設定作業
ここでは、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータに搭載した ATM SPA の最も一般的な設定について説明します。システム イメージと設定ファイルの管理については、次を参照してください。
必要な設定タスク
必須のコンフィギュレーション コマンドの中にはデフォルト値を提供するものがあり、これらのデフォルト値はネットワークに適している場合と、適さない場合があります。そのデフォルト値がネットワークに適している場合は、そのコマンドを設定する必要はありません。
プライマリ ATM インターフェイスで基本的な設定を行うには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
(注) |
Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの ATM SPA 用のプライマリ ATM インターフェイスでは、データ パスはサポートされていません。 |
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port
- Router(config-if)# atm clock internal
- Router(config-if)# no atm ilmi-keepalive
- Router(config-if)# description string
- Router(config-if)# no shutdown
- 設定する ATM SPA の各ポートで、ステップ 1 ~ステップ 5 を繰り返します。
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port |
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# atm clock internal |
(バックツーバック ルータ コンフィギュレーションの場合は必須)内部クロッキング用のインターフェイスを設定します。 すべての ATM インターフェイスのデフォルト クロッキングは、回線クロッキング、もしくは受信データ ストリームからのクロック信号取得です。つまり、ATM リンクが 2 台のルータ間でのバックツーバック コンフィギュレーションである場合、内部クロックを設定する必要があります。この場合、リンクの一方のエンドで、内部クロックの使用を設定する必要があります。 ルータがスイッチに接続されているか、デフォルトで回線クロッキングを使用している場合は、クロッキングを設定する必要はありません。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# no atm ilmi-keepalive |
Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの ATM SPA では、統合ローカル管理インターフェイス(ILMI)はサポートされていません。このコマンドは、Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータのすべての ATM SPA のデフォルトになります。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# description string |
(任意)最大 80 文字の任意のストリングをインターフェイスに割り当てます。このストリングはインターフェイスの目的や所有者、またはモニタやトラブルシューティングに役立つその他の情報を識別できます。 |
ステップ 5 |
Router(config-if)# no shutdown |
インターフェイスをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
設定する ATM SPA の各ポートで、ステップ 1 ~ステップ 5 を繰り返します。 |
|
ステップ 7 |
Router(config-if)# end 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
必要な設定タスク
各サブインターフェイスの基本的な設定を行うには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. sub-interface [point-to-point | multipoint ]
- Router(config-subif)# ip address address mask [secondary ]
- Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-subif)# description string
- Router(config-subif)# no shutdown
- 設定する ATM SPA 単位で、ステップ 1 ~ステップ 5 を繰り返します。
- Router(config-subif)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. sub-interface [point-to-point | multipoint ] |
特定のサブインターフェイスに関係するサブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
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||
ステップ 2 |
Router(config-subif)# ip address address mask [secondary ] |
インターフェイスに指定の IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。さらにセカンダリ IP アドレスをポートに割り当てるには、オプションの secondary キーワードを指定してこのコマンドを繰り返します。 |
||
ステップ 3 |
Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci |
VPI/VCI 番号を割り当てて ATM PVC を新規に設定し、ATM VC コンフィギュレーション モードを開始します。vpi /vci の有効値は、次のとおりです。
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||
ステップ 4 |
Router(config-subif)# description string |
(任意)最大 80 文字の任意のストリングをインターフェイスに割り当てます。このストリングはインターフェイスの目的や所有者、またはモニタやトラブルシューティングに役立つその他の情報を識別できます。 |
||
ステップ 5 |
Router(config-subif)# no shutdown |
インターフェイスをイネーブルにします。 |
||
ステップ 6 |
設定する ATM SPA 単位で、ステップ 1 ~ステップ 5 を繰り返します。 |
|||
ステップ 7 |
Router(config-subif)# end 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
SPA のインターフェイス アドレスの指定
SPA インターフェイス プロセッサ(SIP)には、最大 4 つの ATM SPA を搭載できます。SPA インターフェイス ポートの番号は、左から右に向かって「0」から順に付けられます。単一ポートの SPA では、ポート番号 0 のみを使用します。SPA インターフェイスを設定またはモニタするには、CLI(コマンドライン インターフェイス)で SIP、SPA、およびインターフェイスの物理位置を指定する必要があります。インターフェイス アドレスのフォーマットは、slot/ subslot/ port です。
-
slot:Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの、SIP が搭載されているシャーシ スロット番号を指定します。
-
subslot:SPA が搭載された SIP のセカンダリ スロットを指定します。
-
port:SPA の各インターフェイス ポートの番号を指定します。
次に、シャーシ スロット 3 に SIP(0)が搭載されていて、その最初のサブスロットに SPA が搭載されている場合、この SPA の最初のインターフェイス(0)を指定する例を示します。
Router(config)# interface serial 3/0/0
このコマンドは代表的な例としてシリアル SPA を表示していますが、その他の SPA(ATM や POS など)およびその他の非チャネライズド SPA でも、これと同じ slot/ subslot/ port を同様に使用します。
スロットおよびサブスロットの指定の詳細については、「SIP の設定」の章の「SIP、SPA のスロットとサブスロットの識別」のセクションを参照してください。
