ダイヤルルールの設定

ダイヤルルールの概要

Unified CM は、次のタイプのダイヤルルールをサポートしています。

  • アプリケーション ダイヤル ルール:Cisco Web Dialer や Cisco Unified Communications Manager などのアプリケーション用にダイヤルルールを追加したり優先順位を並べ替えたりするには、管理者がアプリケーション ダイヤルルールを使用します。

  • ディレクトリ検索ダイヤル ルール:発信者識別番号を変換したり、Cisco Unified Communications Manager Assistant などのアプリケーションでアシスタント コンソールからディレクトリ検索を実行したりするには、管理者がディレクトリ検索ダイヤル ルールを使用します。

  • SIP ダイヤルルール:システム番号の分析とルーティングを実行するには、管理者が SIP ダイヤルルールを使用します。管理者は SIP ダイヤルルールを設定し、コール処理が実行される前に、その SIP ダイヤルルールを Cisco Unified IP Phone に追加します。

ダイヤルルールの前提条件

  • SIP ダイヤルルール設定の場合は、デバイスが SIP を実行している必要があります。

  • 管理者は、Cisco IP Phone 7911、7940、7941、7960、7961、7970、および 7971 とともに SIP ダイヤルルールを次のデバイスに関連付けます。

ダイヤルルールの設定タスクフロー

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

アプリケーション ダイヤル ルールの設定

Cisco Web Dialer、Cisco Unified Communications Manager Assistant などのアプリケーションのダイヤルルールの優先順位を追加し並べ替える、アプリケーション ダイヤル ルールを設定します。
ステップ 2

ディレクトリ検索ダイヤルルールの設定

発信者の ID 番号をディレクトリで検索可能な番号に変換するには、ディレクトリ検索ダイヤルルールを設定します。
ステップ 3

SIP ダイヤルルールの設定

SIP を実行している電話のダイヤル プランを設定するには、SIP ダイヤルルールの設定を使用します。
ステップ 4

ダイヤルルールの優先順位の変更

(オプション)複数のダイヤルルールがある場合は、[Cisco Unified Communications Manager の管理(Cisco Unified Communications Manager Administration)] ウィンドウでダイヤルルールの優先順位を変更します。

アプリケーション ダイヤル ルールの設定

Cisco Unified Communications Manager は、アプリケーション ダイヤル ルールをサポートし、Cisco Web Dialer や Cisco Unified Communications Manager Assistant のようなアプリケーションのダイヤルルールの優先順位の追加と並べ替えができます。アプリケーション ダイヤル ルールを適用すると、ユーザがダイヤルする電話番号に対して数字の追加と削除が自動的に行われます。たとえば、外線発信する場合にはアプリケーションのダイヤルルールにより、7 桁の電話番号の先頭に番号 9 が自動で付加されます。


(注)  

Cisco Unified Communications Manager は自動的に、CTI リモート デバイスのすべてのリモート接続先番号にアプリケーション ダイヤル ルールを適用します。


新しいアプリケーション ダイヤル ルールを追加する、または既存のアプリケーション ダイヤル ルールを更新するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager Administrationから、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] > [アプリケーションダイヤルルール(Application Dial Rules)] を選択します。

ステップ 2

[アプリケーション ダイヤル ルールの検索と一覧表示(Find and List Application Dial Rules)] ウィンドウで、次のいずれかの手順を実行します。

  • [新規追加(Add New)] をクリックします。
  • [検索(Find)] をクリックし、既存のアプリケーション ダイヤル ルールを選択します。
ステップ 3

[アプリケーション ダイヤル ルールの設定(Application Dial Rule Configuration)] ウィンドウのフィールドを設定します。フィールドの説明の詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。

ステップ 4

[保存(Save)] をクリックします。


次のタスク

次の作業を行います。

ディレクトリ検索ダイヤルルールの設定

ディレクトリ検索ダイヤルルールは、発信者の識別情報を、ディレクトリで検索可能な番号に変換します。各ルールでは、先頭の数字および番号の長さに基づいて、変換する数字を指定します。たとえば、10 桁の電話番号から市外局番と 2 桁の局番を自動的に削除するディレクトリ検索ダイヤルルールを作成できます。たとえば、4085551212 は、51212 になります。

新しいディレクトリ検索ダイヤルルールを追加するか、既存のディレクトリ検索ダイヤルルールを更新するには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager Administration から、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] > [ディレクトリ検索ダイヤルルール(Directory Lookup Dial Rules)] を選択します。

ステップ 2

[ディレクトリ検索ダイヤルルールの検索と一覧表示(Directory Lookup Dial Rule Find and List)] ウィンドウで、以下のいずれかの手順を実行します。

  • [新規追加(Add New)] をクリックします。
  • [検索(Find)] をクリックし、既存のディレクトリ検索ダイヤルルールを選択します。
ステップ 3

[ディレクトリ検索ダイヤルルール(Directory Lookup Dial Rules)] ウィンドウ内の各フィールドを設定します。フィールドの説明の詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。

