SSM の設定

SSM の設定の前提条件

次に、Source-Specific Multicast (SSM)および SSM マッピングを設定するための前提条件を示します。

  • SSM マッピングを設定する前に、次の作業を実行する必要があります。

    • IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。

    • PIM スパース モードをイネーブルにします。

    • SSM を設定します。

  • スタティック SSM マッピングを設定する場合は、事前にアクセス コントロール リスト(ACL)を設定して、送信元アドレスにマッピングされるグループ範囲を定義する必要があります。

  • SSM マッピングを設定し、DNS ルックアップで使用できるようにするには、稼動中の DNS サーバーにレコードを追加する必要があります。稼働中の DNS サーバーがない場合は、DNS サーバーをインストールする必要があります。


    (注)  


    実行中の DNS サーバーにレコードを追加するには、Cisco Network Registrar などの製品を使用できます。

SSM 設定の制約事項

次に、SSM を設定する際の制約事項を示します。

  • IGMPv3 で SSM を使用するには、Cisco IOS ルータ、アプリケーションが稼働しているホスト、そしてアプリケーション自体が SSM をサポートしている必要があります。

  • SSM にまだ対応していない、ネットワーク内の既存のアプリケーションは、(S, G) チャネル加入をサポートするように変更されないと、SSM 範囲内では機能しません。そのため、既存のアプリケーションが指定の SSM 範囲内のアドレスを使用する場合、ネットワークで SSM をイネーブルにすると問題が発生することがあります。

  • IGMP スヌーピング:IGMPv3 で使用される新しいメンバーシップ レポート メッセージは、旧型の IGMP スヌーピングデバイスでは正しく認識されない場合があります。

  • SSM をレイヤ 2 スイッチング メカニズムとともに使用する場合は、ある程度のアドレス管理が必要となります。Cisco Group Management Protocol(CGMP)、IGMP スヌーピング、または Router-Port Group Management Protocol(RGMP)でサポートされるのはグループ固有のフィルタリングだけであり、(S, G)チャネル固有のフィルタリングはサポートされていません。同じスイッチド ネットワーク内の異なるレシーバーが異なる(S, G)チャネルを要求し、これらのチャネルが同じグループを共有している場合、レシーバーは上記のような既存メカニズムの利点を活用できません。どちらのレシーバーも、すべての(S, G)チャネル トラフィックを受信し、不要なトラフィックを入力から除外します。SSM は、独立した多くのアプリケーションに SSM 範囲のグループ アドレスを再利用できるので、このような状況では、スイッチド ネットワークのトラフィック フィルタリング機能が低下する可能性があります。そのため、アプリケーションに対して SSM 範囲の IP アドレスをランダムに使用し、SSM 範囲内の 1 つのアドレスがさまざまなアプリケーションに再利用される可能性を小さくすることが重要です。たとえば、TV チャネル セットを提供するアプリケーション サービスで、SSM を使用する場合は、各 TV(S, G)チャネルに異なるグループを使用する必要があります。このようにすれば、同じアプリケーション サービス内の異なるチャネルに複数のレシーバが接続されていても、レイヤ 2 デバイスを含むネットワークでトラフィック エイリアシングが発生しなくなります。

  • PIM-SSM では、ラストホップ ルータは、そのインターフェイス上に適切な(S, G)加入登録があると、定期的に(S, G)Join メッセージを送信し続けます。このため、レシーバが(S, G)加入を送信する限り、ソースが長時間(または二度と)トラフィックを送信しなくてもレシーバからソースへの最短パス ツリー(SPT)状態が維持されます。

    送信元がトラフィックを送信し、レシーバーがグループに加入している場合にだけ(S, G)ステートが維持される PIM-SM では、これとは対照的な状況が発生します。PIM-SM では、送信元がトラフィックの送信を 3 分以上停止すると、(S, G)ステートは削除され、その送信元からのパケットが RPT を通じて再度到達した場合のみに再確立されます。PI-SSM では、送信元がアクティブであることをレシーバに通知するメカニズムがないので、レシーバが(S, G)チャネルの受信を要求している限り、(S, G)ステートを維持する必要があります。

