Media Redundancy Protocol

Media Redundancy Protocol

国際電気標準会議(IEC)規格 62439-2 で定義されている Media Redundancy Protocol(MRP)は、産業オートメーション ネットワーク向けのリングネットワークトポロジで高速コンバージェンスを実現します。MRP Media Redundancy Manager(MRM)は、リングの最大リカバリ時間を 200 ミリ秒と 500 ミリ秒の範囲で定義します。


(注)  


最大 50 ノードで構成されるリングの場合、Cisco IE スイッチのデフォルトの最大リカバリ時間は 200 ミリ秒です。MRP マネージャの設定に説明されているように、500 ミリ秒のリカバリ時間プロファイルを使用するよう、スイッチを設定できます。10 ミリ秒と 30 ミリ秒のリカバリ時間プロファイルはサポートされていません。

MRP はすべての Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチでサポートされています。

  • IE-9310-26S2C-EおよびIE-9310-26S2C-A

  • IE-9320-26S2C-EおよびIE-9320-26S2C-A

  • IE-9320-22S2C4X-EおよびIE-9320-22S2C4X-A

  • IE-9320-24T4X-EおよびIE-9320-24T4X-A

  • IE-9320-24P4X-EおよびIE-9320-24P4X-A

  • IE-9320-16P8U4X-EおよびIE-9320-16P8U4X-A

  • IE-9320-24P4S-EおよびIE-9320-24P4S-A

MRP モード

MRP は Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチの MRP コマンドライン インターフェイス(CLI)モードでサポートされています。

MRP CLI モードは、Cisco IOS XE CLI および WebUI(Web ベースのユーザーインターフェイス(UI))によって管理されます。


(注)  


MRP CLI モードでスイッチを管理する場合、Siemens STEP7/TIA から MRP 設定をダウンロードすることはできません。


プロトコルの動作

MRP リングでは、MRM はリング マネージャとして機能し、一方 Media Redundancy Clients(MRC)はリングのメンバー ノードとして機能します。各ノード(MRM または MRC)には、リングに参加するための 1 対のポートがあります。MRM は、1 つのリング ポートの制御フレームをリングを介して送信し、リングからの制御フレームを他のリング ポートを介して受信し、反対方向のものも受信することによって、ネットワーク障害に対応するリング トポロジを開始、制御します。MRC は MRM から受信した再構成フレームに応答し、そのリング ポート上のリンクの変化を検出して通知することができます。

Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチのデフォルトでは、リング内のすべてのノードが MRA として起動するように設定されますが、特定のノードを個別に設定して MRA として動作させることもできます。MRA では、投票プロトコルと設定された優先順位値を使用して、MRM が互いに 1 つ選択されます。残りの MRA は MRC 役に遷移します。

すべての MRM および MRC リング ポートは、次の状態をサポートします。

  • 無効:リングポートで受信したすべてのフレームが破棄されます。

  • ブロック:リングポートで MRP 制御フレームと一部の標準フレーム(LLDP など)を除くすべての受信フレームが破棄されます。

  • 転送:リングポートですべての受信フレームが転送されます。

  • 未接続:リンクが物理的にダウンしているか切断されています。(この状態は、MRP ポートがソフトウェアによって手動で無効にされている「無効効態」とは異なります)。

通常動作中、ネットワークは Ring-Closed 状態で動作します(以下の図を参照)。ループを防止するため、一方の MRM リング ポートはブロックで、もう一方のポートは転送になります。ほとんどの場合、すべての MRC の両方のリング ポートは転送状態になります。このループ回避により、物理リング トポロジは論理スタブ トポロジになります。

図では、左と右の 2 つのリングについて、次の点に注意してください。

  • 左側のリング:どのポートも切断されていないため、MRM の接続(上部の小さな青い四角)はブロック状態(2 本の平行線で示す)です。

  • 右側のリング:2 つの MRC の接続(左と中央の小さな白い四角)は、赤い「x」で示すように、それらの間のリンクが壊れているため、無効状態です。

図 1. MRP リングの状態

ネットワーク障害が発生した場合:

  • ネットワークは Ring-Open 状態に移行します。

  • 2 つの MRC を接続するリンクに障害が発生した場合、MRM の両方のリングポートは転送状態に変わり、障害に隣接する MRC は無効リングポートと転送リングポートになり、他の MRC は両方のリングポートが転送になります。

Ring-Open 状態では、ネットワーク論理トポロジはスタブになります。

レイヤ 2 イーサネット フレームは、これら 2 つのリング状態間の移行に必要な時間中に失われます。MRP プロトコルでは、スイッチオーバー時間を最小限に抑えるためにスイッチオーバーを自動的に管理する手順を定義します。さまざまなパラメータで構成されるリカバリ時間プロファイルは、MRP トポロジ コンバージェンス性能を促進します。200 ミリ秒のプロファイルは、200 ミリ秒の最大リカバリ時間をサポートします。

MRP は 3 種類の制御フレームを使用します。

  • リング ステータスを監視するため、MRM は定期的に両方のリング ポートでテスト フレームを送信します。

  • MRM が障害またはリカバリを検出すると、両方のリング ポートで TopoChange フレームを送信します。

  • MRC がローカル ポート上で障害またはリカバリを検出すると、LinkChange サブタイプ フレーム、Linkdown および Linkup を MRM に送信します。

Media Redundancy Automanager

Media Redundancy Automanager(MRA)として開始するように設定されている場合、ノードでは投票プロトコルと設定された優先順位値を使用して MRM が選択されます。残りの MRA は MRC 役に遷移します。すべての IE9300 ノードを MRA として設定する必要があります。同じリング内に手動で MRM および MRA を設定することはサポートされていません。


(注)  


  • CLI を使用して MRA をアクティブ化できます。このガイドのMRP CLI モードの設定セクションを参照してください。

  • MRM が選択されると MRA は MRC 役に移行しますが、MRC を明示的に設定することはできません。


MRA 役は、MRM や MRC のような実稼働可能な MRP 役ではありません。MRA 役は、デバイス起動時の一時的な管理上の役割に過ぎません。起動後はノードを MRM 役または MRC 役に遷移する必要があり、マネージャ投票プロセスを通じて MRM が選択されます。

MRA は、次のように機能します。

  1. 電源投入時に、すべての MRA がマネージャ投票プロセスを開始します。各 MRA では、両方のリング ポートで MRP_Test フレームの送信が開始します。MRP_Test フレームには MRA の優先順位値が含まれています。受信した MRP_Test フレームに含まれるリモート マネージャの優先順位値は、MRA 自身の優先度と比較されます。MRA は自身の優先順位が受信した優先順位よりも高い場合、リモートマネージャの MAC アドレスとともに、テストマネージャの否定応答(MRP_TestMgrNAck)フレームを送信します。

  2. 受信側 MRA が、自身の MAC アドレスを含む MRP_TestMgrNAck を受信すると、受信側 MRA はクライアント(MRC)役への遷移を開始します。

  3. MRP_TestPropagate フレームは、クライアント役の他の MRA デバイスに、役割の変更と、より優先順位が高い新規のマネージャについて通知します。このフレームを受信するクライアントは、その情報に応じて、より優先順位が高いマネージャの情報を更新します。これにより、監視しているより優先順位の高いマネージャ役が変更された場合でも、クライアントがクライアント役にとどまることになります。

ライセンス

Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチで MRP を使用するために機能ライセンスは必要ありません。MRP では、Network Essentials または Network Advantage のいずれかの基本ライセンスを使用します。

プラットフォームサポートに関する情報を検出し、機能を使用できるライセンスレベルを確認するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、https://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。cisco.com のアカウントは必要ありません。

IE9300 スタック上の MRP

Cisco IOS-XE 17.17.1a 以降では、スタック構成のスイッチ間でのシステムの安定性とシームレスな統合を確保する手段として、Media Redundancy Protocol(MRP)のスタックサポートが導入されています。

MRP の機能と動作は、スタンドアロンとスタックの両方の構成で一貫しています。MRP のスタックセットアップでは、最大 4 メンバーのスタックがサポートされています。

