EtherChannel の設定

EtherChannel の制約事項

次に、EtherChannels の制約事項を示します。

  • EtherChannel のすべてのポートは同じ VLAN に割り当てるか、またはトランク ポートとして設定する必要があります。

  • LACP 1:1 冗長性機能は、ポート チャネル インターフェイスでのみサポートされます。

EtherChannel について

ここでは、EtherChannel と、EtherChannel を設定するためのさまざまなモードについて説明します。

EtherChannel の概要

EtherChannel は、スイッチ、ルータ、およびサーバ間にフォールトトレラントな高速リンクを提供します。EtherChannel を使用して、ワイヤリング クローゼットとデータセンター間の帯域幅を増やすことができます。さらに、ボトルネックが発生しやすいネットワーク上のあらゆる場所に EtherChannel を配置できます。EtherChannel は、他のリンクに負荷を再分散させることによって、リンク切断から自動的に回復します。リンク障害が発生した場合、EtherChannel は自動的に障害リンクからチャネル内の他のリンクにトラフィックをリダイレクトします。

EtherChannel は、単一の論理リンクにバンドルする個別のイーサネット リンクで構成されます。

図 1. 一般的な EtherChannel 構成

各 EtherChannel は、互換性のある設定のイーサネット ポートを 8 つまで使用して構成できます。

チャネル グループおよびポートチャネル インターフェイス

EtherChannel は、チャネル グループとポートチャネル インターフェイスから構成されます。チャネル グループはポートチャネル インターフェイスに物理ポートをバインドします。ポートチャネル インターフェイスに適用した設定変更は、チャネル グループにまとめてバインドされるすべての物理ポートに適用されます。

図 2. 物理ポート、チャネル グループおよびポートチャネル インターフェイスの関係.

channel-group コマンドは、物理ポートおよびポートチャネル インターフェイスをまとめてバインドします。各 EtherChannel には 1 ~ 252 までの番号が付いたポートチャネル論理インターフェイスがあります。ポートチャネル インターフェイス番号は、channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで指定した番号に対応しています。

物理ポート、論理ポートチャネル、およびチャネル グループの関係
  • レイヤ 2 ポートの場合は、channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル インターフェイスを動的に作成します。

    また、interface port-channel port-channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスを手動で作成することもできます。ただし、その場合、論理インターフェイスを物理ポートにバインドするには、channel-group channel-group-number コマンドを使用する必要があります。channel-group-number port-channel-number と同じ値に設定することも、違う値を使用することもできます。新しい番号を使用した場合、channel-group コマンドは動的に新しいポートチャネルを作成します。

  • レイヤ 3 ポートの場合は、interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンド、およびそのあとに no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、論理インターフェイスを手動で作成する必要があります。その後、channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。

Port Aggregation Protocol; ポート集約プロトコル

ポート集約プロトコル(PAgP)はシスコ独自のプロトコルで、Cisco デバイスおよび PAgP をサポートするベンダーによってライセンス供与されたデバイスでのみ稼働します。PAgP を使用すると、イーサネット ポート間で PAgP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。

スイッチまたはスイッチ スタックは PAgP を使用することによって、PAgP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似している(スタック内の単一デバイス上の)ポートを、単一の論理リンク(チャネルまたは集約ポート)に動的にグループ化します。設定が類似しているポートをグループ化する場合の基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、PAgP は速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN、VLAN 範囲、トランキング ステータス、およびトランキング タイプが同じポートをグループとしてまとめます。リンクを EtherChannel にグループ化した後で、PAgP は単一デバイスポートとして、スパニングツリーにそのグループを追加します。

PAgP モード

PAgP モードは、PAgP ネゴシエーションを開始する PAgP パケットをポートが送信できるか、または受信した PAgP パケットに応答できるかを指定します。

表 1. EtherChannel PAgP モード

モード

説明

auto

ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。これにより、PAgP パケットの送信は最小限に抑えられます。

desirable

ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。

スイッチポートは、auto モードまたは desirable モードに設定された相手ポートとだけ PAgP パケットを交換します。on モードに設定されたポートは、PAgP パケットを交換しません。

auto モードおよび desirable モードはともに、相手ポートとネゴシエーションして、ポート速度などの条件に基づいて(レイヤ 2 EtherChannel の場合は、トランクステートおよび VLAN 番号などの基準に基づいて)、ポートで EtherChannel を形成できるようにします。

PAgP モードが異なっていても、モード間で互換性がある限り、ポートは EtherChannel を形成できます。次に例を示します。

  • desirable モードのポートは、desirable または auto モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。

  • auto モードのポートは、desirable モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。

両ポートとも LACP ネゴシエーションを開始しないため、auto モードのポートは、auto モードの別のポートと EtherChannel を形成することはできません。

サイレント モード

PAgP 対応のデバイスにスイッチを接続する場合、non-silent キーワードを使用すると、スイッチポートを非サイレント動作用に設定できます。auto モードまたは desirable モードとともに non-silent モードを指定しなかった場合は、サイレントモードが指定されていると見なされます。

サイレント モードを使用するのは、PAgP 非対応で、かつほとんどパケットを送信しないデバイスにスイッチを接続する場合です。サイレント パートナーの例は、トラフィックを生成しないファイル サーバ、またはパケット アナライザなどです。この場合、サイレント パートナーに接続された物理ポート上で PAgP を稼働させると、このスイッチ ポートが動作しなくなります。ただし、サイレントを設定すると、PAgP が動作してチャネル グループにポートを結合し、このポートが伝送に使用されます。

PAgP 学習方式およびプライオリティ

ネットワーク デバイスは、PAgP 物理ラーナーまたは集約ポート ラーナーに分類されます。物理ポートによってアドレスを学習し、その知識に基づいて送信を指示するデバイスは物理ラーナーです。集約(論理)ポートによってアドレスを学習するデバイスは、集約ポート ラーナーです。学習方式は、リンクの両端で同一の設定にする必要があります。

デバイスとそのパートナーが両方とも集約ポート ラーナーの場合、論理ポートチャネル上のアドレスを学習します。デバイスは EtherChannel のいずれかのポートを使用することによって、送信元にパケットを送信します。集約ポート ラーナーの場合、どの物理ポートにパケットが届くかは重要ではありません。

PAgP は、パートナー デバイスが物理ラーナーの場合およびローカル デバイスが集約ポート ラーナーの場合には自動検出できません。したがって、物理ポートでアドレスを学習するには、ローカル デバイスに手動で学習方式を設定する必要があります。また、負荷の分散方式を送信元ベース分散に設定して、指定された送信元 MAC アドレスが常に同じ物理ポートに送信されるようにする必要もあります。

グループ内の 1 つのポートですべての伝送を行うように設定して、他のポートをホット スタンバイに使用することもできます。選択された 1 つのポートでハードウェア信号が検出されなくなった場合は、数秒以内に、グループ内の未使用のポートに切り替えて動作させることができます。パケット伝送用に常に選択されるように、ポートを設定するには、 pagp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してプライオリティを変更します。プライオリティが高いほど、そのポートが選択される可能性が高まります。


