Cisco UCS Mini 向け Cisco UCS Manager リリース 3.0 CLI コンフィギュレーション ガイド
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章のタイトル: Cisco UCS Manager CLI の概要
Cisco UCS Manager CLI の概要
管理対象オブジェクト
Cisco UCS は管理対象オブジェクト モデルを使用します。このモデルでは、管理対象オブジェクトは管理可能な物理エンティティまたは論理エンティティを抽象的に表現したものです。たとえば、サーバ、シャーシ、およびプロセッサは、管理対象オブジェクトとして表現される物理エンティティです。また、リソース プール、ユーザ ロール、サービス プロファイル、およびポリシーは、管理対象オブジェクトとして表現される論理エンティティです。
管理対象オブジェクトには関連付けられている設定可能なプロパティが複数存在する場合があります。
コマンド モード
CLI のコマンド モードは階層構造になっており、EXEC モードがこの階層の最高レベルとなります。上位のモードは下位のモードに分岐しています。上位のモードから 1 つ下位のモードに移動するには create 、enter 、scope コマンドを使用します。モード階層で 1 つ上位に移動するには exit コマンドを使用します。
(注)
コマンド モードの大半は管理対象オブジェクトに関連付けられているため、あるオブジェクトと関連付けられているモードにアクセスできるようにするには、まず、そのオブジェクトを作成する必要があります。アクセスするモードに対する管理対象オブジェクトを作成するには、create および enter コマンドを使用します。scope コマンドは管理対象オブジェクトを作成するものではありません。すでに管理対象オブジェクトが存在するモードにアクセスするだけです。
各モードには、モード内で使用できる一連のコマンドがあります。各モードで使用できるコマンドの大部分は、関連する管理対象オブジェクトに関係しています。割り当てられたロールとロケールによっては、そのモードで使用できるコマンドのサブセットだけにしかアクセスできないことがありますが、アクセスできないコマンドは非表示にされます。
各モードの CLI プロンプトには、モード階層における現在のモードのフルパスが表示されます。これにより、コマンド モード階層内での現在位置を容易に判断できます。また、この機能は階層内を移動する際にも非常に役立ちます。
次の表は、主要なコマンド モード、各モードへのアクセスに使用するコマンド、および各モードに関連する CLI プロンプトを示しています。
表 1 主要なコマンド モードとプロンプト
モード名
アクセスに使用するコマンド
モード プロンプト
EXEC
任意のモードで top コマンド
#
アダプタ
EXEC モードから scope adapter コマンド
/adapter #
シャーシ
EXEC モードで scope chassis コマンド
/chassis #
イーサネット サーバ
EXEC モードから scope eth-server コマンド
/eth-server #
イーサネット アップリンク
EXEC モードで scope eth-uplink コマンド
/eth-uplink #
ファブリック インターコネクト
EXEC モードで scope fabric-interconnect コマンド
/fabric-interconnect #
ファイバ チャネル アップリンク
EXEC モードで scope fc-uplink コマンド
/fc-uplink #
ファームウェア
EXEC モードで scope firmware コマンド
/firmware #
ホスト イーサネット インターフェイス
EXEC モードから scope host-eth-if コマンド
/host-eth-if #
ホスト ファイバ チャネル インターフェイス
EXEC モードで scope host-fc-if コマンド
/host-fc-if #
モニタリング
EXEC モードで scope monitoring コマンド
/monitoring #
組織
EXEC モードで scope org コマンド
/org #
セキュリティ
EXEC モードで scope security コマンド
/security #
サーバ
EXEC モードで scope server コマンド
/server #
サービス プロファイル
EXEC モードから scope service-profile コマンド
/service-profile #
システム
EXEC モードで scope system コマンド
/system #
仮想 HBA
EXEC モードから scope vhba コマンド
/vhba #
仮想 NIC
EXEC モードから scope vnic コマンド
/vnic #
オブジェクト コマンド
オブジェクト管理用に 4 つの一般的なコマンドがあります。create object
delete object
enter object
scope object
scope コマンドは、永続的オブジェクトでもユーザ イスタンス化オブジェクトでも、すべての管理対象オブジェクトで使用できます。その他のコマンドを使用して、ユーザ インスタンス化オブジェクトを作成および管理できます。すべての create object コマンドで、対応する delete object および enter object コマンドが存在します。
ユーザ インスタンス化オブジェクトの管理では、次の表に説明するように、これらのコマンドの動作はオブジェクトが存在するかどうかによって異なります。
表 2 オブジェクトが存在しない場合のコマンドの動作 コマンド
動作
create object
オブジェクトが作成され、該当する場合、そのコンフィギュレーション モードが開始されます。
delete object
エラー メッセージが生成されます。
enter object
オブジェクトが作成され、該当する場合、そのコンフィギュレーション モードが開始されます。
scope object
エラー メッセージが生成されます。
表 3 オブジェクトが存在する場合のコマンドの動作 コマンド
動作
create object
エラー メッセージが生成されます。
delete object
