マルチソーシング企業のコンタクトセンターは、キャプティブ、アウトソーシング、およびオフショアを含むソーシングソリューションの組み合わせを活用しています。典型的なマルチソース コンタクト センター環境は、組織的に複雑であり、世界中にある拠点で構成されています。また、直接の会社従業員やアウトソースされたエージェントが配置されています。

この環境では、ほとんどの場所が独立して運営し、ルーティング、管理ソリューション、レポートツールなど、さまざまなコンタクトセンターテクノロジーを使用します。このツールとテクノロジーの組み合わせによって、さまざまな場所での管理と品質監視の両方が非常に困難になっています。

シスコの Webex Contact Center には、グローバル通話管理サービスでコンタクトセンターと IP テクノロジーを組み合わせた独自のソリューションが用意されています。Webex Contact Center ソリューションは、Cisco Midpoint Call Management®テクノロジーを基盤としており、異種のコンタクトセンター環境全体で通話と問い合わせを管理および監視するための集中管理ポイントです。

クラウドサービスとして提供される Webex Contact Center を使用すると、企業はグローバルコンタクトセンターのキューを完全に制御することができ、ユニファイド コンタクト センター環境の外観を作成することができます。通話、チャット、および電子メールは、エージェントが在籍するコンタクトセンターの拠点に配分されます。エージェントが対応中の場合、問い合わせは一元的にキューに入り、エージェントの物理的な場所に関係なく、次に対応可能なエージェントが対応します。

音声コンテキストでは、通話を一元的にキューに入れることで、企業は自社のオンプレミス設備からキューイング機能をオフロードすることができるため、電気通信ハードウェア、電話料金、帯域幅の消費量の大幅な削減が実現します。さらに、任意の拠点で対応可能な次のエージェントに通話を送信できます。また、通話のエンドポイントが世界中に点在するため、Webex Contact Center は、リモートエージェントや在宅エージェントを企業のマルチソース コンタクトセンター環境にシームレスに統合します。

Webex Contact Center テナントは、1 つ以上の拠点にあるコンタクトセンターを持つ企業です。企業には、キューに関連付けられている受け付ける問い合わせのエントリポイントもあります。受け付ける問い合わせは、音声通話の無料通話番号での通話、電子メールに指定された電子メールアドレスでの受け付けまたはエージェントとのチャットでの受け付けが可能です。たとえば、Acme という企業には、Welcome という名前のエントリポイントがある場合があります。Welcome は、問い合わせを AcmeBilling に分類し、シカゴ、マニラそしてバンガロールのチームに配分します。

各 Webex Contact Center テナント プロファイルは、拠点、チーム、エントリポイントおよびキューで構成されています。

• 拠点とは企業または委託者の管理化にある物理的なコンタクトセンターの場所です。たとえば、Acme にはシカゴ、マニラ、およびバンガロールに拠点があります。

• チームとは、特定の種類の問い合わせに対応する特定の拠点にいるエージェントのグループです。たとえば、Acme は、シカゴに、Chi_Billing、Chi_Sales および Chi_GoldCustomerService という名前のシカゴ拠点があり、バンガロールに、Bgl_Billing、Bgl_GoldCustomerService および Bgl_Experts という名前のバンガロール拠点を持つことができます。エージェントは複数のチームに割り当てることができますが、エージェントは一度に 1 つのチームでのみ勤務できます。

• エントリポイントは、Webex Contact Center システム上でお客様からの問い合わせを処理する一次窓口です。音声での問い合わせの場合、通常 1 つ以上のフリーダイヤル番号またはダイヤル番号をエントリポイントに関連付けることができます。通話がエントリポイントにある間、IVR 通話処理が実行されます。

• キューとは、アクティブな問い合わせがエージェントに処理されるまで待機する場所です。問い合わせはエントリポイントからキューに移動し、その後エージェントに配分されます。

