アカウンティングの設定

AAA アカウンティング機能を使用すると、ユーザーがアクセスするサービス、およびユーザーが消費するネットワーク リソース量を追跡できます。AAA アカウンティングをイネーブルにすると、ネットワーク アクセス サーバーから TACACS+ または RADIUS セキュリティ サーバー(実装しているセキュリティ手法によって異なります)に対して、アカウンティング レコードの形式でユーザー アクティビティがレポートされます。各アカウンティング レコードにはアカウンティングの Attribute-Value(AV)ペアが含まれ、レコードはセキュリティ サーバに格納されます。このデータを分析して、ネットワーク管理、クライアント課金、および監査に利用できます。

アカウンティングを設定するための前提条件

次のタスクを実行してから、名前付き方式リストを使用してアカウンティングを設定します。

  • ネットワークアクセスサーバで AAA を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで aaa new-model コマンドを使用します。

  • RADIUS または TACACS+ 認可が発行されている場合、RADIUS または TACACS+ セキュリティ サーバの特性を定義します。Cisco ネットワーク アクセス サーバを設定して RADIUS セキュリティ サーバと通信する方法の詳細については、「RADIUS の設定」モジュールを参照してください。Cisco ネットワーク アクセス サーバーを設定して TACACS+ セキュリティ サーバーと通信する方法の詳細については、「TACACS+ の設定」モジュールを参照してください。

アカウンティングの設定の制約事項

  • アカウンティング情報は、最大 4 台の AAA サーバにのみ同時送信できます。

アカウンティングの設定に関する情報

アカウンティングの名前付き方式リスト

認証および認可方式リストと同様に、アカウンティングの方式リストには、アカウンティングの実行方法とその方式を実行するシーケンスが定義されています。

アカウンティングの名前付き方式リストには、特定のセキュリティ プロトコルを指定し、アカウンティング サービスの特定の行またはインターフェイスに使用できます。唯一の例外は、デフォルトの方式リスト(「default」という名前)です。デフォルトの方式リストは、明示的に定義された名前付きの方式リストを持つインターフェイスを除くすべてのインターフェイスに自動的に適用されます。定義済みの方式リストは、デフォルトの方式リストに優先します。

方式リストは、シーケンスで照会されるアカウンティング方式(RADIUS、TACACS+ など)を説明する単なる名前付きリストです。方式リストでは、アカウンティングに 1 つまたは複数のセキュリティ プロトコルを指定できます。そのため、最初の方式が失敗した場合に備えてアカウンティングのバックアップ システムを確保できます。Cisco IOS ソフトウェアでは、リストされている最初の方式を使用して、アカウンティングをサポートします。その方式が応答しない場合、リストされている次のアカウンティング方式が選択されます。このプロセスは、リストのいずれかのアカウンティング方式と通信に成功するか、定義されているすべての方式が試行されるまで継続されます。


(注)  


Cisco IOS ソフトウェアでは、前の方式で応答が得られない場合にのみ、リストされている次のアカウンティング方式でアカウンティングが試行されます。このサイクルの任意の時点でアカウンティングが失敗した場合(つまり、セキュリティ サーバーからユーザー アクセスの拒否応答が返される場合)、アカウンティング プロセスは停止し、その他のアカウンティング方式は試行されません。


アカウンティング方式リストは、要求されるアカウンティングの種類によって変わります。AAA は、次の 7 種類のアカウンティングをサポートしています。

  • Network :パケットやバイトカウントなど、すべての PPP、SLIP、または ARAP セッションに関する情報を提供します。

  • EXEC :ネットワーク アクセス サーバーのユーザー EXEC ターミナルセッションに関する情報を提供します。

  • Commands :ユーザーが発行する EXEC モードコマンドに関する情報を提供します。コマンド アカウンティングは、特定の特権レベルに関連付けられた、グローバル コンフィギュレーション コマンドなどのすべての EXEC モード コマンドについて、アカウンティング レコードを生成します。

  • Connection :Telnet、ローカルエリア トランスポート(LAT)、TN3270、パケットアセンブラ/ディスアセンブラ(PAD)、rlogin などのネットワークアクセスサーバーから行われたすべてのアウトバンド接続に関する情報を提供します。

  • System :システムレベルのイベントに関する情報を提供します。

  • Resource :ユーザー認証に成功したコールの「開始」および「終了」レコードを提供します。また、認証に失敗したコールの「終了」レコードを提供します。

  • VRRS :Virtual Router Redundancy Service(VRRS)に関する情報を提供します。


(注)  


システム アカウンティングは、名前付きアカウンティング リストを使用しません。システム アカウンティングのデフォルト リストだけを定義できます。


方式指定リストが作成されると、指定したアカウンティング タイプのアカウンティング方式のリストが定義されます。

アカウンティング方式リストを特定の回線またはインターフェイスに適用してから、定義済み方式のいずれかを実行する必要があります。唯一の例外は、デフォルトの方式リスト(「default」という名前)です。名前付き方式リストを指定せずに、特定のアカウンティングタイプに対して aaa accounting コマンドを発行すると、明示的に名前付き方式リストが定義されている場合を除き、すべてのインターフェイスまたは回線にデフォルトの方式リストが自動的に適用されます(定義した方式リストは、デフォルトの方式リストよりも優先されます)。デフォルトの方式リストが定義されていない場合、アカウンティングは実行されません。


(注)  


aaa accounting コマンドで使用されている名前付きサーバーグループを削除する場合は、実行コンフィギュレーションから aaa accounting コンフィギュレーションも削除してください。名前付きサーバーグループだけが削除され、その名前付きサーバーグループの aaa accounting コマンドが実行コンフィギュレーションにまだ存在している場合、バルク同期が失敗し、HA デバイスでリロードが継続的に発生する可能性があります。

aaa accounting の設定を実行コンフィギュレーション内に保持する場合は、関連する名前付きサーバーグループが正しい設定で設定されていることを確認してください。


ここでは、次の内容について説明します。

方式リストとサーバ グループ

サーバー グループは、方式リストに使用する既存の RADIUS または TACACS+ サーバー ホストをグループ化する方法の 1 つです。次の図に、4 台のセキュリティ サーバ(R1 と R2 は RADIUS サーバ、T1 と T2 は TACACS+ サーバ)が設置された一般的な AAA ネットワーク設定を示します。R1 と R2 は RADIUS サーバーのグループから構成されます。T1 と T2 は TACACS+ サーバーのグループから構成されます。

