この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco IronPort アプライアンスには、ログを解析せずに電子メール動作をモニタするためのコマンドが用意されています。Cisco IronPort アプライアンスのモニタには、Command Line Interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)と Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)のいずれかを使用できます。この章では、モニタリングおよび管理コマンドについて、また CLI を使ってそれらのコマンドにアクセスする方法について説明します。コンポーネントの多くは GUI から使用することもできます。GUI については、「GUI でのその他の作業」を参照してください。
システムのモニタリングには、次の 3 つの主要コンポーネントがあります。
カウンタは、システム内の各種イベントの現在までの合計を示します。カウンタごとに、そのカウンタのリセット以降、最後のシステム リブート以降、およびシステムの存続期間に発生したイベントの合計数を表示できます。
カウンタは、イベントが発生するごとに増加し、次の 3 つのバージョンで表示されます。
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表 6-1 に、Cisco IronPort アプライアンスをモニタするときに使用できるカウンタとその説明を示します。
(注) これは、全体的なリストです。表示されるカウンタは、選択した表示オプションまたはコマンドによって異なります。このリストは参照用として使用してください。
ゲージは、メモリ、ディスク スペース、またはアクティブ接続などのシステム リソースの現在の使用率を示します。
表 6-2 に、Cisco IronPort アプライアンスをモニタするときに使用できるゲージとその説明を示します。
(注) これは、全体的なリストです。表示されるゲージは、選択した表示オプションまたはコマンドによって異なります。このリストは参照用として使用してください。
すべてのレートは、クエリーが作成された特定の時点における、1 時間あたりの平均イベント発生レートを示します。レートには、過去 1 分間、5 分間、および 15 分間という 3 つの間隔で 1 時間あたりの平均レートが計算されます。
たとえば、IronPort アプライアンスが 1 分で 100 の受信者を受信すると、1 分間隔に対するレートは 1 時間あたり 6,000 となります。5 分間隔に対するレートは 1 時間あたり 1,200 となり、15 分間隔に対するレートは 1 時間あたり 400 となります。レートは、1 分間のレートが継続した場合の 1 時間あたりの平均レートを示すように計算されます。したがって、1 分で 100 件のメッセージのほうが 15 分で 100 件のメッセージよりもレートは高くなります。
表 6-3 に、Cisco IronPort アプライアンスをモニタするときに使用できるレートとその説明を示します。
(注) これは、全体的なリストです。表示されるレートは、選択した表示オプションまたはコマンドによって異なります。このリストは参照用として使用してください。
Cisco IronPort アプライアンスにおける電子メール動作のステータスをモニタすることが必要になることがあります。 status
コマンドは、電子メール動作についてモニタされる情報のサブセットを返します。返された統計情報は、カウンタとゲージのいずれかの形式で表示されます。カウンタは、システム内の各種イベントの現在までの合計を示します。カウンタごとに、そのカウンタのリセット以降、最後のシステム リブート以降、およびシステムの存続期間に発生したイベントの合計数を表示できます。ゲージは、メモリ、ディスク スペース、またはアクティブ接続などのシステム リソースの現在の使用率を示します。
各項目の説明については、「使用可能なモニタリング コンポーネントの読み取り」を参照してください。
status detail
コマンドは、電子メール動作についてモニタされた詳細な情報を返します。返された統計情報は、カウンタ、レート、およびゲージのいずれかのカテゴリで表示されます。カウンタは、システム内の各種イベントの現在までの合計を示します。カウンタごとに、そのカウンタのリセット以降、最後のシステム リブート以降、およびシステムの存続期間に発生したイベントの合計数を表示できます。ゲージは、メモリ、ディスク スペース、またはアクティブ接続などのシステム リソースの現在の使用率を示します。すべてのレートは、クエリーが作成された特定の時点における、1 時間あたりの平均イベント発生レートを示します。レートには、過去 1 分間、5 分間、および 15 分間という 3 つの間隔で 1 時間あたりの平均レートが計算されます。各項目の説明については、「使用可能なモニタリング コンポーネントの読み取り」を参照してください。
