イノベーションの転換期の渦中で… IPネットワーキング新時代の幕開け

INDEX

  1. 大きな期待
  2. 変化の予感
  3. IP ネットワーキングの新時代
  4. ルータの強化
  5. 中断を最小限に減らす
  6. MPLS の成熟
  7. ソフトウェアの強化
  8. さらに前進

ソフトウェアの強化

META Group のウィリスは、Cisco CRS-1 IOS XR に特有の管理能力は業界のイノベーションそのものであると考えている。彼は、CRS-1 はソフトウェアで XML (Extensible Markup Language) をサポートすることによってさまざまな既存 Operations Support System (OSS : オペレーションサポートシステム) と直接やり取りし、「管理面で個々のボックスという観点ではなく、もっとシステム的な観点を得ることができる」と見ているのである。

ウィリスは「IOS XR は『すべての物をすべての人に』という考えから離れ、よりキャリアのニーズに直結し、その目的に応じて特別に作られたオペレーティングシステムへと向っています」と総評する。

フォレスターのホワイトリーもこの意見に同意する。

「確かに他のルータベンダーもソフトウェアをモジュラ化していますが、それとは全くレベルが違います。シスコはプロセスを視覚化し、複数のシャーシを横断的にとらえて、どの処理リソースにでも自在な分散を可能にすることができる点で、さらに 1歩リードしています。2つの機能をつなぐ管理プレーン内で BGP と OSPF (ルーティングプロトコル) を分離すれば、問題に対するトラブルシューティングがずっと楽になるのです」

このような設定は、VoIP (Voice over IP) などのリアルタイムサービスにとって非常に重要であると彼は強調する。

「今、キャリアは私たちがよく耳にするリアルタイムの統合型サービスを提供するのに十分な信頼性を築く、正しい基盤を得たのです。QoS のために 40Gbps のスピード (CRS-1 ラインカードの速度) でディープパケットインスペクションを実行することができるので、全体にわたって適切なフレームワークを作ることが可能なのです」

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