Cisco IOS ソフトウェアでは、RADIUS および TACACS+ サーバー設定はグローバルです。サーバー グループを使用して、設定済みのサーバー ホストのサブセットを指定できます。このようなサーバー グループは、特定のサービスに使用できます。たとえば、サーバー グループを使用すると、R1 と R2 を個別のサーバー グループ(SG1 と SG2)として定義し、T1 と T2 を個別のサーバー グループ(SG3 と SG4)として定義できます。つまり、R1 と T1(SG1 と SG3)または R2 と T2(SG2 と SG4)を方式リストに指定することができます。そのため、RADIUS および TACACS+ のリソースを割り当てる場合の柔軟性が高くなります。

サーバ グループには、1 台のサーバに対して複数のホスト エントリを含めることができます。エントリごとに固有の識別情報を設定します。固有の識別情報は、IP アドレスと UDP ポート番号の組み合わせで構成されます。これにより、RADIUS ホストとして定義されているさまざまなポートが、固有の AAA サービスを提供できるようになります。つまり、この固有識別情報を使用して、1 台のサーバー上に複数の UDP ポートが存在する場合、同じ IP アドレスからそれぞれの UDP ポートに対して RADIUS 要求を送信できます。1 台の RADIUS サーバー上にある異なる 2 つのホストエントリが 1 つのサービス(アカウンティングなど)に設定されている場合、設定されている 2 番めのホストエントリは最初のホストエントリのフェールオーバー バックアップとして動作します。この例を使用して、最初のホスト エントリがアカウンティング サービスの提供に失敗した場合、ネットワーク アクセス サーバーは、同じデバイスに設定されている 2 番めのホスト エントリに対してアカウンティング サービスを試行します(RADIUS ホスト エントリは、設定順に試行されます)。

サーバーグループの設定および着信番号識別サービス(DNIS)番号に基づくサーバーグループの設定の詳細については、「RADIUS の設定」または「TACACS+ の設定」を参照してください。

AAA アカウンティング方式

次の 2 つのアカウンティング方式がサポートされます。

  • TACACS+:ネットワークアクセスサーバは、アカウンティングレコードの形式で TACACS+ セキュリティサーバに対してユーザアクティビティを報告します。各アカウンティング レコードは、アカウンティング AV ペアが含まれ、セキュリティ サーバ上で保管されます。

  • RADIUS:ネットワークアクセスサーバは、アカウンティングレコードの形式で RADIUS セキュリティサーバに対してユーザアクティビティを報告します。各アカウンティング レコードは、アカウンティング AV ペアが含まれ、セキュリティ サーバ上で保管されます。


(注)  


パスワードおよびアカウンティングログは、TACACS+ または RADIUS セキュリティサーバへ送信される前にマスクされます。マスクされていない情報を TACACS+ または RADIUS セキュリティサーバに送信するには、aaa accounting commands visible-keys コマンドを使用します。


アカウンティング レコードの種類

最小限のアカウンティングの場合、 stop-only キーワードを使用します。このキーワードによって、要求されたユーザプロセスの終了時に、終了レコードアカウンティング通知を送信するよう、指定した方式(RADIUS または TACACS+ )に指示します。詳細なアカウンティング情報が必要な場合、start-stop キーワードを使用して、要求されたイベントの開始時には開始アカウンティング通知、そのイベントの終了時には修理用アカウンティング通知を送信します。この回線またはインターフェイスですべてのアカウンティング アクティビティを終了するには、none キーワードを使用します。

アカウンティング方式

次の表に、サポートされるアカウンティング方式を示します。

表 1. AAA アカウンティング方式

キーワード

説明

group radius

アカウンティングにすべての RADIUS サーバーのリストを使用します。

group tacacs+

アカウンティングにすべての TACACS+ サーバーのリストを使用します。

group group-name

group-name サーバー グループで定義したように、アカウンティングのための RADIUS サーバーまたは TACACS+ サーバーのサブセットを使用します。

method 引数は、認証アルゴリズムが試行する実際の方式を指します。追加の認証方式は、直前の方式で(失敗した場合ではなく)エラーが返された場合にのみ使用されます。他のすべての方式がエラーを返しても、認証に成功したことを指定するには、コマンドで追加の方式を指定します。たとえば、TACACS+ 認証がエラーを返す場合に認証のバックアップ方式として RADIUS を指定する acct_tac1 という方式リストを作成するには、次のコマンドを入力します。


aaa accounting network acct_tac1 stop-only group tacacs+ group radius

名前付きリストが aaa accounting コマンドに指定されていない場合に使用するデフォルトのリストを作成するには、default キーワードの後ろにデフォルト状況で使用される方式を指定します。デフォルト認証方式リストは、自動的にすべてのインターフェイスに適用されます。

たとえば、ログイン時のユーザー認証のデフォルト方式として RADIUS を指定するには、次のコマンドを入力します。


aaa accounting network default stop-only group radius

AAA アカウンティングは、次の方式をサポートします。

  • group tacacs :ネットワークアクセスサーバーからアカウンティング情報を TACACS+ セキュリティサーバーに送信するようにするには、group tacacs+ method キーワードを使用します。

  • group radius :ネットワークアクセスサーバーからアカウンティング情報を RADIUS セキュリティサーバーに送信するようにするには、group radius method キーワードを使用します。


(注)  


SLIP のアカウンティング方式リストは、関連インターフェイスで PPP に設定されているすべての方式に従います。特定のインターフェイスに定義および適用されるリストがない場合(または PPP 設定が指定されていない場合)、アカウンティングのデフォルト設定が適用されます。


  • group group-name :RADIUS または TACACS+ サーバーのサブセットを指定して、アカウンティング方式として使用するには、group group-name 方式を指定して aaa accounting コマンドを使用します。グループ名とそのグループのメンバを指定して定義するには、aaa group server コマンドを使用します。たとえば、aaa group server コマンドを使用して、group loginrad のメンバを最初に定義します。


aaa group server radius loginrad
 server 172.16.2.3
 server 172.16.2 17
 server 172.16.2.32

このコマンドにより、172.16.2.3、172.16.2.17、172.16.2.32 の RADIUS サーバーが group loginrad のメンバとして指定されます。

他の方式リストが定義されていない場合、ネットワーク アカウンティングの方式として group loginrad を指定するには、次のコマンドを入力します。


aaa accounting network default start-stop group loginrad

アカウンティング方式としてグループ名を使用するには、事前に RADIUS または TACACS+ セキュリティ サーバーとの通信をイネーブルにする必要があります。

AAA アカウンティング タイプ

ネットワーク アカウンティング

ネットワーク アカウンティングは、パケットやバイト カウントなど、すべての PPP、SLIP、または ARAP セッションに関する情報を提供します。

次に、EXEC セッションを介して着信する PPP ユーザの RADIUS ネットワーク アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:44:45 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 5
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “562”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “0000000D”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
 
