済みの NTP ソース IP アドレスを表示します。

ステップ 12

show ntp source-interface

設定済みの NTP ソース インターフェイスを表示します。

ステップ 13

show ntp statistics {io | local | memory | peer {ipaddr {ipv4-addr | ipv6-addr} | name peer-name}}

NTP 統計情報を表示します。

ステップ 14

show ntp status

NTP CFS の配信状況を表示します。

ステップ 15

show ntp trusted-keys

設定済みの NTP の信頼されているキーを表示します。

ステップ 16

show running-config ntp

NTP 情報を表示します。

NTP の設定例

次に、NTP サーバおよびピアを設定し、NTP 認証をイネーブルにして、NTP ロギングをイネーブルにした後で、その設定をスタートアップに保存し、リブートとリスタートを通して保存されるようにする例を示します。

switch# config terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# ntp server 192.0.2.105 key 42
switch(config)# ntp peer 2001:0db8::4101
switch(config)# show ntp peers
--------------------------------------------------
     Peer IP Address            Serv/Peer
--------------------------------------------------
     2001:db8::4101         Peer (configured)
     192.0.2.105           Server (configured)
switch(config)# ntp authentication-key 42 md5 aNiceKey
switch(config)# show ntp authentication-keys
-----------------------------
  Auth key        MD5 String
-----------------------------
     42           aNicekey
switch(config)# ntp trusted-key 42
switch(config)# show ntp trusted-keys
Trusted Keys:
42
switch(config)# ntp authenticate
switch(config)# show ntp authentication-status
Authentication enabled.
switch(config)# ntp logging
switch(config)# show ntp logging
NTP logging enabled.
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
switch(config)#

次に、以下の制約事項のある NTP アクセス グループの設定の例を示します。

  • peer の制約事項は、「peer-acl」というアクセス リストの条件を満たす IP アドレスに適用されます。

  • serve の制約事項は、「serve-acl」というアクセス リストの条件を満たす IP アドレスに適用されます。

  • serve-only の制約事項は、「serve-only-acl」というアクセス リストの条件を満たす IP アドレスに適用されます。

  • query-only の制約事項は、「query-only-acl」というアクセス リストの条件を満たす IP アドレスに適用されます。

switch# config terminal
switch(config)# ntp peer 10.1.1.1
switch(config)# ntp peer 10.2.2.2
switch(config)# ntp peer 10.3.3.3
switch(config)# ntp peer 10.4.4.4
switch(config)# ntp peer 10.5.5.5
switch(config)# ntp peer 10.6.6.6
switch(config)# ntp peer 10.7.7.7
switch(config)# ntp peer 10.8.8.8
switch(config)# ntp access-group peer peer-acl
switch(config)# ntp access-group serve serve-acl
switch(config)# ntp access-group serve-only serve-only-acl
switch(config)# ntp access-group query-only query-only-acl

switch(config)# ip access-list peer-acl
switch(config-acl)# 10 permit ip host 10.1.1.1 any
switch(config-acl)# 20 permit ip host 10.8.8.8 any

switch(config)# ip access-list serve-acl
switch(config-acl)# 10 permit ip host 10.4.4.4 any
switch(config-acl)# 20 permit ip host 10.5.5.5 any

switch(config)# ip access-list serve-only-acl
switch(config-acl)# 10 permit ip host 10.6.6.6 any
switch(config-acl)# 20 permit ip host 10.7.7.7 any

switch(config)# ip access-list query-only-acl
switch(config-acl)# 10 permit ip host 10.2.2.2 any
switch(config-acl)# 20 permit ip host 10.3.3.3 any

NTP の関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

NTP CLI コマンド

Cisco Nexus 3548 スイッチ NX-OS システム管理コマンド リファレンス ガイド

NTP 機能の履歴

この表には、機能の追加や変更によるリリースの更新内容のみが記載されています。

機能名 リリース 機能情報

NTP

5.0(3)A1(1)

この機能が導入されました。