マルチテナント環境では、Cisco UCS は組織の階層を使用して、ポリシーおよびリソース プールの名前を解決します。Cisco UCS Manager は、プールに割り当てられているポリシーまたはリソースの詳細を検索する際に、以下の操作を実行します。
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Cisco UCS Manager は、サービス プロファイルまたはポリシーに割り当てられている組織内で、指定された名前のポリシーとプールの有無を調べます。
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ポリシーが検出されるか、使用可能なリソースがプール内に存在する場合、Cisco UCS Manager はこのポリシーまたはリソースを使用します。ローカル レベルで使用可能なリソースがプール内に存在しない場合、Cisco UCS Manager は上位階層の親組織に移動し、同じ名前のプールを検索します。Cisco UCS Manager では検索がルート組織に到達するまでこの手順を繰り返します。
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検索がルート組織まで到達し、使用可能なリソースまたはポリシーが検出されない場合、Cisco UCS Manager はローカル組織に戻り、デフォルト ポリシーまたはデフォルト プール内で使用可能なリソースの検出を開始します。
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適用可能なデフォルト ポリシーまたは使用可能なリソースがデフォルト プール内で検出されると、Cisco UCS Manager はこのポリシーまたはリソースを使用します。使用可能なリソースがプール内に存在しない場合、Cisco UCS Manager は上位階層の親組織に移動し、デフォルトのプールを検索します。Cisco UCS Manager は検索がルート組織に到達するまでこの手順を繰り返します。
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Cisco UCS Manager は、適用可能なポリシーまたは使用可能なリソースを階層内で検出できない場合、割り当てエラーを返します。
例:単一階層でのサーバ プール名の解決
この例では、すべての組織がルート組織下の同一レベルにあります。たとえば、サービス プロバイダは、各顧客に対して個別の組織を作成します。この構成では、組織は、自身の組織およびルート組織に割り当てられたポリシーおよびリソースにのみアクセスできます。
この例では、XYZcustomer 組織のサービス プロファイルは、XYZcustomer サーバ プールのサーバを使用するように設定されています。リソース プールとポリシーがサービス プロファイルに割り当てられると、以下の動作が発生します。
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Cisco UCS Manager は、XYZcustomer サーバ プール内で使用可能なサーバを調べます。
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使用可能なサーバが XYZcustomer サーバ プールに存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。プール内に使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager はルート組織で同じ名前のサーバの有無を調べます。
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ルート組織に XYZcustomer サーバ プールが含まれており、そのプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。プール内に使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は XYZcustomer 組織に戻り、デフォルトのサーバ プールを調べます。
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XYZcustomer 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager はルート組織内でデフォルトのサーバ プールを調べます。
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ルート組織内のデフォルト サーバ プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は割り当てエラーを返します。
例:多階層でのサーバ プール名の解決
この例では、各組織に少なくとも 1 つのサブ組織が含まれています。たとえば、企業は、企業内の各主要部門に対しておよびこれらの部門のサブ部門に対して組織を作成できます。この構成では、各組織が、自身のローカル ポリシーとリソース プール、および親階層内のリソース
プールにアクセスできます。
この例では、Finance 組織に 2 つのサブ組織(AccountsPayable および AccountsReceivable)が含まれています。AccountsPayable(AP)組織のサービス プロファイルは、AP サーバ プールのサーバを使用するように設定されています。リソース
プールとポリシーがサービス プロファイルに割り当てられると、以下の動作が発生します。
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Cisco UCS Manager は、サービス プロファイルに定義されている AP サーバ プールで使用可能なサーバを調べます。
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使用可能なサーバが AP サーバ プールに存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、Finance 組織で同じ名前のプールの有無を調べます。
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Finance 組織に同じ名前のプールが含まれており、このプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、ルート組織で同じ名前のプールの有無を調べます。
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ルート組織に同じ名前のプールが含まれており、このプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は AccountsPayable 組織に戻り、デフォルトのサーバ プールを調べます。
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AccountsPayable 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、Finance 組織のデフォルトのサーバ プールを調べます。
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Finance 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、ルート組織のデフォルトのサーバ プールを調べます。
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ルート組織内のデフォルト サーバ プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は割り当てエラーを返します。