Wed Jun 27 04:45:00 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 5
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “562”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Framed
        Acct-Session-Id = “0000000E”
        Framed-IP-Address = “10.1.1.2”
        Framed-Protocol = PPP
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
Wed Jun 27 04:47:46 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 5
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “562”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Framed
        Acct-Session-Id = “0000000E”
        Framed-IP-Address = “10.1.1.2”
        Framed-Protocol = PPP
        Acct-Input-Octets = 3075
        Acct-Output-Octets = 167
        Acct-Input-Packets = 39
        Acct-Output-Packets = 9
        Acct-Session-Time = 171
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
Wed Jun 27 04:48:45 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 5
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “408”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “0000000D”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、最初に EXEC セッションを開始した PPP ユーザの TACACS+ ネットワーク アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:00:35 2001 172.16.25.15    username1   tty4    562/4327528     starttask_id=28      service=shell
Wed Jun 27 04:00:46 2001 172.16.25.15    username1   tty4    562/4327528     starttask_id=30      addr=10.1.1.1   service=ppp
Wed Jun 27 04:00:49 2001 172.16.25.15    username1   tty4    408/4327528     updattask_id=30      addr=10.1.1.1   service=ppp     protocol=ip     addr=10.1.1.1
Wed Jun 27 04:01:31 2001 172.16.25.15    username1   tty4    562/4327528     stoptask_id=30       addr=10.1.1.1   service=ppp     protocol=ip     addr=10.1.1.1   
                                         bytes_in=2844        bytes_out=1682  paks_in=36      paks_out=24     elapsed_time=51
Wed Jun 27 04:01:32 2001 172.16.25.15    username1   tty4    562/4327528     stoptask_id=28       service=shell   elapsed_time=57

(注)  


アカウンティング パケット レコードの正確なフォーマットは、セキュリティ サーバ デーモンに応じて変わります。


次に、autoselect を介して着信する PPP ユーザの RADIUS ネットワーク アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:30:52 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 3
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “562”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Framed
        Acct-Session-Id = “0000000B”
        Framed-Protocol = PPP
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
 
Wed Jun 27 04:36:49 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 3
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “562”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Framed
        Acct-Session-Id = “0000000B”
        Framed-Protocol = PPP
        Framed-IP-Address = “10.1.1.1”
        Acct-Input-Octets = 8630
        Acct-Output-Octets = 5722
        Acct-Input-Packets = 94
        Acct-Output-Packets = 64
        Acct-Session-Time = 357
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、autoselect を介して着信する PPP ユーザの TACACS+ ネットワーク アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:02:19 2001 172.16.25.15    username1   Async5  562/4327528     starttask_id=35      service=ppp
Wed Jun 27 04:02:25 2001 172.16.25.15    username1   Async5  562/4327528     updatetask_id=35     service=ppp     protocol=ip     addr=10.1.1.2
Wed Jun 27 04:05:03 2001 172.16.25.15    username1   Async5  562/4327528     stoptask_id=35       service=ppp     protocol=ip     addr=10.1.1.2   
                                         bytes_in=3366   bytes_out=2149       paks_in=42      paks_out=28     elapsed_time=164

EXEC アカウンティング

EXEC アカウンティングは、ネットワーク アクセス サーバ上にあるユーザ EXEC ターミナル セッション(ユーザ シェル)に関する情報を提供します。たとえば、ユーザ名、日付、開始時刻と終了時刻、アクセス サーバの IP アドレス、および(ダイヤルイン ユーザの場合)発信元の電話番号などです。

次に、ダイヤルイン ユーザの RADIUS EXEC アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:26:23 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 1
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329483”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “00000006”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
Wed Jun 27 04:27:25 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 1
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329483”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “00000006”
        Acct-Session-Time = 62
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、ダイヤルイン ユーザの TACACS+ EXEC アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:46:21 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  start    
 task_id=2       service=shell
Wed Jun 27 04:08:55 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     
 task_id=2       service=shell   elapsed_time=1354

次に、Telnet ユーザの RADIUS EXEC アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:48:32 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 26
        User-Name = “username1”
        Caller-ID = “10.68.202.158”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “00000010”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
 
Wed Jun 27 04:48:46 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 26
        User-Name = “username1”
        Caller-ID = “10.68.202.158”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Exec-User
        Acct-Session-Id = “00000010”
        Acct-Session-Time = 14
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、Telnet ユーザの TACACS+ EXEC アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:06:53 2001        172.16.25.15    username1   tty26   10.68.202.158  starttask_id=41      service=shell
Wed Jun 27 04:07:02 2001        172.16.25.15    username1   tty26   10.68.202.158  stoptask_id=41       service=shell   elapsed_time=9

コマンド アカウンティング

コマンド アカウンティングは、ネットワーク アクセス サーバで実行される各特権レベルの EXEC シェル コマンドに関する情報を提供します。各コマンド アカウンティング レコードには、その特権レベルで実行されるコマンド、各コマンドが実行された日時、および実行したユーザのリストが含まれます。

次に、特権レベル 1 の TACACS+ コマンド アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:46:47 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=3       service=shell   priv-lvl=1      cmd=show version <cr>
Wed Jun 27 03:46:58 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=4       service=shell   priv-lvl=1      cmd=show interfaces Ethernet 0 <cr>
Wed Jun 27 03:47:03 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=5       service=shell   priv-lvl=1      cmd=show ip route <cr>

次に、特権レベル 15 の TACACS+ コマンド アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:47:17 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=6       service=shell   priv-lvl=15     cmd=configure terminal <cr>
Wed Jun 27 03:47:21 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=7       service=shell   priv-lvl=15     cmd=interface Serial 0 <cr>
Wed Jun 27 03:47:29 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=8       service=shell   priv-lvl=15     cmd=ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 <cr>

(注)  


Cisco の RADIUS 実装は、コマンド アカウンティングをサポートしていません。


接続アカウンティング

接続アカウンティングは、Telnet、LAT、TN3270、PAD、rlogin などのネットワーク アクセス サーバから行われるすべての発信接続に関する情報を提供します。

次に、発信 Telnet 接続の RADIUS 接続アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:28:00 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 2
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329477”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Login
        Acct-Session-Id = “00000008”
        Login-Service = Telnet
        Login-IP-Host = “10.68.202.158”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
 
