IP マルチキャストの最適化:マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの前提条件

サービス プロバイダは、シスコ マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス機能を使用するには、マルチキャスト対応コアが必要です。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの制約事項

サブセカンド指定ルータ(DR)フェールオーバー拡張機能を使用するデバイスは、到着した Hello インターバル情報をミリ秒単位で処理できる必要があります。輻輳しているデバイス、または Hello インターバルを処理するための十分な CPU サイクルがないデバイスは、それが事実でない可能性があっても、Protocol Independent Multicast(PIM)ネイバーが切断されていると見なす可能性があります。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスについて

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの利点

  • スケーラビリティ コンポーネントは、サービス ユーザー(レシーバ)とサービス負荷(ソースまたはコンテンツ)の増加(または減少)を処理する際の効率を向上させます。

  • 新しいアルゴリズムとプロセス(最大 1000 個の個別メッセージを 1 つのパケットに入れて配信する、集約された加入メッセージなど)が、コンバージェンスに達するまでの時間を 10 分の 1 にも低減します。

  • マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスが、大規模なマルチキャスト ネットワークのサービス可用性を向上させます。

  • マルチキャスト機能は以前に必要とした何分の 1 かの時間で元に戻せるため、金融サービス会社や証券会社などのマルチキャスト ユーザーは、Quality of Service(QoS)の向上が得られます。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス スケーラビリティ拡張機能

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス機能は、サービス ユーザー(レシーバ)とサービス負荷(ソースまたはコンテンツ)の増加(または減少)を処理する際の効率を向上させるスケーラビリティ拡張機能を提供します。このリリースのスケーラビリティ拡張機能に含まれているものは次のとおりです。

  • 新しいタイマー管理テクニックによる、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)と PIM ステート メンテナンスの向上

  • Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)Source-Active(SA)キャッシュの規模拡張の向上

スケーラビリティ拡張機能には、以下のメリットがあります。

  • 可能な PIM マルチキャスト ルート(mroute)、IGMP、および MSDP SA キャッシュ ステート容量の増加

  • CPU 使用率の減少

PIM ルータ クエリ メッセージ

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスによって、PIM ルータ クエリ メッセージ(PIM hello)を数ミリ秒ごとに送信できます。PIM hello メッセージは、隣接する PIM デバイスを探すために使用されます。この機能の導入前は、デバイスは PIM hello を数秒単位でしか送信できませんでした。デバイスがより頻繁に PIM ハロー メッセージを送信できるようにすることにより、デバイスは、この機能を使用して応答しないネイバーをより迅速に検出できるようになります。その結果、デバイスは、より効率的なフェールオーバー手順または回復手順を実装できます。

リバース パス フォワーディング

ユニキャスト リバース パス フォワーディング(RPF)機能は、裏付けのない IP ソース アドレスを持つ IP パケットを廃棄することにより、ネットワークに変形または偽造(スプーフィング)された IP ソース アドレスが注入されて引き起こされる問題の緩和に役立ちます。変形または偽造(スプーフィング)された送信元アドレスは、送信元 IP アドレスのスプーフィングに基づいたサービス拒絶(DoS)攻撃を示す場合があります。

RPF はアクセス コントロール リスト(ACL)を使用して、不正なまたは偽造の IP 送信元アドレスを持つデータ パケットをドロップまたは転送するかどうかを判断します。ACL コマンドのオプションを使用して、システム管理者は、ドロップまたは転送されたパケットに関する情報をログに記録できます。偽装パケットに関する情報をログに記録しておくと、可能性のあるネットワーク攻撃に関する情報の発見に役立てることができます。

インターフェイスごとの統計情報を使用して、システム管理者は、ネットワーク攻撃のエントリ ポイントとなっているインターフェイスを迅速に検出できます。

トポロジの変更とマルチキャスト ルーティングのリカバリ

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス フィーチャ セットは、ユニキャスト ルーティングのリカバリの後にほぼ瞬時に完了するマルチキャスト パス リカバリを提供することにより、企業とサービス プロバイダ両方のネットワーク バックボーンを強化します。

ネットワーク トポロジの変更が発生すると、PIM は RPF の計算をユニキャスト ルーティング テーブルに依存するため、ユニキャスト プロトコルは最初にトラフィックのベスト パスのオプションを計算する必要があり、その後、マルチキャストはベスト パスを決定できるようになります。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスは、ユニキャストの計算が完了した後の、ほぼ瞬時のマルチキャスト プロトコル計算完了を可能にします。その結果、トポロジの変更後、マルチキャスト トラフィックの転送は大幅に速く復元されます。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの設定方法

PIM ルータ クエリ メッセージ間隔の変更

PIM ルータ クエリ メッセージ間隔を変更するには、次のタスクを実行します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface type slot / subslot / port

例:


Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/0

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

ip pim query-interval period [msec ]

例:


Device(config-if)# ip pim query-interval 45

マルチキャスト ルータが PIM ルータ クエリー メッセージを送信する頻度を設定します。

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス設定の確認

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス機能に関する詳細情報を表示し、確認するには、次のタスクを実行します。

手順


ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

show ip pim interface type number

このコマンドを使用して、PIM に設定されているインターフェイスに関する情報を表示します。

次に、show ip pim interface コマンドの出力例を示します。

例:

Device# show ip pim interface GigabitEthernet 1/0/0
Address          Interface                Ver/   Nbr    Query  DR     DR
                                          Mode   Count  Intvl  Prior
172.16.1.4       GigabitEthernet1/0/0     v2/S   1      100 ms 1      172.16.1.4

ステップ 3

show ip pim neighbor

Cisco IOS XE ソフトウェアによって検出された PIM ネイバーを表示するには、このコマンドを使用します。

次に、show ip pim neighbor コマンドの出力例を示します。

例:

Device# show ip pim neighbor
PIM Neighbor Table
Neighbor          Interface                Uptime/Expires    Ver   DR
Address                                                            Prio/Mode
172.16.1.3        GigabitEthernet1/0/0     00:03:41/250 msec v2    1 / S

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの設定例

PIM ルータ クエリ メッセージ インターバルの変更例

次の例では、 ip pim query-interval コマンドが 100 ミリ秒に設定されています。このコマンドは、間隔値がデフォルト以外の値になるように設定されていない限り、show running-config コマンド出力に表示されません。


!
interface gigabitethernet 1/0/1
 ip address 172.16.2.1 255.255.255.0
ip pim query-interval 100 msec 
ip pim sparse-mode

IP マルチキャストの最適化:マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスに関するその他の参考資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。

の「IP マルチキャスト ルーティングのコマンド」の項を参照してください。Command Reference (Catalyst 9200 Series Switches)

IP マルチキャストの最適化:マルチキャスト サブセカンド コンバージェンスの機能情報

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

IP マルチキャストの最適化:マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス

マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス機能は、サービス ユーザー(レシーバ)とサービス負荷(ソースまたはコンテンツ)の増加(または減少)を処理する際の効率を向上させるスケーラビリティ拡張機能を提供します。

Cisco IOS XE Cupertino 17.9.1

IP マルチキャストの最適化:マルチキャスト サブセカンド コンバージェンス

この機能は、このリリースで導入された Cisco Catalyst 9200CX シリーズ スイッチの C9200CX-12P-2X2G、C9200CX-8P-2X2G、および C9200CX-12T-2X2G モデルに実装されました。

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