技術的な詳細

物理環境および動作環境に関する仕様

次の表に、Cisco IP 電話 7800 Series の物理仕様および動作環境仕様を示します。

表 1. 物理仕様および動作環境仕様

仕様

値または範囲

動作温度

0 ~ 40 °C(32 ~ 104 °F)

動作時の相対湿度

10 ~ 90%(結露しないこと)

保管温度

–10 ~ 60 °C(14 ~ 140 °F)

高さ(T):

207 mm(8.14 インチ)

  • Cisco IP 電話 7811:195 mm(7.67 インチ)

  • Cisco IP 電話 7821:206 mm(8.11 インチ)

  • Cisco IP 電話 7841:206 mm(8.11 インチ)

  • Cisco IP 電話 7861:264.91 mm(10.42 インチ)

奥行

28 mm(1.1 インチ)

重量

  • Cisco IP 電話 7811:0.84 kg

  • Cisco IP 電話 7821:0.867 kg
  • Cisco IP 電話 7841:0.868 kg
  • Cisco IP 電話 7861:1.053 kg

電源

  • AC アダプタ使用時:100 ~ 240 VAC、50 ~ 60 Hz、0.5 A
  • ネットワーク ケーブル経由のインライン電源使用時:48 VDC、0.2 A

ケーブル

Cisco IP 電話 7811、7821、7841、および 7861
  • 10 Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 3/5/5e/6 の 4 ペア

  • 100 Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 5/5e/6 の 4 ペア

Cisco IP 電話 7841:1000 Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 5/5e/6 を 4 ペア

(注)  

 

ケーブルは、合計 8 本のコンダクタに対して 4 ペアのワイヤで構成されています。

距離要件

イーサネット仕様でサポートされているとおり、各 Cisco IP 電話とスイッチ間のケーブル長は最大 100m(330 フィート)とします。

ケーブル仕様

  • ハンドセットおよびヘッドセット接続用の RJ-9 ジャック(4 コンダクタ)。


    (注)  


    Cisco IP 電話 7811 にはヘッドセット ジャックが含まれていません。


  • LAN 10/100BaseT 接続用(Cisco IP 電話 7811、7821、および 7861)および LAN 1000BaseT 接続用(Cisco IP 電話 7841)の RJ-45 ジャック。

  • 2 番目の 10/100BaseT 準拠接続用(Cisco IP 電話 7811、7821、および 7861)および LAN 1000BaseT 接続用(Cisco IP 電話 7841)の RJ-45 ジャック。

  • 48 ボルト電源コネクタ。

ネットワーク ポートとコンピュータ ポートのピン割り当て

ネットワーク ポートとコンピュータ(アクセス)ポートはいずれもネットワーク接続に使用されますが、それぞれ異なる目的で使用され、ポートのピン割り当ても異なっています。

    ネットワーク ポート コネクタ

    次の表に、ネットワーク ポート コネクタのピン割り当てを示します。

    表 2. ネットワーク ポート コネクタのピン割り当て

    ピン番号

    機能

    1

    BI_DA+

    2

    BI_DA-

    3

    BI_DB+

    4

    BI_DC+

    5

    BI_DC-

    6

    BI_DB-

    7

    BI_DD+

    8

    BI_DD-

    (注)  

     

    BI は双方向を表し、DA、DB、DC、DD はそれぞれデータ A、データ B、データ C、データ D を表します。

    コンピュータ ポート コネクタ

    次の表に、コンピュータ ポート コネクタのピン割り当てを示します。

    表 3. コンピュータ(アクセス)ポート コネクタのピン割り当て

    ピン番号

    機能

    1

    BI_DB+

    2

    BI_DB-

    3

    BI_DA+

    4

    BI_DD+

    5

    BI_DD-

    6

    BI_DA-

    7

    BI_DC+

    8

    BI_DC-

    (注)  

     

    BI は双方向を表し、DA、DB、DC、DD はそれぞれデータ A、データ B、データ C、データ D を表します。

    電話機の所要電力

    Cisco IP 電話は、外部電源または Power over Ethernet(PoE)で電力を供給できます。外部電源は個別の電源装置によって提供されます。スイッチは電話機のイーサネット ケーブル経由で PoE を供給できます。


    (注)  


