複数のスパニング ツリー プロトコルの設定

マルチ スパニングツリー プロトコルの前提条件

  • 2 つ以上のデバイスを同じマルチスパニングツリー(MST)リージョンに設定するには、その 2 つに同じ VLAN/インスタンスマッピング、同じコンフィギュレーション リビジョン番号、同じ名前を設定しなければなりません。

  • ネットワーク内の冗長パスでロード バランシングを機能させるには、すべての VLAN/インスタンス マッピングの割り当てが一致している必要があります。一致していないと、すべてのトラフィックが 1 つのリンク上で伝送されます。

  • Per-VLAN Spanning-Tree Plus(PVST+)と MST クラウドの間、または Rapid- PVST+ と MST クラウドの間でロード バランシングが機能するためには、すべての MST 境界ポートがフォワーディングでなければなりません。MST クラウドの内部スパニングツリー(IST)のルートが共通スパニングツリー(CST)のルートである場合、MST 境界ポートはフォワーディングです。MST クラウドが複数の MST リージョンから構成されている場合、いずれかの MST リージョンに CST ルートを含める必要があり、その他すべての MST リージョンに、PVST+ クラウドまたは高速 PVST+ クラウドを通るパスよりも、MST クラウド内に含まれるルートへのパスが良くする必要があります。クラウド内のデバイスを手動で設定しなければならない場合もあります。

マルチ スパニングツリー プロトコルの制限事項

  • スイッチ スタックは最大 65 の MST インスタンスまでサポートします。特定の MST インスタンスにマッピング可能な VLAN 数は、指定されたスイッチでサポートされるアクティブ VLAN の最大数です。

  • PVST+、Rapid PVST+、および MSTP はサポートされますが、アクティブにできるのは 1 つのバージョンだけです(たとえば、すべての VLAN で PVST+ を実行する、すべての VLAN で Rapid PVST+ を実行する、またはすべての VLAN で MSTP を実行します)。

  • MST コンフィギュレーションの VLAN トランキング プロトコル(VTP)伝搬はサポートされません。ただし、コマンドライン インターフェイス(CLI)または簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)サポートを通じて、MST リージョン内の各デバイスで MST コンフィギュレーション(リージョン名、リビジョン番号、および VLAN とインスタンスのマッピング)を手動で設定することは可能です。

  • ネットワークを多数のリージョンに分割することは推奨できません。ただし、どうしても分割せざるを得ない場合は、スイッチド LAN をルータまたは非レイヤ 2 デバイスで相互接続された小規模な LAN に分割することを推奨します。

  • リージョンは、同じ MST コンフィギュレーションを持つ 1 つまたは複数のメンバーで構成されます。リージョンの各メンバーは高速スパニングツリー プロトコル(RSTP)ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)を処理する機能を備えている必要があります。ネットワーク内の MST リージョンの数に制限はありませんが、各リージョンがサポートできるスパニングツリー インスタンスの数は 65 までです。VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

MSTP について

ここでは、Multiple Spanning-Tree Protocol(MSTP)について説明します。

マルチ スパニングツリー プロトコルの設定

高速コンバージェンスのために高速スパニングツリープロトコル(RSTP)を使用するマルチ スパニング ツリー プロトコル(MSTP)では、複数の VLAN をグループ化して同じスパニングツリー インスタンスにマッピングすることが可能で、多くの VLAN をサポートするのに必要なスパニングツリー インスタンスの数を軽減できます。MSTP は、データ トラフィックに複数の転送パスを提供し、ロード バランシングを実現して、多数の VLAN をサポートするのに必要なスパニングツリー インスタンスの数を減らすことができます。MSTP を使用すると、1 つのインスタンス(転送パス)で障害が発生しても他のインスタンス(転送パス)は影響を受けないので、ネットワークのフォールトトレランスが向上します。


(注)  


マルチ スパニングツリー(MST)実装は IEEE 802.1s 標準に準拠しています。


MSTP を導入する場合、最も一般的なのは、レイヤ 2 スイッチド ネットワークのバックボーンおよびディストリビューション レイヤへの導入です。MSTP の導入により、サービス プロバイダー環境に求められる高可用性ネットワークを実現できます。

デバイスが MST モードの場合、IEEE 802.1w 準拠の RSTP が自動的にイネーブルになります。RSTP は、IEEE 802.1D の転送遅延を軽減し、ルート ポートおよび指定ポートをフォワーディング ステートにすばやく移行する明示的なハンドシェイクによって、スパニングツリーの高速コンバージェンスを実現します。

