サービス プロファイルの遅延展開
サービス プロファイルの変更の一部、またはサービス プロファイル テンプレートの更新は、中断を伴うことや、サーバのリブートが必要になることがあります。ただし、これらの中断を伴う設定変更をいつ実行するかを、遅延展開によって制御できます。たとえば、サービス プロファイルの変更をすぐに展開するか、指定されたメンテナンス時間帯に展開するかを選択できます。また、サービス プロファイルの展開にユーザの明示的な確認応答が必要かどうかを選択できます。
遅延展開は、サーバとサービス プロファイルとの関連付けによって発生するすべての設定変更に使用できます。これらの設定変更は、サービス プロファイルへの変更、サービス プロファイルに含まれるポリシーへの変更、更新サービス プロファイル テンプレートへの変更によってプロンプト表示される場合があります。たとえば、サーバ BIOS、RAID コントローラ、ホスト HBA、ネットワーク アダプタなどのホスト ファームウェア パッケージや管理ファームウェア パッケージによって、ファームウェアのアップグレードおよびアクティブ化を延期することもできます。ただし、Cisco UCS Manager、ファブリック インターコネクト、I/O モジュールなど、ファームウェア パッケージを使用しないコンポーネントのファームウェア イメージの直接展開を遅延させることはできません。
遅延展開は、サーバのリブートを必要とする次のアクションに使用できません。
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サーバのサービス プロファイルの最初の関連付け
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サービス プロファイルと別のサーバを関連付けない、サービス プロファイルのサーバからの関連付けの最終解除
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サーバの解放
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サーバの再認識
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サーバのリセット
サービス プロファイル変更の展開を遅延させる場合、1 つ以上のメンテナンス ポリシーを設定し、各サービス プロファイルにメンテナンス ポリシーを設定する必要があります。展開が発生する時間帯を指定する場合、1 つ以上の繰り返しオカレンスまたはワンタイム オカレンスを持つスケジュールを少なくとも 1 つ作成し、そのスケジュールをメンテナンス ポリシーに含める必要があります。
遅延展開のスケジュール
スケジュールには、一連のオカレンスが含まれます。これらのオカレンスは、1 回だけ発生させるか、または毎週指定した日時に繰り返し発生させることができます。オカレンスの時間長や実行されるタスクの最大数といった、オカレンスで定義されるオプションにより、あるサービス プロファイルの変更が展開されるかどうかが決まります。たとえば、最大時間長またはタスク数に達したため特定のメンテナンス時間帯に変更を展開できない場合、この展開は次のメンテナンス時間に持ち越されます。
各スケジュールは、Cisco UCS ドメイン が 1 つまたは複数のメンテナンス時間帯に入っているかどうか、定期的に確認します。入っている場合、スケジュールはメンテナンス ポリシーで指定された制限に対し適切な展開を実行します。
スケジュールには、スケジュールに関連付けられたメンテナンス時間を決定する 1 つ以上のオカレンスが含まれています。オカレンスは次のいずれかになります。
- ワンタイム オカレンス
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ワンタイム オカレンスは、単一のメンテナンス時間を定義します。これらの時間帯は、その時間帯の最大時間長まで、または時間帯の中で実行可能なタスクの最大数に達するまで継続されます。
- 繰り返しオカレンス
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繰り返しオカレンスは、一連のメンテナンス時間を定義します。これらの時間帯は、タスクの最大数に達するまで、またはオカレンスに指定された日の終わりに達するまで継続します。
遅延展開に関するガイドラインおよび制限事項
サービス プロファイルの関連付けの変更とメンテナンス ポリシーのオプション
サービス プロファイルの関連付けを変更する場合、次のメンテナンス ポリシーのオプションが変更の適用方法に影響する可能性があります。
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メンテナンス ポリシーで [On Next Boot] および [User Ack] オプションが有効になっている場合、サービス プロファイルの関連付けの変更では、確認が必要であるという警告が表示されます。ただし、関連付けはすぐに行われます。
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メンテナンス ポリシーで [On Next Boot] および [User Ack] オプションが有効になっていない場合、サービス プロファイルの関連付けの変更では、確認が必要であるという警告が表示され、確認されるまで保留されます。
サービス プロファイルまたはサービス プロファイル テンプレートへのすべての変更を元に戻すことはできない
保留中の変更をキャンセルする場合、Cisco UCS Manager はサーバを再起動せずに変更のロール バックを試みます。ただし、複雑な変更を行った場合、Cisco UCS Manager では変更をロール バックするために 2 回目のサーバ リブートが必要になることがあります。たとえば、vNIC を削除すると、Cisco UCS Manager はサービス プロファイルに含まれているメンテナンス ポリシーに従ってサーバをリブートします。サービス プロファイルで元の vNIC を復元しても、この再起動および変更はキャンセルできません。代わりに、Cisco UCS Manager は 2 回目の展開とサーバのリブートをスケジュールします。
サービス プロファイルの関連付けはメンテナンス時間の境界を超えてもよい
Cisco UCS Manager がサービス プロファイルの関連付けを開始した後は、スケジューラとメンテナンス ポリシーによって手順を制御する方法がなくなります。割り当てられたメンテナンス時間内にサービス プロファイルの関連付けが完了しない場合、プロセスは完了するまで続行されます。たとえば、段階の再試行やその他の問題のために時間内に関連付けが完了しなかった場合に、このような状況が発生することがあります。
保留中のアクティビティの順序を指定できない
スケジュールされた展開は、独立して並行実行されます。展開が発生する順序は指定できません。また、あるサービス プロファイルの変更を他のものの完了を条件として実行することもできません。
保留中のアクティビティの部分的な展開を実行できない
Cisco UCS Manager は、サーバ プロファイルに加えられたすべての変更をスケジュールされたメンテナンス時間に適用します。サービス プロファイルに複数の変更を加えた後にそれらの変更を別々のメンテナンス時間に振り分けることはできません。サービス プロファイルの変更を展開するとき、Cisco UCS Manager はデータベース内の最新の設定に一致するようにサービス プロファイルを更新します。