スイッチスタックの詳細については、「Managing Switch Stacks」を参照してください。

IE9300 スタック上の MRP の利点

スタックセットアップで MRP を展開すると、ネットワーク内にノードレベルの冗長性が導入され、次のような利点が得られます。

  • IE9300 スタックセットアップで、200 ミリ秒および 500 ミリ秒のコンバージェンス プロファイルを使用した最大 16 のリングがサポートされます。

  • スタックメンバーまたはアクティブスイッチに障害が発生した場合でも、システムの動作が維持されて、シングルポイント障害のリスクが軽減されます。

  • ネットワーク全体でのシームレスな統合と信頼性を実現できます。

  • ポート密度が向上します。これは、パフォーマンスを犠牲にすることなく、より多くのデバイスに対応するために重要です。

MRP-STP の相互運用性

MRP はスパニング ツリー プロトコル(STP)と連携して動作し、ユーザが誤って MRP リングに参加していないデバイスを接続した場合に、不要なブロードキャスト ループを防ぎます。MRP と STP で動作するネットワークでは、スパニング ツリー ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)は MRP 対応ポートには送信されません。ポートの MRP 設定が解除されリングから離脱すると、そのポートはスパニング ツリーに追加されます。MRP 制御フレームは STP ポートを通過しません。デフォルトでは、MRP リングのメンバーとして明示的に設定されていないすべてのポートが STP に参加します。

MRP-STP 相互運用性は MRP CLI モードでサポートされ、追加の CLI 設定なしで動作します。

前提条件

MRP は物理リングトポロジに配置されているため、ネットワークストームを回避するためには、MRP 機能を設定または設定解除する前に接続インターフェイスで shut コマンドを発行するか、ケーブルを物理的に取り外して、各リングの 2 つのノード間の物理的な接続を 1 つ開けておくことが推奨されます。すべての MRM を正しく設定した後に、ポートで no shut コマンドを発行するか、ノード間のケーブルを再接続します。

注意事項と制約事項

一般的なガイドラインと制限事項

  • MRP は、IOS XE 17.13.1 リリース以降の Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチでサポートされています。

  • スタンドアロン IE9300 スイッチで、200 ミリ秒または 500 ミリ秒のコンバージェンス プロファイルを使用した最大 12 のリングがサポートされます。

  • 複数の MRP リングのサポートは、CLI または WebUI を介してのみ可能です。

  • スイッチは 1 リングあたり最大 50 の MRC をサポートします。

  • MRP を Resilient Ethernet Protocol(REP)、スパニングツリープロトコル(STP)、Flex Link、MACsec、または Dot1x と同じインターフェイス(ポート)で実行することはできません。

  • アクセスポートでは、MRP インターフェイスで具体的に switchport mode access および switchport access vlan x コマンドを設定する必要があります。

  • MRP インターフェイスは転送状態で起動し、安全にブロック可能と通知されるまで転送状態のままになります。MRP リングの状態は Ring-Closed に変わります。

  • MRP ポートは、SPAN 宛先ポート、プライベート VLAN ポート、またはトンネル ポートのいずれのポート タイプとしても設定できません。

  • MRP は EtherChannel または EtherChannel に属する個別のポートではサポートされません。

  • 各 MRP リングは 1 つの MRP 管理 VLAN のみを持つことができます。トラフィックフラッディングを回避するため、VLAN はデバイスのリングごとに異なる必要があります。VLAN には、単一の MRP リングからのインターフェイスのみをメンバーとして含めることができます。

  • 各 IE9300 ノードには、MRP リングのメンバーとして 2 つのインターフェイスを含める必要があります。部分的なリングまたは断片的なリングの使用はサポートされていません。

MRP CLI モードの注意事項と制限事項

  • CLI を使用して MRP リングを設定したら、MRP リングを、MRP をサポートするポート ペアに接続する必要があります。

  • どちらの MRP ポートも同じインターフェイス モード(アクセスまたはトランク)である必要があります。

  • 既存の MRP リングの設定(モード)を変更する、またはアクセスとトランク間のリング ポートのインターフェイス モードを変更するには、まずリングを削除してから、新しい設定のリングを再作成する必要があります。

  • 両方の MRP ポートがアクセス モードの場合、アクセス VLAN はこれに合わせる必要があります。設定済みの MRP VLAN がポートのアクセス VLAN と一致しない場合、MRP VLAN は自動的に MRP ポートのアクセス VLAN に変更されます。