MSTP と RSTP は、既存のシスコ独自の Multiple Instance STP(MISTP)、および既存の Cisco PVST+ と Rapid Per-VLAN Spanning-Tree plux(Rapid PVST+)を使用して、スパニングツリーの動作を改善し、(オリジナルの)IEEE 802.1D スパニング ツリーに準拠した機器との下位互換性を保持しています。

デバイススタックは、ネットワークのその他の部分に対しては単一のスパニングツリーノードに見え、すべてのスタックメンバが同一のデバイス ID を使用します。

MSTP モードでは、デバイスまたはデバイススタックは最大 64 の MST インスタンスをサポートします。特定の MST インスタンスにマッピング可能な VLAN 数は 512 です。

マルチ スパニングツリー プロトコルの設定時の注意事項

  • spanning-tree mode mst グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、MST をイネーブルにすると、RSTP が自動的にイネーブルになります。

  • UplinkFast、BackboneFast、クロススタック UplinkFast の設定のガイドラインについては、関連項目のセクションの該当するセクションを参照してください。

  • デバイスが MST モードの場合は、パスコスト値の計算に、ロングパスコスト計算方式(32 ビット)が使用されます。ロング パス コスト計算方式では、次のパス コスト値がサポートされます。

速度

パス コスト値

10 Mb/s

2,000,000

100 Mb/s

200,000

1 Gb/s

20,000

10 Gb/s

2,000

100 Gb/s

200

ルート スイッチの設定

スイッチは、スパニングツリー インスタンスを VLAN グループとマッピングして維持します。各インスタンスには、スイッチプライオリティとスイッチの MAC アドレスからなるデバイス ID が対応付けられます。VLAN グループの場合は、最小のデバイス ID を持つスイッチがルートスイッチになります。

スイッチをルートとして設定するときは、スイッチが指定されたスパニングツリー インスタンスのルート スイッチになるように、スイッチ プライオリティをデフォルト値(32768)から著しく小さい値に変更します。このコマンドを入力すると、スイッチは、ルート スイッチのスイッチ プライオリティを確認します。拡張システム ID のサポートのため、スイッチは指定されたインスタンスについて、自身のプライオリティを 24576 に設定します(この値によって、このスイッチが指定されたスパニングツリー インスタンスのルートになる場合)。

指定されたインスタンスのルート スイッチに、24576 に満たないスイッチ プライオリティが設定されている場合は、スイッチは自身のプライオリティを最小のスイッチ プライオリティより 4096 だけ小さい値に設定します(4096 は 4 ビット スイッチ プライオリティの最下位ビットの値です。詳細については、「ブリッジ ID、スイッチプライオリティ★優先順位、および拡張システム ID」を参照してください。ブリッジ ID、デバイス プライオリティ、および拡張システム ID

ネットワーク上に拡張システム ID をサポートするスイッチとサポートしないスイッチが混在する場合は、拡張システム ID をサポートするスイッチがルートスイッチになることはほぼありません。拡張システム ID によって、旧ソフトウェアが稼働する接続スイッチのプライオリティより VLAN 番号が大きくなるたびに、スイッチ プライオリティ値が増大します。

各スパニングツリー インスタンスのルート スイッチは、バックボーン スイッチまたはディストリビューション スイッチにする必要があります。アクセス スイッチをスパニングツリーのプライマリ ルートとして設定しないでください。

レイヤ 2 ネットワークの直径(つまり、レイヤ 2 ネットワーク上の任意の 2 つのエンドステーション間の最大スイッチホップカウント)を指定するには、diameter キーワードを指定します(MST インスタンス 0 の場合のみ使用可)。ネットワークの直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、および最大エージング タイムをスイッチが自動的に設定するので、コンバージェンスの所要時間を大幅に短縮できます。hello キーワードを使用して、自動的に計算される hello タイムを上書きできます。

MST リージョン

スイッチを MST インスタンスに加入させるには、同じ MST コンフィギュレーション情報を使用して矛盾のないようにスイッチを設定する必要があります。同じ MST 設定の相互接続スイッチの集まりによって MST リージョンが構成されます。

MST 設定により、各デバイスが属する MST リージョンが制御されます。この設定には、領域の名前、バージョン番号、MST VLAN とインスタンスの割り当てマップが含まれます。その中で MST リージョンの設定を指定することにより、リージョンのデバイスを設定します。MST インスタンスに VLAN をマッピングし、リージョン名を指定して、リビジョン番号を設定できます。手順と例については、関連項目の「MST リージョン設定の指定と MSTP のイネーブル化」リンクをクリックします。

