概要

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、サービスの高速化、マルチレイヤセキュリティ、クラウドネイティブの俊敏性、エッジでのインテリジェンスを実現し、クラウドへの移行を促進するために設計された、クラス最高レベルの 5G 対応クラウド エッジ プラットフォームです。

Cisco IOS XE SD-WAN ソフトウェアを搭載した Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームを利用すれば、クラウド対応のセキュアな Cisco SD-WAN ソリューションをブランチに導入できます。Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、高性能の統合 SD-WAN サービスに加えて、クラウドまたはオンプレミスのいずれでもセキュリティサービスおよびネットワークサービスを提供できる柔軟性を備えています。また、高密度の WAN ポートと冗長電源にも対応しています。Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームには、モジュール密度の高いものから低いものまで各種インターフェイスオプションが用意されています。インターフェイスは、既存の WAN、LTE、音声、コンピューティング モジュールと下位互換性があります。Catalyst 8500 シリーズ プラットフォームは、Cisco IOS XE、完全にプログラム可能なソフトウェアアーキテクチャ、API をベースに大規模な自動化を促進し、ワークロードをクラウドに移行しながらゼロタッチ IT を実現します。また、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、Trustworthy ソリューション 2.0 インフラストラクチャも搭載しているため、整合性をチェックして脅威を修復することで、脅威や脆弱性からプラットフォームを保護します。

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、中規模~大規模の企業のブランチオフィスで統合 SD-WAN サービスを利用し、高い WAN IPSec パフォーマンスを実現するのに適しています。

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、次の使用例を対象にします。

  • エンタープライズ ブランチ オフィス、マネージド サービス プロバイダー CPE、DIA 用インターネットゲートウェイ、SD-WAN を搭載した SASE クラウドプラットフォーム

  • 次世代のソフトウェアデファインド(SD)ブランチ ルーティング プラットフォーム

機能と仕様の詳細については、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのデータシートを参照してください。


(注)  


このドキュメントのセクションは、特定のモデルへの参照が明示的に行われない限り、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのすべてのモデルに適用されます。

この章は、次の項で構成されています。

シャーシの外観

このセクションでは、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームの電源入力および I/O 側の外観について説明し、電源インターフェイスと信号インターフェイス、モジュールスロット、ステータスインジケータ、シャーシ ID ラベルの位置を示します。

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは次のモデルで使用できます。

  • C8200-1N-4T

  • C8200L-1N-4T


(注)  


N = ネットワーク インターフェイス モジュール、T = ギガビットイーサネット


電源入力側および I/O 側

図 1. Cisco 8200 シリーズ シャーシ:I/O 側
表 1. I/O 側

1

ロゴ

2

ステータス LED

3

USB

4

RJ-45 ポート GE0/0/0 ~ 0/0/1

5

ギガビット イーサネット ポート GE0/0/2 ~ 0/0/3

(SFP)

6

LTE モジュール(PIM)

7

NIM モジュール

8

ケンジントン ロック

9

RJ-45 コンソール

10

M.2 USB/NVMe ストレージ

11

RFID(プロビジョニング可能)

図 2. Cisco 8200 シリーズ シャーシ:電源入力側
表 2. 電源入力側

1

スイッチ

2

AC 電源ソケット

3

PoE アダプタ

4

ファン

5

アースラグの固定位置

LED の詳細については、LED インジケータに関するセクションを参照してください。

プラットフォームの概要

下図は、コンポーネントとモジュールの場所を含む Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームの内部ビューを示しています。

図 3. Cisco 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのプラットフォーム概要

1

DIMM

2

CPU

3

ファン

4

PIM スロット

5

M.2 カードスロット

6

NIM スロット

ラベルの位置

次の図は、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのラベルの位置を示しています。すべての Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームで、ラベルは同じ位置にあります。

シリアル番号(SN)、共通言語機器 ID(CLEI)、トップアセンブリ番号(TAN)、 製品 ID(PID)、PID バージョン ID(VID)、およびクイックレスポンス(QR)コードは、プラットフォームの背面上のラベル、またはシャーシ上にあるラベルトレイに印刷されています。


(注)  


デバイスの RFID タグは事前に取り付けられており、予備の RFID タグは付属していません。


図 4. Cisco 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのラベル位置

1

準拠ラベル

2

RFID

製品識別の詳細の確認

ソフトウェア ライセンス

シリアル番号(SN)、製品 ID(PID)、バージョン ID(VID)、および共通言語機器識別子(CLEI)は、デバイス底面のラベル、またはラベルトレイに印刷されています。

ソフトウェアライセンスを取得するには、ライセンスをインストールするデバイスの固有デバイス識別子(UDI)が必要です。

UDI には 2 つの主要コンポーネントがあります。

  • 製品 ID(PID)

  • シリアル番号(SN)

Cisco Internet Operating System(IOS)ソフトウェアの特権 EXEC モードで show license udi コマンドを使用すると、UDI を表示できます。

1

ラベルトレイ

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのハードウェア機能

このセクションでは、Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームのハードウェア機能について説明します。

組み込みのインターフェイス ポート

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームには、複数の 10/100/1000 前面パネルポートと Small Form Pluggable があります。

GE ポートまたは SFP ポート

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームでは、次の GE および SFP ポートを使用できます。

GE ポート

GE RJ-45 銅線インターフェイス ポートは、10BASE-T、100BASE-TX、および 1000BASE-T をサポートしています。

SFP ポート

Small Form-Factor Pluggable(SFP)ポートは、1 Gbps SFP モジュールをサポートしています。

着脱式および交換式のモジュールおよびカード

外部スロットに接続されているネットワーク インターフェイス モジュール(NIM)、着脱可能インターフェイスモジュール(PIM)、M.2 USB/NVMe ストレージは、シャーシを開かないで取り外しまたは交換することができます。

