この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章の内容は、次のとおりです。
Cisco UCS C シリーズ ラックマウント サーバには、次のモデルがあります。
(注) | このファームウェア リリースでサポートされている Cisco UCS C シリーズ ラック マウント サーバを確認するには、関連するリリース ノートを参照してください。 C シリーズのリリース ノートは次の URL で入手できます。http://www.cisco.com/en/US/products/ps10739/prod_release_notes_list.html |
Cisco UCS C シリーズ ラックマウント サーバには Cisco IMC ファームウェアが付属しています。
Cisco IMC は、マザーボードに組み込まれている独立した管理モジュールです。専用の ARM ベースのプロセッサが、メイン サーバ CPU とは別に、Cisco IMC ファームウェアを実行します。システムには Cisco IMC ファームウェアの実行バージョンが付属しています。Cisco IMC ファームウェアは更新できますが、初期インストールは必要ではありません。
Cisco UCS C シリーズ ラック サーバは、Windows、Linux、Oracle などのオペレーティング システムをサポートします。サポートされているオペレーティング システムの詳細については、『Hardware and Software Interoperability for Standalone C-series servers』(http://www.cisco.com/en/US/products/ps10477/prod_technical_reference_list.html)を参照してください。KVM コンソールおよび vMedia を使用してサーバに OS をインストールするために、Cisco IMC を使用できます。
Cisco IMC は、C シリーズ サーバ用の管理サービスです。Cisco IMC はサーバ内で動作します。
(注) | Cisco IMC 管理サービスは、サーバがスタンドアロン モードで動作している場合にだけ使用されます。C シリーズ サーバが UCS システムに統合されている場合は、UCS Manager を使用してそのサーバを管理する必要があります。UCS Manager の使用方法については、http://www.cisco.com/go/unifiedcomputing/b-series-doc の『Cisco UCS B-Series Servers Documentation Roadmap』にリストされた設定ガイドを参照してください。 |
Web ベースの GUI または SSH ベースの CLI または XML ベースの API を使用して、サーバにアクセスし、サーバを設定、管理、モニタできます。ほとんどすべてのタスクは、これらのインターフェイスのいずれでも実行できます。また、一方のインターフェイスで実行されたタスクの結果は、もう一方のインターフェイスにも表示されます。ただし、次の操作はできません。
Cisco IMC を使用すると次のサーバ管理タスクを実行できます。
サーバの電源オン、電源オフ、電源の再投入、リセット、およびシャットダウン
ロケータ LED の切り替え
BIOS の設定
サーバのブート順の設定
サーバのプロパティとセンサーを表示する
リモート プレゼンスの管理
ローカル ユーザ アカウントを作成して管理し、Active Directory によるリモート ユーザの認証をイネーブルにする
NIC プロパティ、IPv4、VLAN、ネットワーク セキュリティなど、ネットワーク関連の設定を行う
HTTP、SSH、IPMI Over LAN、SNMP などのコミュニケーション サービスを設定する
証明書を管理する
プラットフォーム イベント フィルタの設定
Cisco IMC ファームウェアを更新する
障害、アラーム、およびサーバのステータスのモニタ
タイム ゾーンを設定し、ローカル タイムを表示する
Cisco IMC ファームウェアをインストールしてアクティブにする
BIOS ファームウェアをインストールしてアクティブにする
Cisco IMC はサーバのプロビジョニングを行うため、サーバのオペレーティング システムの下に存在します。したがって、サーバでオペレーティング システムやアプリケーションのプロビジョニングや管理を行うためにこれを使用することはできません。たとえば、次の操作を実行することはできません。
Cisco IMC CLI は、Cisco UCS C シリーズ サーバのコマンドライン管理インターフェイスです。SSH または Telnet を使用し、ネットワークを介して Cisco IMC CLI を起動し、サーバを管理できます。デフォルトでは、Telnet アクセスはディセーブルです。
CLI のユーザ ロールは、admin、user(制御は可能、設定は不可)、および read-only のいずれかになります。
(注) | admin パスワードが失われたために回復する必要がある場合には、ご使用のプラットフォームの Cisco UCS C シリーズ サーバ インストールおよびサービス ガイドを参照してください。 |
CLI のコマンド モードは階層構造になっており、EXEC モードが階層の最上位となります。上位のモードは下位のモードに分岐しています。scope コマンドを使用すると、高いレベルのモードから 1 つ低いレベルのモードに移動し、exit コマンドを使用すると、モード階層内の 1 つ高いレベルに移動します。top コマンドを実行すると、EXEC モードに戻ります。
(注) | ほとんどのコマンド モードは、管理対象オブジェクトに関連付けられています。scope コマンドを実行すると、管理対象オブジェクトは作成されず、管理対象オブジェクトがすでに存在するモードにアクセスできるだけです。 |
各モードには、モード内で使用できる一連のコマンドがあります。各モードで使用できるコマンドの大部分は、関連する管理対象オブジェクトに関係しています。割り当てられているロールによっては、あるモードで使用できるコマンドのサブセットにしかアクセスできない場合があります。アクセスできないコマンドは非表示になります。
各モードの CLI プロンプトには、モード階層における現在のモードのフルパスが表示されます。これにより、コマンド モード階層での現在位置がわかりやすくなります。また、階層内を移動する必要がある場合には、非常に便利な機能です。
次の表に、最初の 4 レベルのコマンド モード、各モードへのアクセスに使用するコマンド、および各モードに関連付けられている CLI プロンプトを示します。
モード名 | アクセスするコマンド | モード プロンプト |
