Cisco IOS XE ソフトウェアのアップグレード

Cisco Catalyst 8000V 仮想ルータは、Cisco CSR1000V または Cisco ISRv と同じプラットフォームである Cisco IOS XE プラットフォームで動作します。Cisco Catalyst 8000V ルータを使用するには、まず Cisco Software Download ページからソフトウェアイメージを取得します。インストールファイルを取得し、インストールまたはアップグレードを開始します。インストールファイルの詳細については、インストール ファイルを参照してください。

既存の Cisco CSR1000V または Cisco ISRv を使用している場合は、[Cisco Software Download] ページから最新のインストールファイルをダウンロードし、この章で説明する手順に従ってアップグレードプロセスを開始する必要があります。

Cisco Catalyst 8000V のソフトウェアパッケージ

Cisco Catalyst 8000V のソフトウェアイメージは、統合パッケージおよびオプションのサブパッケージとして使用できます。各統合パッケージには、ソフトウェアサブパッケージのコレクションが含まれています。各ソフトウェアサブパッケージは、仮想ルータのさまざまな要素を制御する個別のソフトウェアファイルです。統合パッケージを使用すると、個々のサブパッケージすべてを 1 度のソフトウェアイメージのダウンロードでアップグレードすることができます。

個々のソフトウェアサブパッケージは別々にアップグレードすることができます。あるいは、特定の統合パッケージのソフトウェアサブパッケージすべてを、統合パッケージ全体のアップグレードの一環としてアップグレードすることも可能です。統合パッケージに含まれる個々のサブパッケージを使用してルータを実行する場合は、Cisco.com からイメージをダウンロードし、そのイメージから個々のサブパッケージを抽出します。

サブパッケージを使用したアップグレードは、統合パッケージを使用したアップグレードよりもメモリ消費が少なくなります。このため、特にフットプリントが小さい展開状況では、サブパッケージを使用したアップグレード方法を推奨します。


(注)  


Cisco ISRv または Cisco CSR1000V を Cisco Catalyst 8000V にアップグレードしても、ファイルシステムのレイアウトは変更されず、ファイルシステムに依存するセキュアオブジェクトストアなどの新機能も一切提供されません。これらの機能を利用するには、新規インストールを実行する必要があります。



重要


既存の Cisco CSR1000V または Cisco ISRV を使用するユーザーが Cisco Catalyst 8000V にアップグレードする場合、ライセンスは現状のまま機能します。ただし、250 Mbps を超えるスループットレベルを実行するには、HSECK9 ライセンスが必須です。アップグレード前に 250 Mbps を超えるスループットレベルを実行していた場合は、アップグレード後にサービスを継続するために HSECK9 ライセンスを購入する必要があります。アップグレード後に HSECK9 ライセンスが使用できない場合、スループットは 250 Mbps に制限されます。Cisco DNA サブスクリプションベースのライセンスモデルに切り替える場合は、新しい Catalyst 8000V 展開を実行する必要があります。


Cisco Catalyst 8000V のアップグレードのための前提条件

  • シスコのソフトウェア ダウンロード ページから Cisco Catalyst 8000V ソフトウェアイメージを取得します。インストールファイルの入手方法については、「インストールファイルのダウンロード」を参照してください。

  • アップグレードを実行する前に、ハイパーバイザのバージョンを確認します。Cisco Catalyst 8000V で現在使用中の Cisco IOS XE バージョンでハイパーバイザのバージョンがサポートされていない場合、アップグレードは成功しません。

  • Cisco Catalyst 8000V ソフトウェアイメージに関する VM のメモリ要件が満たされていることを確認します。アップグレード後のバージョンに以前のバージョンよりも大きなメモリが必要になる場合は、アップグレードプロセスを開始する前に、VM に対するメモリの割り当てを引き上げます。

