スマートライセンス

この章では、Cisco スマート ライセンス クライアント機能の概要について説明し、製品の登録と承認を完了するために必要な複数のツールとプロセスについても説明します。

この章は、次の項で構成されています。

スマートライセンシングの概要

シスコ スマート ライセンシングは、シスコ ポートフォリオ全体および組織全体でソフトウェアをより簡単かつ迅速に一貫して購入および管理できる柔軟なライセンス モデルです。また、これは安全です。ユーザーがアクセスできるものを制御できます。スマートライセンスを使用すると、次のことが可能になります。

  • 簡単なアクティベーション:スマートライセンスは、組織全体で使用できるソフトウェアライセンスのプールを確立します。PAK(製品アクティベーションキー)は不要です。

  • 管理の統合:My Cisco Entitlements(MCE)は、使いやすいポータルですべてのシスコ製品とサービスの完全なビューを提供します。

  • ライセンスの柔軟性:ソフトウェアはハードウェアにノードロックされていないため、必要に応じてライセンスを簡単に使用および転送できます。

スマートライセンスを使用するには、まず Cisco Software Central でスマートアカウントを設定する必要があります(http://software.cisco.com/)。

シスコライセンスの詳細な概要については、https://cisco.com/go/licensingguide を参照してください。

アクセスルータとエッジルータのスマートライセンス設定については、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/ios-xml/ios/smart-licensing/qsg/b_Smart_Licensing_QuickStart/b_Smart_Licensing_QuickStart_chapter_01.htmlを参照してください。

Cisco Smart Licensing クライアントの前提条件

  • Smart Licensing クライアント機能を使用する前に、Call Home が有効になっていることを確認します。

  • デバイスが Smart Licensing モードをサポートする Cisco IOS XE Everest 16.6.1 バージョンを実行していることを確認します。

Cisco Smart Licensing クライアントの制約事項

  • Cisco 4000 シリーズ ISR プラットフォームでは、Cisco IOS XE リリース 16.6.1 以降、Cisco スマートライセンスの Cisco ONE スイートライセンス、テクノロジー パッケージ ライセンス、スループットライセンス、および HSECK9 ライセンスがサポートされます。

Cisco Smart Licensing クライアントの情報

Cisco Smart Licensing:概要

Smart Licensing には、お客様の注文をキャプチャし、Smart Call Home トランスポートゲートウェイを介してCisco Cloud License Service と通信する機能があります。さらに、Smart Call Home トランスポートゲートウェイは、目的とするシスコ製品のパフォーマンスとテクノロジーレベルに基づいて、製品の登録と承認を完了するのに役立ちます。Call Home の詳細については、 Call Home を参照してください。

Smart Licensing のメリットは次のとおりです。

  • Foundation スイートおよび Active Directory ユーザーとコンピュータ(ADUC)スイートを含む、Cisco IOS ソフトウェアライセンス(CISL)およびスマートラインセスモードでの CiscoONE スイートのサポート。

  • 従来のライセンス(CSL)とスマートライセンスモードを切り替える機能。

  • 4 つのソフトウェア ユニバーサル イメージ(NPE、NO-LI、NPE-NO-LI、および非 NPE イメージ)のサポート。

CSL から Smart Licensing への移行

Cisco Smart Licensing モデルでは、特別なソフトウェア キーまたはアップグレード ライセンス ファイルを使用せずに、ライセンス付き機能をアクティベートできます。新しい機能をアクティベートするには、適切な製品コマンドおよび設定を使用します。機能がアクティベートされます。 ソフトウェアのリブートは、製品の機能と要件によって変わるので必要だとは限りません。

同様に、高度な機能、パフォーマンス、および機能のダウングレードまたは削除を行うには、設定やコマンドを削除する必要があります。

上記アクションのいずれかが実行されると、ライセンスの状態の変更は次回同期時に Smart Software Manager で示され、適切なアクションが実行されます。

Cisco ONE スイート

Cisco ONE スイートは、お客様がインフラストラクチャ ソフトウェアを購入するための新しい方法です。Cisco ONE はデータセンター、ワイドエリア ネットワーク、およびローカルアクセス ネットワークに共通のお客様のシナリオに集中化された、簡素な購買モデルを提供します。

スマートライセンスによって、スマートライセンスの Cisco ONE スイートレベルのライセンス、IP ベース、拡張 IP サービス(AIS)、高度なエンタープライズサービス(AES)、機能ライセンスなどのイメージライセンス、およびスループットパフォーマンス、暗号化スループット、およびポートのライセンスがサポートされます。

Cisco ONE スイートについての詳細は、『Cisco ONE Suite』を参照してください。

Cisco Smart Licensing クライアントをアクティベートする方法

スマート ライセンスのイネーブル化

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. license smart enable
  4. exit
  5. write memory
  6. show license all

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

license smart enable

例:

Device# license smart enable

デバイス上の Smart Licensing を有効にします。

(注)  

 

スマート ライセンスを有効にすると、シスコ ソフトウェア ライセンス(CSL )およびすべてのライセンス コールは、スマート エージェントを通過します。

[no] でスマート ライセンスがすでに登録されている場合、スマート エージェントは 「license smart deregister」の操作を実行して Smart Licensing を無効化します。デバイスの CSL をアクティブにするには、デバイスをリロードします。

ステップ 4

exit

例:

Device# exit

グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 5

write memory

例:

Device# write memory

NVRAM に実行コンフィギュレーションを保存します。

ステップ 6

show license all

例:

Device# show license all

(任意)すべてのライセンスに関するサマリー情報を表示します。

スマートライセンスの無効化

手順の概要

  1. enable
  2. configure terminal
  3. no license smart enable
  4. exit
  5. write memory
  6. reload
  7. show license all

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

no license smart enable

例:

Device(config)# no license smart enable

デバイス上の Smart Licensing を無効化します。

(注)  

 

スマート ライセンスを有効にすると、シスコ ソフトウェア ライセンス(CSL )およびすべてのライセンス コールは、スマート エージェントを通過します。[no] でスマート ライセンスがすでに登録されている場合、スマート エージェントは 「license smart deregister」の操作を実行して Smart Licensing を無効化します。デバイスの CSL をアクティブにするには、デバイスをリロードします。

ステップ 4

exit

例:

Device(config)# exit

グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 5

write memory

例:

Device# write memory

NVRAM に実行コンフィギュレーションを保存します。

ステップ 6

reload

例:

Device# reload

(任意)デバイスを再起動して、新しいフィーチャ セットをイネーブルにします。

(注)  

 

Cisco ONE スイートを設定した後でデバイスをリロードしていない場合はデバイスをリロードします。

ステップ 7

show license all

例:

Device# show license all

(任意)すべてのライセンスに関するサマリー情報を表示します。

デバイス登録

手順の概要

  1. enable
  2. license smart register idtoken idtoken [force]
  3. license smart deregister
  4. license smart renew [ID | auth]

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

license smart register idtoken idtoken [force]

例:

Device# license smart register idtoken 123
バックエンドのサーバーとデバイスと登録します。トークン ID は Smart Licensing サーバーの仮想 a/c から取得できます。
  • force :デバイスが登録されているかどうかに関わらずデバイスを強制的に登録します。

(注)  

 
デバイスは Cisco サーバーにトークン ID を提供し、365 日間有効な「デバイス証明書」が返送されます。

ステップ 3

license smart deregister

例:

Device# license smart deregister

バックエンドのサーバーからデバイスを登録解除します。

ステップ 4

license smart renew [ID | auth]

例:

Device# license smart renew ID

(任意)手動で ID 認定または承認を更新します。

ライセンスブートレベル、ライセンス機能 hseck9、およびプラットフォーム ハードウェア スループット レベルの詳細については、『Smart Licensing Guide for Access and Edge Routers』を参照してください。

Cisco Smart Licensing クライアントのトラブルシューティング

Smart Licensing の有効化の問題をトラブルシューティングするにはデバイスで次のコマンドを使用します。

  • show version

  • show running-config

  • show license summary

  • show license all

  • show license tech support

  • debug smart_lic error

  • debug smart_lic trace

Cisco Smart Licensing クライアントの設定例

例:すべてのライセンスに関するサマリー情報の表示

次に show license all コマンドを使用して、すべてのライセンスについての要約情報を表示する例を示します。

Device#show license all
Smart Licensing Status
======================

Smart Licensing is ENABLED

Registration:
Status: REGISTERED
Smart Account: BU Production Test
Virtual Account: ISR4K
Export-Controlled Functionality: Allowed
Initial Registration: SUCCEEDED on Sep 04 15:40:03 2015 PDT
Last Renewal Attempt: None
Next Renewal Attempt: Mar 02 15:40:02 2016 PDT
Registration Expires: Sep 03 15:34:53 2016 PDT

License Authorization:
Status: AUTHORIZED on Sep 04 15:40:09 2015 PDT
Last Communication Attempt: SUCCEEDED on Sep 04 15:40:09 2015 PDT
Next Communication Attempt: Oct 04 15:40:08 2015 PDT
Communication Deadline: Dec 03 15:35:01 2015 PDT

License Usage
==============

ISR_4400_FoundationSuite (ISR_4400_FoundationSuite):
Description: Cisco ONE Foundation Perpetual License ISR 4400
Count: 1
Version: 1.0
Status: AUTHORIZED

ISR_4400_AdvancedUCSuite (ISR_4400_AdvancedUCSuite):
Description: Cisco ONE Advanced UC Perpetual License ISR 4400
Count: 1
Version: 1.0
Status: AUTHORIZED

ISR_4451_2G_Performance (ISR_4451_2G_Performance):
Description: Performance on Demand License for 4450 Series
Count: 1
Version: 1.0
Status: AUTHORIZED

Product Information
===================
UDI: PID:ISR4451-X/K9,SN:FOC17042FJ9

Agent Version
=============
Smart Agent for Licensing: 1.4.0_rel/16
Component Versions: SA:(1_4_rel)1.0.15, SI:(dev22)1.2.6, CH:(dev5)1.0.32, PK:(dev18)1.0.17


Device#

例:Smart Licensing の有効化

次に、Cisco ONE スイートが有効になっているかどうかを確認するために license smart enable コマンドを使用する方法の例を示します。


(注)  


次の例で表示される警告メッセージは、Cisco ISR G2 プラットフォームにのみ適用されます。Cisco 4000 シリーズ ISR プラットフォームの場合は、スマートライセンスを有効にしても警告メッセージは表示されません。
Device# license smart enable 
Currently only Cisco ONE license suites are supported by Smart Licensing.
Please make sure your Cisco ONE suites are enabled before turning on Smart Licensing.
Any other licenses outside of Cisco ONE suites would be disabled and made unusable in Smart Licensing. 
If you have any questions, please get in touch with your Cisco representative before using this mmode.
Please confirm Cisco ONE suites are enabled? [yes/no]: yes