ステップ 4

[保存(Save)] をクリックします。


次のタスク

SIP ダイヤルルールの設定

SIP ダイヤルルールの設定

SIP ダイヤルルールによって、SIP を実行している Cisco IP 電話のローカル ダイヤル プランが提供されるため、ユーザは、コールが処理される前にキーを押したり、タイマーを待機したりする必要はありません。管理者が SIP ダイヤルルールを設定し、SIP を実行している電話機に適用します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

SIP ダイヤルルールの設定

SIP ダイヤルルールを設定および更新し、それらを SIP を実行している電話機と関連付けます。

ステップ 2

SIP ダイヤルルールのリセット

SIP ダイヤルルールを更新したときに、SIP を実行している電話機をリセットまたは再起動して、電話機を新しい SIP ダイヤルルールで更新する手順は、次のとおりです。

ステップ 3

SIP ダイヤルルール設定と SIP 電話の同期

設定変更された SIP ダイヤルルールと SIP 電話を同期化するには、次の手順を行います。この手順によって、中断を最小限に抑えた方法で未処理の設定が適用されます。(たとえば、影響を受ける SIP 電話の中には、リセットまたは再起動が不要なものがあります)。

パターンの形式

表 1. SIP ダイヤルルールのパターンフォーマット

ダイヤルルールパターン

7940_7960_OTHER

  • ピリオド(.)は、すべての文字に一致します。

  • シャープ記号(#)は、終了キーとして機能します。終了が適用されるのは、マッチングで># にヒットした後だけです。または、終了キーとしてアスタリスク (*) を使用することもできます。
    (注)   

    シャープ記号を [7940_7960_OTHER] で有効にするには、パターン フィールドにシャープ記号を設定する必要があります。

  • アスタリスク (*) は 1 つ以上の文字に一致し、ワイルドカード文字として処理されます。* の前にバックスラッシュ(\)エスケープ シーケンスを置いて \* というシーケンスにすると、* を通常の文字として処理できます。\ は電話機が自動的に削除するため、発信ダイヤル文字列には現れません。* は、ダイヤル番号として受信された場合、ワイルドカード文字 * とピリオド(.)に一致します。

  • カンマ(,)を使用すると、電話機が第 2 発信音を生成します。

    7 で始まるすべての 4 桁 DN に一致します。8,..... 8,..... 8 に一致し、第 2 発信音(デフォルト値)を再生した後、すべての 5 桁 DN に一致します。

SIP ダイヤルルールの設定

SIP を実行している電話機のダイヤルプランを設定します。

手順

ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager Administration から、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] > [SIPダイヤルルール(SIP Dial Rules)].を選択します。

ステップ 2

[SIPダイヤルルールの検索/一覧表示(Find and List SIP Dial Rules)] ウィンドウで、次のいずれかの手順を実行します。

  • [新規追加(Add New)] をクリックします。
  • [検索(Find)] をクリックし、既存の SIP ダイヤルルールを選択します。
ステップ 3

[SIP ダイヤルルールの設定(SIP Dial Rule Configuration)] ウィンドウの各フィールドを設定します。フィールドの説明の詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。

ステップ 4

[保存(Save)] をクリックします。

(注)   

Cisco Unified Communication Manager Administration で SIP ダイヤルルールを追加または更新すると、Cisco TFTP サービスによってすべての電話機構成ファイルが再構築されます。そのため、Cisco TFTP サービスを実行するサーバ上の CPU にスパイクが発生することがあり、これは多くの電話が接続された大規模なシステムでは顕著になります。CPU にスパイクを発生させないためには、SIP ダイヤルルールの追加や更新をメンテナンス時間枠内で行うか、または設定変更を行う前に Cisco Unified Serviceability で Cisco TFTP サービスを一時的に停止するかしてください。Cisco TFTP サービスを停止した場合は、SIP ダイヤルルールを追加または更新した後、必ず Cisco Unified Serviceability でサービスを再開してください。


次のタスク

SIP ダイヤルルールのリセット

SIP ダイヤルルールのリセット

SIP ダイヤルルールを更新したときに、新しい SIP ダイヤルルールで電話機が更新されるよう、次の手順を実行して SIP を実行している電話機をリセットまたは再起動します。

始める前に
SIP ダイヤルルールの設定
手順

ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager Administrationから、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] > [アプリケーションダイヤルルール(Application Dial Rules)] を選択します。

ステップ 2

[SIP ダイヤルルールの検索と一覧表示(Find and List SIP Dial Rules)] ウィンドウで、[検索(Find)] をクリックし、リセットする既存の SIP ダイヤルルールを選択します。

ステップ 3

[SIP ダイヤルルールの設定(SIP Dial Rule Configuration)] ウィンドウで、[リセット(Reset)] をクリックします。

ステップ 4

[デバイス リセット(Device Reset)] ダイアログ ボックスで、次のタスクのいずれかを実行します。

  • 選択したデバイスをシャット ダウンせずに再起動し、Cisco Unified Communications Manager に登録するには、[再起動(Restart)] をクリックします。