(注) 新たにインストールされたアプライアンスでは、最も古いメッセージ カウンタにメッセージが示される場合がありますが、実際にはカウンタに示される受信者はありません。リモート ホストが接続されており、メッセージの受信が非常に遅い(つまり、メッセージを受信するまでに数分かかる)場合には、受信された受信者カウンタに「0
」と表示され、最も古いメッセージ カウンタに「1
」と表示されることがあります。これは、最も古いメッセージ カウンタに進行中のメッセージが表示されるためです。接続が最終的にドロップされると、カウンタはリセットされます。
特定の受信者ホストへの配信に問題があると思われる場合や、仮想ゲートウェイ アドレスに関する情報を収集する場合には、 hoststatus
コマンドを実行するとそれらの情報を表示できます。 hoststatus
コマンドは、特定の受信者ホストに関する電子メール動作のモニタリング情報を返します。コマンドには、取得するホスト情報のドメインを入力する必要があります。AsyncOS キャッシュに格納されている DNS 情報と、受信者ホストから最後に返されたエラーも表示されます。返されるデータは、最後に実行した resetcounters
コマンドからの累積です。返される統計情報は、カウンタとゲージの 2 つのカテゴリに表示されます。各項目の説明については、「使用可能なモニタリング コンポーネントの読み取り」を参照してください。
また、 hoststatus
コマンドに固有のその他のデータも返されます。
次に示す仮想ゲートウェイ情報は、仮想ゲートウェイ アドレスを設定している場合のみ表示されます(『 Cisco IronPort AsyncOS for Email Configuration Guide 』の「Configuring the Gateway to Receive Email」を参照してください)。
(注) 仮想ゲートウェイ アドレス情報は、altsrchost
機能を使用している場合のみ表示されます。
電子メール キューに関する現在の情報を取得し、特定の受信者ホストに配信の問題(キューの増大など)があるかどうかを判断するには、 tophosts
コマンドを使用します。 tophosts
コマンドは、キュー内の上位 20 の受信者のリストを返します。リストは、アクティブ受信者、発信接続、配信済み受信者、ソフト バウンス イベント、およびハード バウンスされた受信者など、さまざまな統計情報別にソートできます。各項目の説明については、「使用可能なモニタリング コンポーネントの読み取り」を参照してください。
Cisco IronPort アプライアンスではリアルタイム モニタリングが可能であり、システムにおける電子メール アクティビティの進捗状況を確認できます。 rate
コマンドは、電子メール動作に関するリアルタイム モニタリング情報を返します。この情報は、ユーザが指定した間隔で定期的に更新されます。 rate
コマンドを停止するには、Ctrl+C を使用します。
表 6-7 に、表示されるデータを示します。
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hostrate
コマンドは、特定のメール ホストに関するリアルタイムのモニタリング情報を返します。この情報は、status detail コマンドのサブセットです(「詳細な電子メール ステータスのモニタリング」を参照)。
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大量の送信者を識別するため、またはシステムへの着信接続をトラブルシューティングするために、Cisco IronPort アプライアンスに接続しているホストのモニタが必要になる場合があります。 topin
コマンドは、システムに接続しているリモート ホストのスナップショットを示します。このスナップショットには、特定のリスナーに接続しているリモート IP アドレスごとに 1 つの行を持つテーブルが表示されます。同じ IP アドレスから異なるリスナーへの 2 つの接続に対しては、テーブルに 2 つの行が作成されます。 表 6-9 に、 topin
コマンドを使用したときに表示されるフィールドの説明を示します。
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システムは、リバース DNS ルックアップによってリモート ホスト名を検索してから、フォワード DNS ルックアップによってその名前を検証します。フォワード ルックアップで元の IP アドレスにならない場合、またはリバース DNS ルックアップに失敗した場合、テーブルのホスト名カラムには IP アドレスが表示されます。送信者検証プロセスの詳細については、『 Cisco IronPort AsyncOS for Email Configuration Guide 』の「Sender Verification」を参照してください。
dnsstatus
コマンドは、DNS ルックアップおよびキャッシュ情報の統計を表示するカウンタを返します。カウンタごとに、そのカウンタの最後のリセット以降、最後のシステム リブート以降、およびシステムの存続期間中に発生したイベントの合計数を表示できます。