リージョンには、同一の MST コンフィギュレーションを持った 1 つまたは複数のメンバが必要です。さらに、各メンバは、RSTP ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)を処理できる必要があります。ネットワーク内の MST リージョンの数に制限はありませんが、各リージョンは最大 64 のスパニングツリー インスタンスをサポートできます。インスタンスは、0 ~ 4094 の範囲の任意の番号で識別できます。VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

Internal Spanning Tree(IST)、Common and Internal Spanning Tree(CIST)、Common Spanning Tree(CST)

すべてのスパニングツリー インスタンスが独立している PVST+ および Rapid PVST+ とは異なり、MSTP は次の 2 つのタイプのスパニングツリーを確立して保持しています。

  • Internal Spanning-Tree(IST)は、1 つの MST リージョン内で稼働するスパニングツリーです。

    各 MST リージョン内の MSTP は複数のスパニングツリー インスタンスを維持しています。インスタンス 0 は、リージョンの特殊なインスタンスで、IST と呼ばれています。その他すべての MSTI には、1 ~ 4094 の番号が付きます。

    IST は、BPDU を送受信する唯一のスパニングツリー インスタンスです。他のスパニングツリーの情報はすべて、MSTP BPDU 内にカプセル化されている M レコードに格納されています。MSTP BPDU はすべてのインスタンスの情報を伝送するので、複数のスパニングツリー インスタンスをサポートする処理が必要な BPDU の数を大幅に減少できます。

    同一リージョン内の MST インスタンスはすべて、同じプロトコル タイマーを共有しますが、各 MST インスタンスは独自のトポロジ パラメータ(ルート スイッチ ID、ルート パス コストなど)を持っています。デフォルトでは、すべての VLAN が IST に割り当てられます。

    MSTI はリージョンにローカルです。たとえばリージョン A およびリージョン B が相互接続されていても、リージョン A の MSTI 1 は、リージョン B の MSTI 1 に依存しません。

  • Common and Internal Spanning-Tree(CIST)は、各 MST リージョン内の IST と、MST リージョンおよびシングル スパニングツリーを相互接続する Common Spanning-Tree(CST)の集合です。

    1 つのリージョン内で計算されたスパニングツリーは、スイッチド ドメイン全体を網羅する CST のサブツリーと見なされます。CIST は、IEEE 802.1w、IEEE 802.1s、および IEEE 802.1D 標準をサポートするスイッチ間で実行されるスパニングツリー アルゴリズムによって形成されます。MST リージョン内の CIST は、リージョン外の CST と同じです。

マルチ スパニングツリーのリージョン内の動作

IST は 1 つのリージョン内のすべての MSTP スイッチを接続します。IST が収束すると、IST のルートは CIST リージョナル ルートになります。これは、リージョン内で最も小さいデバイス ID、および CIST ルートに対するパスコストを持つスイッチです。ネットワークに領域が 1 つしかない場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートにもなります。CIST ルートがリージョンの外部にある場合、リージョンの境界に位置する MSTP スイッチの 1 つが CIST リージョナル ルートとして選択されます。

MSTP スイッチは初期化時に、自身が CIST のルートおよび CIST リージョナル ルートであることを主張するため、CIST ルートと CIST リージョナル ルートへのパス コストがいずれもゼロに設定された BPDU を送信します。スイッチはさらに MST インスタンスをすべて初期化し、自身がこれらすべてのインスタンスのルートであると主張します。スイッチは、ポート用に現在保存されているものより上位の MST ルート情報(低いデバイス ID、低いパスコストなど)を受信した場合、CIST リージョナルルートとしての主張を放棄します。

リージョンには、初期化中に多くのサブ リージョンが含まれて、それぞれに独自の CIST リージョナル ルートが含まれることがあります。スイッチは、優位の IST 情報を受信すると、古いサブリージョンを脱退して、真の CIST リージョナル ルートが含まれている新しいサブリージョンに加入します。真の CIST リージョナル ルートが含まれている以外のサブリージョンは、すべて縮小します。

正常な動作のためには、MST リージョン内のすべてのスイッチが同じ CIST リージョナル ルートを承認する必要があります。共通の CIST リージョナル ルートに収束する場合、そのリージョン内にある 2 つのスイッチは、1 つの MST インスタンスに対するポートの役割のみを同期させます。

マルチ スパニングツリーのリージョン間の動作

ネットワーク内に複数のリージョンまたは IEEE 802.1D 準拠のレガシー スイッチが混在している場合、MSTP は、ネットワーク内のすべての MST リージョンとすべてのレガシー STP スイッチからなる CST を構築して維持します。MSTI は、リージョンの境界にある IST と組み合わさり、CST になります。

IST は、リージョン内のすべての MSTP スイッチに接続し、スイッチド ドメイン全体を網羅する CIST のサブツリーとして見なされます。サブツリーのルートは CIST リージョナル ルートです。MST リージョンは、隣接する STP スイッチや MST リージョンからは仮想スイッチとして認識されます。