オブジェクトが削除されます。
enter object
該当する場合、オブジェクトのコンフィギュレーション モードが開始されます。
scope object
オブジェクトのコンフィギュレーション モードが開始されます。
コマンドの実行
任意のモードで Tab キーを使用すると、コマンドを実行できます。コマンド名の一部を入力して Tab を押すと、コマンド全体が表示されるか、または別のキーワードを選択するか引数値を入力する必要があるところまで表示されます。
コマンド履歴
CLI では、現在のセッションで使用したすべてのコマンドが保存されます。上矢印 キーまたは下矢印 キーを使用すると、これまでに使用したコマンドを 1 つずつ表示できます。上矢印 キーを押すと履歴内の直前のコマンドが、下矢印 キーを押すと履歴内の次のコマンドが表示されます。履歴の最後に到達すると、下矢印 キーを押しても次のコマンドが表示されなくなります。
履歴内のすべてのコマンドは、履歴を 1 つずつ表示し、目的のコマンドを再度呼び出し、Enter キーを押すだけでもう一度実行することができます。このコマンドは手動で入力したように表示されます。また、コマンドを再度呼び出した後、Enter キーを押す前にコマンドを変更することもできます。
保留コマンドのコミット、廃棄、および表示
CLI でコンフィギュレーション コマンドを入力する場合、commit-buffer コマンドを入力するまで、そのコマンドは適用されません。コミットされるまで、コンフィギュレーション コマンドは保留状態となり、discard-buffer コマンドを入力して廃棄できます。
複数のコマンド モードで保留中の変更を積み重ね、commit-buffer コマンド 1 つでまとめて適用できます。任意のコマンド モードで show configuration pending コマンドを入力して、保留中のコマンドを表示できます。
(注)
複数のコマンドをまとめてコミットするのは、アトミック操作ではありません。失敗したコマンドがあっても、成功したコマンドは適用されます。失敗したコマンドはエラー メッセージで報告されます。
コマンドが保留中の場合、コマンド プロンプトの前にアスタリスク(*)が表示されます。アスタリスクは、commit-buffer コマンドを入力すると消去されます。
次に、プロンプトがコマンド エントリのプロセス中に変わる例を示します。
switch-1# scope chassis 1
switch-1 /chassis # enable locator-led
switch-1 /chassis* # show configuration pending
scope chassis 1
+ enable locator-led
exit
switch-1 /chassis* # commit-buffer
switch-1 /chassis #
CLI に関するオンラインヘルプ
いつでも ? 文字を入力して、その時点のコマンド構文の状態に応じた使用可能なオプションを表示できます。
プロンプトに何も入力せずに ? を入力すると、現在のモードで使用できるコマンドがすべて表示されます。コマンドの一部を入力して ? を入力すると、その時点のコマンド構文内の位置で使用可能なキーワードと引数がすべて表示されます。
CLI セッション制限
Cisco UCS Manager は、同時にアクティブにできる CLI セッションの数を合計で 32 セッションに制限します。この値は設定可能です。
Web セッション制限
Web セッション制限は、ある時点における、システムにアクセス可能な Web セッション(GUI と XML の両方)の数を制限するために Cisco UCS Manager によって使用されます。
デフォルトでは、Cisco UCS Manager が許可する同時 Web セッション数は、最大値の 256 に設定されています。
CLI からの Cisco UCS Manager の Web セッション制限の設定
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 UCS-A# scope system
システム モードを開始します。
ステップ 2 UCS-A /system # scope services
システム サービス モードを開始します。
ステップ 3 UCS-A /system/services # scope web-session-limits
システム サービス Web セッション制限モードを開始します。
ステップ 4 UCS-A /system/services/web-session-limits # set total num-of-logins-total
システム内のすべてのユーザに許可される HTTP および HTTPS の同時セッションの最大数。
1 ~ 256 の整数を入力します。
ステップ 5 UCS-A /system/services/web-session-limits # commit-buffer
トランザクションをシステム設定にコミットします。
次に、システムで許可される HTTP および HTTPS セッションの最大数を 200 に設定し、トランザクションをコミットする例を示します。
UCS-A# scope system
UCS-A /system # scope services
UCS-A /system/services # scope web-session-limits
UCS-A /system/services/web-session-limits* # set total 200
UCS-A /system/services/web-session-limits* # commit-buffer
UCS-A /system/services/web-session-limits #
ログイン前バナー
ログイン前バナーを使用すると、ユーザが Cisco UCS Manager GUI にログインする場合、Cisco UCS Manager は [ログイン前バナーの作成(Create Pre-Login Banner)] ダイアログボックス にバナー テキストを表示し、ユーザがダイアログボックスを閉じてからユーザ名とパスワードの入力を求めます。ユーザが Cisco UCS Manager CLI にログインする場合、Cisco UCS Manager はダイアログボックスにバナー テキストを表示し、ユーザがダイアログボックスを閉じてからユーザ名とパスワードの入力を求めます。その後は、ユーザに表示するコピーライト ブロックの上にバナー テキストを繰り返します。