表 6-10 に、使用可能なカウンタを示します。
resetcounters
コマンドは、累積する電子メール モニタリング カウンタをリセットします。リセットは、グローバル カウンタとホスト単位のカウンタに影響します。リセットは、再試行スケジュールに関連する配信キュー内のメッセージのカウンタには影響しません。
(注) GUI で、カウンタをリセットすることもできます。「[System Status] ページ」を参照してください。
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IronPort AsyncOS では、電子メール キュー内のメッセージに対する動作を実行できます。電子メール キュー内のメッセージは、削除、バウンス、一時停止、またはリダイレクトすることができます。また、キュー内の古いメッセージを検索、削除、およびアーカイブすることもできます。
特定の受信者が配信されていない場合や、電子メール キューをクリアする場合には、 deleterecipients
コマンドを使用します。 deleterecipients
コマンドでは、配信を待つ特定の受信者を削除することによって、電子メール配信キューを管理できます。削除される受信者は、受信者の宛先である受信者ホストによって、または、メッセージ エンベロープの Envelope From 行に指定された特定のアドレスで識別されるメッセージ送信者によって識別されます。または、配信キュー内のすべてのメッセージ(すべてのアクティブ受信者)を一度に削除することもできます。
(注) deleterecipients
機能を実行するには、IronPort アプライアンスをオフラインまたは配信一時停止の状態にすることを推奨します(「IronPort アプライアンスをメンテナンス状態にする」を参照)。
(注) この機能はどの状態でも使用できますが、機能の実行中に一部のメッセージが配信される可能性があります。
受信者ホストおよび送信者の一致は、同一文字列の一致である必要があります。ワイルド カードは使用できません。 deleterecipients
コマンドは、削除されるメッセージの合計数を返します。また、メール ログ サブスクリプション(IronPort テキスト形式のみ)が設定されている場合、メッセージの削除は別個の行としてログに記録されます。
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Cisco IronPort アプライアンスには、必要に応じて受信者を削除するための各種のオプションが用意されています。次に、受信者ホスト別の受信者の削除、Envelope From アドレスによる削除、およびキュー内のすべての受信者の削除の例を示します。
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deleterecipients
コマンドと同様に、 bouncerecipients
コマンドでは、配信を待つ特定の受信者をハード バウンスすることによって、電子メール配信キューを管理できます。メッセージのバウンスは、 bounceconfig
コマンドに指定された通常のバウンス メッセージ設定に従います。
(注) bouncerecipients
機能を実行するには、IronPort アプライアンスをオフラインまたは配信一時停止の状態にすることを推奨します(「IronPort アプライアンスをメンテナンス状態にする」を参照)。
(注) この機能はどの状態でも使用できますが、機能の実行中に一部のメッセージが配信される可能性があります。
受信者ホストおよび送信者の一致は、同一文字列の一致である必要があります。ワイルド カードは使用できません。 bouncerecipients
コマンドは、バウンスされたメッセージの合計数を返します。
(注) bouncerecipients
機能ではリソースが集中的に使用され、完了までに数分かかる場合があります。オフラインまたは配信一時停止の状態の場合は、バウンス メッセージの実際の送信(ハード バウンス生成がオンの場合)は、resume
コマンドを使用して IronPort AsyncOS をオンライン状態にした後でのみ開始されます。
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バウンスされる受信者は、宛先受信者ホストによって、またはメッセージ エンベロープの Envelope From 行に指定された特定のアドレスで識別されるメッセージ送信者によって識別されます。または、配信キュー内のすべてのメッセージを一度にバウンスすることもできます。
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メンテナンスやトラブルシューティングのために電子メールの配信を一時的に停止するには、 suspenddel
コマンドを使用します。 suspenddel
コマンドは、IronPort AsyncOS を配置一時停止の状態にします。この状態には、次のような特徴があります。
suspenddel
コマンドを実行すると、開いていた発信接続が閉じられ、新規の接続は開かれません。 suspenddel