インターフェイスの MTU サイズの変更
ATM SPA では、ネットワークで使用される値に合わせて、最大伝送単位(MTU)値をデフォルト値から設定し直す必要があります。
(注) |
Cisco ASR 1000 シリーズ ルート プロセッサ 1(RP1)、2RU、および 2RU 固定シャーシでは、管理イーサネット インターフェイス(インターフェイス gigabitethernet 0)の MTU サイズは 2370 バイトに制限されています。 |
インターフェイス MTU の設定時の注意事項
ATM SPA にインターフェイス MTU サイズを設定する場合は、次の注意事項に従ってください。
Cisco IOS ソフトウェアは、プロトコル スタックのレベルに応じて、さまざまなタイプの設定可能な MTU オプションをサポートします。パケットの不要なフラグメンテーションを回避するために、すべての MTU 値に一貫性を持たせる必要があります。これらの MTU 値は以下のとおりです。
- インターフェイス MTU:インターフェイス単位で設定され、ネットワークで受信されたトラフィックに許容される最大パケット サイズ(バイト単位)を定義します。ATM SPA はネットワークからの着信トラフィックを調べて、この最大値よりも大きなパケットをドロップします。レイヤ 2 インターフェイスのタイプごとに、異なる MTU 値がサポートされているため、特定のネットワーク トポロジで許可されている最大パケット サイズに対応する値を選択してください。
- IP MTU:インターフェイス単位またはサブインターフェイス単位で設定され、分割しなくても IP ネットワークで許容される最大 IP パケット サイズ(バイト単位)を決定します。IP パケットがこの IP MTU 値よりも大きい場合、ATM SPA はこの IP パケットをより小さな IP パケットに分割してから、ネクスト ホップに転送します。
- マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)MTU:インターフェイス単位またはサブインターフェイス単位で設定され、MPLS ラベルまたはタグ ヘッダーが付加されたパケットの MTU 値を定義します。MPLS ラベルを含む IP パケットがこの MPLS MTU 値よりも大きい場合、ATM SPA はこの IP パケットをより小さな IP パケットに分割します。MPLS ラベルを含む非 IP パケットがこの MPLS MTU 値よりも大きい場合、ATM SPA はこの非 IP パケットをドロップします。
適切な MPLS 処理を実行するには、特定の物理メディア上のすべてのデバイスに同じ MPLS MTU 値を設定する必要があります。既存パケットに MPLS ラベルが追加されて、パケット サイズが増大するため、適切な MTU 値を選択し、MPLS ラベルが付加されたパケットの不要な分割を回避するようにしてください。
IP MTU または MPLS MTU 値がインターフェイス MTU と同じサイズである場合は、インターフェイス MTU サイズを変更すると、IP MTU 値または MPLS MTU 値も自動的に新しい値に設定されます。IP MTU 値または MPLS MTU 値がインターフェイス MTU と同じサイズに設定されていない場合は、インターフェイス MTU 値を変更しても IP MTU 値または MPLS MTU 値に影響はありません。
カプセル化方式および MPLS MTU ラベル数に応じて、パケットに余分なオーバーヘッドが追加されます。たとえば、サブネットワーク アクセス プロトコル(SNAP)カプセル化では 8 バイト ヘッダーが追加されます。また、MPLS ラベルごとに 4 バイト ヘッダーが追加されます。MTU 値を選択する場合は、ネットワークで使用される最大のカプセル化方式、および最大ラベル数を検討してください。
ヒント |
ローカル ATM SPA インターフェイスの MTU 値は、ATM ネットワークおよびリモート ATM インターフェイスで使用中の MTU 値と一致させる必要があります。ATM SPA の MTU 値を変更してもローカル インターフェイスはリセットされませんが、その他のプラットフォームおよび ATM SPA ではリンクがリセットされます。これにより、一時的にサービスが中断することがあります。したがって、インターフェイスが使用中の場合は、MTU 値を変更しないことを推奨します。 |
(注) |
ATM SPA のインターフェイス MTU 値は、show interfaces atm コマンドで「ジャイアント」として記録されるパケットも決定します。インターフェイスは、インターフェイス MTU サイズよりも 24 バイト以上大きなパケットを、ジャイアント パケットと見なします。たとえば、1,500 バイトの MTU サイズを使用している場合は、インターフェイスが 1,524 バイトよりも大きなパケットを受信すると、ジャイアント カウンタが増加します。 |
インターフェイス MTU の設定作業
ATM SPA インターフェイスの MTU 値を変更するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- 次のいずれかを実行します。
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface
- Router(config-if)# mtu bytes
- Router(config-if)# ip mtu bytes
- Router(config-if)# mpls mtu bytes
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
次のいずれかを実行します。
|
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
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ステップ 2 |
Router(config-if)# mtu bytes |
(任意)インターフェイスの MTU サイズを設定します。bytes の有効範囲は 64 ~ 9,216 バイト、デフォルトは 4,470 バイトです。一般に、特定のアプリケーションで要求されていないかぎり、MTU 値は変更しないでください。
|
||
ステップ 3 |
Router(config-if)# ip mtu bytes 例:
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(任意)現在のインターフェイスに IP パケットの MTU 値(バイト単位)を設定します。ATM SPA の有効範囲は 64 ~ 9,288 です。デフォルト値は、ステップ 2 で設定した MTU 値と同じです。 |
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ステップ 4 |
Router(config-if)# mpls mtu bytes 例:
|
(任意)現在のインターフェイスに、MPLS ラベルが付加されたパケットの MTU 値(バイト単位)を設定します。ATM SPA の有効範囲は 64 ~ 9216 バイトです。デフォルト値は、ステップ 2 で設定した MTU 値と同じです。 |
||
ステップ 5 |
Router(config-if)# end 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
MTU サイズの確認
インターフェイスの MTU サイズを確認するには、次の例にあるように、show interfaces 、show ip interface 、show mpls interface コマンドを使用します。
(注) |
show interfaces atm コマンドの出力では、AAL5 カプセル化の設定を表示できます。ただし、Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータでサポートされているのは AAL0 のみです。 |
Router# show interfaces atm 0/2/2
ATM0/2/2 is up, line protocol is up
Hardware is SPA-3XOC3-ATM-V2, address is 001a.3044.7522 (bia 001a.3044.7522)
MTU 4470 bytes, sub MTU 4470, BW 149760 Kbit, DLY 80 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ATM, loopback not set
Keepalive not supported
Encapsulation(s): AAL5 AAL0
4095 maximum active VCs, 1 current VCCs
VC Auto Creation Disabled.
