この章では、トラブルシューティングに関する問題として、次の内容について説明します。
スイッチの LED には、スイッチのトラブルシューティングに役立つ情報が示されます。これにより、ブート ファストの失敗、ポート接続の問題、およびスイッチ全体のパフォーマンスを把握できます。また、Device Manager から統計情報を取得することもできます。
スイッチのトラブルシューティングを行う際は、LED を確認します。LED の色とその意味については、LEDを参照してください。
ケーブルにわずかでも傷や破損がないか必ず確認してください。物理層の接続に問題がないように見えるケーブルでも、配線やコネクタのごくわずかな損傷が原因でパケットが破損することがあります。ポートでパケット エラーが多発したり、ポートでフラッピング(リンクの切断と接続)が頻繁に繰り返される場合は、この問題が考えられます。
■銅線ケーブルまたは光ファイバ ケーブルを正常なケーブルと交換します。
■ケーブル コネクタのピンが破損したり欠落していないことを確認します。
■発信元と宛先の間のパッチ パネルの接続やメディア コンバータに問題がないことを確認します。可能な場合は、パッチ パネルをバイパスするか、メディア コンバータ(光ファイバ/銅線)を除去します。
■イーサネットの場合、10 Mb/s UTP 接続にはカテゴリ 3 の銅線ケーブルを使用します。10/100 Mbps および PoE 接続には、カテゴリ 5、カテゴリ 5e、またはカテゴリ 6 の UTP を使用します。
■距離やポート タイプに適した光ファイバ ケーブルであることを確認します。接続先の装置のポートが一致しており、同じタイプの符号化、光周波数、およびファイバ タイプを使用していることを確認します。
■銅線のストレート ケーブルを使用すべきところにクロス ケーブルが使用されていたり、クロス ケーブルを使用すべきところにストレート ケーブルが使用されていたりしないかを確認します。
両側でリンクが確立されていることを確認します。配線が切れていたり、ポートがシャットダウンしていると、片側でリンクが表示されても反対側では表示されないことがあります。
ポート LED が点灯していても、ケーブルが正常なことを示しているわけではありません。物理的なストレスがかかっており、限界レベルで動作している可能性もあります。ポート LED が点灯しない場合:
■ケーブルをスイッチから外して、問題のない装置に接続します。
■ケーブルの両端が正しいポートに接続されていることを確認します。
■正しいケーブル タイプが使用されていることを確認します。詳細については、ケーブルおよびアダプタを参照してください。
■接触不良がないか確認します。完全に接続されているように見えても、そうでないことがあります。ケーブルをいったん外して、接続し直してください。
■LED を調べて、すべてのポートのステータスを確認します。詳細については、スイッチ LEDを参照してください。
■ケーブル タイプを確認します。ケーブルおよびコネクタを参照してください。
Cisco SFP モジュール以外は使用しないでください。各シスコ製モジュールには、セキュリティ情報が符号化されたシリアル EEPROM が組み込まれています。この符号化によって、モジュールがスイッチの要件を満たしていることが確認されます。
■SFP モジュールを調査します。疑わしい SFP モジュールを問題のないモジュールと交換します。
■モジュールが当該プラットフォームでサポートされていることを確認します(Cisco.com にあるスイッチのリリース ノートに、スイッチがサポートしている SFP モジュールの一覧が示されています)。
インターフェイスが無効になっていないか、あるいは電源がオフになっていないかを確認します。リンクの片側でインターフェイスを手動でシャットダウンした場合は、そのインターフェイスを再び有効化するまでリンクは復旧しません。必要に応じて、インターフェイスを再び有効化します。
ping を使用し、接続できない原因となっている箇所を突き止めます。最初にラップトップから始め、ポートごと、インターフェイスごと、トランクごとに段階的にさかのぼって調べます。各スイッチの連想メモリ(CAM)テーブル内に、エンド デバイスの MAC アドレスが存在していることを確認します。
スパニングツリー プロトコル(STP)にループが発生すると、重大なパフォーマンス上の問題が引き起こされ、その状況がポートやインターフェイスの問題のように見えることがあります。
ループは、単方向リンクによって引き起こされることがあります。つまり、スイッチから送信されたトラフィックがネイバーで受信されるが、ネイバーからのトラフィックがスイッチで受信されない場合にループが発生します。破損したケーブル、その他のケーブル配線の問題、またはポートの問題によって、この単方向の通信が引き起こされる可能性があります。
ポートの統計情報に、アライメント エラー、フレーム チェック シーケンス(FCS)、またはレイト コリジョン エラーが大量に表示される場合は、速度またはデュプレックスが一致していない可能性があります。
2 台のスイッチ間、スイッチとルータ間、またはスイッチとワークステーション/サーバ間でデュプレックスや速度の設定が一致しないと、共通の問題が発生します。この不一致は、速度やデュプレックスを手動で設定した場合や、2 台の装置間における自動ネゴシエーションの問題により生じることがあります。
スイッチのパフォーマンスを最大限に引き出してリンクを確実にするために、次のいずれかの注意事項に従ってデュプレックスまたは速度の設定を変更してください。
■速度とデュプレックスの両方について、両方のポートで自動ネゴシエーションを実行させます。
■接続の両端でインターフェイスの速度とデュプレックスのパラメータを手動で設定します。
■リモート デバイスが自動ネゴシエートを実行しない場合は、2 つのポートのデュプレックス設定を同一にします。速度パラメータは、接続先ポートが自動ネゴシエーションを実行しない場合でも自動的に調整されます。
スイッチとサードパーティ製ネットワーク インターフェイス カード(NIC)間で問題が発生する場合があります。デフォルトでは、スイッチ ポートとインターフェイスは自動ネゴシエーションを実行します。一般的には、ラップトップ コンピュータやその他の装置にも自動ネゴシエーションが設定されていますが、それでも問題が発生することがあります。
自動ネゴシエーションの問題をトラブルシューティングするには、接続の両側で手動設定を試みます。それでも問題が解決しない場合は、NIC 上のファームウェアまたはソフトウェアに問題がある可能性があります。その場合は、NIC ドライバを最新バージョンにアップグレードすることによって問題を解決できます。
ポート統計情報に過剰な FCS、レイト コリジョン、アライメント エラーが示される場合は、スイッチから接続先の装置までのケーブル長が推奨ガイドラインに従っていることを確認してください。ケーブルおよびアダプタを参照してください。
スイッチをリセットして工場出荷時の設定に戻す必要があるのは、次のような場合です。
■スイッチをネットワークに設置したが、誤った IP アドレスを割り当てたため、スイッチに接続できない。
注: スイッチをリセットすると、設定が削除されてスイッチが再起動されます。
1. ペーパー クリップまたは類似のもので、Express Setup ボタン(前面プレートの小さな穴の奥にあります)を約 15 ~ 20 秒間押し続けます。スイッチがリブートします。スイッチのリブートが完了すると、システム LED が緑色に点灯します。
シスコのテクニカル サポートに連絡する場合は、スイッチのシリアル番号が必要です。シリアル番号は、スイッチの右側面にある準拠ラベルに記されています。図 1を参照してください。
図 1 Cisco IE 1000 スイッチのシリアル番号の位置