コマンドはただちに開始され、確立しているすべての接続を正常に閉じることができます。配信一時停止の状態から通常の動作に戻すには、 resumedel
コマンドを使用します。
(注) 「delivery suspend」状態は、システムをリブートしても保持されます。suspenddel
コマンドを使用してからアプライアンスをリブートする場合は、resumedel
コマンドを使用してリブートしてから配信を再開する必要があります。
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resumedel
コマンドは、 suspenddel
コマンドの使用後に IronPort AsyncOS を通常の動作状態に戻します。
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すべてのリスナーに対して 電子メールの受信を一時停止するには、 suspendlistener
コマンドを使用します。受信が一時停止されている間、システムはリスナーの特定のポートへの接続を受け入れません。
これは、このリリースの AsyncOS で変更された動作です。以前のリリースでは、システムは接続を受け入れ、次のように応答してから接続解除していました。
• SMTP: 421
hostname Service not available, closing transaction channel
• QMQP: ZService not available
(注) 「receiving suspend」状態は、システムをリブートしても保持されます。suspendlistener
コマンドを使用してからアプライアンスをリブートする場合、リスナーでメッセージの受信を再開するには、resumelistener
コマンドを使用する必要があります。
suspendlistener resumedlistener
コマンドは、 suspendlistener
コマンドの使用後に IronPort AsyncOS を通常の動作状態に戻します。
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resume
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delivernow
コマンドを使用すると、後で配信するようにスケジュールされた受信とホストをただちに再試行できます。 delivernow
コマンドでは、キュー内の電子メールに即時配信を再スケジュールすることができます。down のマークが付いたすべてのドメインと、スケジュールされたメッセージまたはソフト バウンスされたメッセージが、即時配信のキューに入れられます。
delivernow
コマンドは、キュー内の(スケジュールされた、およびアクティブな)すべての受信者または特定の受信者に対して呼び出すことができます。特定の受信を選択する際は、即時配信をスケジュールする受信者のドメイン名を入力する必要があります。システムは、文字列全体の文字と長さを照合します。
delivernow LDAP 受信者アクセス、マスカレード、LDAP 再ルーティング、メッセージ フィルタ、アンチスパム、およびアンチウイルス スキャン エンジンの処理は、すべて「作業キュー」で実行されます。処理フローについては『 Cisco IronPort AsyncOS for Email Advanced Configuration Guide 』の「Configuring Routing and Delivery Features」、および「Messages in Work Queue」ゲージの説明については表 6-2を参照してください。 workqueue
コマンドを使用して、作業キュー部分のメッセージ処理を手動で休止することができます。
たとえば、多くのメッセージが作業キュー内にあるときに、LDAP サーバの設定を変更する必要があるとします。おそらく、LDAP 受信者アクセス クエリーに基づいて、メッセージをバウンスからドロップに切り替えようとします。または、キューを休止して、最新のアンチウイルス スキャン エンジンの定義ファイルを手動で確認( antivirusupdate
コマンドを使用)する可能性もあります。 workqueue
コマンドを使用すると、作業キューを休止してから再開することで、処理を停止した状態で他の設定変更を行うことができます。
作業キューを休止してから再開すると、そのイベントがログに記録されます。次に例を示します。
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(注) 理由の入力は任意です。理由を入力しないと、その理由は [Manually paused by user
] としてログに記録されます。
時折、古くなったメッセージが配信できずに、キューに留まっていることがあります。これらのメッセージは削除したり、アーカイブしたりすることができます。これには、 showmessage
CLI コマンドを使用して、所定のメッセージ ID に対応するメッセージを表示します。 oldmessage