---|---|---|
EXEC |
任意のモードで top コマンド |
# |
bios |
EXEC モードから scope bios コマンド |
/bios # |
advanced |
BIOS モードから scope advanced コマンド |
/bios/advanced # |
main |
BIOS モードから scope main コマンド |
/bios/main # |
server-management |
BIOS モードから scope server-management コマンド |
/bios/server-management # |
boot-device |
BIOS モードから scope boot-device コマンド |
/bios/boot-device # |
certificate |
EXEC モードから scope certificate コマンド |
/certificate # |
chassis |
EXEC モードで scope chassis コマンド |
/chassis # |
adapter |
シャーシ モードから scope adapter index コマンド |
/chassis/adapter # |
host-eth-if |
アダプタ モードから scope host-eth-if コマンド |
/chassis/adapter/host-eth-if # |
host-fc-if |
アダプタ モードから scope host-fc-if コマンド |
/chassis/adapter/host-fc-if # |
port-profiles |
アダプタ モードから scope port-profiles コマンド |
/chassis/adapter/port-profiles # |
dimm-summary |
シャーシ モードから scope dimm-summary index コマンド |
/chassis/dimm-summary # |
flexflash |
シャーシ モードから scope flexflash index コマンド |
/chassis/flexflash # |
operational-profiles |
flexflash モードから scope operational-profile コマンド |
/chassis/flexflash/operational-profile # |
storageadapter |
シャーシ モードから scope storageadapter slot コマンド |
/chassis/storageadapter # |
physical-drive |
storageadapter モードから scope physical-drive コマンド |
/chassis/storageadapter/physical-drive # |
virtual-drive |
storageadapter モードから scope virtual-drive コマンド |
/chassis/storageadapter/virtual-drive # |
cimc |
EXEC モードから scope cimc コマンド |
/cimc # |
firmware |
cimc モードから scope firmware コマンド |
/cimc/firmware # |
import-export |
cimc モードから scope import-export コマンド |
/cimc/import-export # |
log |
cimc モードから scope log コマンド |
/cimc/log # |
server |
ログ モードから scope server index コマンド |
/cimc/log/server # |
network |
cimc モードから scope network コマンド |
/cimc/network # |
ipblocking |
ネットワーク モードから scope ipblocking コマンド |
/cimc/network/ipblocking # |
tech-support |
cimc モードから scope tech-support コマンド |
/cimc/tech-support # |
fault |
EXEC モードから scope fault コマンド |
/fault # |
pef |
障害モードから scope pef コマンド |
/fault/pef # |
http |
EXEC モードから scope http コマンド |
/http # |
ipmi |
EXEC モードから scope ipmi コマンド |
/ipmi # |
kvm |
EXEC モードから scope kvm コマンド |
/kvm # |
ldap |
EXEC モードから scope ldap コマンド |
/ldap # |
role-group |
ldap モードから scope role-group コマンド |
/ldap/role-group # |
power-cap |
EXEC モードから scope power-cap コマンド |
/power-cap # |
sel |
EXEC モードから scope sel コマンド |
/sel # |
sensor |
EXEC モードから scope sensor コマンド |
/sensor # |
snmp |
EXEC モードから scope snmp コマンド |
/snmp # |
trap-destinations |
snmp モードから scope trap-destinations コマンド |
/snmp/trap-destinations # |
v3users |
snmp モードから scope v3users コマンド |
/snmp/v3users # |
sol |
EXEC モードから scope sol コマンド |
/sol # |
ssh |
EXEC モードから scope ssh コマンド |
/ssh # |
user |
EXEC モードから scope user user-number コマンド |
/user # |
user-session |
EXEC モードから scope user-session session-number コマンド |
/user-session # |
vmedia |
EXEC モードから scope vmedia コマンド |
/vmedia # |
xmlapi |
EXEC モードから scope xmlapi コマンド |
/xmlapi # |
dimm-blacklisting |
EXEC モードから scope dimm-blacklisting コマンド |
/dimm-blacklisting # |