VC idle disconnect time: 300 seconds
4 carrier transitions
Last input never, output 00:04:11, output hang never
Last clearing of "show interface" counters never
Input queue: 0/375/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Queueing strategy: fifo
Output queue: 0/40 (size/max)
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 packets input, 540 bytes, 0 no buffer
Received 0 broadcasts (0 IP multicasts)
0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort
5 packets output, 540 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions, 1 interface resets
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
Router# show ip interface atm 0/2/2.1
ATM0/2/2.1 is up, line protocol is up
Internet address is 10.4.0.2/24
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by setup command
MTU is 4470 bytes
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Outgoing access list is not set
Inbound access list is not set
Proxy ARP is enabled
Local Proxy ARP is disabled
Security level is default
Split horizon is disabled
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are always sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is enabled
IP Distributed switching is disabled
IP CEF switching turbo vector
IP Null turbo vector
Associated unicast routing topologies:
Topology "base", operation state is UP
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast, CEF
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Probe proxy name replies are disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
Input features: MCI Check
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect inbound is disabled
WCCP Redirect exclude is disabled
Router# show mpls interface atm 0/3/2.1
Interface IP Tunnel BGP Static Operational
ATM0/3/2.1 Yes (ldp) No No No Yes
CE1#sh mpls int atm0/3/2.1 det
Interface ATM0/3/2.1:
IP labeling enabled (ldp):
Interface config
LSP Tunnel labeling not enabled
BGP labeling not enabled
MPLS operational
MTU = 4470
設定された MTU 値を使用してインターフェイスから送信されるデータグラムの最大サイズを表示するには、show atm interface atm コマンドを使用します。
Router# show atm interface atm 0/2/2
Interface ATM0/2/2:
AAL enabled: AAL0, Maximum VCs: 4095, Current VCCs: 1
Max. Datagram Size: 4528
PLIM Type: SONET - 155000Kbps, TX clocking: LINE
Cell-payload scrambling: ON
sts-stream scrambling: ON
5 input, 5 output, 0 IN fast, 0 OUT fast, 0 out drop
Avail bw = 149760
Config. is ACTIVE
相手先固定接続(PVC)の作成
相手先固定接続(PVC)を使用するには、ルータと ATM スイッチの両方に PVC を設定します。PVC は、どちらかの設定から回線を削除しない限り、アクティブな状態に保たれます。ATM インターフェイスに PVC を作成して、インターフェイス ATM 仮想回線(VC)コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface
- Router(config-if)# ip address address mask
- Router(config-if)# atm tx-latency milliseconds
- Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol {protocol-address | inarp } [[no ] broadcast ]
- Router(config-if-atm-vc)# inarp minutes
- Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap }
- Router(config-if-atm-vc)# tx-limit buffers
- Router(config-if-atm-vc)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface |
ATM SPA の指定したポートに関連するサブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
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ステップ 2 |
Router(config-if)# ip address address mask |
インターフェイスまたはサブインターフェイスに指定の IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
||
ステップ 3 |
Router(config-if)# atm tx-latency milliseconds |
(任意)現在の ATM SPA インターフェイスの VC にデフォルト送信遅延を設定します。milliseconds の有効範囲は 1 ~ 200、デフォルトは 100 ミリ秒です。 |
||
ステップ 4 |
Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci |
VPI/VCI 番号を割り当てて ATM PVC を新規に設定し、ATM VC コンフィギュレーション モードを開始します。vpi /vci の有効値は、次のとおりです。
|
||
ステップ 5 |
Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol {protocol-address | inarp } [[no ] broadcast ] |
特定のプロトコルに対応するように PVC を設定し、特定の protocol-address にマッピングします。
|
||
ステップ 6 |
Router(config-if-atm-vc)# inarp minutes |
(任意)Inverse ARP を使用する場合は、PVC がアドレス マッピングを確認するために Inverse ARP 要求を送信する頻度を設定します。有効範囲は 1 ~ 60 分、デフォルトは 15 分です。 |
||
ステップ 7 |
Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap } |
(任意)ATM アダプテーション層(AAL)とカプセル化タイプを設定します。値は次のとおりです。
protocol 引数の有効な値は次のとおりです。
|
||
ステップ 8 |
Router(config-if-atm-vc)# tx-limit buffers |
(任意)現在の VC の送信バッファ数を指定します。有効範囲は 1 ~ 57,343 です。デフォルト値は現在の VC 回線レート、およびatm atmtx-latency tx-latency コマンドで設定された遅延値に基づいて決まります。 |