Cisco CSR1000V および Cisco ISRV アップグレードの HSECK9 ライセンス要件

スループットが 250 Mbps を超える Cisco CSR1000V または Cisco ISRV ルータを Cisco Catalyst 8000V(Cisco IOS XE Bengaluru 17.4.1 以降)にアップグレードする場合は、高セキュリティ(HSECK9)ライセンスが必要です。

アップグレード前の構成に応じて、アップグレードする前に、対応する HSECK9 ライセンス要件を満たしていることを確認します。

  • Cisco CSR1000V または Cisco ISRV が CSSM に接続されている場合は、次のことを確認する必要があります。

    • 250 Mbps を超えるスループットは、スタートアップ構成の一部です。

      スタートアップ構成を確認するには、特権 EXEC モードで show running-config コマンドを入力します。次に例を示します。
      Device# show running-config | include throughput 
      platform hardware throughput level MB 500
    • CSSM 内の対応するスマートアカウントとバーチャルアカウントで、必要な数の HSECK9 ライセンス(DNA_HSECK9)の残高がプラスになっています。

    アップグレード前のアクションは必要ありません。デバイスが CSSM に接続されている限り、アップグレード時にデバイスは HSECK9 要求を自動的にトリガーし、必要なスマートライセンス認証コード(SLAC)をインストールします。

  • Cisco CSR1000V または Cisco ISRV が特定のライセンス予約(SLR)を使用している場合は、SLR 承認コードを更新して HSECK9 ライセンス(DNA_HSECK9)を含めてから、デバイスをアップグレードする必要があります。これにより、アップグレード後もスループットが中断されなくなります。

    この例では、SLR 承認コードを更新する方法を示します。Example: Smart Licensing (SLR With Throughput >250 Mbps, Without Export-Controlled License) to Smart Licensing Using Policy

スループットが 250 Mbps 以下の場合、HSECK9 ライセンスのインストールは必要ありません。

Cisco Catalyst 8000V のアップグレードの制約事項

  • 新しいソフトウェアバージョンへのアップグレードは、同じ VM 上でのみ実行できます。この手順では、別の VM で同じまたはアップグレードされたソフトウェアバージョンを実行している既存のルータをインストールまたは再ホストする方法については説明していません。

  • .bin ファイルは、ソフトウェアのアップグレードまたはダウングレードに適用されます。.iso ファイル、qcow2 ファイル、および .ova ファイルは、初回インストールのみに使用します。

  • Cisco Catalyst 8000V にアップグレードする場合、ライセンスは現状のまま機能します。ただし、CDNA ライセンスモデルに切り替える場合は、新規インストールを実行する必要があります。

  • Cisco Catalyst 8000V ルータは、In-Service Software Upgrade(ISSU)をサポートしていません。

  • x86 ハードウェアのシステム要件は、ルータで現在実行されているハードウェアの要件と異なる場合があります。

  • Cisco CSR1000V または Cisco ISRv からのアップグレードの場合、ディスクパーティション構造は以前のバージョンと同じままであり、セキュア オブジェクト ストレージ機能は使用できません。

  • 16.12.x より前の Cisco CSR1000V または Cisco ISRv から Cisco Catalyst 8000V にアップグレードする場合は、まず現在のバージョンから 16.12.x にアップグレードします。その後、Cisco Catalyst 8000V の最新バージョンにアップグレードしてください。

  • Cisco Catalyst 8000V は PCI パススルーをサポートしていないため、PCI パススルーを実行している Cisco CSR1000V を Cisco Catalyst 8000V にアップグレードすることはできません。

  • Cisco Catalyst 8000V を新しくインストールした場合、Cisco ISRv または Cisco CSR1000V にダウングレードすることはできません。以前に保有していた Cisco CSR1000V を Cisco Catalyst 8000V にアップグレードした場合、Cisco CSR1000V にダウングレードできますが、Cisco ISRv にダウングレードすることはできません。

