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- ソフトウェア メンテナンス アップグレードの実行
- Cisco NX-OS システム管理でサポートされている IETF RFC
- Embedded Event Manager システム イベントおよびコンフィギュレーション例
- Cisco NX-OS システム管理の設定制限事項
- Index
システム メッセージ ロギングの設定
この章では、Cisco NX-OS デバイス上でシステム メッセージ ロギングを設定する方法について説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
- システム メッセージ ロギングについて
- システム メッセージ ロギングのライセンス要件
- システム メッセージ ロギングの注意事項および制約事項
- システム メッセージ ロギングのデフォルト設定
- システム メッセージ ロギングの設定
- システム メッセージ ロギングの設定確認
- システム メッセージ ロギングのコンフィギュレーション例
- その他の参考資料
システム メッセージ ロギングについて
システム メッセージ ロギングを使用して宛先を制御し、システム プロセスが生成するメッセージの重大度をフィルタリングできます。端末セッション、ログ ファイル、およびリモート システム上の Syslog サーバへのロギングを設定できます。
システム メッセージ ロギングは RFC 3164 に準拠しています。システム メッセージのフォーマットおよびデバイスが生成するメッセージの詳細については、『Cisco NX-OS System Messages Reference』を参照してください。
デフォルトでは、デバイスはターミナル セッションにメッセージを出力し、ログ ファイルにシステム メッセージをログします。
次の表に、システム メッセージで使用されている重大度を示します。重大度を設定する場合、システムはそのレベル以下のメッセージを出力します。
レベル |
説明 |
---|---|
0:緊急 |
システムが使用不可 |
1:アラート |
即時処理が必要 |
2:クリティカル |
クリティカル状態 |
3:エラー |
エラー状態 |
4:警告 |
警告状態 |
5:通知 |
正常だが注意を要する状態 |
6:情報 |
単なる情報メッセージ |
7:デバッグ |
デバッグ実行時にのみ表示 |
デバイスは重大度 0、1、または 2 のメッセージのうち、最新の 100 メッセージを NVRAM ログに記録します。NVRAM へのロギングは設定できません。
メッセージを生成したファシリティと重大度に基づいて記録するシステム メッセージを設定できます。
Syslog サーバ
syslog サーバは、syslog プロトコルに基づいてシステム メッセージを記録するリモート システム上で動作します。IPv4 または IPv6 の Syslog サーバを最大 8 つ設定できます。
ファブリック内のすべてのスイッチで syslog サーバの同じ設定をサポートするために、Cisco Fabric Services(CFS)を使用して syslog サーバ設定を配布できます。
![]() (注) | 最初のデバイス初期化時に、メッセージが syslog サーバに送信されるのは、ネットワークの初期化後です。 |
システム メッセージ ロギングのライセンス要件
製品 |
ライセンス要件 |
---|---|
Cisco NX-OS |
システム メッセージ ロギングにライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は nx-os イメージにバンドルされており、無料で提供されます。NX-OS ライセンス方式の詳細については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。 |
システム メッセージ ロギングの注意事項および制約事項
システム メッセージ ロギングには次の設定上の注意事項と制約事項があります。
システム メッセージ ロギングのデフォルト設定
次の表に、システム メッセージ ロギング パラメータのデフォルト設定を示します。
パラメータ(Parameters) |
デフォルト |
---|---|
コンソール ロギング |
重大度 2 でイネーブル |
モニタ ロギング |
重大度 5 でイネーブル |
ログ ファイル ロギング |
重大度 5 のメッセージ ロギングがイネーブル |
モジュール ロギング |
重大度 5 でイネーブル |
ファシリティ ロギング |
イネーブル |
タイムスタンプ単位 |
Seconds |
Syslog サーバ ロギング |
ディセーブル |
Syslog サーバ設定の配布 |
ディセーブル |
システム メッセージ ロギングの設定
![]() (注) | この機能の Cisco NX-OS コマンドは、Cisco IOS のコマンドとは異なる場合があるので注意してください。 |
- ターミナル セッションへのシステム メッセージ ロギングの設定
- Syslog メッセージの Origin ID の設定
- ファイルへのシステム メッセージの記録
- モジュールおよびファシリティ メッセージのロギングの設定
- syslog サーバの設定
- UNIX または Linux システムでの Syslog サーバの設定
- ログ ファイルの表示およびクリア
ターミナル セッションへのシステム メッセージ ロギングの設定
重大度に基づいて、コンソール、Telnet、および SSH セッションにメッセージを記録するようにデバイスを設定できます。
デフォルトでは、ターミナル セッションでロギングはイネーブルです。
![]() (注) | コンソールのボー レートが 9600 ボー(デフォルト)の場合、現在の Critical(デフォルト)ロギング レベルが維持されます。コンソール ロギング レベルを変更しようとすると、必ずエラー メッセージが生成されます。ロギング レベルを上げる(Critical よりも上に)には、コンソールのボー レートを 38400 ボーに変更する必要があります。 |
1.
terminal monitor
2.
configure terminal
3.