BPDU を送受信するのは、CST インスタンスだけです。MST インスタンスは自身のスパニングツリー情報を BPDU に追加して、ネイバー スイッチと通信し、最終的なスパニングツリー トポロジを計算します。したがって、BPDU 伝送に関連するスパニングツリー パラメータ(hello タイム、転送時間、最大エージング タイム、最大ホップ カウントなど)は、CST インスタンスだけで設定されますが、その影響はすべての MST インスタンスに及びます。スパニングツリー トポロジに関連するパラメータ(スイッチ プライオリティ、ポート VLAN コスト、ポート VLAN プライオリティなど)は、CST インスタンスと MST インスタンスの両方で設定できます。

MSTP スイッチは、バージョン 3 RSTP BPDU または IEEE 802.1D STP BPDU を使用して、レガシー IEEE 802.1D デバイスと通信します。MSTP スイッチは、MSTP BPDU を使用して MSTP デバイスと通信します。

IEEE 802.1s の用語

シスコの先行標準実装で使用される一部の MST 命名規則は、一部の内部パラメータまたはリージョン パラメータを識別するように変更されました。これらのパラメータは、ネットワーク全体に関連している外部パラメータと違い、MST リージョン内でのみ影響があります。CIST はネットワーク全体を網羅するスパニングツリー インスタンスのため、CIST パラメータのみ、内部修飾子やリージョナル修飾子ではなく外部修飾子が必要です。

  • CIST ルートは、ネットワーク全体を網羅する一意のインスタンスのためのルート スイッチです。

  • CIST 外部ルート パス コストは、CIST ルートまでのコストです。このコストは MST 領域内で変化しません。CIST では、MST リージョンが単一のスイッチのように見えるので注意してください。CIST 外部ルート パス コストは、この仮想デバイス、およびどの領域にも属さないデバイスの間で計算されるルート パス コストです。

  • CIST ルートが領域内にある場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートです。または、CIST リージョナル ルートがそのリージョンで CIST ルートに最も近いスイッチになります。CIST リージョナル ルートは IST のルート スイッチとして動作します。

  • CIST 内部ルート パス コストは、領域内の CIST リージョナル ルートまでのコストです。このコストは、IST つまりインスタンス 0 だけに関連します。

マルチ スパニング ツリーのリージョンの図

この図は、3 個の MST リージョンとレガシー IEEE 802.1D デバイス(D)を示しています。リージョン 1 の CIST リージョナル ルート(A)は、CIST ルートでもあります。リージョン 2 の CIST リージョナル ルート(B)、およびリージョン 3 の CIST リージョナル ルート(C)は、CIST 内のそれぞれのサブツリーのルートです。RSTP はすべてのリージョンで稼働しています。

図 1. MST リージョン、CIST リージョナルルート、CST ルート
MST リージョン、CIST リージョナルルート、CST ルート

ホップ カウント

IST および MST インスタンスは、スパニングツリー トポロジの計算に、コンフィギュレーション BPDU のメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報を使用しません。その代わりに、IP Time To Live(TTL)メカニズムに似た、ルートまでのパス コストおよびホップ カウント メカニズムを使用します。

spanning-tree mst max-hops グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、領域内で最大ホップ カウントを設定し、その領域の IST および すべての MST インスタンスに適用できます。ホップ カウントを設定すると、メッセージ エージ情報を設定するのと同様の結果が得られます(再構成の開始時期を決定します)。インスタンスのルート スイッチは、常にコストを 0、ホップ カウントを最大値に設定して BPDU(または M レコード)を送信します。この BPDU を受信したスイッチは、受信 BPDU の残存ホップ カウントから 1 だけ差し引いた値を残存ホップ カウントとする BPDU を生成し、これを伝播します。このホップ カウントが 0 になると、スイッチはその BPDU を廃棄し、ポート用に維持されていた情報を期限切れにします。

BPDU の RSTP 部分に格納されているメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報は、リージョン全体で同じままであり、そのリージョンの境界に位置する指定ポートによって同じ値が伝播されます。

境界ポート

シスコ先行標準の実装では、境界ポートは、RSTP が稼働する単一のスパニングツリー リージョン、PVST+ または Rapid PVST+ が稼働する単一のスパニングツリー リージョン、または異なる MST コンフィギュレーションを持つ別の MST リージョンに MST リージョンを接続します。また、境界ポートは、指定デバイスがシングル スパニングツリー スイッチまたは異なる MST コンフィギュレーションを持つスイッチのいずれかである LAN に接続されます。