次に、SSM マッピングを設定する際の制約事項を示します。

  • SSM マッピング機能で、SSM の利点をすべて共有できるわけではありません。SSM マッピングでは、ホストからグループ G の加入が取得され、1 つまたは複数のソースに関連付けられているアプリケーションでこのグループを指定できるため、グループ G ごとにこのようなアプリケーション 1 つのみをサポートできます。それにもかかわらず、完全な SSM アプリケーションは、SSM マッピングにも使用される同じグループを共有することができます。

  • 完全な SSM への移行ソリューションとして SSM マッピングだけを使用する場合は、ラストホップ ルータの IGMPv3 をイネーブルにする際に十分に注意してください。SSM マッピングと IGMPv3 を両方イネーブルにした場合、すでに IGMPv3 をサポートしている(SSM はサポートしていない)ホストは IGMPv3 グループ レポートを送信します。SSM マッピングは、このような IGMPv3 グループ レポートをサポートしていないので、ルータは送信元をこれらのレポートと正しく関連付けることができません。

SSM に関する情報

Source-Specific Multicast(SSM; 送信元特定マルチキャスト)機能は、IP マルチキャストの拡張機能であり、この機能を使用すると、受信者に転送されるデータグラム トラフィックは、その受信者が明示的に加入しているマルチキャスト送信元からのトラフィックだけになります。SSM 用にマルチキャスト グループを設定する場合、SSM 配信ツリー(共有ツリーはない)だけが作成されます。

ここでは、Source-Specific Multicast(SSM)の設定方法を説明します。この項の SSM コマンドの詳細な説明については、『IP Multicast Command Reference』を参照してください。

SSM コンポーネントの概要

SSM は、1 対多のアプリケーション(ブロードキャスト アプリケーション)に最適なデータグラム配信モデルです。SSM は、オーディオおよびビデオのブロードキャスト アプリケーション環境を対象としたシスコの IP マルチキャスト ソリューションの中核的なネットワーキング テクノロジーです。このデバイスは、次のコンポーネントをサポートしているため、SSM の実装が可能です。

  • Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)

    PIM-SSM は、SSM の実装をサポートするルーティング プロトコルで、PIM Sparse Mode(PIM-SM)に基づいています。

  • Internet Group Management Protocol version 3(IGMPv3)

SSM および Internet Standard Multicast(ISM)

インターネットの現行の IP マルチキャスト インフラストラクチャや多くの企業のイントラネットは、PIM-SM プロトコルと Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)に基づいています。これらのプロトコルには、Internet Standard Multicast(ISM)サービス モデルの限界があります。たとえば、ISM では、ネットワークは、実際にマルチキャスト トラフィックを送信しているホストについての情報を維持する必要があります。

ISM サービスは、任意の送信元からマルチキャスト ホスト グループと呼ばれるレシーバー グループへの IP データグラムの配信でなりたっています。マルチキャスト ホスト グループのデータグラム トラフィックは、任意の IP ユニキャスト送信元アドレス(S)と IP 宛先アドレスとしてのマルチキャスト グループ アドレス(G)のデータグラムで構成されます。システムは、ホスト グループのメンバーになることによって、このトラフィックを受信します。ホスト グループのメンバーシップには IGMP バージョン 1、2、または 3 によるホスト グループのシグナリングが必要です。

SSM では、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。SSM と ISM のどちらでも、ソースになるためにシグナリングは必要ありません。ただし、SSM では、レシーバーは特定の送信元からのトラフィックの受信または非受信を決めるために(S, G)への加入または脱退を行う必要があります。つまり、レシーバは加入した(S, G)チャネルからだけトラフィックを受信できます。一方、 ISM では、レシーバは受信するトラフィックの送信元の IP アドレスを知る必要はありません。チャネル加入シグナリングの標準的な方法として、IGMP を使用してモード メンバーシップ レポートを包含することが提案されていますが、この手法をサポートしているのは IGMP version 3 だけです。