  • Cisco CSR1000V から Cisco Catalyst 8000V にアップグレードする場合、または Cisco Catalyst 8000V の下位バージョンから上位バージョンにアップグレードする場合は、N-2 または N-1 から N へのリリースアップグレードパスのみがサポートされます。ここで、N-1 および N-2 は拡張メンテナンスリリースを指します。たとえば、CSR1000V 17.3.x インスタンスを Cisco Catalyst 8000V 17.11.1a リリースにアップグレードする場合、17.6.x は更新する必要がある最も低い N-x バージョンです。

  • Cisco Catalyst 8000V は、L2TP クライアントや L2TP ネットワークサーバー(LNS)を含む L2TP 機能をサポートしていません。

インストールモードのプロセスフロー

インストールモードのプロセスフローは、Cisco Catalyst 8000V のインストールとアップグレードを実行するための 3 つのコマンド(install add install activate install commit )で構成されています。

次のフローチャートは、インストールコマンドを使用したインストールプロセスを説明しています。

install add コマンドは、ソフトウェアパッケージをローカルまたはリモートの場所からプラットフォームにコピーします。FTP、HTTP、HTTPs、または TFTP を使用できます。このコマンドは、.package ファイルの個々のコンポーネントをサブパッケージと packages.conf ファイルに展開します。またファイルを検証して、イメージファイルが Cisco Catalyst 8000V に固有であることを確認します。

install activate コマンドは、必要な検証を実行し、install add コマンドを使用して以前に追加されたパッケージをプロビジョニングします。また、システムのリロードをトリガーします。

install commit コマンドは、install activate コマンドを使用して以前にアクティブ化されたパッケージを確認し、リロード後も更新が持続されるようにします。


(注)  


更新をインストールすると、以前にインストールしたソフトウェア イメージが置換されます。インスタンスには、常に 1 つのイメージのみをインストールできます。

次の表に、Cisco IOS XE プラットフォームをインストールまたはアップグレードするときに使用するコマンドのリストを示します。

表 1. インストールコマンド一覧

コマンド

構文

目的

install add

install add file location:filename.bin

イメージおよびパッケージの内容をソフトウェアリポジトリにコピーします。ファイルの場所はローカルでもリモートでもかまいません。このコマンドは次のことを行います。

  • ファイルのチェックサム、プラットフォームの互換性チェックなどを検証します。

  • パッケージの個々のコンポーネントをサブパッケージと packages.conf に展開します。

  • イメージをローカルインベントリにコピーし、次の手順で使用できるようにします。

install activate

install activate

install add コマンドを使用して追加されたパッケージをアクティブ化します。

  • show install summary コマンドを使用して、非アクティブなイメージを確認します。

  • このコマンドを実行すると、システムがリロードされます。アクティベーションを続行するかどうかを確認します。確認プロンプトを自動的に無視するには、このコマンドと prompt-level none キーワードを使用します。

(install activate) auto abort-timer

install activate auto-abort timer <30-1200>

auto-abort timer は自動的に開始され、デフォルト値は 120 分です。指定された時間内に install commit コマンドが実行されない場合、アクティベーションプロセスは中止され、システムは最後にコミットされた状態に戻ります。

  • install activate コマンドを実行しながらタイマーの値を変更できます。

  • install commit コマンドはタイマーを停止し、インストールプロセスを続行します。

  • install activate auto-abort timer stop コマンドは、パッケージをコミットせずにタイマーを停止します。

  • 確認プロンプトを自動的に無視するには、このコマンドと prompt-level none キーワードを使用します。

  • このコマンドは、3 ステップインストールのバリアントでのみ有効です。

install commit

install commit

install activate コマンドを使用してアクティブ化されたパッケージをコミットし、リロード後も持続するようにします。

  • show install summary コマンドを使用して、コミットされていないイメージを確認します。

install abort

install abort

インストールを中止し、システムを最後にコミットされた状態に戻します。

  • このコマンドは、パッケージがアクティブ化された状態(コミットされていない状態)の場合にのみ適用されます。

  • install commit コマンドを使用してイメージをすでにコミットしている場合は、install rollback to コマンドを使用して望みのバージョンに戻ります。