(注)  

CLI で physical-port キーワードを指定した場合でも、デバイスがサポートするのは、集約ポート上でのアドレスラーニングのみです。pagp learn-method コマンドおよび pagp port-priority コマンドは、デバイスハードウェアには影響を及ぼしませんが、Catalyst 1900 スイッチなど、物理ポートによるアドレスラーニングのみをサポートしているデバイスと PAgP の相互運用性を確保するために必要です。

デバイスのリンクパートナーが物理ラーナーである場合、pagp learn-method physical-port インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して物理ポートラーナーとしてデバイスを設定することを推奨します。また、port-channel load-balance src-mac グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、送信元 MAC アドレスに基づいて負荷分散方式を設定することを推奨します。すると、デバイスは送信元アドレスを学習した EtherChannel 内の同じポートを使用して、物理ラーナーにパケットを送信します。この状況では、pagp learn-method コマンドのみを使用します。


PAgP と他の機能との相互作用

ダイナミック トランキング プロトコル(DTP)および Cisco Discovery Protocol(CDP)は、EtherChannel の物理ポートを使用してパケットを送受信します。トランク ポートは、番号が最も小さい VLAN 上で PAgP プロトコル データ ユニット(PDU)を送受信します。

レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。レイヤ 3 EtherChannel の場合、(interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを経由して)インターフェイスが作成された直後に、アクティブなデバイスにより MAC アドレスが割り当てられます。

PAgP が PAgP PDU を送受信するのは、PAgP が auto モードまたは desirable モードでイネーブルになっている、稼働状態のポート上だけです。

Link Aggregation Control Protocol

LACP は IEEE 802.3ad で定義されており、シスコデバイスが IEEE 802.3ad プロトコルに適合したデバイス間のイーサネットチャネルを管理できるようにします。LACP を使用すると、イーサネット ポート間で LACP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。

スイッチまたはスイッチ スタックは LACP を使用することによって、LACP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似しているポートを単一の倫理リンク(チャネルまたは集約ポート)に動的にグループ化します。設定が類似しているポートをグループ化する場合の基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、LACP は速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN、VLAN 範囲、トランキング ステータス、およびトランキング タイプが同じポートをグループとしてまとめます。リンクをまとめて EtherChannel を形成した後で、LACP は単一デバイスポートとして、スパニングツリーにそのグループを追加します。

ポート チャネル内のポートの独立モード動作が変更されます。CSCtn96950 では、デフォルトでスタンドアロン モードが有効になっています。LACP ピアから応答が受信されない場合、ポート チャネル内のポートは中断状態に移動されます。

LACP モード

LACP モードでは、ポートが LACP パケットを送信できるか、LACP パケットの受信のみができるかどうかを指定します。

表 2. EtherChannel LACP モード

モード

説明

active

ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。

passive

ポートはパッシブ ネゴシエーション ステートになります。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。これにより、LACP パケットの送信を最小限に抑えます。

active モードおよび passive LACP モードはともに、相手ポートとネゴシエーションして、ポート速度などの条件に基づいて(レイヤ 2 EtherChannel の場合は、トランクステートおよび VLAN 番号などの基準に基づいて)、ポートで EtherChannel を形成できるようにします。

LACP モードが異なっていても、モード間で互換性がある限り、ポートは EtherChannel を形成できます。次に例を示します。

  • active モードのポートは、active または passive モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。

  • 両ポートとも LACP ネゴシエーションを開始しないため、passive モードのポートは、passive モードの別のポートと EtherChannel を形成することはできません。

LACP とリンクの冗長性

LACP ポートチャネルの最小リンクおよび LACP の最大バンドルの機能を使用して、LACP ポートチャネル動作、帯域幅の可用性およびリンク冗長性をさらに高めることができます。

LACP ポートチャネルの最小リンク機能:

  • LACP ポート チャネルでリンクし、バンドルする必要があるポートの最小数を設定します。

  • 低帯域幅の LACP ポート チャネルがアクティブにならないようにします。

  • 必要な最低帯域幅を提供する十分なアクティブ メンバ ポートがない場合、LACP ポート チャネルが非アクティブになるようにします。

LACP の最大バンドル機能:

  • LACP ポート チャネルのバンドル ポートの上限数を定義します。

  • バンドル ポートがより少ない場合のホット スタンバイ ポートを可能にします。たとえば、5 個のポートがある LACP ポート チャネルで、3 個の最大バンドルを指定し、残りの 2 個のポートをホット スタンバイ ポートとして指定できます。

LACP と他の機能との相互作用

DTP および CDP は、EtherChannel の物理ポートを介してパケットを送受信します。トランク ポートは、番号が最も小さい VLAN 上で LACP PDU を送受信します。

レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。レイヤ 3 EtherChannel の場合、interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを経由してインターフェイスが作成された直後に、アクティブなデバイスにより MAC アドレスが割り当てられます。

LACP が LACP PDU を送受信するのは、LACP が active モードまたは passive モードでイネーブルになっている稼働状態のポートとの間だけです。

LACP 1:1 冗長性

LACP 1:1 冗長性機能では、ホットスタンバイ リンクへのファスト スイッチオーバーとアクティブ リンク 1 つによる EtherChannel 設定がサポートされます。ポート プライオリティ番号が小さい(つまり、プライオリティの高い)方のポートに接続されたリンクがアクティブ リンクになり、もう一方のリンクはホット スタンバイ ステートになります。アクティブ リンクがダウンした場合、LACP はホット スタンバイ リンクへのファスト スイッチオーバーを実行して、EtherChannel のアップ状態を維持します。障害が発生したリンクが再度動作可能になると、LACP は、もう一度ファスト スイッチオーバーを実行して元のアクティブ リンクに戻します。

高プライオリティ/低プライオリティ スイッチオーバー後にポートが再度アクティブになった際に、プライオリティが高いポートを安定させるため、LACP の 1:1 のホット スタンバイ ダンプニング機能では、ポートがアクティブになった後のプライオリティが高いポートへのスイッチオーバーを遅らせるタイマーが設定されます。

EtherChannel の On モード

EtherChannel on モードは、EtherChannel を手動で設定するために使用できます。on モードでは、ネゴシエーションを行わずにポートは強制的に EtherChannel に参加されます。on モードは、リモートデバイスが PAgP または LACP をサポートしていない場合に役立つことがあります。on モードでは、リンクの両端のデバイスが on モードに設定されている場合のみ、使用可能な EtherChannel が存在します。

同じチャネルグループ内で on モードに設定されているポートは、互換性のあるポート特性(速度やデュプレックスなど)を備えている必要があります。互換性のないポートは、on モードに設定されている場合でも、一時停止されます。


注意    

on モードを使用する場合は、注意する必要があります。これは手動の設定であり、EtherChannel の両端のポートには、同一の設定が必要です。グループの設定を誤ると、パケット損失またはスパニングツリーループが発生することがあります。