IEEE 802.1s 標準では、境界ポートの定義はなくなりました。IEEE 802.1Q-2002 標準では、ポートが受信できる 2 種類のメッセージを識別します。

  • 内部(同一リージョンから)

  • 外部(別のリージョンから)

メッセージが内部の場合、CIST の部分は CIST によって受信されるので、各 MST インスタンスは個々の M レコードだけを受信します。

メッセージが外部である場合、CIST だけが受信します。CIST の役割がルートや代替ルートの場合、または外部 BPDU のトポロジが変更された場合は、MST インスタンスに影響する可能性があります。

MST リージョンには、デバイスおよび LAN の両方が含まれます。セグメントは、DP のリージョンに属します。そのため、セグメントの指定ポートではなく異なるリージョンにあるポートは境界ポートになります。この定義では、リージョン内部の 2 つのポートが、別のリージョンに属するポートとセグメントを共有し、内部メッセージおよび外部メッセージの両方を 1 つのポートで受信できるようになります。

シスコ先行標準の実装との主な違いは、STP 互換モードを使用している場合、指定ポートが境界ポートとして定義されない点です。


(注)  


レガシー STP デバイスがセグメントに存在する場合、メッセージは常に外部と見なされます。


シスコ先行標準の実装から他に変更された点は、送信デバイス ID を持つ RSTP またはレガシー IEEE 802.1Q デバイスの部分に、CIST リージョナルルートデバイス ID フィールドが加えられたことです。リージョン全体は、一貫した送信者デバイス ID をネイバーデバイスに送信し、単一仮想デバイスのように動作します。この例では、A または B がセグメントに指定されているかどうかに関係なく、ルートの一貫した送信者デバイス ID が同じである BPDU をスイッチ C が受信します。

IEEE 802.1s の実装

シスコの IEEE MST 標準の実装には、標準の要件を満たす機能だけでなく、すでに公開されている標準には含まれていない一部の(要望されている)先行標準の機能が含まれています。

ポートの役割名の変更

境界の役割は最終的に MST 標準に含まれませんでしたが、境界の概念自体はシスコの実装に投影されています。ただし、リージョン境界にある MST インスタンスのポートは、対応する CIST ポートのステートに必ずしも従うわけではありません。現在、2 つの境界の役割が存在しています。

  • 境界ポートが CIST リージョナル ルートのルート ポートである場合:CIST インスタンス ポートを提案されて同期中の場合、対応するすべての MSTI ポートの同期を取り終わった後であれば(その後フォワーディングします)、その場合のみ合意を返信してフォワーディング ステートに移行できます。MSTI ポートには、特別なプライマリ ロールがあります。

  • 境界ポートが CIST リージョナル ルートのルート ポートでない:MSTI ポートは、CIST ポートのステートおよび役割に従います。標準では提供される情報が少ないため、MSTI ポートが BPDU(M レコード)を受信しない場合、MSTI ポートが BPDU を代わりにブロックできる理由がわかりにくい場合があります。この場合、境界の役割自体は存在していませんが、show コマンドで見ると、出力される type カラムで、ポートが境界ポートとして認識されていることがわかります。

レガシーデバイスと標準デバイスの相互運用

先行標準デバイスの自動検出はエラーになることがあるので、インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して先行標準ポートを識別できます。標準デバイスと先行標準デバイスの間にあるリージョンは形成できませんが、CIST を使用することで相互運用できます。このような特別な方法を採用しても、失われる機能は、異なるインスタンス上のロード バランシングだけです。ポートが先行標準の BPDU を受信すると、CLI(コマンドライン インターフェイス)にはポートの設定に応じて異なるフラグが表示されます。デバイスが先行標準 BPDU 送信用に設定されていないポートで先行標準 BPDU を初めて受信したときは、Syslog メッセージも表示されます。

図 2. 標準デバイスと先行標準デバイスの相互運用. A を標準スイッチ、B を先行標準のスイッチと仮定してください。両方とも同じリージョンに設定されています。A は CIST のルートスイッチであり、B にはセグメント X にルートポート(BX)、セグメント Y に代替ポート(BY)があります。セグメント Y がフラップして BY のポートが代替になってから 1 つの準規格 BPDU を送信すると、準規格スイッチが Y に接続されていることを AY は検出できず、規格 BPDU の送信を続けます。ポート BY は境界に固定され、A と B との間でのロード ランシングは不可能になります。セグメント X にも同じ問題がありますが、B はトポロジの変更であれば送信する場合があります。

標準デバイスと先行標準デバイスの相互運用

(注)  