[no] logging console [severity-level]
4.
(任意) show logging console
5.
[no] logging monitor [severity-level]
6.
(任意) show logging monitor
7.
[no] logging message interface type ethernet description
8.
(任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
Syslog メッセージの Origin ID の設定
リモートの syslog サーバに送信される syslog メッセージに、ホスト名、IP アドレス、またはテキスト文字列を付けるように Cisco NX-OS を設定できます。
1.
configure terminal
2.
logging origin-id {hostname | ipip-address | stringtext-string}
3.
(任意) show logging origin-id
手順の詳細
ファイルへのシステム メッセージの記録
システム メッセージをファイルに記録するようにデバイスを設定できます。デフォルトでは、システム メッセージはファイル log:messages に記録されます。
2.
[no] logging logfilelogfile-name severity-level [sizebytes]
3.
logging event {link-status | trunk-status} {enable | default}
4.
(任意) show logging info
手順の詳細
モジュールおよびファシリティ メッセージのロギングの設定
モジュールおよびファシリティに基づいて記録するメッセージの重大度およびタイムスタンプの単位を設定できます。
2.
[no] logging module [severity-level]
3.
(任意) show logging module
4.
[no] logging levelfacility severity-level
5.
(任意) show logging level [facility]
6.
(任意) [no] logging levelethpm
7.
[no] logging timestamp {microseconds | milliseconds | seconds}
8.
(任意) show logging timestamp
手順の詳細
syslog サーバの設定
システム メッセージを記録する、リモート システムを参照する syslog サーバを最大で 8 台設定できます。
![]() (注) | シスコは、管理仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスを使用するサーバとして、syslog サーバを設定することを推奨します。VRF の詳細情報については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide』を参照してください。 |
1.
configure terminal
2.
[no] logging serverhost [severity-level [use-vrfvrf-name]]
3.
logging source-interface loopbackvirtual-interface
4.
(任意) show logging server
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | [no] logging serverhost [severity-level [use-vrfvrf-name]] 例: switch(config)# logging server 192.0.2.253 例: switch(config)# logging server 2001::)db*::3 5 use-vrf red |
指定されたホスト名、あるいは IPv4 または IPv6 アドレスで Syslog サーバを設定します。use-vrf キーワードを使用すると、メッセージ ロギングを特定の VRF に限定できます。重大度は 0 ~ 7 の範囲です。 デフォルトの発信ファシリティは local7 です。 no オプションは、指定したホストのロギング サーバを削除します。 最初の例では、ファシリティ local 7 のすべてのメッセージを転送します。2 番目の例では、VRF red で重大度が 5 以下のメッセージを転送します。 |
ステップ 3 | logging source-interface loopbackvirtual-interface 例: switch(config)# logging source-interface loopback 5 |
リモート Syslog サーバの送信元インターフェイスをイネーブルにします。virtual-interface 引数の範囲は 0 ~ 1023 です。 |
ステップ 4 | show logging server 例: switch(config)# show logging server | (任意)
Syslog サーバ設定を表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config | (任意) |
UNIX または Linux システムでの Syslog サーバの設定
/etc/syslog.conf ファイルに次の行を追加して、UNIX または Linux システム上に Syslog サーバを設定できます。
facility.level <five tab characters> action
次の表に、設定可能な syslog フィールドを示します。
フィールド | 説明 | ||
---|---|---|---|
ファシリティ |
メッセージの作成者。auth、authpriv、cron、daemon、kern、lpr、mail、mark、news、syslog、user、local0 ~ local7 です。アスタリスク(*)を使用するとすべてを指定します。これらのファシリティ指定により、発信元に基づいてメッセージの宛先を制御できます。
|
||
レベル |
メッセージを記録する最小重大度。debug、info、notice、warning、err、crit、alert、emerg です。アスタリスク(*)を使用するとすべてを指定します。none を使用するとファシリティをディセーブルにできます。 |