Wed Jun 27 04:28:39 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 2
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329477”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Login
        Acct-Session-Id = “00000008”
        Login-Service = Telnet
        Login-IP-Host = “10.68.202.158”
        Acct-Input-Octets = 10774
        Acct-Output-Octets = 112
        Acct-Input-Packets = 91
        Acct-Output-Packets = 99
        Acct-Session-Time = 39
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、発信 Telnet 接続の TACACS+ 接続アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:47:43 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  start    task_id=10      service=connection      protocol=telnet addr=10.68.202.158 cmd=telnet username1-sun
Wed Jun 27 03:48:38 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=10      service=connection      protocol=telnet addr=10.68.202.158 cmd=telnet username1-sun     bytes_in=4467   bytes_out=96    paks_in=61      paks_out=72 elapsed_time=55

次に、発信 rlogin 接続の RADIUS 接続アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 04:29:48 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 2
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329477”
        Acct-Status-Type = Start
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Login
        Acct-Session-Id = “0000000A”
        Login-Service = Rlogin
        Login-IP-Host = “10.68.202.158”
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”
 
Wed Jun 27 04:30:09 2001
        NAS-IP-Address = “172.16.25.15”
        NAS-Port = 2
        User-Name = “username1”
        Client-Port-DNIS = “4327528”
        Caller-ID = “5622329477”
        Acct-Status-Type = Stop
        Acct-Authentic = RADIUS
        Service-Type = Login
        Acct-Session-Id = “0000000A”
        Login-Service = Rlogin
        Login-IP-Host = “10.68.202.158”
        Acct-Input-Octets = 18686
        Acct-Output-Octets = 86
        Acct-Input-Packets = 90
        Acct-Output-Packets = 68
        Acct-Session-Time = 22
        Acct-Delay-Time = 0
        User-Id = “username1”
        NAS-Identifier = “172.16.25.15”

次に、発信 rlogin 接続の TACACS+ 接続アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:48:46 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  start    task_id=12      service=connection      protocol=rlogin addr=10.68.202.158 cmd=rlogin username1-sun /user username1
Wed Jun 27 03:51:37 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=12      service=connection      protocol=rlogin addr=10.68.202.158 cmd=rlogin username1-sun /user username1 bytes_in=659926 bytes_out=138   paks_in=2378    paks_
out=1251        elapsed_time=171

次に、発信 LAT 接続の TACACS+ 接続アカウンティング レコードに含まれる情報の例を示します。


Wed Jun 27 03:53:06 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  start    task_id=18      service=connection      protocol=lat    addr=VAX        cmd=lat VAX
Wed Jun 27 03:54:15 2001        172.16.25.15    username1   tty3    5622329430/4327528  stop     task_id=18      service=connection      protocol=lat    addr=VAX        cmd=lat VAX  bytes_in=0      bytes_out=0     paks_in=0      paks_out=0      elapsed_time=6

システム アカウンティング

システム アカウンティングは、すべてのシステムレベル イベント(たとえば、システムのリブート時やアカウンティングのオン/オフ時)に関する情報を提供します。

次のアカウンティング レコードは、AAA アカウンティングがオフになったことを示す一般的な TACACS+ システム アカウンティング レコード サーバを示します。


Wed Jun 27 03:55:32 2001        172.16.25.15    unknown unknown unknown start   task_id=25   service=system  
event=sys_acct  reason=reconfigure

(注)  


アカウンティング パケット レコードの正確なフォーマットは、TACACS+ デーモンに応じて変わります。


次のアカウンティング レコードは、AAA アカウンティングがオンになったことを示す TACACS+ システム アカウンティング レコードを示します。


Wed Jun 27 03:55:22 2001        172.16.25.15    unknown unknown unknown stop    task_id=23   service=system  
event=sys_acct  reason=reconfigure

リソース アカウンティング

シスコが採用している AAA アカウンティングでは、ユーザー認証を通過したコールに対する「開始」レコードと「終了」レコードがサポートされます。ユーザー認証の一部として認証に失敗したコールの「終了」レコードを生成する追加機能もサポートされます。このようなレコードは、ネットワークを管理およびモニタするアカウンティング レコードを採用する場合に必要です。

ここでは、次の内容について説明します。

AAA リソース失敗終了アカウンティング

AAA リソース失敗終了アカウンティングの前には、コール設定シーケンスのユーザー認証段階に到達できなかったコールについて、アカウンティング レコードを提供する方式がありませんでした。このようなレコードは、ネットワークおよびその卸売りの顧客を管理およびモニターするアカウンティング レコードを採用する場合に必要です。

この機能によって、ユーザー認証に到達しなかったコールの「終了」アカウンティング レコードが生成されます。「終了」レコードは、コール設定の時点から生成されます。ユーザー認証に成功したすべてのコールは、従来と同様に動作します。つまり、追加のアカウンティング レコードは確認されません。

次の図に、通常のコール フローで、AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしていないコール シーケンスを示します。

図 1. 通常のフローで AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしていないモデム ダイヤルイン コール設定シーケンス

次の図に、通常のコール フローで、AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしたコール シーケンスを示します。

図 2. 通常のフローで AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしたモデム ダイヤルイン コール設定シーケンス

次の図に、ユーザー認証前にコールの接続解除が発生し、AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしたコール設定シーケンスを示します。

図 3. ユーザー認証前にコールの接続解除が発生し、AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしたモデム ダイヤルイン コール設定シーケンス

次の図に、ユーザー認証前にコールの接続解除が発生し、AAA リソース失敗終了アカウンティングを有効にしていないコール設定シーケンスを示します。

図 4. ユーザー認証前にコールの接続解除が発生し、AAA リソース失敗終了アカウンティングをイネーブルにしていないモデム ダイヤルイン コール設定シーケンス

開始 - 終了レコードの AAA リソース アカウンティング

開始 - 終了レコードの AAA リソース アカウンティングは、各コール設定時に「開始」レコードを送信し、コールの接続解除時に対応する「終了」レコードを送信する機能をサポートしています。この機能は、アカウンティング レコードなどを報告するデータの発信元の 1 つから、卸売りの顧客を管理およびモニターするために使用できます。

この機能を使用すると、コール設定およびコールの接続解除の「開始 - 終了」アカウンティング レコードは、デバイスに対するリソース接続の進行状況を追跡します。個別のユーザー認証「開始 - 終了」アカウンティング レコードが、ユーザー管理の進行状況を追跡します。これら 2 セットのアカウンティング レコードは、そのコールで固有のセッション ID を使用して相互リンクされます。

