概要
ここでは、基本的なインターフェイスのトラブルシューティング情報を示します。共有ポート アダプタ(SPA)に問題がある場合は、「基本的なインターフェイスのトラブルシューティングの実行」の手順に従って、インターフェイス設定に問題がないかどうかを調べてください。
より高度なトラブルシューティングの手順については、この章の他のセクションを参照してください。
この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、ギガビット イーサネット SPA の動作のトラブルシューティングに使用できるテクニックについて説明します。
内容は次のとおりです。
ここでは、基本的なインターフェイスのトラブルシューティング情報を示します。共有ポート アダプタ(SPA)に問題がある場合は、「基本的なインターフェイスのトラブルシューティングの実行」の手順に従って、インターフェイス設定に問題がないかどうかを調べてください。
より高度なトラブルシューティングの手順については、この章の他のセクションを参照してください。
ここでは、SIP および SPA のトラブルシューティングに関する一般情報を示します。内容は次のとおりです。
注意 |
デバッグ出力は CPU プロセスで高プライオリティが割り当てられているため、デバッグ出力を行うとシステムが使用できなくなることがあります。したがって、debug コマンドを使用するのは、特定の問題のトラブルシューティング時、またはシスコのテクニカル サポート担当者とともにトラブルシューティングを行う場合に限定してください。さらに、debug コマンドは、ネットワーク トラフィックが少なく、ユーザも少ないときに使用することを推奨します。デバッグをこのような時間帯に行うと、debug コマンド処理のオーバーヘッドの増加によりシステムの使用に影響が及ぶ可能性が少なくなります。 |
debug hw-module subslot コマンドは、シスコのテクニカル サポート担当者が使用するためのものです。
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータでサポートされている他の debug コマンドについては、『Cisco IOS Debug Command Reference』や対応する Cisco IOS リリースの機能の関連ドキュメントを参照してください。
show コマンドには、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの SIP および SPA のモニタやトラブルシューティングに使用できるものがいくつかあります。この章では、show interfaces コマンドを使用した SPA のトラブルシューティング手順について説明します。
show コマンドで SIP および SPA の確認、モニタリングを行う際の詳細のついては、「SIP のトラブルシューティング」、「イーサネット SPA の設定」、Cisco IOS テクノロジー関連のコマンド リファレンス ブックを参照してください。
基本的なインターフェイス トラブルシューティングを実行するには、通常、show interfaces fastethernet 、show interfaces gigabitethernet 、show interfaces tengigabitethernet コマンドを使用し、出力内の各部分を調べて、インターフェイスの動作方法を判別します。
次の例では、show interfaces gigabitethernet と show interfaces tengigabitethernet コマンドの出力結果を示します。出力の重要な部分については、太文字にしています。
Router# show interfaces gigabitethernet 2/0/1
GigabitEthernet2/0/1 is down, line protocol is down
Hardware is SPA-1X10GE-L-V2, address is 000a.f330.2e40 (bia 000a.f330.2e40)
Internet address is 2.2.2.1/24
MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ARPA, loopback not set
Keepalive not supported
Full-duplex, 1000Mb/s
, link type is force-up, media type is SX
output flow-control is on, input flow-control is on
ARP type: ARPA, ARP Timeout 04:00:00
Last input 03:18:49, output 03:18:44, output hang never
Last clearing of "show interface" counters never
Input queue: 0/75/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Queueing strategy: fifo
Output queue: 0/40 (size/max)
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
1703 packets input, 638959 bytes, 0 no buffer
Received 23 broadcasts (0 IP multicasts)
0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC
, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
0 watchdog, 1670 multicast, 0 pause input
1715 packets output, 656528 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions
, 4 interface resets
0 babbles, 0 late collision
, 0 deferred
0 lost carrier, 0 no carrier
, 0 pause output
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
Router# show interfaces tengigabitethernet 0/0/0
TenGigabitEthernet7/0/0 is up, line protocol is up (connected)
Hardware is TenGigEther SPA, address is 0000.0c00.0102 (bia 000f.342f.c340)
Internet address is 15.1.1.2/24
MTU 1500 bytes, BW 10000000 Kbit, DLY 10 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ARPA, loopback not set
Keepalive not supported
Full-duplex, 10Gb/s
input flow-control is on, output flow-control is on
ARP type: ARPA, ARP Timeout 04:00:00
Last input never, output 00:00:10, output hang never
Last clearing of "show interface" counters 20:24:30
Input queue: 0/75/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Queueing strategy: fifo
Output queue: 0/40 (size/max)
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
L2 Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 0 pkt, 0 bytes
L3 in Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 0 pkt, 0 bytes mcast
L3 out Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes mcast: 0 pkt, 0 bytes
237450882 packets input, 15340005588 bytes, 0 no buffer