ログイン前バナーの作成
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 UCS-A# scope
security
セキュリティ モードを開始します。
ステップ 2 UCS-A /security # scope banner
バナー セキュリティ モードを開始します。
ステップ 3 UCS-A /security/banner # create pre-login-banner
ログイン前バナーを作成します。
ステップ 4 UCS-A /security/banner/pre-login-banner # set message
Cisco UCS Manager は、Cisco UCS Manager GUI または CLI 用のログイン プロンプトを表示する前に、ユーザに対してこのメッセージを表示 を指定します。
このフィールドには、標準の ASCII 文字を入力できます。
ログイン前バナー メッセージのテキストを入力するためのダイアログを開始します。
ステップ 5 プロンプトで、ログイン前バナー メッセージを入力し、Enter キーを押します。
入力内容の次の行に、「ENDOFBUF」と入力して終了します。
[set message] ダイアログをキャンセルするには、Ctrl+C キーを押します。
ステップ 6 UCS-A /security/banner/pre-login-banner # commit-buffer
トランザクションをシステム設定にコミットします。
次の例は、ログイン前バナーを作成します。
UCS-A# scope security
UCS-A /security # scope banner
UCS-A /security/banner # create pre-login-banner
UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # set message
Enter lines one at a time. Enter ENDOFBUF to finish. Press ^C to abort.
Enter prelogin banner:
>Welcome to UCS System 1
>ENDOFBUF
UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # commit-buffer
UCS-A /security/banner/pre-login-banner #
ログイン前バナーの変更
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 UCS-A# scope
security
セキュリティ モードを開始します。
ステップ 2 UCS-A /security # scope banner
バナー セキュリティ モードを開始します。
ステップ 3 UCS-A /security/banner # scope pre-login-banner
ログイン前バナーのバナー セキュリティ モードを開始します。
ステップ 4 UCS-A /security/banner/pre-login-banner # set message
Cisco UCS Manager は、Cisco UCS Manager GUI または CLI 用のログイン プロンプトを表示する前に、ユーザに対してこのメッセージを表示 を指定します。
このフィールドには、標準の ASCII 文字を入力できます。
ログイン前バナー メッセージのテキストを入力するためのダイアログを開始します。
ステップ 5 プロンプトで、ログイン前バナー メッセージを変更し、Enter キーを押します。
入力内容の次の行に、「ENDOFBUF」と入力して終了します。
[set message] ダイアログをキャンセルするには、Ctrl+C キーを押します。
ステップ 6 UCS-A /security/banner/pre-login-banner # commit-buffer
トランザクションをシステム設定にコミットします。
次に、ログイン前バナーを変更する例を示します。
UCS-A# scope security
UCS-A /security # scope banner
UCS-A /security/banner # create pre-login-banner
UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # set message
Enter lines one at a time. Enter ENDOFBUF to finish. Press ^C to abort.
Enter prelogin banner:
Welcome to UCS System 1
ENDOFBUF
UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # commit-buffer
UCS-A /security/banner/pre-login-banner #
ログイン前バナーの削除
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 UCS-A# scope
security
セキュリティ モードを開始します。
ステップ 2 UCS-A /security # scope banner
バナー セキュリティ モードを開始します。
ステップ 3 UCS-A /security/banner # delete pre-login-banner
システムからログイン前バナーを削除します。
ステップ 4 UCS-A /security/banner # commit-buffer
トランザクションをシステム設定にコミットします。
次に、ログイン前バナーを削除する例を示します。
UCS-A# scope security
UCS-A /security # scope banner
UCS-A /security/banner # delete pre-login-banner
UCS-A /security/banner* # commit-buffer
UCS-A /security/banner #