install remove

install remove {file <filename> | inactive}

プラットフォームリポジトリから非アクティブなパッケージを削除します。このコマンドを使用して、スペースを解放します。

  • file:指定されたファイルを削除します。

  • inactive:非アクティブなファイルをすべて削除します。

install rollback to

install rollback to {base | label | committed | id}

保存されているインストールポイントか、最後にコミットされたインストールポイントに、ソフトウェアセットをロールバックします。このコマンドには次のような特長があります。

  • リロードが必要です。

  • パッケージがコミットされた状態の場合にのみ適用されます。

  • 確認プロンプトを自動的に無視するには、このコマンドと prompt-level none キーワードを使用します。

(注)  

 
以前のイメージへのインストールのロールバックを実行する場合は、以前のイメージはインストールモードでインストールされている必要があります。

上記のコマンドとは別に、次の show コマンドを使用してインストールまたはアップグレードを確認することもできます。

表 2. show コマンドの一覧

コマンド

構文

目的

show install log

show install log

プラットフォームがブートされた後に実行されたすべてのインストール操作の履歴と詳細を提供します。

show install package

show install package <filename>

指定された .pkg/.bin ファイルに関する詳細を提供します。

show install summary

show install summary

イメージバージョンとそれに対応するインストール状態の概要を提供します。

show install active

show install active

アクティブなパッケージに関する情報を提供します。

show install inactive

show install inactive

非アクティブなパッケージがある場合は、そのパッケージに関する情報を提供します。

show install committed

show install committed

コミットされたパッケージに関する情報を提供します。

show install uncommitted

show install uncommitted

コミットされていないパッケージがある場合は、そのパッケージに関する情報を提供します。

show install rollback

show install rollback {point-id | label}

保存されているインストールポイントに関連付けられたパッケージを表示します。

show version

show version [rp-slot] [installed [user-interface] | provisioned | running]

プラットフォームの情報とともに、現在のパッケージに関する情報を表示します。

Cisco Catalyst 8000V をインストールモードで起動する場合

単一のコマンド(1 ステップインストール手順)または複数の個別のコマンド(3 ステップインストール手順)を使用してソフトウェアパッケージをインストールして、アクティブ化し、コミットできます。

Cisco Catalyst 8000V デバイスがバンドルモードで動作している場合、1 ステップインストールの手順を使用して、最初にバンドルモードからインストールモードに変換する必要があります。その後、1 ステップまたは 3 ステップのインストール方法を使用して、後続のインストールとアップグレードを実行できます。

1 ステップインストールまたはバンドルモードからインストールモードへの変換

この手順では、特権 EXEC モードで install add file activate commit コマンドを使用して、ソフトウェアパッケージをインストールし、プラットフォームを新しいバージョンにアップグレードします。

1 ステップインストールの手順は、バンドルブートモードで実行されているプラットフォームをインストールモードに変換します。コマンドの実行後、プラットフォームはインストールブートモードでリブートします。


(注)  


  • すべての CLI アクション(追加、アクティブ化など)が実行されます。

  • 保存されていない設定が検出されると、設定保存プロンプトが表示されます。

  • このワークフローの 2 番目のステップの後に、リロードプロンプトが表示されます。確認プロンプトを自動的に無視するには、prompt-level none キーワードを使用します。

  • プロンプトレベルが [None] に設定されていて、保存されていない設定がある場合、インストールは失敗します。コマンドを再発行する前に、設定を保存する必要があります。


手順の概要

  1. enable
  2. install add file location: filename [activate commit]
  3. exit

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

install add file location: filename [activate commit]

例:

Device# install add file bootflash:c8000v-universalk9.BLD_POLARIS_DEV_LATEST_20220227_153436.SSA.bin activate commit

