ネットワークオペレータが中断することなく POP のアーキテクチャを拡張させ、一定の POP にある機器の寿命を延ばすことができるのも重要なポイントだとドハティーは指摘する。トラフィック量の急増に対して、一定の POP 内で複数のネットワークからのトラフィックが統合されるので、もはや従来のアプローチではコスト、信頼性、管理能力などの面で拡張性を保証することが困難になってくるのである。
「従来のアプローチでは、ルータをさらに追加することが唯一の対応策だったのです」とシスコのコア・アンド・エッジ・ルーティング担当ディレクターであるジョン・ドイル (John Doyle) は語る。
「しかし、 あるPOP にパフォーマンス依存度が非常に高いサービスが加わった場合には、ネットワークオペレータはサービスを維持しながらネットワーク拡張を図らねばならないだけでなく、ハードウェアや冗長性、相互運用性の追加に伴う管理上の負担増にも対処しなければならなくなるのです」
この整理統合はサイトの規模にかかわらず、企業ネットワークにも波及する。たとえば、技術スタッフの人的リソースが限られた支社などでは、サービスプロバイダ POP を簡素化しなければならないという同様の理由から、シンプルでハイパフォーマンスの統合システムが登場することになるだろう (コラム『企業の要求』を参照)。