アウトダイヤル機能を使用するテナントは、少なくとも 1 つの発信エントリポイントと発信ダイヤルキューを使用して設定されます。

電気通信マネージャ、コンタクトセンターのマネージャそしてその他企業の代表者には、Webex Contact Center 管理ポータルを介して企業でのコンタクトセンター アクティビティ ビューが備わった Webex Contact Center サービスへのアクセスが許可されます。

拠点、チーム、エントリポイントおよびキューに加えて、Webex Contact Center 管理ポータルの [プロビジョニング（Provisioning）] モジュールは、エージェントを追加し、エージェントをチームに割り当てるインターフェイスを提供します。各エージェントはエージェントプロファイルで構成されます。エージェントに割り当てられている値であり、そのエージェントのアクセス権レベルとエージェントデスクトップの動作を決定します。これには、エージェントが使用できる後処理コードとアイドルコードが含まれます。このため、エージェントプロファイルを定義する前に、後処理コードとアイドルコードを追加し、エージェントプロファイルを定義してからエージェントを定義する必要があります。企業にオプションのスキルベースのルーティング機能がプロビジョニングされている場合は、チームとエージェントを定義する前に、スキルとスキルプロファイルを追加する必要があります。

Webex Contact Center 管理ポータルには Web ブラウザからアクセスします。このポータルは Webex Contact Center モジュールへのアクセスを提供します。これにより認可されたユーザはリアルタイムデータおよび履歴コンタクトセンターデータの表示、接続先拠点へダイレクトされたやり取りの静かな監視、エージェントアカウントと別のコンタクトセンターリソースの作成、スケジュールされたコンタクトセンタールーティング方法とチームキャパシティ方法の作成および編集による問い合わせ処理の制御そして配分ができるようになります。

さらに、Webex Contact Center 管理ポータルランディングページには、リアルタイムと履歴通話アクティビティおよび現在のエージェントの状態が表示されます。

Webex Contact Center モジュールや機能へのアクセスは、ユーザに割り当てられたユーザプロファイルに基づき制限されています。

Webex Contact Center 管理ポータルへのアクセスと作業に関しては、「サポートされるブラウザ」を参照してください。

管理ポータルにログインしたら、アクセスするナビゲーションバージョンのモジュールをクリックします。ナビゲーションバーが折りたたまれている場合、管理ポータルのランディングページの左上にあるナビゲーションボタンをクリックして展開します。各モジュールについては、次の表で簡単に説明されています。インターフェイスでモジュールを確認できない場合は、モジュールへの適切なアクセス権限が付与されていないか、企業がライセンスを取得していないオプションのモジュールとなります。

認可されたユーザが、Webex Contact Center 管理ポータルを介してアクセスできるモジュールを以下の表で説明します。

Webex Contact Center 管理ポータルおよび Webex Contact Center モジュールに表示されるすべての日付と時刻は、以下の例外を除き、企業にプロビジョニングされるタイムゾーンが反映されます。

• リアルタイムレポートと [通話監視（Call Monitoring）] モジュールのメインページに表示されている日付と時間はブラウザの時間が反映されています。

• ルーティング方法の時間の値は、エントリポイントまたはキューにプロビジョニングされたタイムゾーンに基づいています。タイムゾーンが指定されていない場合、タイムゾーンは企業にプロビジョニングされます。

日付は、データベースに保存される際に UTC 時間に変換されます。そのため、タイムオブデイルーティングなどのシステムの挙動は、拠点がどのタイムゾーンにあるかに関わらず、複数拠点のコンタクト センター ネットワークにわたり汎用的に適用されます。システムは、履歴レポートを企業のタイムゾーンに基づいてフィルタ処理します。

ルーティング方法に表示される時間の値に、別のタイムゾーンを指定するには、「ルーティング方法における時間値の理解」を参照します。

（注）	テナントタイムゾーンを編集する場合は、再ログインして変更を確認する必要があります。