その一方で、一般ユーザーは Web やコンピュータ機器、コミュニケーションツールなどを使えば、通信に関連するほとんどのことができるはずだという思いをますます深めている。ここで求められるタスクは基本的なテキストの Eメールから音声、静止画像 (カメラ) 、ビデオメッセージング、ライブチャット、オンラインゲーム、さらにその他数多くのサービスを組み合わせたものへとどんどん進化していくのだ。実際にこのようなサービスを提供するには、単なるスピードだけでなく、遅延やジッタ、およびネットワークの可用性の厳密なコントロールも含めた、新しいレベルのパフォーマンスが必要になってくる。
イントラネットおよびインターネット・ベースの Web 活用が急増する中で、さらに ATM やフレームリレー、専用線、および音声ネットワークの統合によって創出されるトラフィックが殺到すれば、IP/MPLS のバックボーンに合流するトラフィックの総量がどれほど急激に増大するか想像に難くない (図を参照) 。こうしたコミュニケーションすべてが、拡張性とパフォーマンス向上のためにルータの強力なパワーアップが必要な理由になっているのである。事実、ヤンキー・グループは 2004 年に世界中のティア1 のサービスプロバイダを対象として行われた予備調査に基づいて「IP/MPLS コアのトラフィックは、2006年まで年間 117% という健全な成長率を保つだろう」と予測している。
IP トラフィックの増加 コアネットワークのトラフィックは、主にネットワークの統合、ブロードバンドサービス、およびエンタープライズ IP サービスにより爆発的に増え始めている |
世界で収益トップ 20社のサービスプロバイダのうち、すでに 85% はネットワークの整理統合プロジェクトを進めているとビーバリッチは指摘している。
「これらのプロジェクトは、キャリアがルータアーキテクチャは自分たちのマルチサービス配信のニーズに応えるのに十分な拡張性と柔軟性を実現することを確信している証拠です」
コネチカット州スタンフォードにあるネットワーキング調査会社 META Group の技術調査サービス担当副社長であるデビット・ウィリス (David Willis) は「故障率を低く抑えるための高度な拡張性と冗長性を持ったハードウェアがなかった」と語っている。
それでは、この IP ネットワーキング新時代に先んじて業界の前進を促すことができる革新的な開発とは一体何なのだろうか? そこには以下の要素が含まれてくるはずだ。