reset-ecc |
EXEC モードから scope reset-ecc コマンド |
/ reset-ecc # |
任意のモードで Tab キーを使用すると、コマンドを実行できます。コマンド名の一部を入力して Tab を押すと、コマンド全体が表示されるか、または別のキーワードを選択するか引数値を入力する必要があるところまで表示されます。
CLI では、現在のセッションで使用したすべてのコマンドが保存されます。上矢印キーまたは下矢印キーを使用すると、これまでに使用したコマンドを 1 つずつ表示できます。上矢印キーを押すと履歴内の直前のコマンドが、下矢印キーを押すと履歴内の次のコマンドが表示されます。 履歴の末尾に到達した場合、下矢印キーを押しても何も起こりません。
履歴内のすべてのコマンドは、履歴を 1 つずつ表示し、目的のコマンドを再度呼び出し、Enter キーを押すだけでもう一度実行することができます。このコマンドは手動で入力したように表示されます。また、コマンドを再度呼び出した後、Enter キーを押す前にコマンドを変更することもできます。
CLI でコンフィギュレーション コマンドを入力する場合、commit コマンドを入力するまで、そのコマンドは適用されません。コミットされるまで、コンフィギュレーション コマンドは保留状態となり、discard コマンドを入力して廃棄できます。保留中のコマンドについては、アスタリスク(*)がコマンド プロンプトの前に表示されます。この例に示すように、commit コマンドを入力するとそのアスタリスクは消えます。
Server# scope chassis Server /chassis # set locator-led off Server /chassis *# commit Server /chassis #
複数のコマンド モードで保留中の変更を積み重ね、commit コマンド 1 つでまとめて適用できます。任意のコマンド モードで show configuration pending コマンドを入力して、保留中のコマンドを表示できます。
(注) | 複数のコマンドをまとめてコミットするのは、アトミック操作ではありません。失敗したコマンドがあっても、成功したコマンドは適用されます。失敗したコマンドはエラー メッセージで報告されます。 |
Default:簡単に確認できるよう、コマンド出力はコンパクト リストで表示されます。
次に、デフォルト形式のコマンド出力例を示します。
Server /chassis # set cli output default Server /chassis # show hdd detail Name HDD_01_STATUS: Status : present Name HDD_02_STATUS: Status : present Name HDD_03_STATUS: Status : present Name HDD_04_STATUS: Status : present Server /chassis #
YAML:スクリプトによる解析を簡単に行うため、コマンド出力は、定義された文字列で区切られた YAML(YAML Ain't Markup Language)データ シリアル化言語で表示されます。
次に、YAML 形式のコマンド出力例を示します。
Server /chassis # set cli output yaml Server /chassis # show hdd detail --- name: HDD_01_STATUS hdd-status: present --- name: HDD_02_STATUS hdd-status: present --- name: HDD_03_STATUS hdd-status: present --- name: HDD_04_STATUS hdd-status: present ... Server /chassis #
YAML の詳細については、http://www.yaml.org/about.html を参照してください。
ほとんどの CLI コマンド モードで、set cli output default を入力してデフォルト形式を設定するか、set cli output yaml を入力して YAML 形式を設定することができます。
スマート アクセス(シリアル)では、コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用し、シリアル接続を通じて C シリーズ サーバをオフラインで設定できます。このセットアップでは、コマンドライン インターフェイスにアクセスするために Cisco IMC をネットワークに接続する必要はありません。
KVM ドングル(DB9)を使用するか、またはシャーシの背面にあるシリアル ポート(RJ-45)を使用してシリアル接続にアクセスできます。
このセットアップを完了し、BIOS と OS メッセージがコンソールに表示されたら、Esc+9 を押すことで Cisco IMC CLI を表示できます。Cisco IMC ユーザ クレデンシャルを使用して接続を認証する必要があります。デフォルトのユーザ名は admin、デフォルトのパスワードは password です。同じコンソールで BIOS または OS に戻すには、Esc+8 を押します。
セッションが作成されると、そのセッションが [Web UI セッション(Web UI Sessions)] タブにシリアル接続として表示されます。
いつでも ? 文字を入力して、その時点のコマンド構文の状態に応じた使用可能なオプションを表示できます。
プロンプトに何も入力せずに ? を入力すると、現在のモードで使用できるコマンドがすべて表示されます。コマンドの一部を入力して ? を入力すると、その時点のコマンド構文内の位置で使用可能なキーワードと引数がすべて表示されます。
次に、Cisco IMC に初めてログインする例を示します。
Login as # admin admin10.101.255.255's password # password ***********************WARNING******************* Default credentials were used for login. Administration passwords needs to be changed for security purpose. ******************************************************************** Enter current password # abcxyz Re-enter new password # abcxyz Updating password... Password updated successfully. Server #