インテリジェント アプリケーション バイパス
次のトピックでは、インテリジェント アプリケーション バイパス(IAB)を使用するようアクセス コントロール ポリシーを設定する方法について説明します。
IAB の概要
IAB は、パフォーマンスとフローのしきい値を超過した場合に追加のインスペクションなしでネットワークを通過する信頼されるアプリケーションを特定します。たとえば、毎晩のバックアップがシステム パフォーマンスに大きく影響する場合、しきい値を超えてもバックアップ アプリケーションが生成したトラフィックを信頼するように設定できます。オプションで、インスペクション パフォーマンスしきい値を超過したときに、IAB が、いずれかのフロー バイパスしきい値を超えるすべてのトラフィックをアプリケーションのタイプに関係なく信頼するように IAB を設定できます。このオプションには、バージョン 6.0.1.4 か、後続の 6.0.1.x パッチが必要です。
IAB は、アクセス コントロール ルールまたはアクセス コントロール ポリシーのデフォルト アクションによって許可されるトラフィックに対し、トラフィックが詳細なインスペクションの対象となる前に実行されます。テスト モードでは、しきい値を超過しているかどうか判断することと、しきい値を超過している場合、IAB を実際に有効化している状態(バイパス モードといいます)であればバイパスされたであろうアプリケーション フローを特定することが可能です。
次の図は、IAB の決定プロセスを示します。

IAB オプション
状態
IAB を有効または無効にします。
パフォーマンス サンプル インターバル(Performance Sample Interval)
システムが IAB パフォーマンスしきい値との比較のためにシステム パフォーマンス メトリックを収集する IAB パフォーマンス サンプリング スキャンの間隔を秒単位で指定します。値を 0 にすると、IAB が無効になります。
バイパス可能なアプリケーションとフィルタ(Bypassable Applications and Filters)
この機能には、相互に排他的な、次の 2 つのオプションがあります。
- アプリケーション/フィルタ(Applications/Filters)
- バイパス可能なアプリケーションおよびアプリケーション(フィルタ)のセットを指定できるエディタが提供されます。アプリケーション条件(アプリケーション制御)を参照してください。
- 未確認アプリケーションを含むすべてのアプリケーション
- インスペクション パフォーマンスしきい値を超過すると、アプリケーションのタイプに関係なく、いずれかのフロー バイパスしきい値を超過するすべてのトラフィックを信頼します。このオプションを使用するにはバージョン 6.0.1.4 またはそれ以降の 6.0.1.x パッチが必要です。
検査パフォーマンスしきい値(Inspection Performance Thresholds)
検査パフォーマンスしきい値は、侵入検査パフォーマンスの限界を提供し、これを超えるとフローしきい値の検査が開始されます。IAB は、0 に設定されている検査パフォーマンスしきい値を使用しません。
![]() (注) | インスペクション パフォーマンスしきい値とフロー バイパスしきい値は、デフォルトでは無効化されています。IAB がトラフィックを信頼するには、少なくともいずれか 1 つを有効化し、いずれか 1 つを超過している必要があります。インスペクション パフォーマンスしきい値またはフロー バイパスしきい値を複数有効にした場合、IAB がトラフィックを信頼するには、いずれか 1 つのみを超過する必要があります。 |
- ドロップ率(Drop Percentage)
-
消費が激しい侵入ルール、ファイル ポリシー、圧縮解除などによってパフォーマンス過負荷となったためにパケットがドロップされた場合にドロップされたパケットが、パケット全体に占める割合の平均。侵入ルールのような通常の設定によってドロップされるパケットは含まれません。1 より大きい整数を指定すると、指定された割合のパケットがドロップされると IAB がアクティブになることに注意してください。1 を指定すると、0 ~ 1 の任意の割合によって IAB がアクティブになります。これにより、少数のパケットで IAB をアクティブにすることができます。
- プロセッサ使用率(Processor Utilization Percentage)
-
プロセッサ リソースの平均使用率。
- パケット遅延(Package Latency)
-
マイクロ秒単位の平均パケット遅延。
- フロー レート(Flow Rate)
-
1 秒あたりのフロー数で測定される、システムによるフロー処理率。このオプションでは、IAB は、フローを件数ではなくレートで測定するように設定されることに注意が必要です。
フロー バイパスしきい値(Flow Bypass Thresholds)
フロー バイパスしきい値ではフロー制限が提供され、これを超えると、IAB がバイパス モードでバイパス可能なアプリケーション トラフィックを信頼するようにトリガーされるか、またはテスト モードで追加の検査を受けるアプリケーション トラフィックが許可されます。IAB は、0 に設定されているフロー バイパスしきい値を使用しません。
![]() (注) | インスペクション パフォーマンスしきい値とフロー バイパスしきい値は、デフォルトでは無効化されています。IAB がトラフィックを信頼するには、少なくともいずれか 1 つを有効化し、いずれか 1 つを超過している必要があります。インスペクション パフォーマンスしきい値またはフロー バイパスしきい値を複数有効にした場合、IAB がトラフィックを信頼するには、いずれか 1 つのみを超過する必要があります。 |
- フローあたりのバイト数
-
フローに含めることができる最大サイズ(KB)。
- フローあたりのパケット数
-
フローに含めることができるパケットの最大個数。
- フロー継続時間
-
フローをオープンのままにできる最長時間(秒)。
- フロー速度
-
最大転送速度(KB/秒)。
IAB の設定
|
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
|---|---|---|---|---|
|
任意(Any) |
Control |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin |
![]() 注意 | すべての展開に IAB が必要なわけではありません。IAB を使用する展開では、限定的な方法で IAB を使用する場合があります。ネットワーク トラフィック(特にアプリケーション トラフィック)とシステム パフォーマンス(予測可能なパフォーマンスの問題を含む)の専門知識がある場合を除き、IAB を有効化しないでください。バイパス モードで IAB を実行する前に、指定したトラフィックを信頼してもリスクが発生しないことを確認します。 |
| ステップ 1 | アクセス コントロール ポリシー エディタで [詳細(Advanced)] タブをクリックし、[インテリジェント アプリケーション バイパス設定(Intelligent Application Bypass Settings)] の横にある編集アイコン( 代わりに表示アイコン( |
| ステップ 2 | IAB のオプションを設定します。
少なくとも 1 つのインスペクション パフォーマンスしきい値と 1 つのフロー バイパスしきい値を指定する必要があります。IAB がトラフィックを信頼するには、両方を超過している必要があります。各タイプに複数のしきい値を入力した場合、いずれか 1 つのタイプのみを超過する必要があります。詳細については、IAB オプションを参照してください。 |
| ステップ 3 | [OK] をクリックして IAB 設定を保存します。 |
| ステップ 4 | [保存(Save)] をクリックしてポリシーを保存します。 |
次の作業
-
設定変更を展開します。設定変更の導入を参照してください。
IAB のロギングと分析
IAB は、接続ロギングを有効にしたかどうかを問わず、バイパスされたフローやバイパスされることが予想されるフローをロギングする接続終了イベントを強制します。接続イベントは、バイパス モードでバイパスされたフロー、またはテスト モードでバイパスされることが予想されるフローを示します。接続イベントに基づいたカスタムのダッシュボード ウィジェットやレポートでは、バイパスされたフローおよびバイパスされることが予想されるフローの長期的な統計情報を表示できます。
IAB の接続イベント
- アクション(Action)
-
[理由(Reason)] に [インテリジェント アプリケーション バイパス(Intelligent App Bypass)] が含まれる場合:
- 許可(Allow):
-
適用された IAB 設定がテスト モードであり、[アプリケーション プロトコル(Application Protocol)] によって指定されたアプリケーションのトラフィックが、インスペクション用に使用可能のままであることを示します。
- 理由(Reason)
-
[インテリジェント アプリケーション バイパス(Intelligent App Bypass)] は、IAB がバイパス モードまたはテスト モードでイベントをトリガーしたことを示します。
- アプリケーション プロトコル(Application Protocol)
-
このフィールドには、イベントをトリガーしたアプリケーション プロトコルが表示されます。
例
次の省略された図では、一部のフィールドが省かれています。図は、2 つの別個のアクセス コントロール ポリシーの異なる IAB 設定から生成された 2 つの接続イベントの [アクション(Action)]、[理由(Reason)]、および [アプリケーション プロトコル(Application Protocol)] フィールドを示しています。
最初のイベントの場合、[信頼する(Trust)] アクションは、IAB がバイパス モードで有効にされており、Bonjour プロトコル トラフィックが信頼されているため、それ以上インスペクションが行われずに受け渡されることを示します。
2 番目のイベントの場合、[許可(Allow)] アクションは、IAB がテスト モードで有効にされているため、Ubuntu Update Manager トラフィックはさらにインスペクションが行われる必要がありますが、IAB がバイパス モードであればバイパスされることが予想されることを示します。