ソフトウェア インストール パッケージをローカルまたはリモートの場所(FTP、HTTP、HTTPs、または TFTP 経由)からプラットフォームにコピーし、.package ファイルの個々のコンポーネントをサブパッケージおよび packages.conf ファイルに展開します。プラットフォームおよびイメージバージョンの検証および互換性チェックを実行し、パッケージをアクティブ化し、そのパッケージをコミットして複数回リロードしても維持されるようにします。

このコマンドを実行すると、プラットフォームがリロードされます。

ステップ 3

exit

例:

Device# exit

特権 EXEC モードを終了し、ユーザー EXEC モードに戻ります。

3 ステップインストール

3 ステップインストールの手順では、個別の install add install activate 、および install commit コマンドを使用して、ソフトウェアパッケージをインストールし、プラットフォームを新しいバージョンにアップグレードします。


(注)  


  • この手順は、プラットフォームがインストールモードになった後にのみ実行できます。

  • すべての CLI アクション(追加、アクティブ化など)が実行されます。

  • 保存されていない設定が検出されると、設定保存プロンプトが表示されます。

  • このワークフローの install activate ステップの後に、リロードプロンプトが表示されます。確認プロンプトを自動的に無視するには、prompt-level none キーワードを使用します。


手順の概要

  1. enable
  2. install add file location: filename
  3. show install summary
  4. install activate [auto-abort-timer <time>]
  5. install abort
  6. install commit
  7. install rollback to committed
  8. install remove {file filesystem: filename | inactive}
  9. show install summary
  10. exit

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。

ステップ 2

install add file location: filename

例:

Device# install add file bootflash:c8000v-universalk9.BLD_POLARIS_DEV_LATEST_20220227_153436.SSA.bin

ソフトウェア インストール パッケージをリモートの場所(FTP、HTTP、HTTPs、または TFTP 経由)からプラットフォームにコピーし、.package ファイルの個々のコンポーネントをサブパッケージおよび packages.conf ファイルに展開します。

ステップ 3

show install summary

例:

Device# show install summary

(オプション)イメージバージョンとそれに対応するインストール状態の概要を提供します。

ステップ 4

install activate [auto-abort-timer <time>]

例:

Device# install activate auto-abort-timer 120

以前に追加されたパッケージをアクティブ化し、プラットフォームをリロードします。

  • ソフトウェアの完全インストールを実行する場合は、パッケージファイル名を指定しないでください。

  • install activate コマンドで auto-abort-timer が自動的に開始されます。タイマーのデフォルトは 120 分です。タイマーの期限が切れる前に install commit コマンドが実行されない場合、インストールプロセスは自動的に終了します。プラットフォームがリロードされ、最後にコミットされたバージョンで起動します。

ステップ 5

install abort

例:

Device# install abort

(オプション)ソフトウェアインストールのアクティブ化を中止し、プラットフォームを最後にコミットされたバージョンに戻します。

このコマンドは、イメージがアクティブ化されている状態でのみ使用できます。イメージがコミットされた状態の場合は使用できません。

ステップ 6

install commit

例:

Device# install commit

新しいパッケージのインストールをコミットし、リロード後も変更が持続されるようにします。

ステップ 7

install rollback to committed

例:

Device# install rollback to committed

(オプション)最後にコミットした状態にプラットフォームをロールバックします。

ステップ 8

install remove {file filesystem: filename | inactive}

例:

Device# install remove inactive

(オプション)ソフトウェア インストール ファイルを削除します。

  • file:特定のファイルを削除します。

  • inactive:未使用および非アクティブ状態のインストールファイルを削除します。

ステップ 9

show install summary

例:

Device# show install summary

(オプション)現在のシステムの状態に関する情報を表示します。このコマンドの出力は、このコマンドよりも先に実行された install コマンドに応じて変化します。

ステップ 10

exit

例:

Device# exit

特権 EXEC モードを終了し、ユーザー EXEC モードに戻ります。

リリース 17.06.02 からリリース 17.07.01 へのアップグレード出力の例

======================================
Upgrade steps
install add file bootflash:/ c8000v-universalk9.17.07.01a.SPA.bin
install activate
install commit
======================================

Router#show version | inc IOS XE
Cisco IOS XE Software, Version 17.06.02
Router#show version | inc mode
Router operating mode: Autonomous

Router# dir bootflash:*bin*
Directory of bootflash:/*bin*

Directory of bootflash:/

   31  -rw-   832807301   Mar 7 2022 02:07:28 +00:00  c8000v-universalk9.17.07.01a.SPA.bin
5183766528 bytes total (2348220416 bytes free)

Router#install add file bootflash:/c8000v-universalk9.17.07.01a.SPA.bin
install_add: START Mon Mar 7 02:16:30 UTC 2022
install_add: Adding PACKAGE
install_add: Checking whether new add is allowed ....

--- Starting Add ---
Performing Add on Active/Standby
  [1] Add package(s) on R0
  [1] Finished Add on R0
Checking status of Add on [R0]
Add: Passed on [R0]
Finished Add

Image added. Version: 17.07.01a.0.1883
SUCCESS: install_add  Mon Mar  7 02:20:07 UTC 2022
VK5-C8K-8G-1762-1#

Router# show install summary
[ R0 ] Installed Package(s) Information:
State (St): I - Inactive, U - Activated & Uncommitted,
            C - Activated & Committed, D - Deactivated & Uncommitted
--------------------------------------------------------------------------------
Type  St   Filename/Version
--------------------------------------------------------------------------------
IMG   C    17.06.02.0.2786
IMG   I    17.07.01a.0.1883

--------------------------------------------------------------------------------
Auto abort timer: inactive
--------------------------------------------------------------------------------

=====================
install activate
=====================

Router# show install summary
[ R0 ] Installed Package(s) Information:
State (St): I - Inactive, U - Activated & Uncommitted,
            C - Activated & Committed, D - Deactivated & Uncommitted
--------------------------------------------------------------------------------
Type  St   Filename/Version
--------------------------------------------------------------------------------
IMG   C    17.06.02.0.2786
IMG   I    17.07.01a.0.1883

Router# install activate
install_activate: START Mon Mar  7 02:50:00 UTC 2022
install_activate: Activating PACKAGE
Following packages shall be activated:
/bootflash/c8000v-rpboot.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-mono-universalk9.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_nim_xdsl.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_nim_shdsl.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_nim_ge.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_nim_cwan.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_nim_async.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_ngwic_t1e1.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_dsp_sp2700.17.07.01a.SPA.pkg
/bootflash/c8000v-firmware_dreamliner.17.07.01a.SPA.pkg

This operation may require a reload of the system. Do you want to proceed? [y/n]y
--- Starting Activate ---
Performing Activate on Active/Standby

  [1] Activate package(s) on R0
    --- Starting list of software package changes ---
    Old files list:
      Modified c8000v-firmware_dreamliner.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_dsp_sp2700.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_ngwic_t1e1.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_nim_async.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_nim_cwan.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_nim_ge.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_nim_shdsl.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-firmware_nim_xdsl.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-mono-universalk9.17.06.02.SPA.pkg
      Modified c8000v-rpboot.17.06.02.SPA.pkg
    New files list:
      Added c8000v-firmware_dreamliner.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_dsp_sp2700.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_ngwic_t1e1.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_nim_async.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_nim_cwan.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_nim_ge.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_nim_shdsl.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-firmware_nim_xdsl.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-mono-universalk9.17.07.01a.SPA.pkg
      Added c8000v-rpboot.17.07.01a.SPA.pkg
    Finished list of software package changes
  [1] Finished Activate on R0
Checking status of Activate on [R0]
Activate: Passed on [R0]
Finished Activate