次の図は、AAA リソース開始 - 終了アカウンティングを有効にしたコール設定シーケンスを示します。

図 5. リソース開始 - 終了アカウンティングを有効にしたモデム ダイヤルイン コール設定シーケンス

AAA アカウンティングの強化

AAA ブロードキャスト アカウンティング

AAA ブロードキャスト アカウンティングを有効にすると、アカウンティング情報を複数の AAA サーバに同時に送信できます。つまり、アカウンティング情報を 1 つまた複数の AAA サーバに同時にブロードキャストすることが可能です。この機能を使用すると、サービス プロバイダーは自社使用のプライベート AAA サーバやエンド ユーザの AAA サーバにアカウンティング情報を送信できるようになります。この機能では、音声アプリケーションによる課金情報も提供されます。

ブロードキャストは、RADIUS または TACACS+ サーバのグループに使用できます。また、各サーバ グループは、他のグループとは関係なく、フェールオーバーの場合のバックアップ サーバを定義できます。

したがって、サービス プロバイダーとそのエンド ユーザは、アカウンティング サーバに異なるプロトコル(RADIUS または TACACS+)を使用できます。また、サービス プロバイダーとそのエンド ユーザは、それぞれ単独でバックアップ サーバを指定することもできます。音声アプリケーションについては、独自のフェールオーバー シーケンスを持つ個別のグループを介して、冗長的なアカウンティング情報を単独で管理できます。

AAA セッション MIB

ユーザが AAA セッション MIB 機能を使用すると、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用して自身の認証済みクライアント接続をモニタおよび終了できます。そのクライアントのデータが提示されるため、RADIUS または TACACS+ サーバから報告される AAA アカウンティング情報に直接関連付けることができます。AAA セッション MIB は、次の情報を提供します。

  • 各 AAA 機能の統計情報(show radius statistics コマンドと併用する場合)

  • AAA 機能を提供するサーバのステータス

  • 外部 AAA サーバの ID

  • (アイドル時間などの)リアルタイム情報(アクティブ コールを終了するかどうかを評価する SNMP ネットワークが使用する追加基準を提供します)

次の表に、認証済みクライアントと AAA セッション MIB 機能との接続をモニタおよび終了するために使用できる SNMP ユーザエンド データ オブジェクトを示します。

表 2. SNMP エンドユーザ データ オブジェクト

SessionId

AAA アカウンティング プロトコルに使用されるセッション ID(RADIUS 属性 44(Acct-Session-ID)から報告される値と同じ)

UserId

ユーザ ログイン ID または(ログインが使用できない場合)長さがゼロの文字列

IpAddr

セッションの IP アドレスまたは(IP アドレスが適用されない場合、または使用できない場合)0.0.0.0

IdleTime

セッションがアイドルになってからの経過時間

Disconnect

そのクライアントとの接続を解除するために使用されるセッション終了オブジェクト

CallId

コール トラッカー レコードが保存した、このアカウンティング セッションに対応するエントリ インデックス

次の表に、システム別に SNMP を使用する AAA セッション MIB 機能から提供される AAA の概要情報を示します。

表 3. SNMP AAA セッションの概要

ActiveTableEntries

現在アクティブなセッションの数

ActiveTableHighWaterMark

システムが最後に再インストールされてからの同時接続セッションの最大数

TotalSessions

システムが最後に再インストールされてからのセッションの合計数

DisconnectedSessions

システムが最後に再インストールされてから接続解除されたセッションの合計数

アカウンティング属性と値のペア

ネットワーク アクセス サーバは、TACACS+ AV のペアまたは RADIUS 属性(実装しているセキュリティ方式によって異なります)に定義されたアカウンティング機能をモニタします。

AAA アカウンティングの設定方法

名前付き方式リストによる AAA アカウンティングの設定

名前付き方式リストを使用して AAA アカウンティングを設定するには、次の手順を実行します。


(注)  


システム アカウンティングは、名前付き方式リストを使用しません。システム アカウンティングの場合、デフォルトの方式リストだけを定義します。


手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

aaa accounting {system | network | exec | connection | commands level } {default | list-name } {start-stop | stop-only | none } [method1 [method2... ]]

例:


Device(config)# aaa accounting system default start-stop

アカウンティング方式リストを作成し、アカウンティングを有効にします。引数 list-name は、作成したリストに名前を付けるときに使用される文字列です。

ステップ 4

次のいずれかを実行します。

  • line [aux | console | tty | vty ] line-number [ending-line-number ]
  • interface interface-type interface-number

例:


Device(config)# line aux line1

アカウンティング方式リストを適用する回線について、ライン コンフィギュレーション モードを開始します。

または

アカウンティング方式リストを適用するインターフェイスについて、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

次のいずれかを実行します。

  • accounting {arap | commands level | connection | exec } {default | list-name }
  • ppp accounting {default | list-name }

例:


Device(config-line)# accounting arap default

1 つの回線または複数回線にアカウンティング方式リストを適用します。

または

1 つのインターフェイスまたは複数インターフェイスにアカウンティング方式リストを適用します。

ステップ 6

end

例:


Device(config-line)# end

(任意)ライン コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

ヌル ユーザ名セッション時のアカウンティング レコード生成の抑制

AAA アカウンティングをアクティブにすると、Cisco IOS ソフトウェアは、システム上のすべてのユーザにアカウンティング レコードを発行します。このとき、プロトコル変換のためユーザ名文字列がヌルになっているユーザも含まれます。この例では、aaa authentication login method-list none コマンドが適用される回線で着信するユーザーがそれに該当します。関連付けられているユーザ名がないセッションについて、アカウンティング レコードが生成されないようにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的


Device(config)# aaa accounting suppress 
null-username 

ユーザ名文字列がヌルのユーザについて、アカウンティング レコードが生成されないようにします。

中間アカウンティング レコードの生成

アカウンティング サーバに定期的な中間アカウンティング レコードを送信できるようにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的


Device(config)# aaa accounting update  
[newinfo ] [periodic ] number 

アカウンティング サーバに送信される定期的中間アカウンティング レコードをイネーブルにします。

aaa accounting update コマンド をアクティブにすると、Cisco IOS ソフトウェアによってシステム上のすべてのユーザーの中間アカウンティングレコードが発行されます。newinfo キーワードを使用した場合は、レポートする新しいアカウンティング情報が発生するたびに、中間アカウンティングレコードがアカウンティングサーバに送信されます。たとえば、IPCP がリモート ピアとの間で IP アドレスのネゴシエーションを完了したときなどです。中間アカウンティング レコードには、リモート ピアに使用されるネゴシエート済み IP アドレスが含まれます。

キーワード periodic と一緒に使用した場合は、number 引数による定義に基づいて、中間アカウンティングレコードが定期的に送信されます。中間アカウンティング レコードには、中間アカウンティング レコードが送信される時間までに、そのユーザについて記録されたすべてのアカウンティング情報が含まれます。