規格 MST 実装と準規格 MST 実装間の相互作用を最低限に抑えることを推奨します。


マルチ スパニングツリー プロトコルとスイッチ スタック

スイッチ スタックは、ネットワークのその他の部分に対しては単一のスパニングツリー ノードに見え、すべてのスタック メンバが与えられたスパニングツリーに同一のブリッジ ID を使用します。ブリッジ ID は、デバイスの MAC アドレスから取得されます。

MSTP をサポートしていないデバイスが、MSTP またはリバースをサポートしているスイッチスタックに追加されると、デバイスはバージョンが不一致の状態になります。可能な場合、デバイスは、スイッチスタックで実行中のソフトウェアと同じバージョンに自動的にアップグレードまたはダウングレードされます。

IEEE 802.1D スパニングツリープロトコルとの相互運用性

MSTP が稼働しているデバイスは、IEEE 802.1D 準拠のレガシーデバイスとの相互運用を可能にする組み込み型のプロトコル移行メカニズムをサポートします。このデバイスは、レガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコルバージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信すると、そのポート上では IEEE 802.1D BPDU のみを送信します。また、MSTP デバイスは、レガシー BPDU、別のリージョンに関連付けられている MSTP BPDU(バージョン 3)、または RSTP BPDU(バージョン 2)を受信することによって、ポートがリージョンの境界に位置していることを検出できます。

ただし、デバイスが IEEE 802.1D BPDU を受信していない場合は、自動的に MSTP モードに戻りません。これはレガシースイッチが指定デバイスでない限り、レガシースイッチがリンクから削除されたかどうか検出できないためです。このデバイスの接続先デバイスが領域に加わったとき、デバイスは境界ロールをポートに割り当て続けることもあります。プロトコル移行プロセスを再開するには(強制的にネイバーデバイスと再びネゴシエーションするには)、clear spanning-tree detected-protocols 特権 EXEC コマンドを使用します。

リンク上のすべてのレガシースイッチが RSTP デバイスであれば、これらのデバイスは、RSTP BPDU 同様に MSTP BPDU を処理できます。したがって、MSTP デバイスは、バージョン 0 コンフィギュレーションと TCN BPDU またはバージョン 3 MSTP BPDU のいずれかを境界ポートで送信します。境界ポートは、指定デバイスがシングル スパニングツリー スイッチまたは異なる MST コンフィギュレーションを持つスイッチのいずれかである LAN に接続されます。

高速スパニングツリー プロトコルの概要

RSTP は、ポイントツーポイントの配線を利用して、スパニングツリーの高速コンバージェンスを実現します。また、1 秒未満の間に、スパニングツリーを再構成できます(IEEE 802.1D スパニングツリーのデフォルトに設定されている 50 秒とは異なります)。

ポートの役割およびアクティブ トポロジ

RSTP は、ポートに役割を割り当てて、アクティブ トポロジを学習することによって高速コンバージェンスを実現します。RSTP はデバイスをルートデバイスとして最も高いデバイスプライオリティ(プライオリティの数値が一番小さい)に選択するために、IEEE 802.1D STP 上に構築されます。RSTP は、次のうちいずれかのポートの役割をそれぞれのポートに割り当てます。

  • ルートポート:デバイスがルートスイッチにパケットを転送するとき、最適な(コストが最小の)パスを提供します。

  • 指定ポート:指定デバイスに接続し、その LAN からルートスイッチにパケットを転送するとき、パスコストを最低にします。指定デバイスが LAN への接続に使用したポートは、指定ポートと呼ばれます。

  • 代替ポート:現在のルート ポートが提供したパスに代わるルート スイッチへの代替パスを提供します。

  • バックアップ ポート:指定ポートが提供した、スパニングツリーのリーフに向かうパスのバックアップとして機能します。2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループバックで接続した場合、または共有 LAN セグメントへの複数の接続がデバイスにある場合に限り、バックアップ ポートは存在できます。

  • ディセーブル ポート:スパニングツリーの動作において何も役割が与えられていません。

ルート ポートまたは指定ポートのロールを持つポートは、アクティブなトポロジに含まれます。代替ポートまたはバックアップ ポートのロールがあるポートは、アクティブ トポロジから除外されます。

ネットワーク全体のポートの役割に矛盾のない安定したトポロジでは、RSTP は、すべてのルート ポートおよび指定ポートがただちにフォワーディング ステートに移行し、代替ポートとバックアップ ポートが必ず廃棄ステート(IEEE 802.1D のブロッキング ステートと同じ)になるように保証します。ポートのステートにより、転送処理および学習処理の動作が制御されます。

表 1. ポート ステートの比較

運用ステータス

STP ポート ステート(IEEE 802.1D)