SSM IP アドレスの範囲

IP マルチキャスト グループ アドレス範囲の設定済みのサブセットに SSM 配信モデルを適用することにより、SSM と ISM サービスを一緒に使用できます。Cisco IOS ソフトウェアでは、224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の IP マルチキャスト アドレス範囲の SSM 設定が可能です。SSM 範囲が定義されている場合、既存の IP マルチキャスト受信アプリケーションが SSM 範囲のアドレスの使用を試行しても、トラフィックを受信できません。

SSM の動作

確立されているネットワークは、IP マルチキャスト サービスが PIM SM に基づいているので、SSM サービスをサポートできます。SSM サービスだけが必要な場合は、ドメイン間の PIM-SM に必要な全プロトコル範囲(MSDP、Auto-RP、またはブートストラップ ルータ(BSR))ではなく、SSM を単独でネットワークに配置することもできます。

PIM-SM 用に設定されているネットワークに SSM を配置する場合、SSM をサポートするのはラストホップ ルータだけです。レシーバーに直接接続されていないルータは SSM をサポートする必要はありません。一般的に、ラストホップ以外のルータに必要なのは、SSM 範囲内の PIM-SM だけです。このようなルータは SSM 範囲内での MSDP シグナリング、登録、PIM-SM 共有ツリー操作を抑制するために、ほかのアクセス コントロール設定が必要になる場合もあります。

SSM の範囲を設定し SSM をイネーブルにするには、ip pim ssm グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。この設定による影響は次のとおりです。

  • SSM 範囲内のグループは、IGMPv3 include モード メンバーシップ レポートを通じて、(S, G)チャネルに加入できます。

  • SSM 範囲のアドレスの PIM 動作は、PIM-SM の派生モードである PIM-SSM に変更されます。このモードでは、ルータで生成されるのは PIM(S, G)の join と prune のメッセージだけであり、(S, G)の Rendezvous Point Tree(RPT)や(*, G)の RPT メッセージは生成されません。RPT 動作に関連する着信メッセージは無視されるか拒否されます。着信 PIM 登録メッセージに対しては即座に register-stop メッセージで応答が行われます。ラストホップ ルータ以外のルータでは、PIM-SSM は PIM-SM と下位互換性を保ちます。したがって、ラストホップ ルータ以外のルータは SSM グループに PIM-SM を使用できます(SSM をサポートしていない場合など)。

  • SSM 範囲内の Source-Active(SA)メッセージは、受け入れ、生成、転送のいずれも実行されません。

SSM マッピング

典型的なセットトップ ボックス(STB)配置では、各 TV チャネルは独立した 1 つの IP マルチキャスト グループを使用し、その TV チャネルの送信を行うアクティブなサーバーは 1 つです。1 つのサーバーから複数の TV チャネルへの送信は可能ですが、各チャネルのグループはそれぞれ異なります。このようなネットワーク環境で、ルータが特定のグループの IGMPv1 または IGMPv2 のメンバーシップ レポートを受信した場合、レポートの宛先は、そのマルチキャスト グループに関連付けられている TV チャネルの well-known TV サーバーになります。

SSM マッピングが設定されている場合、特定グループの IGMPv1 または IGMPv2 のメンバーシップ レポートを受信したルータは、レポートを、このグループに関連付けられている well-known 送信元の 1 つ以上のチャネル メンバーシップに変換します。

ルータは、IGMPv1 または IGMPv2 のメンバーシップ レポートを受信すると、SSM マッピングを使用して、そのグループ に 1 つ以上の送信元 IP アドレスを決定します。その後、SSM マッピングによって、そのメンバーシップ レポートが IGMPv3 レポートに変換され、IGMPv3 レポートを受信した場合と同様に処理が続行されます。IGMPv1 または IGMPv2 メンバーシップ レポートの受信が続き、そのグループの SSM マッピングが同じである限り、ルータは PIM join を送信し、グループに加入し続けます。