注意    


多数のユーザがネットワークにログインしている場合には、aaa accounting update periodic コマンドを使用すると、重度の輻輳が発生する可能性があります。


定期的アカウンティング レコードを有効化する代替手段の設定

次の代替手段を使用して、アカウンティング サーバーに送信される定期的中間アカウンティング レコードをイネーブルにできます。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

aaa accounting network default

例:


Device(config)# aaa accounting network default

すべてのネットワーク関連のサービス要求のデフォルトのアカウンティングを設定し、アカウンティング方式リストのコンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

action-type {none | start-stop [periodic {disable | interval minutes }] | stop-only }

例:


Device(cfg-acct-mlist)# action-type start-stop

例:


periodic interval 5 

アカウンティング レコードに対して実行されるアクションのタイプを指定します。

  • (任意)periodic キーワードは、定期的なアカウンティング アクションを示します。

  • interval キーワードは、定期的なアカウンティング間隔を指定します。

  • value 引数は、アカウンティング更新レコードの間隔を指定します(分単位)。

  • disable キーワードは、定期的なアカウンティングを無効にします。

ステップ 5

end

例:


Device(cfg-acct-mlist)# end 

アカウンティング方式リスト コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

中間サービス アカウンティング レコードの生成

このタスクを実行して、サブスクライバに対する定期的な間隔での中間サービス アカウンティング レコードの生成をイネーブルにします。

始める前に

ユーザー サービス プロファイルの RADIUS 属性 85 は設定済みの中間の間隔値よりも常に優先されます。RADIUS 属性 85 は、ユーザー サービス プロファイル内にある必要があります。詳細については、RADIUS 属性の概要および RADIUS IETF 属性の機能のドキュメントを参照してください。


(注)  


RADIUS 属性 85 がユーザー サービス プロファイル内にない場合、中間アカウンティング レコードの生成で設定された中間の間隔値がサービスの中間アカウンティング レコードに使用されます。


手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

subscriber service accounting interim-interval minutes

例:


Device(config)# subscriber service accounting interim-interval 10

サブスクライバに対する定期的な間隔での中間サービス アカウンティング レコードの生成をイネーブルにします。minutes 引数は、アカウンティング更新レコードを送信する定期的な間隔を 1 ~ 71582 分で示します。

ステップ 4

end

例:


Device(config)# end

グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

失敗したログインまたはセッションに対するアカウンティング レコードの生成

AAA アカウンティングをアクティブにすると、Cisco IOS XE ソフトウェアは、ログイン認証に失敗したシステム ユーザー、またはログイン認証には成功しても何らかの理由で PPP ネゴシエーションに失敗したユーザーのアカウンティング レコードを生成しません。

ログイン時またはセッション ネゴシエーション中の認証に失敗したユーザーについて、アカウンティング終了レコードを生成するように指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

aaa accounting send stop-record authentication failure

ログイン時またはセッション ネゴシエーション中の認証に失敗したユーザについて、「終了」レコードを生成します。

EXEC-Stop レコードよりも前のアカウンティング NETWORK-Stop レコードの指定

EXEC 終了セッションを開始する PPP ユーザーの場合、EXEC-stop レコードの前に、NETWORK レコードを生成するように指定できます。特定のサービスについて顧客に課金する場合など、状況によっては、ネットワークの開始レコードと終了レコードを一緒に保持する方が望ましいことがあります。その際、基本的に、EXEC の開始メッセージと終了メッセージのフレームワーク内に「ネスト」にします。たとえば、PPP を使用するユーザー ダイヤルインによって、EXEC-start、NETWORK-start、EXEC-stop、NETWORK-stop というレコードを作成できます。ネットワーク アカウンティング レコードをネストにすることで、NETWORK-stop レコードは NETWORK-start メッセージ(EXEC-start、NETWORK-start、NETWORK-stop、EXEC-stop)に従います。

ユーザー セッションのアカウンティング レコードをネストするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

aaa accounting nested

ネットワーク アカウンティング レコードをネストします。

スイッチオーバー上のシステム アカウンティング レコードの抑制

スイッチオーバー中のシステム アカウンティングオンおよびアカウンティングオフ メッセージを抑制するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

aaa accounting redundancy suppress system-records

スイッチオーバー中のシステム アカウンティング レコードを抑制します。

AAA リソース失敗終了アカウンティングの設定

リソース失敗終了アカウンティングを有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的


Device(config)# aaa accounting resource  
method-list  stop-failure group  
server-group 

ユーザー認証に到達しないコールについて、「終了」レコードを生成します。

(注)  

 

この機能を設定する前に、アカウンティングを設定するための前提条件のセクションに記載されている作業を実行し、ネットワーク アクセス サーバー上で SNMP を有効にしてください。

開始 - 終了レコードの AAA リソース アカウンティングの設定

開始 - 終了レコードのフル リソース アカウンティングをイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的


Device(config)# aaa accounting 
resource  method-list  
start-stop group  
server-group 

各コール設定時に「開始」レコードを送信し、コールの接続解除時に対応する「終了」レコードを送信する機能をサポートします。

(注)  

 

この機能を設定する前に、アカウンティングを設定するための前提条件のセクションに記載されている作業を実行し、ネットワーク アクセス サーバー上で SNMP を有効にしてください。

AAA ブロードキャスト アカウンティング

AAA ブロードキャスト アカウンティングを有効にすると、アカウンティング情報を複数の AAA サーバに同時に送信できます。つまり、アカウンティング情報を 1 つまた複数の AAA サーバに同時にブロードキャストすることが可能です。この機能を使用すると、サービス プロバイダーは自社使用のプライベート AAA サーバやエンド ユーザの AAA サーバにアカウンティング情報を送信できるようになります。この機能では、音声アプリケーションによる課金情報も提供されます。

ブロードキャストは、RADIUS または TACACS+ サーバのグループに使用できます。また、各サーバ グループは、他のグループとは関係なく、フェールオーバーの場合のバックアップ サーバを定義できます。

したがって、サービス プロバイダーとそのエンド ユーザは、アカウンティング サーバに異なるプロトコル(RADIUS または TACACS+)を使用できます。また、サービス プロバイダーとそのエンド ユーザは、それぞれ単独でバックアップ サーバを指定することもできます。音声アプリケーションについては、独自のフェールオーバー シーケンスを持つ個別のグループを介して、冗長的なアカウンティング情報を単独で管理できます。

DNIS による AAA ブロードキャスト アカウンティングの設定

AAA ブロードキャスト アカウンティングを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで aaa dnis map accounting network コマンドを使用します。

コマンド

目的


Device(config)# aaa  
dnis  map  
dnis-number  accounting  
network  [start-stop  | 
stop-only  | none ] 
[broadcast ] method1  
[method2 ...] 