CLI コマンドを使用すると、システム上の最も古い非検疫メッセージが表示されます。その後は、任意で removemessage
を使用して、所定のメッセージ ID に対応するメッセージを安全に削除できます。このコマンドでは、作業キュー、再試行キュー、または宛先キュー内のメッセージのみを削除できます。メッセージがこれらのキューのいずれにもない場合は、削除できません。
また、 archivemessage[mid]
CLI コマンドを使用して、所定のメッセージ ID に対応するメッセージをコンフィギュレーション ディレクトリ内の mbox ファイルにアーカイブすることもできます。
oldmessage
コマンドを使用して、システム検疫内のメッセージのメッセージ ID を取得することはできません。ただし、メッセージ ID がわかっている場合は、指定のメッセージを表示したり、アーカイブしたりすることができます。メッセージが作業キュー、再試行キュー、または宛先キューにないと、 removemessage
コマンドでメッセージを削除することはできません。
(注) IronPort スパム検疫内のメッセージに対しては、これらのキュー管理コマンドを実行できません。
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findevent
CLI コマンドは、オンボックスのメール ログ ファイルを使用して、システム内のメッセージのトラッキング(追跡)プロセスを容易にします。 findevent
CLI コマンドを使用すると、メッセージ ID の検索、またはサブジェクト ヘッダー、エンベロープ送信者、またはエンベロープ受信者に対する正規表現の一致検索によって、メール ログから特定のメッセージを検索できます。現在のログ ファイルやすべてのログ ファイルの結果を表示することも、ログ ファイルを日付別で表示することもできます。ログ ファイルを日付別で表示する場合は、特定の日付か、日付の範囲を指定できます。
ログを表示するメッセージを識別した後は、 findevent
コマンドによって、分裂情報(分裂したログ メッセージ、バウンス、およびシステム生成メッセージ)を含む、そのメッセージ ID に対するログ情報を表示できます。次に、 findevent
CLI コマンドで、サブジェクト ヘッダーに「confidential」とあるメッセージの受信と配信を追跡する例を示します。
IronPort AsyncOS オペレーティング システムは、Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)を使ったシステム ステータスのモニタリングをサポートしています。これには、IronPort のエンタープライズ MIB、ASYNCOS-MAIL-MIB が含まれます。ASYNCOS-MAIL-MIB を使用することで、管理者は、システムの状態をモニタしやすくなります。また、このリリースには、RFC 1213 および 1907 に規定されている MIB-II の読み取り専用のサブセットが実装されています(SNMP の詳細については、RFC 1065、1066、および 1067 を参照してください)。次の点に注意してください。
• SNMP SET 動作(コンフィギュレーション)は実装されません。
• AsyncOS は SNMPv1、v2、および v3 をサポートしています。
• このサービスをイネーブルにするには、パスワード認証と DES 暗号化を伴う SNMPv3 の使用が必須です(SNMPv3 の詳細については、RFC 2571 ~ 2575 を参照してください)。SNMP システム ステータスのモニタリングをイネーブルにするには、少なくとも 8 文字の SNMPv3 パスフレーズを設定する必要があります。最初に SNMPv3 パスフレーズを入力するときは、確認のためにそのパスフレーズを再入力する必要があります。次に snmpconfig
コマンドを実行するときは、コマンドにこのフレーズが「記憶」されています。
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• SNMPv1 または SNMPv2 のみを使用する場合は、コミュニティ ストリングを設定する必要があります。コミュニティ ストリングは、 public
にデフォルト設定されません。
• SNMPv1 および SNMPv2 の場合、どのネットワークからの SNMP GET 要求を受け入れるかを指定する必要があります。
• トラップを使用するには、SNMP マネージャ(AsyncOS には含まれていません)が実行中であり、その IP アドレスがトラップ ターゲットとして入力されている必要があります(ホスト名を使用できますが、その場合、トラップは DNS が動作しているときに限り機能します)。
snmpconfig
コマンドを使用して、アプライアンスの SNMP システム ステータスを設定します。インターフェイスの値を選択し、設定し終えると、アプライアンスは SNMPv3 GET 要求に応答します。これらのバージョン 3 要求には、一致するパスワードが含まれている必要があります。デフォルトでは、バージョン 1 および 2 要求は拒否されます。イネーブルにする場合は、バージョン 1 および 2 要求に一致するコミュニティ ストリングが含まれている必要があります。