RSTP ポート ステート

ポートがアクティブ トポロジに含まれているか

イネーブル

ブロッキング

廃棄

×

イネーブル

リスニング

廃棄

×

イネーブル

ラーニング

ラーニング

イネーブル

転送

転送

対応

ディセーブル

ディセーブル

廃棄

×

Cisco STP の実装との一貫性を保つため、このマニュアルでは、ポート ステートを廃棄ではなくブロッキングとして定義します。DP はリスニング ステートから開始します。

高速コンバージェンス

RSTP は、デバイス、デバイスポート、LAN のうちいずれかの障害のあと、接続の高速回復を提供します。エッジ ポート、新しいルート ポート、ポイントツーポイント リンクで接続したポートに、高速コンバージェンスが次のように提供されます。

  • エッジポート:spanning-tree portfast インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して RSTP デバイスでエッジポートとしてポートを設定した場合、エッジポートはフォワーディングステートにすぐに移行します。エッジ ポートは Port Fast 対応ポートと同じであり、単一エンド ステーションに接続しているポートだけでイネーブルにする必要があります。

  • ルート ポート:RSTP は、新しいルート ポートを選択した場合、古いルート ポートをブロックし、新しいルート ポートをフォワーディング ステートにすぐに移行します。

  • ポイントツーポイント リンク:ポイントツーポイント リンクによってあるポートと別のポートを接続することでローカル ポートが指定ポートになると、提案合意ハンドシェイクを使用して他のポートと急速な移行がネゴシエートされ、トポロジにループがなくなります。

    図 4. 高速コンバージェンスの提案と合意のハンドシェイク.

    スイッチ A がスイッチ B にポイントツーポイント リンクで接続され、すべてのポートはブロッキング ステートになっています。スイッチ A のプライオリティがスイッチ B のプライオリティよりも数値的に小さいとします。スイッチ A は提案メッセージ(提案フラグを設定した設定 BPDU)をスイッチ B に送信し、指定デバイスとしてそれ自体を提案します。

    スイッチ B は、提案メッセージを受信すると、提案メッセージを受信したポートを新しいルート ポートとして選択し、すべての非エッジ ポートをブロッキング ステートにします。さらに、新しいルート ポート経由で合意メッセージ(合意フラグが設定された BPDU)を送信します。

    スイッチ A は、スイッチ B の合意メッセージを受信すると、ただちに自身の指定ポートをフォワーディング ステートにします。スイッチ B はその非エッジポートをすべてブロックし、またスイッチ A とスイッチ B はポイントツーポイントリンクで接続されているので、ネットワークにループは形成されません。

    スイッチ C がスイッチ B に接続された場合も、同様のハンドシェイク メッセージが交換されます。スイッチ C はスイッチ B に接続されたポートをルート ポートとして選択し、両端のポートはただちにフォワーディング ステートに移行します。このハンドシェイク処理を繰り返して、もう 1 つのデバイスがアクティブトポロジに加わります。ネットワークが収束すると、この提案/合意ハンドシェイクがルートからスパニングツリーのリーフへと進みます。

    スイッチ スタックでは、Cross-Stack Rapid Transition(CSRT)機能を使用すると、ポートがフォワーディング ステートに移行する前に、スタック メンバで、提案/合意ハンドシェイク中にすべてのスタック メンバから確認メッセージを受信できます。デバイスが MST モードの場合、CSRT は自動的に有効にされます。

    デバイスはポートのデュプレックスモードによってリンクタイプを学習します。全二重ポートはポイントツーポイント接続と見なされ、半二重接続は共有接続と見なされます。デュプレックス設定によって制御されるデフォルト設定を無効にするには、spanning-tree link-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。


    高速コンバージェンスの提案と合意のハンドシェイク

ポート ロールの同期

デバイスがそのルータのポートの 1 つで提案メッセージを受信し、そのポートが新しいルートポートとして選択されると、RSTP によってその他すべてのポートが新しいルートの情報と強制的に同期化します。

その他すべてのポートを同期化する場合、ルート ポートで受信した優位ルート情報でデバイスは同期化されます。デバイスのそれぞれのポートは、次のような場合に同期化します。

  • ポートがブロッキング ステートである。

  • エッジ ポートである(ネットワークのエッジに存在するように設定されたポート)。

指定ポートがフォワーディング ステートでエッジ ポートとして設定されていない場合、RSTP によって新しいルート情報と強制的に同期されると、その指定ポートはブロッキング ステートに移行します。一般的に RSTP がルート情報でポートを強制的に同期化し、ポートが上の条件を満たしていない場合、そのポート ステートはブロッキングに設定されます。