ロードバランシングおよび転送方式

EtherChannel は、フレーム内のアドレスに基づいて形成されたバイナリ パターンの一部を、チャネル内の 1 つのリンクを選択する数値に縮小することによって、チャネル内のリンク間でトラフィックのロード バランシングを行います。MAC アドレス、IP アドレス、送信元アドレス、宛先アドレス、または送信元と宛先両方のアドレスに基づいた負荷分散など、複数の異なるロードバランシングモードから 1 つを指定できます。選択したモードは、デバイス上で設定されているすべての EtherChannel に適用されます。


(注)  

レイヤ 3 等コスト マルチ パス(ECMP)のロード バランシングは、送信元 IP アドレス、宛先 IP アドレス、送信元ポート、宛先ポート、およびレイヤ 4 プロトコルに基づいています。フラグメント化されたパケットは、これらのパラメータを使用して計算されたアルゴリズムに基づいて 2 つの異なるリンクで処理されます。これらのパラメータのいずれかを変更すると、ロード バランシングが実行されます。


MAC アドレス転送

送信元 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、送信元ホストが異なるパケットはそれぞれ異なるチャネル ポートを使用しますが、送信元ホストが同じパケットは同じチャネル ポートを使用します。

宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの宛先ホストの MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、宛先が同じパケットは同じポートに転送され、宛先の異なるパケットはそれぞれ異なるチャネル ポートに転送されます。

送信元および宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、送信元および宛先の両方の MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。この転送方式は、負荷分散の送信元 MAC アドレス転送方式と宛先 MAC アドレス転送方式を組み合わせたものです。特定のデバイスに対して送信元 MAC アドレス転送と宛先 MAC アドレス転送のどちらが適切であるかが不明な場合に使用できます。送信元および宛先 MAC アドレス転送の場合、ホスト A からホスト B、ホスト A からホスト C、およびホスト C からホスト B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。

IP アドレス転送

送信元 IP アドレスベース転送の場合、パケットは、着信パケットの送信元 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。ロード バランシングを行うために、IP アドレスが異なるパケットはチャネルでそれぞれ異なるポートを使用しますが、IP アドレスが同じパケットはチャネルで同じポートを使用します。

宛先 IP アドレスベース転送の場合、パケットは着信パケットの宛先 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。ロード バランシングを行うために、同じ送信元 IP アドレスから異なる宛先 IP アドレスに送信されるパケットは、チャネルの異なるチャネル ポートに送信できます。異なる送信元 IP アドレスから同じ宛先 IP アドレスに送信されるパケットは、常にチャネルの同じポートに送信されます。

送信元と宛先 IP アドレスベース転送の場合、パケットは着信パケットの送信元および宛先の両方の IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。この転送方式は、送信元 IP アドレスベース転送方式と宛先 IP アドレスベース転送方式を組み合わせたもので、特定のデバイスに対して送信元 IP アドレスベース転送と宛先 IP アドレスベース転送のどちらが適切であるか不明な場合に使用できます。この方式では、IP アドレス A から IP アドレス B に、IP アドレス A から IP アドレス C に、および IP アドレス C から IP アドレス B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。

ロードバランシングの利点

ロードバランシング方式には異なる利点があるため、ネットワーク内のデバイスの位置、および負荷分散が必要なトラフィックの種類に基づいて特定のロードバランシング方式を選択する必要があります。

図 3. 負荷の分散および転送方式. 次の図では、4 台のワーク ステーションの EtherChannel がルータと通信します。ルータは単一 MAC アドレスデバイスであるため、スイッチ EtherChannel で送信元ベース転送を行うことにより、スイッチが、ルータで使用可能なすべての帯域幅を使用することが保証されます。ルータは、宛先アドレスベース転送を行うように設定されます。これは、多数のワークステーションで、トラフィックがルータ EtherChannel から均等に分配されることになっているためです。
負荷の分散および転送方式

設定で一番種類が多くなるオプションを使用してください。たとえば、チャネル上のトラフィックが単一 MAC アドレスを宛先とする場合、宛先 MAC アドレスを使用すると、チャネル内の同じリンクが常に選択されます。ただし、送信元アドレスまたは IP アドレスを使用した方が、ロードバランシングの効率がよくなる場合があります。

EtherChannel とスイッチ スタック

EtherChannel に加入しているポートが含まれているスタック メンバに、障害が発生するか、そのスタック メンバがスタックから除外された場合、アクティブなスイッチにより、障害が発生したスタック メンバ スイッチ ポートが EtherChannel から削除されます。EtherChannel に残っているポートがある場合、接続は引き続き確保されます。

スイッチが既存スタックに追加されると、新しいスイッチでは、アクティブなスイッチから実行コンフィギュレーションを受信し、EtherChannel 関連のスタック設定でアップデートされます。スタック メンバでは、動作情報(動作中で、チャネルのメンバであるポートのリスト)も受信します。

2 つのスタック間で設定されている EtherChannel がマージされた場合、セルフループ ポートになります。スパニングツリーにより、この状況が検出され、必要な動作が発生します。正常な状態にあるスイッチ スタックにある PAgP 設定または LACP 設定は影響を受けませんが、損失したスイッチ スタックの PAgP 設定または LACP 設定は、スタックのリブート後に失われます。

スイッチスタックおよび PAgP

PAgP では、アクティブなスイッチに障害が発生するか、スタックを離れた場合、スタンバイ スイッチが新しいアクティブ スイッチになります。新しいアクティブ スイッチはアクティブなスイッチの該当項目にスタック メンバの設定を同期します。PAgP 設定は、EtherChannel に古いアクティブ スイッチ上にあるポートがない限り、アクティブなスイッチの変更後も影響を受けません。

スイッチ スタックおよび LACP

LACP の場合、システム ID には、アクティブなスイッチから取得したスタック MAC アドレスが使用されます。アクティブスイッチに障害が発生したり、スタックを離れ、スタンバイスイッチが新しいアクティブスイッチが変更になっても、LACP システム ID は変更されません。デフォルトでは、LACP 設定はアクティブスイッチの変更後も影響を受けません。

EtherChannel のデフォルト設定

EtherChannel のデフォルト設定を、次の表に示します。

表 3. EtherChannel のデフォルト設定

機能

デフォルト設定

チャネル グループ

割り当てなし

ポートチャネル論理インターフェイス

未定義

PAgP モード

デフォルトなし

PAgP 学習方式

すべてのポートで集約ポート ラーニング

PAgP プライオリティ

すべてのポートで 128

LACP モード

デフォルトなし

LACP 学習方式

すべてのポートで集約ポート ラーニング

LACP ポート プライオリティ

すべてのポートで 32768

LACP システム プライオリティ

32768

LACP システム ID

LACP システムのプライオリティおよびスイッチまたはスタックの MAC アドレス

ロード バランシング

着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいてスイッチ上で負荷を分散

送信元 MAC アドレスは src-mac です。

EtherChannel 設定時の注意事項

EtherChannel ポートを正しく設定していない場合は、ネットワーク ループおよびその他の問題を回避するために、一部の EtherChannel インターフェイスが自動的にディセーブルになります。設定上の問題を回避するために、次の注意事項に従ってください。