||
ステップ 9 |
Router(config-if-atm-vc)# end |
ATM VC コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
PVC の設定の確認
特定の PVC の設定を確認するには、show atm pvc コマンドを使用します。
Router# show atm pvc
VCD / Peak Av/Min Burst
Interface Name VPI VCI Type Encaps SC Kbps Kbps Cells St
0/2/2.1 1 2 32 PVC SNAP UBR 149760 UP
ヒント |
特定のインターフェイスのすべての PVC の設定および現在のステータスを確認する場合は、show atm vc interface atm コマンドも使用できます。 |
ポイントツーポイント サブインターフェイスでの PVC の作成
ルータの各ペアに独自のサブネットを設定するには、ポイントツーポイント サブインターフェイスを使用します。ポイントツーポイント サブインターフェイスに PVC を作成すると、ルータはその PVC がサブインターフェイスに設定された唯一のポイントツーポイント PVC であると想定し、同じサブネット内の宛先 IP アドレスを持つすべての IP パケットをこの VC に転送します。ポイントツーポイント PVC を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface point-to-point
- Router(config-subif)# ip address address mask
- Router(config-subif)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol protocol-address [[no ] broadcast ]
- Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap }
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface point-to-point |
指定された ATM SPA の指定ポートに、指定されたポイントツーポイント サブインターフェイスを作成し、サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。値は次のとおりです。
|
||
ステップ 2 |
Router(config-subif)# ip address address mask |
現在のサブインターフェイスに、指定された IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
||
ステップ 3 |
Router(config-subif)# pvc [name ] vpi /vci |
VPI/VCI 番号を割り当てて ATM PVC を新規に設定し、ATM VC コンフィギュレーション モードを開始します。vpi /vci の有効値は、次のとおりです。
|
||
ステップ 4 |
Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol protocol-address [[no ] broadcast ] |
特定のプロトコルに対応するように PVC を設定し、特定の protocol-address にマッピングします。
protocol コマンドには inarp オプションもありますが、このオプションは、手動で設定されたアドレスを使用するポイントツーポイント PVC では無効です。 |
||
ステップ 5 |
Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap } |
(任意)ATM アダプテーション層(AAL)とカプセル化タイプを設定します。値は次のとおりです。
|
||
ステップ 6 |
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
次のタスク
ヒント |
特定のインターフェイスのすべての PVC の設定および現在のステータスを確認する場合は、show atm vc interface atm コマンドも使用できます。 |
マルチポイント サブインターフェイスでの PVC の設定
マルチポイント サブインターフェイスを作成すると、すべてのマルチキャスト要求に対するブロードキャスト PVC として使用可能なポイントツーマルチポイント PVC を作成できます。マルチポイント サブインターフェイスに PVC を作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint
- Router(config-subif)# ip address address mask
- Router(config-subif)# no ip directed-broadcast
- Router(config-subif)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol {protocol-address | inarp } broadcast
- Router(config-if-atm-vc)# inarp minutes
- Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap }
- Router(config-if-atm-vc)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint |
指定された ATM SPA の指定ポートに、指定されたポイントツーマルチポイント サブインターフェイスを作成し、サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。値は次のとおりです。
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||
ステップ 2 |
Router(config-subif)# ip address address mask |
現在のサブインターフェイスに、指定された IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
||
ステップ 3 |
Router(config-subif)# no ip directed-broadcast |
(任意)Denial of Service(DoS)攻撃に使用されることがある IP 指定ブロードキャストの転送をディセーブルにします。 |
||
ステップ 4 |
Router(config-subif)# pvc [name ] vpi /vci |
VPI/VCI 番号を割り当てて ATM PVC を新規に設定し、ATM VC コンフィギュレーション モードを開始します。vpi /vci の有効値は、次のとおりです。
|
||
ステップ 5 |
Router(config-if-atm-vc)# protocol protocol {protocol-address | inarp } broadcast |
特定のプロトコルに対応するように PVC を設定し、特定の protocol-address にマッピングします。
|
||
ステップ 6 |
Router(config-if-atm-vc)# inarp minutes |
(任意)Inverse ARP を使用する場合は、PVC がアドレス マッピングを確認するために Inverse ARP 要求を送信する頻度を設定します。有効範囲は 1 ~ 60 分、デフォルトは 15 分です。 |
||
ステップ 7 |
Router(config-if-atm-vc)# encapsulation {aal5mux protocol | aal5nlpid | aal5snap } |
(任意)ATM アダプテーション層(AAL)とカプセル化タイプを設定します。値は次のとおりです。
|
||
ステップ 8 |
Router(config-if-atm-vc)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
マルチポイント PVC の設定の確認
特定の PVC の設定を確認するには、show atm pvc コマンドを使用します。
Router# show atm pvc 1/120
ATM3/1/0.120: VCD: 1, VPI: 1, VCI: 120
UBR, PeakRate: 149760
AAL5-LLC/SNAP, etype:0x0, Flags: 0xC20, VCmode: 0x0
OAM frequency: 0 second(s), OAM retry frequency: 1 second(s)
OAM up retry count: 3, OAM down retry count: 5
OAM Loopback status: OAM Disabled
OAM VC status: Not Managed
ILMI VC status: Not Managed
InARP frequency: 15 minutes(s)
Transmit priority 3
InPkts: 1394964, OutPkts: 1395069, InBytes: 1833119, OutBytes: 1838799
InPRoc: 1, OutPRoc: 1, Broadcasts: 0