  • デバイスをシャット ダウンしてから再起動するには、[リセット(Reset)] をクリックします。
  • 操作を実行せずに [デバイス リセット(Device Reset)] ダイアログ ボックスを閉じるには、[閉じる(Close)] をクリックします。

管理者が SIP ダイヤルルールを設定して SIP を実行している電話機に適用すると、データベースから TFTP サーバに通知が送信されます。これによって、SIP を実行している電話機の新しい構成ファイルを作成できます。TFTP サーバは Cisco Unified Communications Manager に新しい構成ファイルについて通知し、更新された構成ファイルが電話機へ送られます。詳細については、SIP を実行する Cisco Unified IP Phone の「 TFTP サーバの設定」を参照してください。


次のタスク

SIP ダイヤルルール設定と SIP 電話の同期

SIP ダイヤルルール設定と SIP 電話の同期

SIP 電話機と設定が変更された SIP ダイヤルルールを同期するには、次の手順を実行します。

始める前に
SIP ダイヤルルールのリセット
手順

ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager Administration から、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] > [SIPダイヤルルール(SIP Dial Rules)].を選択します。

ステップ 2

[SIP ダイヤルルールの検索と一覧表示(Find and List SIP Dial Rules)] ウィンドウで、[検索(Find)] をクリックし、適切な SIP 電話機を同期する既存の SIP ダイヤルルールを選択します。

ステップ 3

追加の設定変更を行い、[SIP ダイヤルルールの設定(SIP Dial Rule Configuration)] で [保存(Save)] をクリックします。

ステップ 4

[設定の適用(Apply Config)] をクリックします。

ステップ 5

[OK] をクリックします。


ダイヤルルールの優先順位の変更

[ダイヤルルールの設定(Dial Rule Configuration)] ウィンドウでダイヤルルールの優先順位を追加およびソートするには、次の手順を実行します。

手順


ステップ 1

Cisco Unified Communications Manager の管理から、[コールルーティング(Call Routing)] > [ダイヤルルール(Dial Rules)] を選択します。

ステップ 2

次のいずれかを選択します。

  • [アプリケーション ダイヤル ルール(Application Dial Rules)]
  • [ディレクトリ検索ダイヤルルール(Directory Lookup Dial Rules)]
  • [SIP ダイヤルルール(SIP Dial Rules)]
ステップ 3

[検索と一覧表示(Find and List)] ウィンドウで、ダイヤルルールを選択し、ダイヤルルールの名前をクリックします。

[ダイヤルルールの設定(Dial Rule Configuration)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4

上矢印と下矢印を使用して、リスト内でダイヤルルールを上または下に移動します。

ステップ 5

順序の優先順位付けが完了したら、[保存(Save)] をクリックします。


連携動作と制限事項

SIP ダイヤルルールの連携動作

SIP ダイヤルルールの連携動作

Cisco Unified IP Phone

連携動作

SIP を実行している 7911、7941、7961、7970、7971

これらの電話機は、7940_7960_OTHER ダイヤルルール パターンを使用します。キー プレス マークアップ言語(KPML)では、Cisco Unified Communications Manager に数字を 1 桁ごとに送信できます。 SIP ダイヤルルールを使用すると、Cisco Unified Communications Manager に送信する前に、電話で数字のパターンをローカルに収集できます。SIP ダイヤルルールを設定しないと、KPML が使用されます。Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンスを向上させるために(処理されるコール数の増加)、シスコは SIP ダイヤルルールを設定することをお勧めします。

SIP を実行している 7940 および 7960

これらの電話機は 7940_7960_OTHER ダイヤルルールパターンを使用し、KPML をサポートしていません。これらの電話機で SIP のダイヤル プランを設定していないと、ユーザは数字が Cisco Unified Communications Manager に送信されて処理される前に、指定された時間だけ待機する必要があります。その結果、実際のコールの処理が遅延します。

ディレクトリ検索ダイヤルルールの制限

ディレクトリ検索ダイヤルルールの制限

フィールド

制限事項

開始番号(Number Begins With)

このフィールドでは、数字と文字 +、*、# のみを使用できます。長さは 100 文字以内でなければなりません。

桁数(Number of Digits)

このフィールドは数字のみをサポートします。このフィールドの値は、パターン フィールドに指定されているパターンの長さより小さくすることはできません。

削除する合計桁数(Total Digits to be Removed)

このフィールドは数字のみをサポートします。このフィールドの値は、[桁数(Number of Digits)] フィールドの値より大きくすることはできません。

プレフィックス パターン(Prefix with Pattern)

このフィールドでは、数字と文字 +、*、# のみを使用できます。長さは 100 文字以内でなければなりません。

(注)   
1 つのダイヤルルールの [削除する合計桁数(Total Digits to be Removed)] フィールドと [プレフィックス パターン(Prefix With Pattern)] フィールドの両方を空白にすることはできません。