    外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。外部電源から電力が供給されている電話機を取り外す場合は、電源装置を取り外す前に、イーサネット ケーブルを電話機から取り外してください。


    表 4. Cisco IP 電話の電源に関するガイドライン

    電源の種類

    ガイドライン

    外部電源:CP-PWR-CUBE-3= 外部電源を通じて電力を供給

    Cisco IP 電話シリーズでは、CP-PWR-CUBE-3 電源を使用します。

    外部電源:Cisco IP 電話パワー インジェクタを通じて電力を供給

    Cisco IP 電話パワー インジェクタは、ほとんどの Cisco IP 電話で使用できます。電話機のデータシートで、電話機がパワー インジェクタを使用できるかどうかを特定できます。

    インジェクタは、ミッドスパン デバイスとして機能し、接続されている電話機にインライン パワーを供給します。Cisco IP 電話パワー インジェクタは、スイッチ ポートと IP 電話 間に接続されます。また、通電していないスイッチと IP 電話 間で最大 100 m のケーブル長をサポートします。

    PoE 電源:イーサネット ケーブルを介して電話機に接続されているスイッチを通じて電力を供給。

    電話機を無停電で運用するには、スイッチがバックアップ電源を備えている必要があります。

    スイッチ上で実行されている CatOS または IOS のバージョンが、目的とする電話機配置をサポートしていることを確認します。オペレーティング システムのバージョンに関する情報については、スイッチのマニュアルを参照してください。

    次の表にあるドキュメントは、次のトピックに関する詳細情報を提供します。

    • Cisco IP 電話と連携する Cisco スイッチ

    • 双方向電力ネゴシエーションをサポートしている Cisco IOS リリース

    • 電力に関するその他の要件および制限事項

    ドキュメントのトピック

    URL

    PoE ソリューション

    http://www.cisco.com/c/en/us/solutions/enterprise-networks/power-over-ethernet-solutions/index.html

    Cisco Catalyst スイッチ

    http://www.cisco.com/c/en/us/products/switches/index.html

    サービス統合型ルータ

    http://www.cisco.com/c/en/us/products/routers/index.html

    Cisco IOS ソフトウェア

    http://www.cisco.com/c/en/us/products/ios-nx-os-software/index.html

    停電

    電話機を経由して緊急サービスにアクセスするには、その電話機が電力を受信する必要があります。 停電が発生した場合、電源が復旧するまでは、電話サービスおよび緊急コール サービス ダイヤルが機能しません。 電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、電話サービスおよび緊急コール サービス ダイヤルを利用する必要があります。

    電力削減

    省電力モードまたは EnergyWise(Power Save Plus)モードを使用して、Cisco IP 電話が消費する電力を削減できます。

    省電力(Power Save)

    Power Save モードでは、電話機が使用されていないときにはスクリーンのバックライトが消灯します。 電話機は、ユーザがハンドセットを持ち上げるか、任意のボタンを押さない限り、スケジュールされた期間中、Power Save モードのままになります。


    (注)  


    Cisco IP 電話 7811 は、電話画面にバックライトがないため省電力をサポートしていません。


    Power Save Plus(EnergyWise)

    Cisco IP 電話 は Cisco EnergyWise(Power Save Plus)モードをサポートします。 ネットワークに EnergyWise(EW)コントローラが含まれている場合(たとえば、Cisco スイッチで EnergyWise 機能が有効になっている場合)、これらの電話機をスケジュールに基づいてスリープ状態(電源オフ)およびウェイク状態(電源オン)になるように設定して、電力消費をさらに抑えることができます。


    (注)  


    Cisco IP 電話 7811 は Power Save Plus をサポートしません。


    EnergyWise は、電話機ごとに有効または無効に設定します。 EnergyWise を有効にした場合は、他のパラメータとともに、スリープと復帰の時刻を設定します。 これらのパラメータは、電話機設定 XML ファイルの一部として電話機へ送信されます。

    LLDP での電力ネゴシエーション

    電話機とスイッチは、電話機が消費する電力のネゴシエーションを行います。 Cisco IP 電話は複数の電力設定で動作し、これにより、使用する電力が少ないときの電力消費を削減します。