InFast: 0, OutFast: 0, InAS: 94964, OutAS: 95062
InPktDrops: 0, OutPktDrops: 0
CrcErrors: 0, SarTimeOuts: 0, OverSizedSDUs: 0, LengthViolation: 0, CPIErrors: 0
Out CLP=1 Pkts: 0
OAM cells received: 0
F5 InEndloop: 0, F5 InSegloop: 0, F5 InAIS: 0, F5 InRDI: 0
F4 InEndloop: 0, F4 InSegloop: 0, F4 InAIS: 0, F4 InRDI: 0
OAM cells sent: 0
F5 OutEndloop: 0, F5 OutSegloop: 0, F5 OutRDI: 0
F4 OutEndloop: 0, F4 OutSegloop: 0, F4 OutRDI: 0
OAM cell drops: 0
Status: UP
(注) |
特定のインターフェイスのすべての PVC の設定および現在のステータスを確認する場合は、show atm vc interface atm コマンドも使用できます。 |
マルチポイント サブインターフェイスでの PVC の範囲の設定
Cisco IOS XE リリース 2.5 以降では、ATM マルチポイント サブインターフェイスで PVC の範囲を設定できます。
マルチポイント サブインターフェイスで PVC の範囲を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint
- Router(config-subif)# range [range-name ] pvc [start-vpi/ ]start-vci [end-vpi/ ]end-vci
- PVC の範囲を設定すると、すべての PVC で protocol コマンド などの他のコマンドを特定の範囲で設定できるようになります。また、pvc-in-range を使用して個々の PVC のオプションを定義できるようになります。 pvc-in-range
- Router(config-if- atm-range-pvc)# pvc-in-range [ name ] [ vpi/ vci ]
- 特定の PVC を範囲内で指定する場合、引き続き class-vc コマンドなどで、その PVC に固有のオプションを設定できます。
- Router(config-if-atm-vc-range-pvc)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint |
指定された ATM SPA の指定ポートに、指定されたポイントツーマルチポイント サブインターフェイスを作成し、サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。値は次のとおりです。
|
ステップ 2 |
Router(config-subif)# range [range-name ] pvc [start-vpi/ ]start-vci [end-vpi/ ]end-vci |
指定された範囲で複数の PVC を設定し、ATM PVC の範囲設定モードを開始します。
|
ステップ 3 |
PVC の範囲を設定すると、すべての PVC で protocol コマンド などの他のコマンドを特定の範囲で設定できるようになります。また、pvc-in-range を使用して個々の PVC のオプションを定義できるようになります。 pvc-in-range |
|
ステップ 4 |
Router(config-if- atm-range-pvc)# pvc-in-range [ name ] [ vpi/ vci ] |
(任意)PVC 範囲内の個々の PVC を定義します。
|
ステップ 5 |
特定の PVC を範囲内で指定する場合、引き続き class-vc コマンドなどで、その PVC に固有のオプションを設定できます。 |
|
ステップ 6 |
Router(config-if-atm-vc-range-pvc)# end |
ATM PVC の範囲設定モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
PVC のトラフィック パラメータの設定
作成した PVC は、回線上で使用するトラフィックの Quality of Service(QoS)クラス タイプに対応するように設定することもできます。
- 固定ビット レート(CBR):CBR サービス クラスを設定し、PVC の Average Cell Rate(ACR)を指定します。
- 未指定ビット レート(UBR):UBR サービス クラスを設定し、PVC の出力ピーク セル レート(PCR)を指定します。これはデフォルトの設定です。
- Variable Bit Rate–Non-real time(VBR-nrt):VBR-nrt サービス クラスを設定し、PVC の出力 PCR、出力 Sustainable Cell Rate(SCR)、出力最大バースト サイズ(MBS)を指定します。
- Variable Bit Rate–Real time(VBR-rt):VBR-rt サービス クラスを設定し、PVC のピーク レートおよび平均バースト レートを指定します。
サービス クラスごとに異なる送信プライオリティが割り当てられています。Cisco ASR 1000 シリーズ ルータはこのプライオリティを使用して、特定のセル タイム スロット中にインターフェイスから送信されるキュー内セルを判別します。これにより、リアルタイム QoS クラスが輻輳中に送信される確率が高まります。次の表に、ATM QoS クラスおよびデフォルト送信プライオリティを示します。
サービス カテゴリ |
送信プライオリティ |
---|---|
CBR |
0(最高) |
VBR-rt |
1 |
VBR-nrt |
2 |
UBR |
3 |
PVC に設定できる QoS サービス クラスは、1 つだけです。複数のタイプを設定すると、最近設定した QoS クラスだけが回線上で有効になります。
PVC のトラフィック パラメータを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port or Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface [multipoint | point-to-point ]
- Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-if-atm-vc)# cbr rate
- Router(config-if-atm-vc)# ubr output-pcr
- Router(config-if-atm-vc)# vbr-nrt output-pcr output-scr output-mbs
- Router(config-if-atm-vc)# vbr-rt pcr scr burst
- 設定する PVC 単位で、ステップ 2 ~ステップ 3 を繰り返します。
- Router(config-if-atm-vc)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port or Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface [multipoint | point-to-point ] |
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイスまたはサブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
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ステップ 2 |
Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci |
設定する PVC を指定し、PVC コンフィギュレーション モードを開始します。
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ステップ 3 |
Router(config-if-atm-vc)# cbr rate |
PVC の固定ビット レート(CBR)Quality of Service(QoS)および Average Cell Rate を設定します。
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ステップ 4 |
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ステップ 5 |
Router(config-if-atm-vc)# ubr output-pcr |
PVC の未指定ビット レート(UBR)Quality of Service(QoS)およびピーク セル レート(PCR)を設定します。
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ステップ 6 |
Router(config-if-atm-vc)# vbr-nrt output-pcr output-scr output-mbs |