DNIS によるアカウンティングの設定を許可します。このコマンドは、グローバルの aaa accounting コマンドよりも優先されます。

複数の AAA サーバに対するアカウンティング レコードの送信をイネーブルにします。各グループの最初のサーバに対し、アカウンティング レコードを同時に送信します。最初のサーバが使用できない場合はフェールオーバーが発生し、そのグループ内に定義されているバックアップ サーバが使用されます。

AAA サーバーが到達不能な場合のデバイスとのセッションの確立

AAA サーバーが到達不能の場合に、デバイスとの間にコンソールセッションを確立するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

no aaa accounting system guarantee-first

aaa accounting system guarantee-first コマンドは、システムアカウントを最初のレコードとして保証します。これは、デフォルトの条件です。

状況によっては、システムの再ロードが完了するまで(3 分よりも長くかかる可能性があります)、ユーザーがコンソールまたは Telnet 接続でセッションを開始できない可能性があります。この問題を解決するには、no aaa accounting system guarantee-first コマンドを使用します。

アカウンティングのモニタリング

RADIUS または TACACS+ アカウンティングの場合、特定の show コマンドは存在しません。ログインしているユーザーに関する情報を表示するアカウンティング レコードを取得するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

show accounting

ネットワークでアクティブなアカウント可能なイベントの表示を許可し、アカウンティング サーバでデータが損失した場合に情報を収集できます。

アカウンティングのトラブルシューティング

アカウンティング情報の問題を解決するには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

コマンドまたはアクション

目的

debug aaa accounting

説明の義務があるイベントが発生したときに、その情報を表示します。

AAA アカウンティングの設定例

例:名前付き方式リストの設定

次に、RADIUS サーバーから AAA サービスを提供するためにシスコ デバイス(AAA および RADIUS セキュリティサーバーとの通信で有効)を設定する例を示します。RADIUS サーバーが応答に失敗すると、認証情報と認可情報についてローカル データベースへの照会が行われ、アカウンティング サービスは TACACS+ サーバーによって処理されます。

Device# configure terminal 
Device(config)# aaa new-model
Device(config)# aaa authentication login admins local
Device(config)# aaa authentication ppp dialins group radius local
Device(config)# aaa authorization network network1 group radius local
Device(config)# aaa accounting network network2 start-stop group radius group tacacs+
Device(config)# username root password ALongPassword
Device(config)# tacacs server server1
Device(config-server-tacacs)# address ipv4 172.31.255.0
Device(config-server-tacacs)# key goaway
Device(config-server-tacacs)# exit
Device(config)# radius server isp
Device(config-sg-radius)# key myRaDiUSpassWoRd
Device(config-sg-radius)# exit
Device(config)# interface group-async 1
Device(config-if)# group-range 1 16
Device(config-if)# encapsulation ppp
Device(config-if)# ppp authentication chap dialins
Device(config-if)# ppp authorization network1
Device(config-if)# ppp accounting network2
Device(config-if)# exit
Device(config)# line 1 16
Device(config-line)# autoselect ppp
Device(config-line)# autoselect during-login
Device(config-line)# login authentication admins
Device(config-line)# modem dialin
Device(config-line)# end

この RADIUS AAA 設定のサンプル行は、次のように定義されます。

  • aaa new-model コマンドは、AAA ネットワーク セキュリティ サービスをイネーブルにします。

  • aaa authentication login admins local コマンドは、ログイン認証に方式リスト「admins」を定義します。

  • aaa authentication ppp dialins group radius local コマンドで、認証方式リスト「dialins」を定義します。このリストは、最初に RADIUS 認証を指定して、次に(RADIUS サーバーが応答しない場合)PPP を使用してシリアル回線上でローカル認証が使用されます。

  • aaa authorization network network1 group radius local コマンドで、「network1」というネットワーク許可方式リストを定義します。これにより、PPP を使用してシリアル回線上で RADIUS 許可を使用するよう指定されます。RADIUS サーバーが応答に失敗すると、ローカル ネットワークの認可が実行されます。

  • aaa accounting network network2 start-stop group radius group tacacs+ コマンドで、「network2」というネットワーク アカウンティング方式リストを定義します。これにより、PPP を使用してシリアル回線上で RADIUS アカウンティングサービス(この場合、特定のイベントに対する開始レコードと終了レコード)を使用するよう指定されます。RADIUS サーバが応答に失敗すると、アカウンティングサービスは TACACS+ サーバによって処理されます。

  • username コマンドはユーザ名とパスワードを定義します。これらの情報は、PPP パスワード認証プロトコル(PAP)の発信元身元確認に使用されます。

  • tacacs server コマンドは TACACS+ サーバーホストの名前を定義します。

  • key コマンドは、ネットワーク アクセス サーバーと TACACS+ サーバーホストの間の共有秘密テキスト文字列を定義します。

  • radius server コマンドは RADIUS サーバー ホストの名前を定義します。

  • key コマンドは、ネットワーク アクセス サーバーと RADIUS サーバー ホストの間の共有秘密テキスト文字列を定義します。

  • interface group-async コマンドは、非同期インターフェイス グループを選択して定義します。

  • group-range コマンドは、インターフェイス グループ内のメンバ非同期インターフェイスを定義します。

  • encapsulation ppp コマンドは、指定のインターフェイスに使用されるカプセル化方式として PPP を設定します。

  • ppp authentication chap dialins コマンドは、PPP 認証方式としてチャレンジハンドシェイク認証プロトコル(CHAP)を選択し、指定したインターフェイスに「dialins」方式リストを適用します。

  • ppp authorization network1 コマンドによって、blue1 ネットワーク許可方式リストが、指定したインターフェイスに適用されます。

  • ppp accounting network2 コマンドによって、red1 ネットワーク アカウンティング方式リストが、指定したインターフェイスに適用されます。

  • line コマンドはコンフィギュレーション モードをグローバル コンフィギュレーションからライン コンフィギュレーションに切り替え、設定対象の回線を指定します。

  • autoselect ppp コマンドは、選択した回線上で PPP セッションを自動的に開始できるように Cisco IOS XE ソフトウェアを設定します。

  • autoselect during-login コマンドを使用すると、Return キーを押さずにユーザ名およびパスワードのプロンプトが表示されます。ユーザがログインすると、autoselect 機能(この場合は PPP)が開始します。