    電話機のリブートの後、スイッチは電力ネゴシエーションの 1 つのプロトコル(CDP または LLDP)にロックされます。 スイッチは、電話機が送信した最初のプロトコル(電力の [しきい値限度値 [TLV](Threshold Limit Value [TLV])] を含む)にロックされます。 システム管理者が電話機でそのプロトコルを無効にすると、スイッチがもう一方のプロトコルでの電力要求に応答しないため、電話機はアクセサリの電源を投入できなくなります。

    電力ネゴシエーションをサポートするスイッチに接続する場合は、常に電力ネゴシエーションを有効(デフォルト)にすることをお勧めします。

    電力ネゴシエーションを無効にすると、スイッチは電話機の電源を切断する場合があります。 スイッチが電力ネゴシエーションをサポートしていない場合は、アクセサリの電源を PoE+ で投入する前に、電力ネゴシエーション機能を無効にしてください。 電力ネゴシエーション機能を無効にすると、電話機は IEEE 802.3af-2003 規格で許容される最大値まで、アクセサリに電力を供給できます。


    (注)  


    • CDP と電力ネゴシエーションを無効にすると、電話機は最大 15.4 W までアクセサリに電力を供給できます。


    ネットワーク プロトコル

    Cisco IP 電話は、音声通信に必須の複数の業界標準ネットワーク プロトコルとシスコ ネットワーク プロトコルをサポートしています。次の表に、電話でサポート対象ネットワーク プロトコルの概要を示します。

    表 5. Cisco IP 電話でサポートされるネットワークプロトコル

    ネットワーク プロトコル

    目的

    使用方法に関する特記事項

    ブートストラップ プロトコル(BootP)

    BootP は、特定の起動情報(IP アドレスなど)を Cisco IP 電話などのネットワーク デバイスが検出できるようにするものです。

    DHCP のカスタム オプション 150 を使用することを推奨します。この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。サポートされている DHCP 設定を追加するには、お使いの Cisco Unified Communications Manager のリリースにあるドキュメンテーションを確認してください。

    Cisco Audio Session Tunneling(CAST)

    CAST プロトコルの利用により、IP 電話とその電話機の背後にある関連アプリケーションは、Cisco Unified Communications Manager やゲートウェイなどの従来のシグナリング コンポーネントに変更を加えることなく、リモート エンドポイントを検出し、通信できます。CAST プロトコルを利用することにより、別個のハードウェア デバイスで関連するメディアを同期化できます。また、PC アプリケーションでは、PC をビデオ リソースとして使用することにより、ビデオ非対応の電話機がビデオ対応になるように拡張できます。

    Cisco IP 電話は CAST を CUVA と Cisco Unified Communications Manager の間のインターフェイスとして使用し、Cisco IP 電話 を SIP プロキシとして使用します。

    Cisco Discovery Protocol(CDP)

    CDP は、シスコの製造するすべての装置で動作するデバイス検出プロトコルです。

    デバイスは、CDP を使用して自身の存在をネットワーク内の他のデバイスにアドバタイズし、ネットワーク内の他のデバイスの情報を受信できます。

    Cisco IP 電話では、補助 VLAN ID、ポートごとの電源管理の詳細情報、Quality of Service(QoS)設定情報などの情報を、CDP を使用して Cisco Catalyst スイッチとやり取りしています。

    Domain Name Server (DNS)

    DNS はドメイン名を IP アドレスに変換します。

    Cisco IP 電話は、ドメイン名を IP アドレスに変換する DNS クライアントを備えています。

    Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)

    DHCP は、IP アドレスを動的に確保して、ネットワーク デバイスに割り当てるものです。

    DHCP を使用すると、IP 電話をネットワークに接続すれば、その電話機が機能するようになります。IP アドレスを手動で割り当てたり、ネットワーク パラメータを別途設定したりする必要はありません。

    DHCP は、デフォルトでは有効になっています。無効にした場合は、個々の電話機がある場所で、IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ、および TFTP サーバを手動で設定する必要があります。

    DHCP のカスタム オプション 150 を使用することを推奨します。この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。サポートされている DHCP 設定を追加するには、お使いの Cisco Unified Communications Manager のリリースにあるドキュメンテーションを確認してください。

    (注)  

     