  • 2 つのアクセス ポートを持つ MRP リングで、MRP リング作成時にポートが同じアクセス VLAN に属していない場合、または MRP リング作成後にポートの 1 つだけアクセス VLAN を変更した場合、MRP リング動作は中断され、次のようなメッセージが表示されます。

    
    ERROR% The ring 1 ports don't belong to the same access VLAN. The MRP ring will not function until the issue has been fixed
    

    この問題を解決するには、2 つのリング ポートのアクセス VLAN の設定を同じにします。

  • 200 ミリ秒の標準プロファイルと 500 ミリ秒のプロファイルがサポートされています。10 ミリ秒と 30 ミリ秒のプロファイルはサポートされていません。

  • CLI を使用して MRA をアクティブ化できます。

  • MRM が選択されると MRA は MRC 役に移行しますが、MRC を明示的に設定することはできません。

デフォルト設定

  • MRP はデフォルトで無効になっています。MRP CLI は、MRP が有効になっている場合のデフォルトモードです。

  • デフォルトの VLAN は 1 です。


    (注)  


    デフォルト以外の VLAN を、MRP リング 1 に割り当てる前に作成します。


TIA 15 または STEP7 を使用した Profinet MRP モードの設定

ライセンス(Cisco IOS XE 17.6.x 以前)をアクティブ化した後、Siemens TIA または STEP7 を使用して、PROFINET MRP 設定をシスコスイッチにプッシュすることができます。IOS XE バージョン 17.6.x 以前では、PROFINET で MRP を設定する前に、MRP 機能ライセンスをインストールする必要があります。IOS XE 17.7.1 以降では、機能ライセンスなしで PROFINET で MRP を設定できます。


(注)  


PROFINET および TIA を使用している場合、CLI を使用してスイッチの設定を実行または変更しないでください。これには MRC または MRM 権限を設定することが含まれます。MRP CLI モードと PROFINET MRP モードは相互に排他的です。



(注)  


シスコスイッチが PROFINET PLC に接続されている場合、show profinet status | include Connected の出力は Yes になります。show profinet status | include Connected の出力が No, の場合、スイッチは PROFINET PLC に接続されていません。


PROFINET GSD ファイルのインストール

PROFINET MRP GSD ファイルは、Cisco IOS XE ソフトウェアリリースにバンドルされています。スイッチが少なくとも 1 回起動した後、スイッチの GSD ファイルは「ProfinetGSD」というディレクトリに配置されます。このディレクトリには、全スイッチ SKU のすべての GSD を含む zip ファイルがあります。リリースにバンドルされ、ProfinetGSD ディレクトリに含められる GSD ファイルを使用することを推奨します。


注意    


Cisco IOS ソフトウェアにバンドルされているバージョンより古い TIA 15 または STEP 7 にインストールされた GSD XML ファイルがある場合、非互換性により起こり得る問題を回避するため、古いファイルを削除することを推奨します。


PROFINET MRP の起動

前提条件

LLDP プロトコルを使用してすべての近接デバイスを検出するため、PROFINET MRP をネットワークにプッシュする前に、MRP イーサネット ポートを承認し、リング(オープン リング)から切断することを推奨します。このアプローチにより、何か問題があった場合に、不必要なフラッディングを回避できます。

手順の概要

  1. (オプション)show lldp neighbor と入力し、LLDP プロトコルがすべてのネイバーを正しく検出することを確認します。
  2. (Cisco IOS XE 17.6 以前)すべての MRP ライセンスがスイッチ上でアクティブであることを確認します。
  3. PROFINET ステータスに「接続済み」と表示されていることを確認します。
  4. profinet mrp ring 1 の出力を調べることで、MRP ポートが正しく接続されていることを確認でき、次の報告が得られます。