Send model notification for install_activate before reload
Install will reload the system now!
SUCCESS: install_activate  Mon Mar  7 02:57:34 UTC 2022


===================================
install commit
===================================

Router# show version | inc IOS XE
Cisco IOS XE Software, Version 17.07.01a
Router# show version | inc mode
Router operating mode: Autonomous
Router# show license udi
UDI: PID:C8000V,SN:9JM01Z7G2JH

インストール モードでのアップグレード

この章に記載されている 1 ステップインストールまたは 3 ステップインストールの手順を使用して、インストールモードで Cisco Catalyst 8000V をアップグレードします。

インストールモードでのダウングレード

ダウングレード先のイメージがインストールモードでインストールされている場合、install rollback コマンドを使用して、プラットフォームを適切なイメージにポイントすることにより、プラットフォームを以前のバージョンにダウングレードします。

この install rollback コマンドはプラットフォームをリロードし、前のイメージで起動します。


(注)  


install remove inactive コマンドを使用して前のファイルを削除していない場合にのみ、install rollback コマンドは成功します。

(注)  


このコマンドを使用できない場合は、install コマンドを使用して古いイメージをインストールすることでダウングレードすることもできます。


ダウングレードの設定例

==========================
install rollback
==========================

Router# install rollback to base
install_rollback: START Tue Mar 01 03:25:46 UTC 2022
install_rollback: Rolling back to base
This operation may require a reload of the system. Do you want to proceed? [y/n]   
*Mar 29 21:17:36.496: %INSTALL-5-INSTALL_START_INFO: R0/0: install_mgr: Started install rollback  
--- Starting Rollback ---
Performing Rollback on all members  
 [1] Rollback package(s) on  R0
 [1] Finished Rollback package(s) on  R0
Checking status of Rollback on [R0]
Rollback: Passed on [R0]
Finished Rollback operation
SUCCESS: install_rollback Tue Mar 01 03:30:16 UTC UTC 2022


ソフトウェアインストールの中止

ソフトウェアパッケージのアクティブ化は次の方法で中止できます。

  • install commit コマンドを発行する前に auto-abort-timer が期限切れになるようにします。新しいイメージをアクティブ化した後にプラットフォームをリロードすると、(3 ステップインストールの方法で)auto-abort-timer がトリガーされます。タイマーが期限切れになるとインストールプロセスが終了します。プラットフォームはリロードし、最後にコミットしたバージョンのソフトウェアイメージで起動します。

    install commit コマンドを使用せずに、install auto-abort-timer stop コマンドを使用してこのタイマーを停止します。このプロセスでは、新しいイメージはコミットされていないままです。

  • install abort コマンドを使用して、新しいソフトウェアのインストール前に実行していたバージョンにプラットフォームを戻します。このコマンドは、install commit コマンドを発行する前に使用します。

中止の設定例



===========================
install abort
===========================
Router# show install summary
[ R0 ] Installed Package(s) Information:
State (St): I - Inactive, U - Activated & Uncommitted,
            C - Activated & Committed, D - Deactivated & Uncommitted
Type  St   Filename/Version
--------------------------------------------------------------------------------
IMG   U    17.09.01.0.154628

--------------------------------------------------------------------------------
Auto abort timer: active , time before rollback - 01:56:56
--------------------------------------------------------------------------------

Router# show version | inc IOS XE
Cisco IOS XE Software, Version BLD_POLARIS_DEV_LATEST_20220227_153436
Router# show version | inc mode
Router operating mode: Autonomous
Router# install abort
install_abort: START Tue Mar 01 04:03:52 UTC 2022

This operation may require a reload of the system. Do you want to proceed? [y/n]y

--- Starting Abort ---
Performing Abort on all members
 [1] Abort packages(s) on  R0
 [1] Finished Abort packages(s) on  R0
Checking status of Abort on [R0]
Abort: Passed on [R0]
Finished Abort operation