Received 25 broadcasts (0 IP multicasts)
0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC
, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
0 watchdog, 0 multicast, 0 pause input
0 input packets with dribble condition detected
1676 packets output, 198290 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions
, 4 interface resets
0 babbles, 0 late collision
, 0 deferred
0 lost carrier, 0 no carrier
, 0 PAUSE output
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
インターフェイスが適切に動作しているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 |
グローバル コンフィギュレーション モードで、show interfaces gigabitethernet 、show interfaces tengigabitethernet 、または show interfaces fastethernet コマンドを入力します。 例:
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ステップ 2 |
インターフェイスが起動していることを確認します。 例:
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ステップ 3 |
ライン プロトコルが起動していることを確認します。 例:
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ステップ 4 |
CRC(巡回冗長検査)カウンタを調べます。 例:
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ステップ 5 |
キャリア信号カウンタを調べます。 例:
検出された問題を修正するための確認手順および対処方法については、以下を参照してください。 |
show interfaces gigabitethernet, 、show interfaces tengigabitethernet 、show interfaces fastethernet コマンドの出力結果から、インターフェイスがアップになっているか確認できます。インターフェイスがダウンしている場合は、次の対処方法を実行してください。
show interfaces gigabitethernet, 、show interfaces tengigabitethernet, 、 show interfaces fastethernet コマンドの出力結果から、インターフェイスがアップになっているか確認できます。ライン プロトコルがダウンしている場合、ライン プロトコル ソフトウェア プロセスは回線が使用不可能であると判断します。
次の対処方法を実行してください。
show interfaces gigabitethernet, 、show interfaces tengigabitethernet, 、 show interfaces fastethernet コマンドの出力結果には、CRC カウンタの値が確認できます。ノイズが多すぎると、わずかの衝突で多数の CRC エラーが発生することがあります。
多数の CRC エラーが発生する場合は、次の対処方法を実行してください。
show interfaces gigabitethernet, 、show interfaces tengigabitethernet, 、show interfaces fastethernet コマンドの出力結果には、キャリア信号のカウンタの値が確認できます。lost carrier カウンタには、送信中にキャリアが失われた回数が表示されます。no carrier カウンタには、送信中にキャリアが存在しなかった回数が表示されます。
インターフェイスがループバック モードになるか、またはシャットダウンすると、キャリア信号がリセットされることがあります。
これらの条件に該当しない状況で、キャリア信号カウンタが増加した場合は、次の対処方法を実行してください。
ギガビット イーサネット SPA が特定のエラー タイプのしきい値に到達し、致命的なエラーが特定された場合、SPA が自動回復プロセスを開始します。
エラー カウンタが特定のしきい値に到達し、SPA による自動回復プロセスが何度か失敗しないかぎり、対処は不要です。
次のタイプのエラーが発生した場合、ギガビット イーサネット SPA は自動回復を実行することがあります。
SPI4 エラーの発生回数が 10 ミリ秒間に 25 回を超えると、SPA は自動的に非アクティブになり、再びアクティブになります。エラーの原因および回復ステータスを示すエラー メッセージは、コンソールに表示されます。
SPA の自動回復の試行回数が 1 時間で 5 回を超えると、SPA は非アクティブになり、非アクティブ状態を継続します。
SPA の自動回復に失敗した場合のトラブルシューティング手順は、次のとおりです。
ステップ 1 |
SPA の状態を確認するには、show hw-module subslot slot / subslot oir コマンドを使用します。自動回復に 5 回連続して失敗したために SPA の電源が切断されると、ステータスは「failed」になります。 |
ステップ 2 |
自動回復に失敗したことを確認した場合は、SPA の OIR を実行します。OIR の実行については、「SPA の活性挿抜の準備」のセクションを参照してください。 |
ステップ 3 |
OIR を行って SPA を再装着しても問題が解決しない場合は、SPA ハードウェアを交換します。 |
Cisco IOS Event Tracer 機能はソフトウェア診断ツールとして使用することを目的としており、Cisco Technical Assistance Center(TAC)担当者の指示がある場合以外は設定しないでください。
Event Tracer 機能は、Cisco IOS ソフトウェアのトラブルシューティングを行うためのバイナリ トレース ファシリティを提供します。シスコのサービス担当者はこの機能を使用して、Cisco IOS ソフトウェアの動作を詳しく調べることができます。また、オペレーティング システムがまれに誤作動した場合や、冗長システムでルート プロセッサ(RP)がスイッチオーバーした場合にも、この機能を利用して問題を診断できます。
イベント トレースの機能は、イベント トレースと連携するようにプログラムされた特定の Cisco IOS ソフトウェア サブシステム コンポーネントから情報メッセージを読み取り、これらのコンポーネントからシステム メモリにメッセージを記録することです。メモリに格納されたトレース メッセージは、画面に表示するか、ファイルに保存してあとで分析することができます。
SPA は現在、SPA の OIR 関連イベントをトレースするために「spa」コンポーネントをサポートしています。
Event Tracer 機能の使用方法については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_0s/feature/guide/evnttrcr.html
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータでは、SIP に加え各 SPA の活性挿抜(OIR)をサポートしています。したがって、SPA を装着したまま SIP を取り外したり、ルータに SIP を搭載したまま SPA を個別に取り外したりすることができます。
つまり、SIP をルータに搭載したままで、この SIP のいずれかのサブスロットから SPA を取り外し、別の SPA はアクティブの状態を維持できます。すぐに代わりの SPA を SIP に取り付ける予定がない場合は、該当するサブスロットにブランク フィラー プレートを必ず取り付けてください。SIP のすべてのサブスロットには、動作中の SPA またはブランク フィラー プレートのどちらかを常に取り付けておく必要があります。
OIR を利用できるように、SPA をアクティブ化/非アクティブ化する場合の詳細については、「SIP のトラブルシューティング」のセクションを参照してください。