手順の詳細


ステップ 1

(オプション)show lldp neighbor と入力し、LLDP プロトコルがすべてのネイバーを正しく検出することを確認します。

ステップ 2

(Cisco IOS XE 17.6 以前)すべての MRP ライセンスがスイッチ上でアクティブであることを確認します。

ステップ 3

PROFINET ステータスに「接続済み」と表示されていることを確認します。

ステップ 4

profinet mrp ring 1 の出力を調べることで、MRP ポートが正しく接続されていることを確認でき、次の報告が得られます。

  • ブロック済みモードの 1 つの MRM ポート

  • フォワーディング モードの他のすべての MRM ポート(のバランス)

(注)  

 

MRP デバイスのロールを変更する(MRP クライアントから MRP マネージャ、または MRP マネージャから MRP クライアントなど)前に、MRP リングが開いていることを確認します。


Simatic Step 7 または TIA 15 ポータルを使用した Profinet の管理

このセクションでは、TIA ポータル内の主要画面の概要について説明します。ここでは設定の詳細については説明しません。TIA ポータルの詳細な使用方法については、Siemens Simatic STEP7 のユーザ マニュアルを参照してください。


(注)  


PROFINET モードの MRP 自動マネージャは、TIA V15 でのみサポートされます。


図 2. MRP を設定する前の PROFINET デバイス検出(DCP)ウィンドウ
図 3. PROFINET MRP マネージャと MRP ドメインの定義
図 4. PROFINET MRP クライアントと MRP ドメインの定義
図 5. PROFINET MRP インターフェイスの定義
図 6. PROFINET MRP のネットワーク構成図

MRP CLI モードの設定

MRP を設定するには、ノードを MRA として設定し、2 つの MRP ポートを指定します。

スタックセットアップでは最大 16 のリングを設定でき、スタンドアロンノードでは最大 12 のリングを設定できます。

次の MRP 設定パラメータはオプションです。

  • domain-id:MRP リングを表す一意の ID。

  • domain-name:設定した MRP ドメイン ID の論理名。

  • profile:200 ミリ秒(デフォルト)

  • vlan-id:MRP フレームを送信するための VLAN。

MRP マネージャの設定

スイッチをデフォルトである MRP CLI モードの MRA として設定するには、次の手順に従います。


(注)  


デバイスが PLC モジュールに接続されている場合、MRP に対して「no device in the ring」が選択されていることを確認します。

手順の概要

  1. MRP を有効化します。
  2. スイッチで MRP マネージャモードを設定します。
  3. (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン ID を設定します。
  4. (単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン名を設定します。
  5. (任意)VLAN ID を設定します。
  6. (任意)リカバリ プロファイルを設定します。
  7. MRA の優先順位を設定します。
  8. 間隔を設定します。
  9. 最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
  10. インターフェイス モードを設定します。
  11. MRP リングにインターフェイスを関連付けます。
  12. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
  13. 2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。
  14. インターフェイス モードを設定します。
  15. MRP リングにインターフェイスを関連付けます。
  16. 特権 EXEC モードに戻ります。
  17. (複数のリングの場合)リングを追加するごとに、ステップ 1 ~ 14 を繰り返します。

手順の詳細


ステップ 1

MRP を有効化します。

mrp ring mrp_id

指定されたリング ID で MRP リングを設定します。

ステップ 2

スイッチで MRP マネージャモードを設定します。

mode auto-manager

ステップ 3

(単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン ID を設定します。

domain-id value

value:ハイフンによって 5 つのグループに分けられた 32 桁の 16 進数の UUID 文字列

例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000

リング 1 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE です。

(注)  

 

ドメイン ID は、必要な場合にのみデフォルトから変更します。

ステップ 4

(単一の MRP リングの場合はオプション)ドメイン名を設定します。

domain-name name

name:最大 32 文字の文字列

ステップ 5

(任意)VLAN ID を設定します。

vlan-id vlan

ステップ 6

(任意)リカバリ プロファイルを設定します。

profile { |200 | 500 }

  • 200:最大リカバリ時間 200 ミリ秒

  • 500:最大リカバリ時間 500 ミリ秒

ステップ 7

MRA の優先順位を設定します。

priority value

value:範囲は <36864 ~ 61440> で、最低値は 65535。

デフォルトの優先順位は 40960 です。

ステップ 8

間隔を設定します。

interval interval

(注)  

 