  • スイッチまたはスイッチスタックでは、最大 128 の EtherChannel(StackWise Virtual 以外の設定)および最大 126 の EtherChannel(StackWise Virtual の設定)がサポートされています。

  • PAgP EtherChannel は、同じタイプのイーサネット ポートを 8 つまで使用して設定します。

  • 同じタイプのイーサネット ポートを最大で 16 個備えた LACP EtherChannel を設定してください。最大 8 つのポートを active モードに、最大 8 つのポートを standby モードにできます。

  • EtherChannel 内のすべてのポートを同じ速度および同じデュプレックス モードで動作するように設定します。

  • EtherChannel 内のすべてのポートをイネーブルにします。shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して無効にされた EtherChannel 内のポートはリンク障害として扱われ、そのトラフィックは EtherChannel 内の残りのポートのいずれかに転送されます。

  • グループを初めて作成した際には、そのグループに最初に追加されたポートのパラメータ設定値をすべてのポートが引き継ぎます。次のパラメータのいずれかで設定を変更した場合は、グループ内のすべてのポートでも変更する必要があります。

    • 許可 VLAN リスト

    • 各 VLAN のスパニングツリー パス コスト

    • 各 VLAN のスパニングツリー ポート プライオリティ

    • スパニングツリー PortFast の設定

  • 1 つのポートが複数の EtherChannel グループのメンバになるように設定しないでください。

  • EtherChannel は、PAgP と LACP の両方のモードには設定しないでください。PAgP および LACP が稼働している複数の EtherChannel グループは、同じスイッチまたはスタック内の別のスイッチ上で共存できます。個々の EtherChannel グループは PAgP または LACP のいずれかを実行できますが、相互運用することはできません。

  • アクティブまたはアクティブでない EtherChannel メンバであるポートを IEEE 802.1x ポートとして設定しないでください。EtherChannel ポートで IEEE 802.1x をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1x はイネーブルになりません。

  • EtherChannel がデバイスインターフェイスに設定されている場合は、dot1x system-auth-control グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、デバイス上で IEEE 802.1x をグローバルに有効にする前に、インターフェイスから EtherChannel 構成を削除します。

レイヤ 2 EtherChannel 設定時の注意事項

レイヤ 2 EtherChannels を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

  • EtherChannel 内のすべてのポートを同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定してください。複数のネイティブ VLAN に接続されるポートは、EtherChannel を形成できません。

  • EtherChannel は、トランキング レイヤ 2 EtherChannel 内のすべてのポート上で同じ VLAN 許容範囲をサポートしています。VLAN 許容範囲が一致していないと、PAgP が auto モードまたは desirable モードに設定されていても、ポートは EtherChannel を形成しません。

  • スパニングツリー パス コストが異なるポートは、設定上の矛盾がない限り、EtherChannel を形成できます。異なるスパニングツリー パス コストを設定すること自体は、EtherChannel を形成するポートの矛盾にはなりません。

レイヤ 3 EtherChannel 設定時の注意事項

レイヤ 3 EtherChannel の場合は、レイヤ 3 アドレスをチャネル内の物理ポートでなく、ポートチャネル論理インターフェイスに割り当ててください。

Auto-LAG

Auto-LAG 機能は、スイッチに接続されたポートで EtherChannel を自動的に作成できる機能です。デフォルトでは、Auto-LAG がグローバルに無効にされ、すべてのポート インターフェイスで有効になっています。Auto-LAG は、グローバルに有効になっている場合にのみ、スイッチに適用されます。

Auto-LAG をグローバルに有効にすると、次のシナリオが可能になります。

  • パートナー ポート インターフェイス上に EtherChannel が設定されている場合、すべてのポート インターフェイスが自動 EtherChannel の作成に参加します。詳細については、次の表「アクターとパートナー デバイス間でサポートされる Auto-LAG 設定」を参照してください。

  • すでに手動 EtherChannel の一部であるポートは、自動 EtherChannel の作成に参加することはできません。

  • Auto-LAG がすでに自動で作成された EtherChannel の一部であるポート インターフェイスで無効になっている場合、ポート インターフェイスは自動 EtherChannel からバンドル解除されます。

次の表に、アクターとパートナー デバイス間でサポートされる Auto-LAG 設定を示します。

表 4. アクターとパートナー デバイス間でサポートされる Auto-LAG 設定

アクター/パートナー

アクティブ

パッシブ

自動

アクティブ

対応

対応

対応

パッシブ

対応

非対応

対応

自動

対応

対応

対応

Auto-LAG をグローバルに無効にすると、自動で作成されたすべての Etherchannel が手動 EtherChannel になります。

既存の自動で作成された EtherChannel で設定を追加することはできません。追加するには、最初に port-channel<channel-number>persistent を実行して、手動 EtherChannel に変換する必要があります。


(注)  

Auto-LAG は自動 EtherChannel の作成に LACP プロトコルを使用します。一意のパートナー デバイスで自動的に作成できる EtherChannel は 1 つだけです。


Auto-LAG 設定時の注意事項

Auto-LAG 機能を設定するときには、次の注意事項に従ってください。

  • Auto-LAG がグローバルで有効な場合、およびポート インターフェイスで有効な場合に、ポート インターフェイスを自動 EtherChannel のメンバーにしたくない場合は、ポート インターフェイスで Auto-LAG を無効にします。

  • ポート インターフェイスは、すでに手動 EtherChannel のメンバーである場合、自動 EtherChannel にバンドルされません。自動 EtherChannel にバンドルされるようにするには、まずポート インターフェイスで手動 EtherChannel のバンドルを解除します。

  • Auto-LAG が有効になり、自動 EtherChannel が作成されると、同じパートナー デバイスで複数の EtherChannel を手動で作成できます。ただし、デフォルトでは、ポートはパートナー デバイスで自動 EtherChannel の作成を試行します。

  • Auto-LAG は、レイヤ 2 EtherChannel でのみサポートされています。レイヤ 3 インターフェイスおよびレイヤ 3 EtherChannel ではサポートされていません。

  • Auto-LAG は、Cross-Stack EtherChannel でサポートされています。

EtherChannel の設定方法

EtherChannel の設定後、ポートチャネル インターフェイスに適用した設定変更は、そのポートチャネル インターフェイスに割り当てられたすべての物理ポートに適用されます。また、物理ポートに適用した設定変更は、設定を適用したポートだけに作用します。

ここでは、EtherChannel のさまざまな設定情報について説明します。

レイヤ 2 EtherChannel の設定

レイヤ 2 EtherChannel を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで channel-group コマンドを使用して、チャネルグループにポートを割り当てます。このコマンドにより、ポートチャネル論理インターフェイスが自動的に作成されます。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