例
次の省略された図では、一部のフィールドが省かれています。2 番目のイベントのフローは両方とも([アクション(Action)]:[信頼する(Trust)]、[理由(Reason)]:[インテリジェント アプリケーション バイパス(Intelligent App Bypass)])をバイパスし、侵入ルール([理由(Reason)]:[侵入モニタ(Intrusion Monitor)])によって検査されました。[侵入モニタ(Intrusion Monitor)] の理由は、[イベントの生成(Generate Events)] に設定された侵入ルールが検出されたが、接続時にエクスプロイトをブロックしなかったことを示しています。この例では、これはアプリケーションが検出される前に発生しました。アプリケーションが検出された後、IAB は、アプリケーションがバイパス可能であると認識し、フローを信頼しました。

IAB のカスタム ダッシュボード ウィジェット
接続イベントに基づいて長期的な IAB の統計情報を表示するカスタム分析ダッシュボード ウィジェットを作成できます。ウィジェットを作成する際には、次の項目を指定します。
例
次のカスタム分析ダッシュボード ウィジェットの例では、次のようになっています。
-
「Bypassed」の例は、アプリケーションがバイパス可能として指定され、IAB が展開済みのアクセス コントロール ポリシーにおいてバイパス モードで有効になっているためにバイパスされたアプリケーション トラフィックの統計を示しています。
-
「Would Have Bypassed」の例は、アプリケーションがバイパス可能として指定され、IAB が展開済みのアクセス コントロール ポリシーにおいてテスト モードで有効になっているためにバイパスされることが予想されたアプリケーション トラフィックの統計を示しています。.

IAB のカスタム レポート
接続イベントに基づいて長期的な IAB の統計情報を表示するカスタム レポートを作成できます。レポートを作成する際には、次の項目を指定します。
例
次の図は、2 つのレポートの例の抜粋を示します。
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「Bypassed」の例は、アプリケーションがバイパス可能として指定され、IAB が展開済みのアクセス コントロール ポリシーにおいてバイパス モードで有効になっているためにバイパスされたアプリケーション トラフィックの統計を示しています。
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「Would Have Bypassed」の例は、アプリケーションがバイパス可能として指定され、IAB が展開済みのアクセス コントロール ポリシーにおいてテスト モードで有効になっているためにバイパスされることが予想されたアプリケーション トラフィックの統計を示しています。



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