||
Action |
メッセージの宛先。ファイル名、前に @ 記号を加えたホスト名、ユーザをカンマで区切ったリスト、またはすべてのログイン ユーザを表すアスタリスク(*)を使用できます。 |
1. /etc/syslog.conf ファイルに次の行を追加して、ファイル /var/log/myfile.log に local7 ファシリティのデバッグ メッセージを記録します。
2. シェル プロンプトで次のコマンドを入力して、ログ ファイルを作成します。
3. 次のコマンドを入力して、システム メッセージ ロギング デーモンが myfile.log をチェックして、新しい変更を取得するようにします。
手順の詳細
ステップ 1 | /etc/syslog.conf ファイルに次の行を追加して、ファイル /var/log/myfile.log に local7 ファシリティのデバッグ メッセージを記録します。 例: debug.local7 var/log/myfile.log |
ステップ 2 | シェル プロンプトで次のコマンドを入力して、ログ ファイルを作成します。 例: $ touch /var/log/myfile.log $ chmod 666 /var/log/myfile.log |
ステップ 3 | 次のコマンドを入力して、システム メッセージ ロギング デーモンが myfile.log をチェックして、新しい変更を取得するようにします。 例: $ kill -HUP ~cat /etc/syslog.pid~ |
ログ ファイルの表示およびクリア
ログ ファイルおよび NVRAM のメッセージを表示したり消去したりできます。
1.
show logging lastnumber-lines
2.
show logging logfile [start-timeyyyymmm dd hh:mm:ss] [end-timeyyyy mmm dd hh:mm:ss]
3.
show logging nvram [lastnumber-lines]
4.
clear logging logfile
5.
clear logging nvram
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | show logging lastnumber-lines 例: switch# show logging last 40 |
ロギング ファイルの最終行番号を表示します。最終行番号には 1 ~ 9999 を指定できます。 |
ステップ 2 | show logging logfile [start-timeyyyymmm dd hh:mm:ss] [end-timeyyyy mmm dd hh:mm:ss] 例: switch# show logging logfile start-time 2013 oct 1 15:10:0 |
入力されたスパン内にタイムスタンプがあるログ ファイルのメッセージを表示します。終了時間を入力しないと、現在の時間が使用されます。月の時間フィールドには 3 文字を、年と日の時間フィールドには数値を入力します。 |
ステップ 3 | show logging nvram [lastnumber-lines] 例: switch# show logging nvram last 10 |
NVRAM のメッセージを表示します。表示される行数を制限するには、表示する最終行番号を入力できます。最終行番号には 1 ~ 100 を指定できます。 |
ステップ 4 | clear logging logfile 例: switch# clear logging logfile |
ログ ファイルの内容をクリアします。 |
ステップ 5 | clear logging nvram 例: switch# clear logging nvram |
NVRAM の記録されたメッセージをクリアします。 |
システム メッセージ ロギングの設定確認
システム メッセージ ロギングの設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
コマンド |
目的 |
---|---|
show logging console |
コンソール ロギング設定を表示します。 |
show logging info |
ロギング設定を表示します。 |
show logging lastnumber-lines |
ログ ファイルの末尾から指定行数を表示します。 |
show logging level [facility] |
ファシリティ ロギング重大度設定を表示します。 |
show logging logfile [start-timeyyyymmmddhh:mm:ss] [end-timeyyyymmmddhh:mm:ss] |
ログ ファイルのメッセージを表示します。 |
show logging module |
モジュール ロギング設定を表示します。 |
show logging monitor |
モニタ ロギング設定を表示します。 |
show logging nvram [lastnumber-lines] |
NVRAM ログのメッセージを表示します。 |
show logging origin-id |
リモートの syslog サーバに送信される syslog メッセージに追加するよう設定された、ホスト名、IP アドレス、またはテキスト文字列が表示されます。 |
show logging server |
Syslog サーバ設定を表示します。 |
show logging timestamp |
ロギング タイムスタンプ単位設定を表示します。 |
システム メッセージ ロギングのコンフィギュレーション例
システム メッセージ ロギングのコンフィギュレーション例を示します。
configure terminal logging console 3 logging monitor 3 logging logfile my_log 6 logging module 3 logging level aaa 2 logging timestamp milliseconds logging server 172.28.254.253 logging server 172.28.254.254 5 facility local3 copy running-config startup-config
その他の参考資料
関連資料
関連項目 | マニュアル タイトル |
---|---|
システム メッセージ | 『Cisco NX-OS System Messages Reference』 |