指定できるインターフェイスは、物理ポートです。

PAgP EtherChannel の場合、同じタイプおよび速度のポートを 8 つまで同じグループに設定できます。

LACP EtherChannel の場合、同じタイプのイーサネット ポートを 16 まで設定できます。最大 8 つのポートを active モードに、最大 8 つのポートを standby モードにできます。

ステップ 4

switchport mode {access | trunk}

例:

Device(config-if)# switchport mode access

すべてのポートをスタティックアクセス ポートとして同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定します。

ポートをスタティックアクセス ポートとして設定する場合は、ポートを 1 つの VLAN にのみ割り当ててください。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 5

switchport access vlan vlan-id

例:

Device(config-if)# switchport access vlan 22

ポートをスタティックアクセス ポートとして設定する場合は、ポートを 1 つの VLAN にのみ割り当ててください。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 6

channel-group channel-group-number mode {auto [non-silent] | desirable [non-silent ] | on } | { active | passive}

例:

Device(config-if)# channel-group 5 mode auto

チャネル グループにポートを割り当て、PAgP モードまたは LACP モードを指定します。

mode には、次のキーワードのいずれか 1 つを選択します。

  • auto PAgP 装置が検出された場合に限り、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。

  • desirable 無条件に PAgP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。

  • on :PAgP または LACP を使用せずにポートが強制的にチャネル化されます。on モードでは、使用可能な EtherChannel が存在するのは、on モードのポートグループが、on モードの別のポートグループに接続する場合だけです。

  • non-silent (任意)デバイスが PAgP 対応のパートナーに接続されている場合、ポートが auto または desirable モードになると非サイレント動作を行うようにデバイスポートを設定します。non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されたものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザとの接続に適しています。サイレントを設定すると、PAgP が動作してチャネル グループにポートを結合し、このポートが伝送に使用されます。

  • active :LACP 装置が検出された場合に限り、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。

  • passive :ポート上で LACP をイネーブルにして、ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。

ステップ 7

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

レイヤ 3 EtherChannel の設定

レイヤ 3 EtherChannel にイーサネット ポートを割り当てるには、この手順を実行します。この手順は必須です。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

有効なインターフェイスには、物理ポートが含まれます。

PAgP EtherChannel の場合、同じタイプおよび速度のポートを 8 つまで同じグループに設定できます。

LACP EtherChannel の場合、同じタイプのイーサネット ポートを 16 まで設定できます。最大 8 つのポートを active モードに、最大 8 つのポートを standby モードにできます。

ステップ 4

no ip address

例:

Device(config-if)# no ip address

物理ポートに割り当てられている IP アドレスがないことを確認します。

ステップ 5

no switchport

例:

Device(config-if)# no switchport

ポートをレイヤ 3 モードにします。

ステップ 6

channel-group channel-group-number mode { auto [ non-silent ] | desirable [ non-silent ] | on } | { active | passive }

例:

Device(config-if)# channel-group 5 mode auto               

チャネル グループにポートを割り当て、PAgP モードまたは LACP モードを指定します。

mode には、次のキーワードのいずれか 1 つを選択します。

  • auto :PAgP 装置が検出された場合に限り、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。EtherChannel メンバーがスイッチ スタック内で異なるスイッチに属している場合、このキーワードはサポートされません。

  • desirable :無条件に PAgP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。EtherChannel メンバーがスイッチ スタック内で異なるスイッチに属している場合、このキーワードはサポートされません。

  • on :PAgP や LACP を使用しないで、ポートを強制的にチャネル化します。on モードでは、使用可能な EtherChannel が存在するのは、on モードのポートグループが、on モードの別のポートグループに接続する場合だけです。

  • non-silent (任意)デバイスが PAgP 対応のパートナーに接続されている場合、ポートが auto または desirable モードになると非サイレント動作を行うようにデバイスポートを設定します。non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されたものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザとの接続に適しています。サイレントを設定すると、PAgP が動作してチャネル グループにポートを結合し、このポートが伝送に使用されます。

  • active :LACP 装置が検出された場合に限り、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、相手ポートとのネゴシエーションを開始します。

  • passive :ポート上で LACP をイネーブルにして、ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。

ステップ 7

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

EtherChannel ロード バランシングの設定

複数の異なる転送方式の 1 つを使用するように EtherChannel ロードバランシングを設定できます。

このタスクはオプションです。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

port-channel load-balance { dst-ip | dst-mac | dst-mixed-ip-port | dst-port | extended | src-dst-ip | src-dst-mac | src-dst-mixed-ip-port | src-dst-port | src-ip | src-mac | src-mixed-ip-port | src-port }

例:

Device(config)# port-channel load-balance src-mac

EtherChannel のロードバランシング方式を設定します。

デフォルトは src-mac です。

次のいずれかの負荷分散方式を選択します。

  • dst-ip :宛先ホストの IP アドレスを指定します。

  • dst-mac :着信パケットの宛先ホストの MAC アドレスを指定します。

  • dst-mixed-ip-port :ホストの IP アドレスおよび TCP/UDP ポートを指定します。

  • dst-port :宛先 TCP/UDP ポートを指定します。

  • src-dst-ip :送信元および宛先ホストの IP アドレスを指定します。

  • src-dst-mac :送信元および宛先ホストの MAC アドレスを指定します。

  • src-dst-mixed-ip-port :送信先および宛先ホストの IP アドレスおよび TCP/UDP ポートを指定します。

  • src-dst-port :送信元および宛先 TCP/UDP ポートを指定します。

  • extended :標準コマンドで使用可能なもの以外に、送信元および宛先の方式を組み合わせた、拡張ロード バランシング方式を指定します。

  • src-ip :送信元ホストの IP アドレスを指定します。

  • src-mac :着信パケットの送信元 MAC アドレスを指定します。

  • src-mixed-ip-port :送信元ホストの IP アドレスおよび TCP/UDP ポートを指定します。

  • src-port :送信元 TCP/UDP ポートを指定します。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

EtherChannel 拡張ロードバランシングの設定

ロードバランシング方式を組み合わせて使用する場合には、拡張ロードバランシングを設定します。

このタスクはオプションです。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

port-channel load-balance extended { dst-ip | dst-mac dst-port | ipv6-label | l3-proto | src-ip | src-mac | src-port }

例:

Device(config)# port-channel load-balance extended dst-ip dst-mac src-ip

EtherChannel 拡張ロードバランシング方式を設定します。

デフォルトは src-mac です。

次のいずれかの負荷分散方式を選択します。

  • dst-ip :宛先ホストの IP アドレスを指定します。

  • dst-mac :着信パケットの宛先ホストの MAC アドレスを指定します。

  • dst-port :宛先 TCP/UDP ポートを指定します。

  • ipv6-label :IPv6 フロー ラベルを指定します。

  • l3-proto :レイヤ 3 プロトコルを指定します。

  • src-ip :送信元ホストの IP アドレスを指定します。

  • src-mac :着信パケットの送信元 MAC アドレスを指定します。

  • src-port :送信元 TCP/UDP ポートを指定します。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