    オプション 150 を使用できない場合は、DHCP オプション 66 を使用します。

    Hypertext Transfer Protocol(HTTP)

    HTTP は、インターネットや Web 経由で情報を転送し、ドキュメントを移送するための標準プロトコルです。

    Cisco IP 電話では、XML サービス、プロビジョニング、アップグレード、およびトラブルシューティングに HTTP を使用します。

    Hypertext Transfer Protocol Secure (HTTPS)

    Hypertext Transfer Protocol Secure(HTTPS)は、サーバの暗号化とセキュアな ID を確保できるように、ハイパーテキスト転送プロトコルと SSL/TLS プロトコルを組み合わせたものです。

    (注)  

     

    IP 電話は HTTPS クライアントにすることができますが、HTTPS サーバにはできません。

    HTTP と HTTPS の両方をサポートする Web アプリケーションには 2 つの URL が設定されています。HTTPS をサポートする Cisco IP 電話は、HTTPS URL を選択します。

    サービスへの接続が HTTPS 経由である場合、鍵のアイコンがユーザに表示されます。

    IEEE 802.1X

    IEEE 802.1X 標準規格では、クライアント サーバ ベースのアクセス制御と、認証されていないクライアントがパブリックにアクセスできるポートから LAN に接続するのを規制する認証プロトコルを定義します。

    802.1X アクセス コントロールでは、クライアントが認証されるまで、そのクライアントが接続しているポート経由では Extensible Authentication Protocol over LAN(EAPOL)トラフィックしか許可されません。認証に成功すると、通常のトラフィックはポートを通過できるようになります。

    Cisco IP 電話では、EAP-FAST および EAP-TLS 認証方式のサポートによる IEEE 802.1X 標準が実装されています。

    電話機で 802.1X 認証が有効になっている場合、PC ポートとボイス VLAN を無効にする必要があります。

    インターネット プロトコル(IP)

    IP は、パケットの宛先アドレスを指定し、ネットワーク経由で送信するメッセージング プロトコルです。

    IP を使用して通信するには、ネットワーク デバイスに対して、IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイが割り当てられている必要があります。

    IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイの識別情報は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)を通じて Cisco IP 電話を使用する場合は、自動的に割り当てられます。DHCP を使用しない場合は、個々の電話機がある場所で、これらのプロパティを手動で割り当てる必要があります。

    Cisco IP 電話は、IPv6 アドレスをサポートしています。詳細については、該当する Cisco Unified Communications Manager リリースのマニュアルを参照してください。

    リンク層検出プロトコル(LLDP)

    LLDP は、CDP と同様の標準化されたネットワーク検出プロトコルで、一部のシスコ デバイスとサードパーティ製デバイスでサポートされています。

    Cisco IP 電話は、PC ポートで LLDP をサポートします。

    Link Layer Discovery Protocol-Media Endpoint Devices(LLDP-MED)

    LLDP-MED は、音声製品用に開発された、LLDP 標準の拡張です。

    Cisco IP Phone は、次のような情報をやり取りするために、SW ポートで LLDP-MED をサポートします。

    • ボイス VLAN の設定

    • デバイスの検出

    • 電源管理

    • インベントリ管理

    LLDP-MED サポートの詳細については、次の URL にある『LLDP-MED and Cisco Discovery Protocol』ホワイト ペーパーを参照してください。http://www.cisco.com/en/US/tech/tk652/tk701/technologies_white_paper

    Network Transport Protocol(NTP)

    NTP は、遅延変動のあるパケット交換データ ネットワークでコンピュータ システムのクロックを同期するためのネットワーキング プロトコルです。

    Cisco IP 電話は、ソフトウェアに統合された NTP クライアントを備えています。

    Real-Time Transport Protocol(RTP)

    RTP は、インタラクティブな音声やビデオなどのリアルタイム データをデータ ネットワーク経由で転送するための標準プロトコルです。

    Cisco IP 電話は、RTP プロトコルを使用して、他の電話機やゲートウェイとリアルタイム音声トラフィックを送受信します。

    Real-Time Control Protocol (RTCP)

    RTCP は RTP と連動して、RTP ストリーム上で QoS データ(ジッター、遅延、ラウンドトリップ遅延など)を伝送します。

    RTCP は、デフォルトで有効になっています。

    Session Initiation Protocol (SIP)