外部スロット

  • ネットワーク インターフェイス モジュール(NIM)

  • 着脱可能インターフェイスモジュール(PIM)

  • M.2 USB/NVMe ストレージ


(注)  


LTE 着脱可能インターフェイスモジュールは、USB3.0 インターフェイスを介してホスト CPU と接続します。その後、ホストは、着脱可能モジュールの I2C インターフェイスを介して LTE 関連信号にアクセスします。


内部スロット

  • メモリ

サポートされるモジュールおよびインターフェイスカードのリストについては、cisco.com の Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォーム製品のページを参照してください。

メモリ

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームには、実行コンフィギュレーションおよびルーティングテーブルを保存する DIMM が搭載されており、またネットワークインターフェイスによるパケットバッファリングに使用されます。

  • ブート/NVRAM:bootstrap プログラム(ROM モニター)、およびコンフィギュレーション レジスタを格納します。ブート/NVRAM は保守可能ではありません。

  • 内部メモリ:内部ブートフラッシュメモリ

  • 着脱式 M.2 カード:16GB(デフォルト)、32GB M.2 USB、600GB M.2 NVMe SSD、および 2TB M.2 NVMe で使用可能。

  • DRAM オプション

    • 1 X 8GB DDR4(デフォルト)

    • 1 X 16GB DDR4(アップグレード)

    • 1 X 32GB DDR4(アップグレード)


    (注)  


    C8200L-1N-4T のデフォルトの DRAM は 4GB です。Cisco SD-WAN の場合、8GB 以上のメモリを推奨します。


電源モジュール

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームには内部電源装置があります。AC 電源ソケットに接続するための適切な AC コードが製品に付属しています。オプションの PoE は PoE アダプタを利用すれば使用できます。電源接続の位置(AC 電源ソケットおよび PoE アダプタ)については、図 2 を参照してください。

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームの LED

図 5. 前面(I / O)側の LED ステータスインジケータ
表 3. LED インジケータ

LED

説明

1

PSU

緑/オレンジ

電源ステータス

消灯:システムの電源がオフです。

緑:取り付けられているすべての PSU は正常に動作しています。

2

STATUS

緑/オレンジ/赤

システム ステータス

赤:システムは起動中です。

赤に点滅:システムでハードウェア整合性エラーが発生しました。

黄:Rommon の起動が完了し、システムは Rommon プロンプト状態またはプラットフォーム ソフトウェアの起動中です。

緑:通常のシステム動作です。

3

ENV

緑/オレンジ/赤

環境ステータス

消灯:モニターはアクティブではありません。

赤:システムが重大な過電流イベントを検出し、シャットダウンする可能性があります。

オレンジに点滅:システムの 1 つ以上の温度センサーが許容範囲外です。

オレンジ:システムの 1 つ以上のファンが許容範囲外です。

緑:システムのすべての温度センサーとファンが許容範囲内にあります。

LINK

RJ-45 管理イーサネットリンク LED

消灯:リンクなし

緑:イーサネットケーブルが存在し、反対側とのリンクが確立しています。

SPEED

RJ-45 管理イーサネット速度 LED

消灯:リンクなし

緑の点滅:点滅の頻度はポートの速度を示します。

1 回点滅:10Mbps リンク速度

2 回点滅:100Mbps リンク速度

3 回点滅:1000Mbps リンク速度

SFP EN

SFP イネーブル LED

消灯:存在しない

緑:SFP はサポートされており、障害はありません。

オレンジ:SFP はサポートされていないか、障害の状態です。

SFP リンク

SFP リンク LED

消灯:リンクなし(存在しない)

緑:リンクの確立

ファン、通気、エアーフロー

シャーシの換気

シャーシの温度は内部ファンによって調整されます。オンボードの温度センサーおよび圧力センサーは、ファンの速度を制御します。デバイスの電源がオンの場合、ファンは常に稼働しています。いかなる場合もファンは最低限の速度で作動して、電力を節約するとともにノイズを軽減します。周囲の温度や高度が高い場合は、必要に応じて高速で動作します。

図 6. C8200 シリーズ エッジ プラットフォームのエアーフロー

スロット、サブスロット/ベイ、ポート、インターフェイス

Cisco Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォームは、次のインターフェイスモジュールをサポートしています。ネットワークモジュール(NIM)、着脱可能インターフェイスモジュール(PIM)。

いずれの場合も、デバイスはスロット、ベイ、ポートを表示する 3 タプル表記を使用してインターフェイスを指定します。3 タプルの値はゼロ ベースです。3 タプルの例は 0/1/2 です。この例は、スロット 0、スロット 0 の 2 番目のベイ(最初のベイは 0 であり、2 番目ベイが 1)、ベイ 1 の第 3 ポートを意味します。詳細な例は、以下の表を参照してください。

表 4. スロット、サブスロット/ベイ、ポート番号

3 タプルの例

スロット

ベイ

ポート

0/1/2

0

第 2

第 3

0/0/1

0

第 1

第 2

1/1/1

1

第 2

第 2

  • スロット/ベイは、左から右に上から下に番号付けされます。

  • 1 つの USB ポート(USB0)があります。スロット、ベイの番号はありません。


(注)  


USB0 を使用してフラッシュドライブを挿入できます。


スロット番号

スロット番号は、0、1、2 です。

スロット 0 について

次は、スロット 0 の主要機能です。

  • スロット 0 は統合ポートおよび NIM 用に予約されています。

サブスロットおよびベイの番号付け
  • 統合デバイス(統合ポートまたは FPGE)と NIM は、ベイ 0 の固定セクションにあります。

  • 統合デバイスと統合 NIM がベイ 0 を使用するため、マザーボードの NIM ベイはベイ 1 から始まります。