PAgP 学習方式およびプライオリティの設定

このタスクはオプションです。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

伝送ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

pagp learn-method physical-port

例:

Device(config-if)# pagp learn-method physical port

PAgP 学習方式を選択します。

デフォルトでは、aggregation-port learning が選択されています。つまり、EtherChannel 内のポートのいずれかを使用して、デバイスがパケットを送信元に送信します。集約ポート ラーナーの場合、どの物理ポートにパケットが届くかは重要ではありません。

is 物理ポートラーナーである別のデバイスに接続するphysical-port を選択します。

port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドを src-mac に設定してください。

学習方式はリンクの両端で同じ方式に設定する必要があります。

ステップ 5

pagp port-priority priority

例:

Device(config-if)# pagp port-priority 200

選択したポートがパケット伝送用として選択されるように、プライオリティを割り当てます。

priority に指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルト値は 128 です。プライオリティが高いほど、ポートが PAgP 伝送に使用される可能性が高くなります。

ステップ 6

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

LACP ホット スタンバイ ポートの設定

LACP がイネーブルの場合、ソフトウェアはデフォルトで、チャネルにおける LACP 互換ポートの最大数(最大 16 個のポート)の設定を試みます。一度にアクティブにできる LACP リンクは 8 つだけです。残りの 8 個のリンクがホット スタンバイ モードになります。アクティブ リンクの 1 つが非アクティブになると、ホット スタンバイ モードのリンクが代わりにアクティブになります。

チャネルでアクティブ ポートの最大数を指定することでデフォルト動作を上書きできます。この場合、残りのポートがホット スタンバイ ポートになります。たとえばチャネルで最大 5 個のポートを指定した場合、11 個までのポートがホット スタンバイ ポートになります。

9 つ以上のリンクが EtherChannel グループとして設定された場合、ソフトウェアは LACP プライオリティに基づいてアクティブにするホット スタンバイ ポートを決定します。ソフトウェアは、LACP を操作するシステム間のすべてのリンクに、次の要素(プライオリティ順)で構成された一意のプライオリティを割り当てます。

  • LACP システム プライオリティ

  • システム ID(デバイス MAC アドレス)

  • LACP ポート プライオリティ

  • ポート番号

プライオリティの比較においては、数値が小さいほどプライオリティが高くなります。プライオリティは、ハードウェア上の制約がある場合に、すべての互換ポートが集約されないように、スタンバイ モードにするポートを決定します。

アクティブ ポートかホット スタンバイ ポートかを判別するには、次の(2 つの)手順を使用します。まず、数値的に低いシステム プライオリティとシステム ID を持つシステムの方を選びます。次に、ポート プライオリティおよびポート番号の値に基づいて、そのシステムのアクティブ ポートとホット スタンバイ ポートを決定します。他のシステムのポート プライオリティとポート番号の値は使用されません。

ソフトウェアのアクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法に影響を与えるように、LACP システム プライオリティおよび LACP ポート プライオリティのデフォルト値を変更できます。

LACP の最大バンドル機能の設定

ポート チャネルで許可されるバンドル化された LACP ポートの最大数を指定すると、ポート チャネル内の残りのポートがホット スタンバイ ポートとして指定されます。

ポート チャネルの LACP ポートの最大数を設定するには、特権 EXEC モードで開始して、次の手順に従います。この手順は任意です。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface port-channel channel-number

例:
Device(config)# interface port-channel 2 

ポート チャネルのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

指定できる範囲は 1 ~ 128 です。

ステップ 4

lacp max-bundle max_bundle_number

例:
Device(config-if)# lacp max-bundle 3

ポートチャネル バンドルで LACP ポートの最大数を指定します。

指定できる範囲は 1 ~ 8 です。

ステップ 5

end

例:
Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

LACP ポートチャネル スタンドアロン ディセーブルの設定

ポート チャネルのスタンドアロン EtherChannel メンバー ポート ステートをディセーブルにするには、ポート チャネル インターフェイスで次の作業を行います。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface port-channel channel-group

例:
Device(config)# interface port-channel channel-group 

設定するポート チャネル インターフェイスを選択します。

ステップ 4

port-channel standalone-disable

例:
Device(config-if)# port-channel standalone-disable 

ポートチャネル インターフェイスのスタンドアロン モードをディセーブルにします。

ステップ 5

end

例:
Device(config-if)# end

設定モードを終了します。

ステップ 6

show etherchannel

例:

Device# show etherchannel  channel-group   port-channel 
Device# show etherchannel  channel-group   detail

設定を確認します。

LACP ポートチャネルの最小リンク機能の設定

リンク アップ状態で、リンク アップ ステートに移行するポート チャネル インターフェイスの EtherChannel でバンドルする必要のあるアクティブ ポートの最小数を指定できます。EtherChannel の最小リンクを使用して、低帯域幅 LACP EtherChannel がアクティブになることを防止できます。また、LACP EtherChannel にアクティブ メンバー ポートが少なすぎて、必要な最低帯域幅を提供できない場合、この機能により LACP EtherChannel が非アクティブになります。

ポート チャネルに必要なリンクの最小数を設定する。次の作業を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface port-channel channel-number

例:
Device(config)# interface port-channel 2 

ポートチャネルのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

channel-number の範囲は 1 ~ 63 です。

ステップ 4

port-channel min-links min-links-number

例:
Device(config-if)# port-channel min-links 3

リンク アップ状態で、リンク アップ ステートに移行するポート チャネル インターフェイスの EtherChannel でバンドルする必要のあるメンバ ポートの最小数を指定できます。

min-links-number の範囲は 2 ~ 8 です。

ステップ 5

end

例:
Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

LACP システム プライオリティの設定

lacp system-priority コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで使用して、LACP をイネーブルにしているすべての EtherChannel に対してシステムプライオリティを設定できます。LACP を設定済みの各チャネルに対しては、システム プライオリティを設定できません。デフォルト値を変更すると、ソフトウェアのアクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法に影響します。

どのポートがホットスタンバイモードにあるか確認するには、特権 EXEC モードで show etherchannel summary コマンドを使用します(H ポートステートフラグで表示)。

LACP システム プライオリティを設定するには、次の手順に従います。この手順は任意です。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

lacp system-priority priority

例:
Device(config)# lacp system-priority 32000

LACP システム プライオリティを設定します。

指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルトは 32768 です。

値が小さいほど、システム プライオリティは高くなります。

ステップ 4

end

例:
Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

LACP ポート プライオリティの設定

デフォルトでは、すべてのポートは同じポート プライオリティです。ローカル システムのシステム プライオリティおよびシステム ID の値がリモート システムよりも小さい場合は、LACP EtherChannel ポートのポート プライオリティをデフォルトよりも小さな値に変更して、最初にアクティブになるホットスタンバイ リンクを変更できます。ホット スタンバイ ポートは、番号が小さい方が先にチャネルでアクティブになります。どのポートがホットスタンバイモードにあるか確認するには、show etherchannel summary 特権 EXEC コマンドを使用します(H ポートステートフラグで表示)。