IronPort システムには、「Structure of Management Information」(SMI)ファイルとして「エンタープライズ」MIB が装備されています。
• ASYNCOS-MAIL-MIB.txt:IronPort アプライアンス用のエンタープライズ MIB の SNMPv2 互換の説明。
• IRONPORT-SMI.txt:IronPort の SNMP 管理対象製品における ASYNCOS-MAIL-MIB の役割を定義します。
これらのファイルは、Cisco IronPort アプライアンスに付属のドキュメンテーション CD に収録されています。また、IronPort カスタマー サポートを通じてこれらのファイルを要求することもできます。
Intelligent Platform Management Interface Specification(IPMI)準拠のハードウェア センサーが温度、ファン スピード、および電源モジュール ステータスを報告します。
表 6-11 に、どのモデルでどのハードウェア派生オブジェクトをモニタリングに使用できるかを示します。表示されている数字は、モニタできるオブジェクトのインスタンスの数です。たとえば、C10 アプライアンスの 3 つのファン、および C300/C600/X1000 アプライアンスの 6 つのファンについてクエリーを送信できます。
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ステータス |
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いずれのモデルでも、SNMP を使用してディスク ドライブの状態とネットワーク インターフェイスのリンク ステータスをモニタできます。
表 6-12 に、ハードウェア トラップが送信される温度およびハードウェアの条件を示します。
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モジュール |
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ステータス変更トラップは、ステータスが変更されると送信されます。ファン障害および高温トラップは、5 秒ごとに送信されます。その他のトラップは、障害条件アラーム トラップです。これらのトラップは、ステータスが(良好から障害へ)変更されたときに一度だけ送信されます。ハードウェア ステータス テーブルにポーリングを送信して、致命的な状況になる前に潜在的なハードウェア障害を識別することを推奨します。重大値の 10 % 以内の温度を不安原因と考えることができます。
障害条件アラーム トラップは、個々のコンポーネントの致命的な障害を示しますが、システム全体の障害の原因になるとは限りません。たとえば、C600 アプライアンスで 1 つのファンまたは電源モジュールに障害が発生しても、アプライアンスは動作し続けます。
SNMP には、1 つまたは複数の条件が満たされたときに管理アプリケーション(通常は、SNMP 管理コンソール)に知らせるためのトラップ(または通知)を送信する機能が備わっています。トラップとは、トラップを送信するシステムのコンポーネントに関するデータを含むネットワーク パケットです。トラップは、SNMP エージェント(この場合は Cisco IronPort アプライアンス)である条件が満たされた場合に生成されます。条件が満たされると、SNMP エージェントは SNMP パケットを形成し、標準の SNMP トラップ ポートであるポート 162 経由で送信します。次の例では、トラップ ターゲット snmp-monitor.example.com
およびトラップ コミュニティ ストリングが入力されています。これは、IronPort アプライアンスから SNMP トラップを受信する SNMP 管理コンソール ソフトウェアを実行しているホストです。
インターフェイスに対して SNMP をイネーブルにするときに、SNMP トラップを設定(特定のトラップをイネーブルまたはディセーブルに)できます。トラップ ターゲットの入力を求められたときに、複数のトラップ ターゲットを指定するには、カンマで区切った IP アドレスを 10 個まで入力できます。
次の例では、 snmpconfig
コマンドを使用して、ポート 161 の「PublicNet」インターフェイスで SNMP をイネーブルにしています。バージョン 3 のパスフレーズが入力され、確認のために再入力されています。システムは、バージョン 1 および 2 要求を処理するように設定されており、これらのバージョン 1 および 2 からの GET 要求に対してコミュニティ ストリング public
が入力されています。トラップ ターゲット snmp-monitor.example.com
が入力されています。最後に、システムの場所と連絡先情報が入力されています。