    SIP は、IP を介したマルチメディア会議のためのインターネット技術特別調査委員会(IETF)標準です。SIP は、アプリケーション層の ASCII ベースの制御プロトコルであり(RFC 3261 で規定)、2 つ以上のエンドポイント間でコールを確立、維持、および終了するために使用できます。

    他の Voice over IP(VoIP)プロトコルと同様に、SIP はパケット テレフォニー ネットワークにおけるシグナリングとセッション管理の機能に対応するよう設計されています。シグナリングは、ネットワーク境界を越えて通話情報を伝送する機能です。セッション管理は、エンドツーエンド コールの属性を制御する機能です。

    Secure Real-Time Transfer protocol (SRTP)

    SRTP は、Real-Time Protocol(RTP)Audio/Video Profile の拡張で、RTP パケットと Real-Time Control Protocol(RTCP)パケットの整合性を保証して、2 つのエンドポイント間のメディア パケットの認証、整合性、および暗号化を実現します。

    Cisco IP 電話は、メディア暗号化に SRTP を使用します。

    Transmission Control Protocol(TCP)

    TCP は、接続型の転送プロトコルです。

    Cisco IP 電話では、Cisco Unified Communications Manager への接続、および XML サービスへのアクセスに TCP を使用します。

    Transport Layer Security(TLS)

    TLS は、通信のセキュリティ保護と認証に使用される標準プロトコルです。

    セキュリティが実装されると、Cisco IP 電話では、Cisco Unified Communications Manager に安全に登録するときに TLS プロトコルが使用されます。詳細については、該当する Cisco Unified Communications Manager リリースのマニュアルを参照してください。

    Trivial File Transfer Protocol(TFTP)

    TFTP を使用すると、ファイルをネットワーク経由で転送できます。

    Cisco IP Phone で TFTP を使用すると、電話機タイプに固有の設定ファイルを取得できます。

    TFTP では、ネットワーク内に TFTP サーバが必要です。このサーバは、DHCP サーバで自動的に識別できます。DHCP サーバが指定する以外の TFTP サーバを電話機で使用する場合は、電話機の [ネットワークのセットアップ(Network Setup)] メニューを使用して、TFTP サーバの IP アドレスを手動で割り当てる必要があります。

    詳細については、該当する Cisco Unified Communications Manager リリースのマニュアルを参照してください。

    User Datagram Protocol(UDP)

    UDP は、データ パケットを配信するためのコネクションレス型メッセージング プロトコルです。

    UDP は RTP ストリームにのみ使用されます。SIP では TCP、UDP、TLS を使用します。

    VLAN の連携

    Cisco IP 電話は内蔵イーサネット スイッチを備えているため、電話機や、電話機の背面にあるコンピュータ(アクセス)ポートおよびネットワーク ポートにパケットを転送できます。

    コンピュータ(アクセス)ポートにコンピュータを接続した場合、コンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。 このように物理リンクが共有されるため、ネットワークの VLAN 設定について、次のような考慮事項が存在します。

    • 現在の VLAN を IP サブネット ベースで設定することは可能です。 ただし、追加の IP アドレスを取得して、同じポートに接続されている他のデバイスと同じサブネットに電話機を割り当てることはできません。

    • VLAN をサポートしている電話機上に存在するデータ トラフィックによって、VoIP トラフィックの品質が低下することがあります。

    • ネットワーク セキュリティを確保するために、VLAN 音声トラフィックと VLAN データ トラフィックの分離が必要になることがあります。

    これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離することで解決できます。 電話機の接続先となるスイッチ ポートには、伝送用に、それぞれ別個の VLAN を設定します。

    • IP 電話で送受信される音声トラフィック(Cisco Catalyst 6000 上などの補助 VLAN)

    • IP 電話のコンピュータ(アクセス)ポート経由でスイッチに接続されている PC で送受信されるデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)

    複数の電話機を別々の補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上するとともに、各電話機に割り当てる IP アドレスが十分にない既存ネットワークに対しても、多数の電話機を追加できます。