PVC の Variable Bit Rate-non-real time(VBR-nrt)QoS、ピーク セル レート(PCR)、Sustainable Cell Rate(SCR)、および最大バースト サイズ(MBS)を設定します。
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ステップ 7 |
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ステップ 8 |
Router(config-if-atm-vc)# vbr-rt pcr scr burst |
PVC の Variable Bit Rate-Real time(VBR-rt)QoS、PCR、Average Cell Rate(ACR)、および Burst Cell Size(BCS)を設定します。
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ステップ 9 |
設定する PVC 単位で、ステップ 2 ~ステップ 3 を繰り返します。 |
|||
ステップ 10 |
Router(config-if-atm-vc)# end |
PVC コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
トラフィック パラメータの設定の確認
PVC のトラフィック パラメータの設定を確認するには、show atm vc コマンドを使用します。
Router# show
atm vc
Codes: DN - DOWN, IN - INACTIVE
VCD / Peak Av/Min Burst
Interface Name VPI VCI Type Encaps SC Kbps Kbps Cells St
0/2/2.1 1 2 32 PVC SNAP UBR 149760 UP
インターフェイスのすべての PVC の設定を確認するには、show atm vc interface atm コマンドを使用します。
Router# show atm vc interface atm 0/2/2.1
VCD / Peak Av/Min Burst
Interface Name VPI VCI Type Encaps SC Kbps Kbps Cells St
0/2/2.1 1 2 32 PVC SNAP UBR 149760 UP
仮想回線クラスの設定
複数の PVC で同じ設定または類似の設定を使用する場合は、仮想回線(VC)クラスを作成して、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータのコンフィギュレーション ファイルを単純化できます。各 VC クラスは、ATM サブインターフェイス、または個別の PVC に適用することができるテンプレートとして機能します。
ATM サブインターフェイスに VC クラスを適用すると、このサブインターフェイスに作成されるすべての PVC は、VC クラスの設定を継承します。VC クラスを個別の PVC に適用すると、特定の PVC がクラス設定を継承します。
さらにコンフィギュレーション コマンドを使用して、PVC を個別にカスタマイズできます。個別の PVC に適用されたすべてのコマンドは、インターフェイスや PVC に適用された VC クラスのコマンドよりも優先します。
VC クラスを作成および設定して、サブインターフェイス、または個別の PVC に適用するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# vc-class atm vc-class-name
- Router(config-vc-class)# configuration-commands
- 次のいずれかを実行します。
- Router(config-vc-class)# interface atm slot/ subslot/ port
- Router(config-vc-class)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface [multipoint | point-to-point ]
- 次のいずれかを実行します。
- Router(config-if)# class-int vc-class-name
- Router(config-subif)# class-int vc-class-name
- 次のいずれかを実行します。
- Router(config-if)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-subif)# pvc [name ] vpi /vci
- Router(config-if-atm-vc)# class-vc vc-class-name
- Router(config-if-atm-vc)# configuration-commands
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# vc-class atm vc-class-name |
ATM 仮想回線(VC)クラスを作成して、VC クラス コンフィギュレーション モードを開始します。
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||
ステップ 2 |
Router(config-vc-class)# configuration-commands |
現在の VC クラスに対する PVC コンフィギュレーション コマンドを入力します。 |
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ステップ 3 |
次のいずれかを実行します。
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特定の ATM サブインターフェイスに関係するサブインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
ステップ 4 |
次のいずれかを実行します。
|
(任意)ATM サブインターフェイスに VC クラスを適用します。このクラスは、目的のインターフェイス上に作成されるすべての PVC に適用されます。
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||
ステップ 5 |
次のいずれかを実行します。
|
設定する PVC を指定し、PVC コンフィギュレーション モードを開始します。
|
||
ステップ 6 |
Router(config-if-atm-vc)# class-vc vc-class-name |
指定された VC クラスを現在の PVC に割り当てます。
|
||
ステップ 7 |
Router(config-if-atm-vc)# configuration-commands |
特定の PVC に適用されるその他の VC コンフィギュレーション コマンド。個別の PVC に適用されるコマンドは、VC クラス内で指定された競合コマンドよりも優先します。 |
||
ステップ 8 |
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
仮想回線クラスの設定の確認
仮想回線クラスの設定を確認するには、show atm vc コマンドを使用します。
Router# show atm vc
Codes: DN - DOWN, IN - INACTIVE
VCD / Peak Av/Min Burst
Interface Name VPI VCI Type Encaps SC Kbps Kbps Cells St
0/2/2.1 1 2 32 PVC SNAP UBR 149760 UP
SONET および SDH フレーミングの設定
ATM OC-3 SPA のデフォルト フレーミングは Synchronous Optical Network(SONET)ですが、インターフェイスでは同期デジタル階層(SDH)フレーミングもサポートされます。
(注) |
ATM 環境における SONET フレーミング モードと SDH フレーミング モードの主な違いは、ユーザまたはデータ セルを使用できない場合に送信されるセル タイプです。ATM フォーラムでは、未割り当てセルが生成されていない場合、アイドル セルを使用するように指定しています。具体的には、Synchronous Transport Module-X(STM-X)モードの場合、ATM インターフェイスはセルレート デカップリングのためにアイドル セルを送信します。Synchronous Transport Signal-Xc(STS-Xc)モードの場合、ATM インターフェイスはセルレート デカップリングのために未割り当てセルを送信します。 |
フレーミング タイプを変更し、オプション パラメータを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port
- Router(config-if)# atm clock internal
- Router(config-if)# atm framing {sdh | sonet }
- Router(config-if)# [no ] atm sonet report {all | b1-tca | b2-tca | b3-tca | default | lais | lrdi | pais | plop | pplm | prdi | ptim | puneq | sd-ber | sf-ber | slof | slos}