SSM マッピング機能を使用すると、ラストホップ ルータはスタティックに設定されたルータ上のテーブルまたは DNS サーバーを通じて、送信元アドレスを決定できます。スタティックに設定されたテーブルまたは DNS マッピングが変更された場合、ルータは加入しているグループに関連付けられている現在の送信元から脱退します。

スタティック SSM マッピング

スタティック SSM マッピングでは、ラストホップ ルータは、グループへの送信を行う送信元を決定するために、継続的にスタティック マップを使用します。スタティック SSM マッピングを使用するには、グループ範囲を定義した ACL を設定する必要があります。グループ範囲を定義する ACL を設定した後、ip igmp ssm-map static グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ACL で許可されたグループを送信元にマッピングできます。

DNS が必要とされないか、またはローカルで DNS マッピングが変更される場合、小規模なネットワークではスタティック SSM マッピングを設定できます。設定されたスタティック SSM マッピングは、DNS マッピングよりも優先されます。

DNS ベースの SSM マッピング

DNS ベースの SSM マッピングを使用して、ラストホップ ルータが継続的に逆 DNS ルックアップを実行し、グループに送信する送信元を決定するようにすることも可能です。DNS ベースの SSM マッピングが設定されると、ルータはグループ名を含むドメイン名を構築し、DNS への逆ルックアップを実行します。ルータは IP アドレス リソースを検索し、それらをグループに関連付けられた送信元アドレスとして使用します。SSM マッピングでサポートできる送信元の数は、グループごとに最大 20 です。ルータは各グループに設定されているすべてのソースに加入します。

図 1. DNS ベースの SSM マッピング. 次の図は、DNS ベースの SSM マッピングを示します。

ラスト ホップ ルータが 1 つのグループの複数の送信元に加入できるようにする SSM マッピング メカニズムによって、TV ブロードキャストの送信元に冗長性を持たせることができます。この場合、ラストホップ ルータは、SSM マッピングを使用し、同じ TV チャネルに対して 2 つのビデオ送信元に同時に加入することにより冗長性を提供します。ただし、ラストホップ ルータでのビデオ トラフィックの重複を防ぐため、ビデオ送信元がサーバー側でスイッチオーバー メカニズムを使用する必要があります。一方のビデオ送信元はアクティブ、もう一方のバックアップ ビデオ送信元はパッシブになります。パッシブの送信元は待機状態になり、アクティブな送信元の障害が検出された場合に、その TV チャネルにビデオ トラフィックを送信します。サーバー側のスイッチオーバー メカニズムによって、実際にその TV チャネルにビデオ トラフィックを送信するサーバーは 1 つだけになります。

G1、G2、G3、G4 を含むグループの 1 つ以上の送信元アドレスを検索するには、DNS サーバーに次のような DNS レコードを設定する必要があります。


G4.G3.G2.G1 [multicast-domain] [timeout]	IN A source-address-1
	IN A source-address-2
	IN A source-address-n

DNS リソース レコードの設定の詳細については、DNS サーバーのマニュアルを参照してください。

SSM の設定方法

SSM の設定

SSM を設定するには、次の手順を実行します。

この手順は任意です。

始める前に

Source Specific Multicast(SSM)範囲の定義にアクセスリストを使用する場合、ip pim ssm コマンドでアクセスリストを参照する前にアクセスリストを設定します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:


Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:


Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip pim ssm [default | range access-list]

例:


Device(config)# ip pim ssm range 20

IP マルチキャスト アドレスの SSM 範囲を定義します。

ステップ 4

interface type number

例:


Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

IGMPv3 をイネーブルに設定可能なホストに接続されているインターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

次のいずれかのインターフェイスを指定する必要があります。

  • ルーテッドポート:レイヤ 3 ポートとして no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して設定された物理ポートです。

  • SVI:interface vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して作成された VLAN インターフェイスです。

これらのインターフェイスには、IP アドレスを割り当てる必要があります。

ステップ 5

ip pim {sparse-mode }

例:


Device(config-if)# ip pim sparse-mode

インターフェイスに対して PIM をイネーブルにします。

ステップ 6

ip igmp version 3

例:


Device(config-if)# ip igmp version 3

このインターフェイス上で IGMPv3 をイネーブルにします。デフォルトでは、IGMP のバージョン 2 が設定されます。

ステップ 7

end

例:


Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show running-config

例:


Device# show running-config 

入力を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

例:


Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

Source Specific Multicast(SSM)マッピング機能は、管理上または技術上の理由からエンド システムで SSM をサポートできないかまたはサポートが望ましくない場合に SSM 移行手段として使用できます。SSM マッピングを使用すると、IGMPv3 をサポートしないレガシー STB へのビデオ配信や、IGMPv3 ホスト スタックを使用しないアプリケーションに SSM を活用できます。

スタティック SSM マッピングの設定

スタティック SSM マッピングを設定するには、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip igmp ssm-map enable

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map enable

設定されている SSM 範囲で、グループの SSM マッピングをイネーブルにします。

(注)  

 

このコマンドでは、デフォルトで、DNS ベースの SSM マッピングがイネーブルにされます。

ステップ 4

no ip igmp ssm-map query dns

例:

Device(config)# no ip igmp ssm-map query dns

(任意)DNS ベースの SSM マッピングをディセーブルにします。

(注)  

 

スタティック SSM マッピングだけを使用する場合は、DNS ベースの SSM マッピングをディセーブルにします。デフォルトでは、ip igmp ssm-map コマンドによって DNS ベースの SSM マッピングがイネーブルになります。

ステップ 5

ip igmp ssm-map static access-list source-address

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map static 11 172.16.8.11

スタティック SSM マッピングを設定します。

  • access-list 引数に入力した ACL によって、source-address 引数に入力したソース IP アドレスにマッピングされるグループが決まります。

(注)  

 

追加のスタティック SSM マッピングを設定することもできます。SSM マッピングを追加設定した場合、ルータが SSM 範囲のグループの IGMPv1 または IGMPv2 のメンバーシップレポートを受信すると、デバイスは、設定されている各 ip igmp ssm-map static コマンドに基づいて、そのグループに関連付けられている送信元アドレスを特定します。デバイスは各グループに最大 20 の送信元を関連付けます。

必要な場合は、ステップを繰り返して、追加のスタティック SSM マッピングを設定します。

ステップ 6

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show running-config

例:

Device# show running-config 

入力を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

DNS ベースの SSM マッピングの設定

DNS ベースの SSM マッピングを設定するには、DNS サーバー ゾーンを作成するか、または既存のゾーンにレコードを追加する必要があります。DNS ベースの SSM マッピングを使用するルータが他の目的にも DNS を使用している場合は、通常の設定の DNS サーバーを使用する必要があります。そのルータで使用されている DNS 実装が DNS ベースの SSM マッピングだけの場合は、ルート ゾーンが空であるか、またはそれ自身を指すようなフォールス DNS セットアップが可能です。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip igmp ssm-map enable

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map enable

設定されている SSM 範囲で、グループの SSM マッピングをイネーブルにします。

ステップ 4

ip igmp ssm-map query dns

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map query dns

(任意)DNS ベースの SSM マッピングをイネーブルにします。

  • デフォルトでは、ip igmp ssm-map コマンドによって DNS ベースの SSM マッピングがイネーブルになります。実行コンフィギュレーションに保存されるのは、このコマンドを no 形式で使用した場合だけです。

(注)  

 
DNS ベースの SSM マッピングがディセーブルの場合、このコマンドを使用して DNS ベースの SSM マッピングを再度イネーブルにします。

ステップ 5

ip domain multicast domain-prefix

例:

Device(config)# ip domain multicast ssm-map.cisco.com

(任意)DNS ベースの SSM マッピングに使用するドメイン プレフィックスを変更します。

  • デフォルトでは、ip-addr.arpa ドメイン プレフィックスが使用されます。

ステップ 6

ip name-server server-address1 [server-address2 ...server-address6 ]

例:

Device(config)# ip name-server 10.48.81.21

名前とアドレスの解決に使用する 1 つまたは複数のネーム サーバーのアドレスを指定します。

ステップ 7

冗長性のために追加の DNS サーバーを設定する場合は、必要に応じて、ステップ 6 を繰り返します。

ステップ 8

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show running-config

例:

Device# show running-config 

入力を確認します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

SSM マッピングを使用したスタティック トラフィック転送の設定

ラスト ホップ ルータ上の SSM マッピングでスタティック トラフィック転送を設定する場合は、次の手順を実行します。

手順
  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

SSM マッピングを使用してマルチキャスト グループにスタティックにトラフィックを転送するインターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

次のいずれかのインターフェイスを指定する必要があります。

  • ルーテッドポート:レイヤ 3 ポートとして no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して設定された物理ポートです。

  • SVI:interface vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して作成された VLAN インターフェイスです。

これらのインターフェイスには、IP アドレスを割り当てる必要があります。

(注)  

 

SSM マッピングを使用したトラフィックのスタティック転送は、DNS ベースの SSM マッピングとスタティックに設定された SSM マッピングのいずれかで機能します。

ステップ 4

ip igmp static-group group-address source ssm-map

例:

Device(config-if)# ip igmp static-group 239.1.2.1 source ssm-map

そのインターフェイスから(S, G)チャネルへのスタティック転送用の SSM マッピングを設定します。

このコマンドは、特定グループに SSM トラフィックをスタティックに転送する場合に使用します。チャネルの送信元アドレスを決定するには DNS ベースの SSM マッピングを使用します。

ステップ 5

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show running-config

例:

Device# show running-config 

入力を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config startup-config 

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

SSM のモニタリング

SSM をモニターするには、次の表の特権 EXEC コマンドを使用します。

表 1. SSM のモニタリング コマンド

コマンド

目的

show ip igmp groups detail

IGMPv3 による (S, G) チャネル加入登録を表示します。

show ip mroute

マルチキャスト グループが SSM サービスをサポートしているかどうか、または送信元固有のホスト レポートが受信されたかどうかを表示します。

SSM マッピングのモニタリング

SSM マッピングをモニターするには、次の表の特権 EXEC コマンドを使用します。

表 2. SSM マッピングをモニターするコマンド

コマンド

目的

show ip igmp ssm-mapping

SSM マッピングについての情報を表示します。

show ip igmp ssm-mapping group-address

SSM マッピングが特定のグループに使用する送信元を表示します。

show ip igmp groups [group-name | group-address | interface-type interface-number] [detail]

ルータに直接接続されているレシーバと IGMP によって学習されたレシーバを持つマルチキャスト グループを表示します。

show host

デフォルトのドメイン名、名前ルックアップ サービス、ネーム サーバー ホストのリスト、およびホスト名とアドレスのキャッシュされたリストを表示します。

debug ip igmp group-address

送受信された IGMP パケットと IGMP ホスト関連イベントを表示します。

SSM の次の作業

次の設定を行えます。

  • IGMP

  • PIM

  • IP マルチキャスト ルーティング

  • サービス検出ゲートウェイ

SSM に関するその他の関連資料

関連資料

関連項目 マニュアル タイトル

この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。

の「IP マルチキャスト ルーティングのコマンド」の項を参照してください。Command Reference (Catalyst 9200 Series Switches)

標準および RFC

標準/RFC タイトル

RFC 4601

『Protocol-Independent Multicast-Sparse Mode (PIM-SM): Protocol Specification』

SSM の機能履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

SSM

SSM は、受信者が明示的に参加したマルチキャストソースからのみデータグラムトラフィックが受信者に転送される IP マルチキャストの拡張機能です。SSM 用にマルチキャスト グループを設定する場合、SSM 配信ツリー(共有ツリーはない)だけが作成されます。

Cisco IOS XE Cupertino 17.9.1

SSM

この機能は、このリリースで導入された Cisco Catalyst 9200CX シリーズ スイッチの C9200CX-12P-2X2G、C9200CX-8P-2X2G、および C9200CX-12T-2X2G モデルに実装されました。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn [英語] からアクセスします。