SUCCESS: install_abort Tue Mar 01 04:04:45 UTC 2022

Router# Mar  1 04:04:50.161: %PMAN-5-EXITACTION: R0/0: pvp: Process manager is exiting: reload action requested

インストールコマンドを使用したソフトウェアインストールのトラブルシューティング

問題 ソフトウェアインストールのトラブルシューティング

解決法 インストールの概要、ログ、およびソフトウェアバージョンを表示するには、次の show コマンドを使用します。

  • show install summary

  • show install log

  • show version

  • show version running

問題 インストールに関するその他の問題

解決法 インストールに関する問題を解決するには、次のコマンドを使用します。

  • dir <install directory>

  • more location:packages.conf

  • show tech-support install:このコマンドはインストール情報に固有の情報を表示する show コマンドを自動的に実行します。

  • request platform software trace archive target bootflash <location>:このコマンドは、最後のリロード以降にシステム上で実行されているすべてのプロセスに関連するすべてのトレースログをアーカイブし、この情報を指定された場所に保存します。

よく寄せられる質問

Q. 

Cisco Catalyst 8000V を Cisco CSR1000V や Cisco ISRv にダウングレードできますか。

A. 

Cisco CSR1000V または Cisco ISRv 17.3.x 以降のバージョンから Cisco Catalyst 8000V にアップグレードした場合にのみ、Cisco Catalyst 8000V からダウングレードできます。


(注)  


Cisco Catalyst 8000V を新しくインストールした場合、Cisco CSR1000V や Cisco ISRv にダウングレードすることはできません。


Q. 

Cisco CSR1000V 16.12.x 以前のバージョンからアップグレードする場合、Secure Object Storage はサポートされますか。

A. 

いいえ。Secure Object Storage はアップグレードでは引き継がれません。Secure Object Storage のサポートを有効にするには、新規インストールを実行するか、VM を再インストールする必要があります。

Q. 

Cisco CSR1000V または Cisco ISRv から Cisco Catalyst 8000V にアップグレードする場合、ライセンスを変更する必要がありますか。

A. 

Cisco Catalyst 8000V にアップグレードしても、ライセンスは同じままです。ただし、ライセンスはアップグレード後に SL から SLE に移行します。アップグレード前のスループットが 250M 以下の場合、アップグレード後もそのまま保持されます。

スループットが 250M を超え、デバイスが CSSM に登録されていた場合、接続はそのまま維持され、スループットによってデバイスへの SLAC のインストールが自動的にトリガーされます。対応するスループットは、SLAC がインストールされると設定されます。

デバイスが CSSM に接続されておらず、スループットが 250M を超えていた場合は、オフラインモードで SLAC を手動でインストールするか、CSSM との信頼を確立するために SLE コマンドを設定する必要があります。次に、SLAC のインストールをトリガーするようにスループットを設定します。


(注)  


SLAC がインストールされていない場合、スループットは 250M のままです。


Q. 

アップグレードプロセスの自動化は可能ですか。

A. 

いいえ。移行の自動化は現在サポートされていません。

Q. 

ダウングレードの実行時、障害モードではどんな処理が実行されますか。

A. 

ダウングレードの結果として Cisco CSR1000V イメージが起動すると、システムはパーティションの形式をチェックしますパーティションの形式が要件に一致しない場合、起動は停止されます。アップグレードまたはダウングレードの結果として Cisco Catalyst 8000V イメージが起動する場合、既存のパーティション形式を使用して起動を続行します。

Q. 

アップグレード後のメモリとパフォーマンスにはどのような影響がありますか。

A. 

Cisco Catalyst 8000V イメージのサイズが若干大きくなる場合があり、全体的なメモリフットプリントに影響が及ぶ可能性があります。とはいえ、その結果として全体的なメモリ要件が変更されることはありません。このイメージに必要な最小 RAM は 4 GB で、この機能によるパフォーマンスへの影響はありません。