- Router(config-if)# [no] atm sonet-threshold {b1-tca value | b2-tca value | b3-tca value | sd-ber value | sf-ber value}
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port |
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# atm clock internal |
(任意)独自の内部(オンボード)クロックを使用して送信済みデータをクロッキングするように、インターフェイスを設定します。デフォルト(no atm clock internal )では、受信データ ストリームから回復した送信クロック信号を使用するようにインターフェイスが設定されていて、スイッチからクロック ソースが提供されます。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# atm framing {sdh | sonet } |
(任意)インターフェイスに SDH または SONET フレーミングを設定します。デフォルトは SONET です。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# [no ] atm sonet report {all | b1-tca | b2-tca | b3-tca | default | lais | lrdi | pais | plop | pplm | prdi | ptim | puneq | sd-ber | sf-ber | slof | slos} |
(任意)インターフェイス上で ATM SONET アラーム レポートをイネーブルにします。デフォルトでは、すべてのレポートがディセーブルになっています。アラームを個別にイネーブルにしたり、all キーワードを使用してすべてのアラームをイネーブルにしたりすることができます。 このコマンドは none [ignore ] オプションもサポートします。このオプションは、その他のオプションと併用できません。次を参照してください。 AToM VP セル モード リレー サポートの設定 |
ステップ 5 |
Router(config-if)# [no] atm sonet-threshold {b1-tca value | b2-tca value | b3-tca value | sd-ber value | sf-ber value} 例:
|
(任意)インターフェイスのビット エラー レート(BER)しきい値を設定します。この値は、しきい値の 10 に対する負の指数の累乗を指定します(10 のマイナス value 乗)。デフォルト値は次のとおりです。
|
ステップ 6 |
Router(config-if)# end 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
SONET および SDH フレーミングの設定の確認
フレーミング設定を確認するには、show controllers atm コマンドを使用します。
Router# show controllers atm 0/2/2
Interface ATM0/2/2 (SPA-3XOC3-ATM-V2[0/2]) is up
Framing mode: SONET OC3 STS-3c
SONET Subblock:
SECTION
LOF = 0 LOS = 1 BIP(B1) = 0
LINE
AIS = 0 RDI = 1 FEBE = 55 BIP(B2) = 0
PATH
AIS = 0 RDI = 1 FEBE = 21 BIP(B3) = 0
LOP = 1 NEWPTR = 0 PSE = 0 NSE = 0
Active Defects: None
Active Alarms: None
Alarm reporting enabled for: SF SLOS SLOF B1-TCA B2-TCA PLOP B3-TCA
ATM framing errors:
HCS (correctable): 0
HCS (uncorrectable): 0
APS
not configured
COAPS = 0 PSBF = 0
State: PSBF_state = False
Rx(K1/K2): 00/00 Tx(K1/K2): 00/00
Rx Synchronization Status S1 = 00
S1S0 = 00, C2 = 13
PATH TRACE BUFFER : STABLE
BER thresholds: SF = 10e-3 SD = 10e-6
TCA thresholds: B1 = 10e-6 B2 = 10e-6 B3 = 10e-6
Clock source: line
AToM VP セル モード リレー サポートの設定
Any Transport over MPLS(AToM)セル モード リレーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の作業を行います。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint
- Router(config-if)# no ip address ip-address mask
- Router(config-if)# atm pvp vpi l2transport
- Router(config-if)# xconnect peer-ip-address vc-id {encapsulation mpls | pw-class pw-class-name }
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port. subinterface multipoint |
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# no ip address ip-address mask |
現在のインターフェイスに割り当てられた IP アドレスを削除します(IP アドレスが設定されている場合)。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# atm pvp vpi l2transport |
1 つまたは複数の仮想回線(VC)の多重化(またはバンドル)に使用する相手先固定パス(PVP)を作成します。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# xconnect peer-ip-address vc-id {encapsulation mpls | pw-class pw-class-name } |
ATM over Multiprotocol Label Switching(AToM)を使用し、指定のポイントツーポイント VC 上でレイヤ 2 パケットをルーティングします。 |
ステップ 5 |
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
VP モードの設定時の注意事項
MPLS を使用する ATM セル リレーを VP モードで設定する場合は、次の注意事項に従ってください。
- VP モードでは、encapsulation aal0 コマンドを入力する必要はありません。ただし、MPLS l2 トランスポートでサポートされるのは、AAL0 カプセル化のみです。
- 1 つの ATM インターフェイスで複数のタイプの ATM 接続に対応できます。VP セル リレー と VC セル リレーが、1 つの ATM インターフェイスで共存できます。
- VPI が VP セル リレー用に設定されている場合、同じ VPI を使用して PVC を設定することはできません。
- このリリースでは、VP トランキング(1 つのエミュレーテッド VC ラベルに対する複数 VP のマッピング)はサポートされません。各 VP はエミュレートされた 1 つの VC にマッピングされます。
- 各 VP はエミュレートされた 1 つの固有の VC ID に関連付けられます。AToM エミュレーテッド VC タイプは ATM VP Cell Transport です。
- AToM 制御ワードがサポートされています。ただし、ピア PE で制御ワードがサポートされていない場合、制御ワードはディセーブルになります。このネゴシエーションは、LDP ラベル バインディングによって実行されます。
- VP モード(および VC モード)はアイドル セルをドロップします。
VP モードの設定例
次に、単一の ATM セルを仮想パスで転送する例を示します。
Router(config)# pseudowire-class vp-cell-relay
Router(config-pw)# encapsulation mpls
Router(config-pw)# exit
Router(config)# interface atm 1/2/0.1 multipoint
Router(config-if)# atm pvp 1 l2transport
Router(config-if)# xconnect 10.0.0.1 123 pw-class vp-cell-relay
ATM セル リレー VP モードの確認
次のshow atm vp コマンドの出力から、インターフェイスが VP モード セル リレー対応として設定されていることがわかります。
Router# show atm vp 1