[Interval] フィールドは、MRP の WebUI には表示されません。

  • 20:200 ミリ秒プロファイルに対する MRP_Test のデフォルト間隔 20 ミリ秒

  • 50:500 ミリ秒プロファイルに対する MRP_Test のデフォルト間隔 50 ミリ秒

ステップ 9

最初のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。

interface port

ステップ 10

インターフェイス モードを設定します。

switchport mode { access | trunk }

(注)  

 
MRP をアクセスモードで設定するには switchport mode access を指定する必要があります。

ステップ 11

MRP リングにインターフェイスを関連付けます。

mrp ring 1

ステップ 12

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

exit

ステップ 13

2 番目のリング ポートとして動作するポートの ID を指定します。

interface port

ステップ 14

インターフェイス モードを設定します。

switchport mode { access | trunk }

(注)  

 
MRP をアクセスモードで設定するには、この手順で switchport mode access を指定する必要があります。

ステップ 15

MRP リングにインターフェイスを関連付けます。

mrp ring 1

ステップ 16

特権 EXEC モードに戻ります。

end

ステップ 17

(複数のリングの場合)リングを追加するごとに、ステップ 1 ~ 14 を繰り返します。

  • 2 番目のリングにリング番号 2 を割り当てます。

  • リング 2 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 2 のデフォルト ドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFD です。

  • 3 番目のリングにリング番号 3 を割り当てます。

  • リング 3 に一意のドメイン ID を割り当てます。リング 3 のデフォルトドメイン ID は FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFC です。

(注)  

 
各リングには固有のドメイン ID が必要です。2 つのリングで同じドメイン ID を共有することはありません。

次に、MRP 自動マネージャを設定する例を示します。


Switch#configure terminal
Switch# no profinet mrp
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#mrp ring 1
Switch(config-mrp)#mode manager
Switch(config-mrp-manager)#domain-id FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE
Switch(config-mrp-manager)#priority 40960
Switch(config-mrp-manager)#end
Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#GigabitEthernet1/0/22
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#GigabitEthernet1/0/21
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#exit 
Switch(config-if)#end
 
Switch# show mrp ring 1
MRP ring 1

Profile : 200 ms
Mode : Auto-Manager
Priority : 40960
Operational Mode: Client
From : CLI
License : Active
Best Manager :
MAC Address : 00:78:88:5E:03:81
Priority : 36864

Network Topology: Ring
Network Status : OPEN
Port1: Port2:
MAC Address :84:B8:02:ED:E8:02 MAC Address :84:B8:02:ED:E8:01
Interface :GigabitEthernet1/0/22 Interface :GigabitEthernet1/0/21
Status :Forwarding Status :Forwarding

VLAN ID : 1
Domain Name : Cisco MRP Ring 1
Domain ID : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE

Topology Change Request Interval : 10ms
Topology Change Repeat Count : 3
Short Test Frame Interval : 10ms
Default Test Frame Interval : 20ms
Test Monitoring Interval Count : 3
Test Monitoring Extended Interval Count : N/A
Switch#show mrp ports
 
Ring ID : 1
PortName                Status
--------------------------------------
GigabitEthernet1/0/22         Forwarding
GigabitEthernet1/0/21         Forwarding

(注)  


show mrp ring の出力には、Cisco IOS XE リリース 17.7.1 以降の CLI および Profinet モードでは「License: Not Applicable」と表示されます。


設定例

次に、マネージャとして設定された MRP スイッチの例を示します。


Switch#configure terminal
Switch# no profinet mrp
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#mrp ring 1
Switch(config-mrp)#mode manager
Switch(config-mrp-manager)#end
Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#interface gi1/0/21-28
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#interface gi1/0/27
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#end
 
Switch#show mrp ring
MRP ring 1
 
Profile     : 200 ms
Mode        : Master
From        : CLI
 
Network Topology: Ring
Port1:                                     Port2:
MAC Address    :2C:54:2D:2C:3E:0A          MAC Address    :2C:54:2D:2C:3E:09
Interface      :gigabitEthernet1/0/28            Interface      :gigabitEthernet1/0/27
Status         :Forwarding                 Status         :Forwarding
 
VLAN ID     : 1
Domain Name : Cisco MRP
Domain ID   : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE
 