(注)  

LACP がすべての互換ポートを集約できない場合(たとえば、ハードウェアの制約が大きいリモート システム)、EtherChannel 中でアクティブにならないポートはすべてホット スタンバイ ステートになり、チャネル化されたポートのいずれかが機能しない場合に限り使用されます。


LACP ポート プライオリティを設定するには、次の手順に従います。この手順は任意です。

手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal
 

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:
Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/2

設定するポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

lacp port-priority priority

例:
Device(config-if)# lacp port-priority 32000

LACP ポート プライオリティを設定します。

指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルトは 32768 です。値が小さいほど、ポートが LACP 伝送に使用される可能性が高くなります。

ステップ 5

end

例:
Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

LACP 1:1 冗長性の設定


(注)  

  • LACP EtherChannel の両端で LACP 1:1 冗長性をイネーブルにする必要があります。

  • LACP 1:1 冗長性機能を機能させるには、lacp fast-switchover コマンドとともに lacp max-bundle 1 コマンドを設定する必要があります。

  • LACP 1:1 ホット スタンバイ ダンプニング機能を動作させるには、lacp fast-switchover dampening コマンドを設定する前に lacp max-bundle 1 および lacp fast-switchover コマンドを設定する必要があります。


手順
  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:
Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:
Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface port-channel group_number

例:
Device(config)# interface port-channel 40

LACP ポート チャネル インターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

lacp fast-switchover

例:
Device(config-if)# lacp fast-switchover

EtherChannel の LACP 1:1 冗長性機能をイネーブルにします。

ステップ 5

lacp max-bundle 1

例:
Device(config-if)# lacp max-bundle 1

アクティブ メンバー ポートの最大数を 1 に設定します。LACP 1:1 冗長性でサポートされる値は「1」だけです。

ステップ 6

lacp fast-switchover dampening seconds

例:
Device(config-if)# lacp fast-switchover dampening 60

(任意)この EtherChannel の LACP 1:1 のホット スタンバイ ダンプニング機能をイネーブルにします。time パラメータの範囲は 30 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

例:
Device(config-if)# end

インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

LACP 高速レート タイマーの設定

LACP タイマー レートを変更することにより、LACP タイムアウトの時間を変更することができます。lacp rate コマンドを使用し、LACP がサポートされているインターフェイスで受信される LACP 制御パケットのレートを設定します。タイムアウト レートは、デフォルトのレート(30 秒)から高速レート(1 秒)に変更することができます。このコマンドは、LACP がイネーブルになっているインターフェイスでのみサポートされます。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface { fastethernet | gigabitethernet | tengigabitethernet} slot/port

例:

Device(config)# interface gigabitEthernet 2/1

インターフェイスを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

lacp rate { normal | fast}

例:

Device(config-if)# lacp rate fast

LACP がサポートされているインターフェイスで受信される LACP 制御パケットのレートを設定します。

タイムアウトレートをデフォルトにリセットするには、no lacp rate コマンドを使用します。

ステップ 5

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show lacp internal

例:


Device# show lacp internal
Device# show lacp counters

設定を確認します。

グローバルな Auto-LAG の設定

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

[no] port-channel auto

例:

Device(config)# port-channel auto 

スイッチ上の Auto-LAG 機能をグローバルで有効にします。スイッチ上の Auto-LAG 機能をグローバルで無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

(注)   

デフォルトでは、auto-LAG 機能は各ポート上でイネーブルになっています。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show etherchannel auto

例:

Device# show etherchannel auto

EtherChannel が自動的に作成されたことが表示されます。

ポート インターフェイスでの Auto-LAG の設定

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1 

Auto-LAG を有効にするポート インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

[no] channel-group auto

例:

Device(config-if)# channel-group auto

(任意)個々のポート インターフェイスで Auto-LAG 機能を有効にします。個々のポート インターフェイス上で Auto-LAG 機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。

(注)   

デフォルトでは、auto-LAG 機能は各ポート上でイネーブルになっています。

ステップ 5

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show etherchannel auto

例:

Device# show etherchannel auto

EtherChannel が自動的に作成されたことが表示されます。

Auto-LAG での持続性の設定

自動で作成された EtherChannel を手動のものに変更し、既存の EtherChannel に設定を追加するには、persistence コマンドを使用します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

port-channel channel-number persistent

例:

Device# port-channel 1 persistent

自動で作成された EtherChannel を手動のものに変更し、EtherChannel に設定を追加することができます。

ステップ 3

show etherchannel summary

例:

Device# show etherchannel summary

EtherChannel 情報を表示します。

EtherChannel、PAgP、および LACP ステータスのモニタ

この表に記載されているコマンドを使用して EtherChannel、PAgP、および LACP ステータスを表示できます。

表 5. EtherChannel、PAgP、および LACP ステータスのモニタ用コマンド

コマンド

説明

clear lacp { channel-group-number counters | counters }

LACP チャネル グループ情報およびトラフィック カウンタをクリアします。

clear pagp { channel-group-number counters | counters }

PAgP チャネル グループ情報およびトラフィック カウンタをクリアします。

show etherchannel [ channel-group-number { detail | load-balance | port | port-channel | protocol | summary }] [ detail | load-balance | port | port-channel | protocol | auto | summary ]

EtherChannel 情報が簡潔、詳細に、1 行のサマリー形式で表示されます。負荷分散方式またはフレーム配布方式、ポート、ポート チャネル、プロトコル、および Auto-LAG 情報も表示されます。

show pagp [ channel-group-number ] { counters | internal | neighbor }

トラフィック情報、内部 PAgP 設定、ネイバー情報などの PAgP 情報が表示されます。

show pagp [ channel-group-number ] dual-active

デュアルアクティブ検出ステータスが表示されます。

show lacp [ channel-group-number ] { counters | internal  | neighbor | sys-id }

トラフィック情報、内部 LACP 設定、ネイバー情報などの LACP 情報が表示されます。

show running-config

設定エントリを確認します。

show etherchannel load-balance

ポート チャネル内のポート間のロード バランシング、またはフレーム配布方式を表示します。

EtherChannel の設定例

ここでは、EtherChannel のさまざまな設定例について説明します。

例:レイヤ 2 EtherChannel の設定

次に、スタック内の 1 つのスイッチに EtherChannel を設定する例を示します。2 つのポートを VLAN 10 のスタティックアクセスポートとして、PAgP モードが desirable であるチャネル 5 に割り当てます。

Device# configure terminal
Device(config)# interface range gigabitethernet2/0/1 -2
Device(config-if-range)# switchport mode access
Device(config-if-range)# switchport access vlan 10
Device(config-if-range)# channel-group 5 mode desirable non-silent
Device(config-if-range)# end	

次に、スタック内の 1 つのスイッチに EtherChannel を設定する例を示します。2 つのポートは VLAN 10 のスタティックアクセス ポートとして、LACP モードが active であるチャネル 5 に割り当てられます。 active:

Device# configure terminal
Device(config)# interface range gigabitethernet2/0/1 -2 
Device(config-if-range)# switchport mode access
Device(config-if-range)# switchport access vlan 10
Device(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Device(config-if-range)# end

次の例では、クロススタック EtherChannel を設定する方法を示します。LACP パッシブ モードを使用して、VLAN 10 内のスタティックアクセス ポートとしてスタック メンバ 1 のポートを 2 つ、スタック メンバ 2 のポートを 1 つチャネル 5 に割り当てます。

Device# configure terminal
Device(config)# interface range gigabitethernet2/0/4 -5 
Device(config-if-range)# switchport mode access
Device(config-if-range)# switchport access vlan 10
Device(config-if-range)# channel-group 5 mode passive 
Device(config-if-range)# exit
Device(config)# interface gigabitethernet3/0/3
Device(config-if)# switchport mode access
Device(config-if)# switchport access vlan 10
Device(config-if)# channel-group 5 mode passive 
Device(config-if)# exit

PoE または LACP ネゴシエーションのエラーは、スイッチからアクセスポイント(AP )に 2 つのポートを設定した場合に発生する可能性があります。このシナリオは、ポート チャネルの設定をスイッチ側で行うと回避できます。詳細については、次の例を参照してください。

Device(config)# interface Port-channel1
Device(config-if)# switchport access vlan 20
Device(config-if)# switchport mode access
Device(config-if)# switchport nonegotiate
Device(config-if)# no port-channel standalone-disable
Device(config-if)# spanning-tree portfast

(注)  

ポートがポートのフラッピングに関する LACP エラーを検出した場合は、次のコマンドも含める必要があります。 no errdisable detect cause pagp-flap

例:レイヤ 3 EtherChannel の設定

この例では、レイヤ 3 インターフェイスの設定方法を示します。2 つのポートは、LACP モードが active であるチャネル 5 に割り当てられます。

Device# configure terminal 
Device(config)# interface range gigabitethernet2/0/1 -2 
Device(config-if-range)# no ip address 
Device(config-if-range)# no switchport
Device(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Device(config-if-range)# end
         

この例では、クロススタック レイヤ 3 EtherChannel の設定方法を示します。スタック メンバー 2 の 2 つのポートとスタック メンバー 3 の 1 つのポートは、LACP active モードでチャネル 7 に割り当てられます。

Device# configure terminal 
Device(config)# interface range gigabitethernet2/0/4 -5 
Device(config-if-range)# no ip address 
Device(config-if-range)# no switchport 
Device(config-if-range)# channel-group 7 mode active 
Device(config-if-range)# exit
Device(config)# interface gigabitethernet3/0/3 
Device(config-if)# no ip address 
Device(config-if)# no switchport 
Device(config-if)# channel-group 7 mode active 
Device(config-if)# exit

例:LACP ホットスタンバイポートの設定

この例では、少なくとも 3 個のアクティブ ポートがある場合にアクティブ化される EtherChannel を設定する例を示します(ポート チャネル 2)。これは、7 個のアクティブ ポートとホット スタンバイ ポートとしての最大 9 個の残りのポートから構成されます。

Device# configure terminal
Device(config)# interface port-channel 2
Device(config-if)# port-channel min-links 3 
Device(config-if)# lacp max-bundle 7

例:LACP 1:1 冗長性の設定

この例は、EtherChannel で LACP 1:1 冗長性機能を設定する方法を示しています。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# interface port-channel 40
Device(config-if)# lacp fast-switchover
Device(config-if)# lacp max-bundle 1
Device(config-if)# lacp fast-switchover dampening 60
Device(config-if)# end

次に、show lacp internal コマンドの出力例を示します。

Device# show lacp 1 internal

Flags: S - Device is requesting Slow LACPDUs
       F - Device is requesting Fast LACPDUs
       A - Device is in Active mode
       P - Device is in Passive mode

Channel group 1,[146 s left to exit dampening state]
                            LACP port     Admin     Oper    Port        Port
Port      Flags   State     Priority      Key       Key     Number      State
Fa1/1     FA      hot-sby   30000*        0x1       0x1     0x103       0x7  
Fa1/2     SA      bndl      32768         0x1       0x1     0x102       0x3D

例:Auto-LAG の設定

次に、スイッチに Auto-LAG を設定する例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# port-channel auto
Device(config-if)# end
Device#  show etherchannel auto

次の例は、自動的に作成された EtherChannel の概要を示します。

Device# show etherchannel auto
Flags:  D - down        P - bundled in port-channel
        I - stand-alone s - suspended
        H - Hot-standby (LACP only)
        R - Layer3      S - Layer2
        U - in use      f - failed to allocate aggregator
        M - not in use, minimum links not met
        u - unsuitable for bundling
        w - waiting to be aggregated
        d - default port
        A - formed by Auto LAG

Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators:           1

Group  Port-channel  Protocol    Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1      Po1(SUA)        LACP      Gi1/0/45(P) Gi2/0/21(P) Gi3/0/21(P)

次の例は、port-channel 1 persistent コマンド を実行した後の自動 EtherChannel の概要を示します。

Device# port-channel 1 persistent

Device# show etherchannel summary
Switch# show etherchannel summary
Flags:  D - down        P - bundled in port-channel
        I - stand-alone s - suspended
        H - Hot-standby (LACP only)
        R - Layer3      S - Layer2
        U - in use      f - failed to allocate aggregator
        M - not in use, minimum links not met
        u - unsuitable for bundling
        w - waiting to be aggregated
        d - default port
        A - formed by Auto LAG

Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators:           1

Group  Port-channel  Protocol    Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1      Po1(SU)         LACP      Gi1/0/45(P) Gi2/0/21(P) Gi3/0/21(P)

EtherChannels の追加リファレンス

関連資料

関連項目 マニュアル タイトル

この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。

の「Layer 2/3 Commands」の項を参照してくださいCommand Reference (Catalyst 9400 Series Switches)

EtherChannel の機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Everest 16.6.1

EtherChannel

EtherChannel は、スイッチ、ルータ、およびサーバ間にフォールトトレラントな高速リンクを提供します。

Cisco IOS XE Gibraltar 16.12.1

StackWise Virtual 以外の設定および StackWise Virtual の設定における EtherChannel のサポート

スイッチまたはスイッチスタックでは、最大 252 の EtherChannel(StackWise Virtual 以外の設定)および最大 250 の EtherChannel(StackWise Virtual の設定)がサポートされています。

Cisco IOS XE Amsterdam 17.3.1

LACP 1:1 冗長性とダンプニング

LACP 1:1 冗長性機能では、ホットスタンバイ リンクへのファスト スイッチオーバーとアクティブ リンク 1 つによる EtherChannel 設定がサポートされます。

LACP 1:1 ホット スタンバイ ダンプニング機能は、アクティブになった後、プライオリティの高いポートへのスイッチオーバーを遅らせるタイマーを設定します。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn [英語] からアクセスします。