  • login authentication admins コマンドは、ログイン認証に admins 方式リストを適用します。

  • modem dialin コマンドは、選択した回線に接続されているモデムを設定し、着信コールだけを受け入れるようにします。

show accounting コマンドを使用すると、前述の設定に関する出力が次のように生成されます。

Active Accounted actions on tty1, User username2 Priv 1
 Task ID 5, Network Accounting record, 00:00:52 Elapsed
 task_id=5 service=ppp protocol=ip address=10.0.0.98 

次の表に、前述の出力に含まれるフィールドについて説明します。

表 4. show accounting のフィールドの説明

フィールド

説明

Active Accounted actions on

ユーザがログインに使用する端末回線またはインターフェイス名

User

ユーザの ID。

Priv

ユーザの特権レベル。

Task ID

各アカウンティング セッションの固有識別情報

Accounting Record

アカウンティング セッション タイプ

Elapsed

このセッション タイプの期間(hh:mm:ss)

attribute=value

このアカウンティング セッションに関連付けられている AV ペア

例:AAA リソース アカウンティングの設定

次に、リソース失敗終了アカウンティング、および 開始 - 終了レコード機能のリソース アカウンティングを設定する例を示します。


!Enable AAA on your network access server.
Device(config)# aaa new-model
!Enable authentication at login and list the AOL string name to use for login authentication.
Device(config)# aaa authentication login AOL group radius local
!Enable authentication for ppp and list the default method to use for PPP authentication.
Device(config)# aaa authentication ppp default group radius local
!Enable authorization for all exec sessions and list the AOL string name to use for authorization.
Device(config)# aaa authorization exec AOL group radius if-authenticated
!Enable authorization for all network-related service requests and list the default method 
 to use for all network-related authorizations.
Device(config)# aaa authorization network default group radius if-authenticated
!Enable accounting for all exec sessions and list the default method to use for all start-stop 
  accounting services.
Device(config)# aaa accounting exec default start-stop group radius
!Enable accounting for all network-related service requests and list the default method to use 
 for all start-stop accounting services. 
Device(config)# aaa accounting network default start-stop group radius
!Enable failure stop accounting.
Device(config)# aaa accounting resource default stop-failure group radius
!Enable resource accounting for start-stop records.
Device(config)# aaa accounting resource default start-stop group radius 

例:AAA ブロードキャスト アカウンティングの設定

次に、グローバル aaa accounting コマンドを使用して、ブロードキャスト アカウンティングを有効にする例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# aaa group server radius isp
Device(config-sg-radius)# server 10.0.0.1
Device(config-sg-radius)# server 10.0.0.2
Device(config-sg-radius)# exit
Device(config)# aaa group server tacacs+ isp_customer
Device config-sg-tacacs+)# server 172.0.0.1
Device config-sg-tacacs+)# exit
Device(config)# aaa accounting network default start-stop broadcast group isp group isp_customer
Device(config)# tacacs server server1
Device(config-server-tacacs)# address ipv4 172.0.0.1
Device(config-server-tacacs)# key key2
Device(config-server-tacacs)# end

broadcast キーワードによって、ネットワーク接続に関する「開始」および「終了」アカウンティング レコードが、グループ isp ではサーバー 10.0.0.1 に、グループ isp_customer ではサーバー 172.0.0.1 に同時送信されます。サーバ 10.0.0.1 が使用できなくなると、サーバ 10.0.0.2 へのフェールオーバーが行われます。サーバ 172.0.0.1 が使用できなくなっても、グループ isp_customer にはバックアップ サーバが設定されていないため、フェールオーバーは行われません。

例:DNIS による AAA ブロードキャスト アカウンティングの設定

次に、グローバル aaa dnis map accounting network コマンドを使用して、DNIS ごとのブロードキャスト アカウンティングを有効にする例を示します。

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# aaa group server radius isp
Device(config-sg-radius)# server 10.0.0.1
Device(config-sg-radius)# server 10.0.0.2
Device(config-sg-radius)# exit
Device(config)# aaa group server tacacs+ isp_customer
Device config-sg-tacacs+)# server 172.0.0.1
Device config-sg-tacacs+)# exit
Device(config)# aaa dnis map enable
Device(config)# aaa dnis map 7777 accounting network start-stop broadcast group isp group isp_customer
Device(config)# tacacs server server1
Device(config-server-tacacs)# address ipv4 172.0.0.1
Device(config-server-tacacs)# key key_2
Device(config-server-tacacs)# end

broadcast キーワードによって、DNIS 番号 7777 のネットワーク接続コールに関する「開始」および「終了」アカウンティング レコードが、グループ isp ではサーバー 10.0.0.1 に、グループ isp_customer ではサーバー 172.0.0.1 に同時送信されます。サーバ 10.0.0.1 が使用できなくなると、サーバ 10.0.0.2 へのフェールオーバーが行われます。サーバ 172.0.0.1 が使用できなくなっても、グループ isp_customer にはバックアップ サーバが設定されていないため、フェールオーバーは行われません。

例:AAA セッション MIB

次に、AAA セッション MIB 機能を設定して、PPP ユーザの認証済みクライアント接続を解除する例を示します。


Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# aaa new-model 
Device(config)# aaa authentication ppp default group radius
Device(config)# aaa authorization network default group radius
Device(config)# aaa accounting network default start-stop group radius
Device(config)# aaa session-mib disconnect
Device(config)# end

アカウンティングの設定に関するその他の参考資料

ここでは、アカウンティングの設定機能に関する関連資料について説明します。

MIB

MIB

MIB のリンク

  • CISCO-AAA-SESSION-MIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE ソフトウェア リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

シスコのテクニカル サポート

説明

リンク

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シスコのサポート Web サイトのツールにアクセスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/en/US/support/index.html

アカウンティングの設定の機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

AAA ブロードキャスト アカウンティング

AAA ブロードキャスト アカウンティングを有効にすると、アカウンティング情報を複数の AAA サーバーに同時に送信できます。つまり、アカウンティング情報を 1 つまた複数の AAA サーバーに同時にブロードキャストすることが可能です。

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

AAA セッション MIB

ユーザーが AAA セッション MIB 機能を使用すると、SNMP を使用して自身の認証済みクライアント接続をモニターおよび終了できます。

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

接続アカウンティング

接続アカウンティングは、Telnet、ローカルエリア トランスポート、TN3270、Packet Assembler/disassembler(PAD)、rlogin など、ネットワークアクセスサーバーからのアウトバウンド接続すべてに関する情報を提供します。

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

AAA 中間アカウンティング

AAA 中間アカウンティングにより、レポートする必要がある新しいアカウンティング情報が発生するたびに、または定期的に、アカウンティング サーバーに中間アカウンティング レコードを送信できます。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、https://cfnng.cisco.com/ に進みます。