Topology Change Request Interval        : 10ms
Topology Change Repeat Count            : 3
Short Test Frame Interval               : 10ms
Default Test Frame Interval             : 20ms
Test Monitoring Interval Count          : 3
Test Monitoring Extended Interval Count : N/A
Switch#show mrp ports
 
Ring ID : 1
PortName                Status
--------------------------------------
gigabitEthernet1/0/27         Forwarding
gigabitEthernet1/0/28         Forwarding

次に、自動マネージャとして設定された MRP スイッチの例を示します。


Switch#configure terminal
Switch# no profinet mrp
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#mrp ring 1
Switch(config-mrp)#mode auto-manager
Switch(config-mrp-auto-manager)#priority 36864
Switch(config-mrp-auto-manager)#end
Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#interface gi1/0/22
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#interface gi1/0/21
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
WARNING% Enabling MRP automatically set STP FORWARDING. It is recommended to shutdown all interfaces which are not currently in use to prevent potential bridging loops.
Switch(config-if)#end
 
Switch#show mrp ring
MRP ring 1

Profile     : 200 ms
Mode        : Auto-Manager
Priority    : 36864
Operational Mode: Manager
From        : CLI
License     : Active
Best Manager MAC Address    :84:B8:02:ED:E8:01     priority 36864     

Network Topology: Ring
Network Status  : OPEN
Port1:                                     Port2:
 MAC Address    :84:B8:02:ED:E8:02          MAC Address    :84:B8:02:ED:E8:01
 Interface      :GigabitEthernet1/0/22      Interface      :GigabitEthernet1/0/21
 Status         :Forwarding                 Status         :Forwarding

VLAN ID     : 1
Domain Name : Cisco MRP Ring 1
Domain ID   : FFFFFFFF-FFFF-FFFF-FFFF-FFFFFFFFFFFE

Topology Change Request Interval        : 10ms
Topology Change Repeat Count            : 3
Short Test Frame Interval               : 10ms
Default Test Frame Interval             : 20ms
Test Monitoring Interval Count          : 3
Test Monitoring Extended Interval Count : N/A

          
Topology Change Request Interval        : 10ms
Topology Change Repeat Count            : 3
Short Test Frame Interval               : 10ms
Default Test Frame Interval             : 20ms
Test Monitoring Interval Count          : 3
Test Monitoring Extended Interval Count : N/A

次に、設定済みの MRP スイッチの例を示します。


Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#mrp ring 1
Switch(config-mrp)#mode client
Switch(config-mrp-client)#end
Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#interface gi1/0/23
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#interface gi1/0/24
Switch(config-if)#switchport mode trunk
Switch(config-if)#mrp ring 1
Switch(config-if)#end

設定の確認

次のコマンドを使用して、MRP 設定を確認します。

コマンド

説明

show mrp ring? {1 - 22 }

MRP リングの設定の詳細を表示します。

show mrp ports

MRP ポート状態の詳細を表示します。いずれのポートでも MRP が設定されていない場合、「N/A」と表示されます。

show mrp ring {1 - 22 } statistics [all | event | hardware | packet | platform ]

MRP リングの動作の詳細を表示します。

debug mrp-ring [alarm |cli | client | license | manager | packet | platform ]

MRP イベントをトレースします。

(注)  

 

manager は、スイッチがマネージャまたは自動マネージャとして設定されている場合にのみ使用可能です。

license は、Cisco IOS XE 17.6.x 以前でのみ使用できます。

show tech-support mrp

すべての MRP の詳細を表示します。

機能の履歴

以下の表に、このガイドに記載されている機能のリリースおよび関連情報を示します。この機能は、特に明記されていない限り、最初のリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE 17.17.1

IE9300 スタック上の MRP

Cisco IOS-XE 17.17.1 以降では、Media Redundancy Protocol(MRP)のスタックサポートが導入されています。

Cisco IOS XE 17.13.1

Media Redundancy Protocol(MRP)

Cisco IOS-XE 17.13.1 以降では、スタンドアロン IE9300 スイッチで 200 ミリ秒または 500 ミリ秒のコンバージェンス プロファイルを使用した 12 のリングがサポートされます。