    詳細については、Cisco スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。 スイッチに関する情報には、次の URL からもアクセスできます。

    http://cisco.com/en/US/products/hw/switches/index.html

    Cisco Unified Communications Manager の連携

    Cisco Unified Communications Manager は、業界標準のオープンなコール処理システムです。 Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアは、従来の PBX 機能を企業の IP ネットワークに統合して、電話機間のコールを確立および切断します。 Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランなどの機能で必要になるテレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。 また、Cisco Unified Communications Manager には、次の機能もあります。

    • 電話機のファームウェアの提供

    • TFTP と HTTP サービスのを使用した証明書信頼リスト(CTL)および Identity Trust List(ITL)

    • 電話機の登録

    • コールの保存。この機能により、プライマリ Communications Manager と電話機間でシグナリングが消失してもメディア セッションが続行されます。

    この章で説明されている電話と連携するための Cisco Unified Communications Manager の設定方法については、該当する Cisco Unified Communications Manager リリースのマニュアルを参照してください。


    (注)  


    設定しようとする電話のモデルが、Cisco Unified Communications Manager Administration の [Phone Type] ドロップダウン リストに表示されない場合は、Cisco.com にアクセスして、使用している Cisco Unified Communications Manager の最新のデバイスパッケージをインストールします。


    Cisco Unified Communications Manager Express の連携

    Cisco IP 電話が Cisco Unified Communications Manager Express と連携する場合は、電話機を CME モードにする必要があります。

    ユーザが会議機能を起動すると、タグにより、電話機はローカルまたはネットワーク ハードウェアのどちらかの会議ブリッジを使用できます。

    Cisco IP 電話 では、次のアクションはサポートされていません。

    転送

    接続されたコール転送のシナリオでのみサポートされます。

    会議

    接続されたコール転送のシナリオでのみサポートされます。

    参加(Join)

    会議ボタンまたはフックフラッシュ アクセスを使用してサポートされます。

    保留 (Hold)

    保留ボタンまたは保留ソフトキーを使用できます。

    割込み

    未サポート

    直接転送

    未サポート

    選択

    未サポート

    ユーザは、異なる回線にわたる会議および転送コールを作成できません。

    Unified CME は、ウィスパーページングとも呼ばれるインターコムコールをサポートします。 しかし、通話中は電話でページが拒否されます。

    外部デバイス

    不要な無線周波数(RF)信号および可聴周波数(AF)信号を遮断する高品質の外部デバイスを使用することをお勧めします。 外部デバイスには、ヘッドセット、ケーブル、コネクタが含まれます。

    これらのデバイスの品質や、携帯電話および双方向ラジオなど他のデバイスとの間隔によっては、雑音が入ることもあります。 その場合は、次の方法で対処することをお勧めします。

    • RF または AF の信号源から外部デバイスを離す。

    • RF または AF の信号源から外部デバイスのケーブルの経路を離す。

    • 外部デバイス用にシールドされたケーブルを使用するか、高品質なシールドおよびコネクタを備えたケーブルを使用する。

    • 外部デバイスのケーブルを短くする。

    • 外部デバイスのケーブルに、フェライトまたは同様のデバイスを適用する。

    シスコでは、外部デバイス、ケーブル、およびコネクタのパフォーマンスを保証できません。


    注意    


    欧州連合諸国では、EMC Directive [89/336/EC] に完全に準拠した外部スピーカ、マイクロフォン、ヘッドセットだけを使用してください。


    ネットワーク輻輳時の電話機の挙動

    ネットワークパフォーマンスの低下の原因となるものは、電話の音声に影響を及ぼすため、場合によっては、通話が中断される可能性があります。 ネットワーク パフォーマンスの低下は、次のような原因が考えられます。

    • 内部ポート スキャンやセキュリティ スキャンなどの管理タスク。

    • サービス拒否攻撃など、ネットワーク上で発生した攻撃。

    アプリケーション プログラミング インターフェイス

    シスコは、サードパーティ製アプリケーション開発者によってテストされ、シスコから認定されたサードパーティ製アプリケーションによる電話機の API 使用をサポートしています。 認定されていないアプリケーション間のやりとりに関連する電話の問題は、サードパーティが対処する必要があり、シスコでは対処しません。

    シスコ認定のサードパーティ製アプリケーション/ソリューションのサポート モデルについては、シスコ ソリューション パートナー プログラムの Web サイトで詳細を参照してください。