ATM5/0 VPI: 1, Cell Relay, PeakRate: 149760, CesRate: 0, DataVCs: 1, CesVCs: 0, Status:
ACTIVE
VCD VCI Type InPkts OutPkts AAL/Encap Status
6 3 PVC 0 0 F4 OAM ACTIVE
7 4 PVC 0 0 F4 OAM ACTIVE
TotalInPkts: 0, TotalOutPkts: 0, TotalInFast: 0, TotalOutFast: 0,
TotalBroadcasts: 0 TotalInPktDrops: 0, TotalOutPktDrops: 0
Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの ATM SPA は、QoS の次の 2 つの領域をサポートします。
- ATM SPA QoS:ATM SPA の QoS が、セグメンテーション/リアセンブリ(SAR)機能で実装され、PCR および SCR 値で設定された ATM トラフィック クラス(CBR、VBR-nrt、VBR-rt、UBR)が使用されます。
- モジュラ QoS CLI(MQC):クラスベース重み付けフェア キューニング(CBWFQ)、重み付けランダム早期検出(WRED)、優先度、シェーピング、残り帯域幅比率、ポリシングを使用した VC 単位ポリシーをサポートしています。
ATM SPA での PPPoEoA の設定
Cisco IOS XE リリース 2.5 以降では、PPP over Ethernet(PPPoE)on ATM(PPPoEoA)を設定し、ブリッジング アクセス デバイスを配置してリモート アクセス コンセントレータへアクセスすることで、ホストのネットワークにシンプルに接続できます。この機能の詳細については、次の URL にある『New Features in Cisco IOS XE Release 2.5』の「PPPoE on ATM」機能の項目を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps9587/products_feature_guides_list.html
設定例については、PPPoEoA VC クラスと PVC の範囲の設定例を参照してください。
設定の保存
実行コンフィギュレーションを NVRAM(不揮発性 RAM)に保存するには、特権 EXEC コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
(注) |
設定変更を永続的に保存するには、特権 EXEC モードでcopy running-config startup-config コマンドを入力して、変更を不揮発性 RAM(NVRAM)に書き込みます。 |
コマンド |
目的 |
---|---|
Router# copy running-config startup-config |
新しい設定を NVRAM に書き込みます。 |
コンフィギュレーション ファイルの管理方法については、『Cisco IOS XE Configuration Fundamentals Configuration Guide Release 2』および『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』を参照してください。
SPA のインターフェイスのシャットダウンおよび再起動
インターフェイスをシャットダウンすると、インターフェイスは管理上のダウン モードになり、オフライン化されて、インターフェイスを経由するすべてのトラフィックが停止します。ただし、インターフェイスをシャットダウンしても、インターフェイス設定は変わりません。
一般に、活性挿抜(OIR)操作を行ってインターフェイスを取り外し、まったく同じ SPA モデルと交換する場合は、インターフェイスをシャットダウンする必要がありません。ただし、次のいずれかの作業を実行する場合は、インターフェイスをシャットダウンすることを推奨します。
- ネットワーク内でインターフェイスを使用する必要がない場合
- あとでテストまたはトラブルシューティングを行うための準備をする場合
- トラフィック フローに影響する方法で(カプセル化の変更などで)、インターフェイスの設定を変更する場合
- インターフェイス ケーブルを変更する場合
- 交換する予定のない SPA を取り外す場合
- インターフェイス カードを別のモデルのカードと交換する場合
これらの場合にインターフェイスをシャットダウンすると、新しいカードまたはケーブルを取り付け直すときに異常が発生しなくなります。また、通常であれば発生する可能性のあるエラー メッセージやシステム メッセージの数が削減されます。
(注) |
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの既存の ATM ポート アダプタを ATM SPA と交換して、同じ設定を使用する場合は、スロットの設定を保存してから、ハードウェアを物理的に交換してください。これは、特定のカード タイプを別のカード タイプと交換すると、2 つのカードの機能が同等である場合でも、スロット設定がすべて失われるためです。ATM SPA を取り付けたら、以前の設定を再入力してください。 |
インターフェイスをシャットダウンするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
- Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port
- Router(config-if)# shutdown
- Router(config-if)# end
手順の詳細
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
Router(config)# interface atm slot/ subslot/ port |
指定した ATM SPA の指定ポートで、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# shutdown |
インターフェイスをシャットダウンします。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
次のタスク
ヒント |
インターフェイスをシャットダウンした場合、show interface コマンドは、SPA がシャーシから物理的に取り外されるか、または SPA が再びイネーブルになるまで、インターフェイスが管理上のダウン状態であることを示します。 |
次に、ATM SPA インターフェイスをシャットダウンする一般的な例を示します。
Router> enable
Router# configure
terminal
Router(config)# interface atm 0/2/2
Router(config-if)# shutdown
Router(config-if)# end
Router# show interface atm 0/2/2
ATM0/2/2 is administratively down, line protocol is down
Hardware is SPA-3XOC3-ATM, address is 000d.2959.d5ca (bia 000d.2959.d5ca)
Internet address is 10.10.10.16/24
MTU 4470 bytes, sub MTU 4470, BW 599040 Kbit, DLY 80 usec,
reliability 255/255, txload 42/255, rxload 1/255
Encapsulation ATM, loopback not set
Encapsulation(s): AAL0
4095 maximum active VCs, 1 current VCCs
VC idle disconnect time: 300 seconds
0 carrier transitions
Last input 01:01:16, output 01:01:16, output hang never
Last clearing of "show interface" counters 01:10:21
Input queue: 0/75/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Queueing strategy: fifo
Output queue: 0/0 (size/max)
30 second input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
30 second output rate 702176000 bits/sec, 1415679 packets/sec
1000 packets input, 112000 bytes, 0 no buffer
Received 0 broadcasts, 0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort
2948203354 packets output, 182788653886 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions, 0 interface resets
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out