図 5. 高速コンバージェンス中のイベントのシーケンス. すべてのポートが同期化されてから、デバイスは、ルートポートに対応する指定デバイスに合意メッセージを送信します。ポイントツーポイントリンクで接続されたデバイスがポートの役割で合意すると、RSTP はポートステートをフォワーディングにすぐに移行します。

高速コンバージェンス中のイベントのシーケンス

ブリッジ プロトコル データ ユニットの形式および処理

RSTP BPDU のフォーマットは、プロトコル バージョンが 2 に設定されている点を除き、IEEE 802.1D BPDU のフォーマットと同じです。新しい 1 バイトのバージョン 1 の Length フィールドは 0 に設定されます。これはバージョン 1 のプロトコルの情報がないことを示しています。

表 2. RSTP BPDU フラグ

ビット

機能

0

トポロジーの変化(TC)

1

提案

2 ~ 3:

00

01

10

11

ポートの役割:

不明

代替ポート

ルートポート

指定ポート

4

ラーニング

5

転送

6

合意

7

トポロジー変更確認応答(TCA)

送信側デバイスは RSTP BPDU の提案フラグを設定し、その LAN の指定デバイスとして自分自身を提案します。提案メッセージのポートの役割は、常に DP に設定されます。

送信側デバイスは、RSTP BPDU の合意フラグを設定して以前の提案を受け入れます。合意メッセージ内のポート ロールは、常にルート ポートに設定されます。

RSTP には個別のトポロジ変更通知(TCN)BPDU はありません。TC フラグが使用されて、TC が示されます。ただし、IEEE 802.1D デバイスとの相互運用性を保つために、RSTP デバイスは TCN BPDU の処理と生成を行います。

ラーニング フラグおよびフォワーディング フラグは、送信側ポートのステートに従って設定されます。

上位ブリッジ プロトコル データ ユニット情報の処理

ポートに現在保存されているルート情報よりも優位のルート情報(小さいデバイス ID、低いパスコストなど)をポートが受け取ると、RSTP は再構成を開始します。ポートが新しいルート ポートとして提案されて選択されると、RSTP は強制的にその他すべてのポートを同期化します。

受信した BPDU が、提案フラグが設定されている RSTP BPDU である場合、デバイスはその他すべてのポートが同期化されてから合意メッセージを送信します。BPDU が IEEE 802.1D BPDU の場合、デバイスは提案フラグを設定せずに、そのポートの転送遅延タイマーを起動します。新しいルート ポートでは、フォワーディング ステートに移行するために、2 倍の転送遅延時間が必要となります。

ポートで優位の情報が受信されたために、そのポートがバックアップ ポートまたは代替ポートになる場合、RSTP はそのポートをブロッキング ステートに設定し、合意メッセージは送信しません。DP は、転送遅延タイマーが失効するまで、提案フラグを設定して BPDU を送信し続け、転送遅延タイマーの失効時に、ポートはフォワーディング ステートに移行します。

下位ブリッジ プロトコル データ ユニット情報の処理

指定ポートの役割を持つ下位 BPDU(そのポートに現在保存されている値より大きいデバイス ID、高いパスコストなど)を指定ポートが受信した場合、その指定ポートはただちに現在の自身の情報で応答します。

トポロジの変更

ここでは、スパニングツリー トポロジの変更処理について、RSTP と IEEE 802.1D の相違を説明します。

  • 検出:IEEE 802.1D では、どのようなブロッキング ステートとフォワーディング ステートとの間の移行でもトポロジの変更が発生しますが、RSTP でトポロジの変更が発生するのは、ブロッキング ステートからフォワーディング ステートに移行する場合だけです(トポロジの変更と見なされるのは、接続数が増加する場合だけです)。エッジ ポートにおけるステート変更は、TC の原因になりません。RSTP デバイスは、TC を検出すると、TCN を受信したポートを除く、エッジ以外のすべてのポートで学習した情報を削除します。

  • 通知:IEEE 802.1D は TCN BPDU を使用しますが、RSTP は使用しません。ただし、IEEE 802.1D との相互運用性を保つために、RSTP デバイスは TCN BPDU の処理と生成を行います。

  • 確認:RSTP デバイスは、指定ポートで IEEE 802.1D デバイスから TCN メッセージを受信した場合、TCA ビットが設定された IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU で応答します。ただし、IEEE 802.1D デバイスに接続されたルートポートで TC 時間タイマー(IEEE 802.1D のトポロジ変更タイマーと同じ)がアクティブであり、TCA ビットが設定されたコンフィギュレーション BPDU が受信された場合、TC 時間タイマーはリセットされます。

    この処理は、IEEE 802.1D デバイスをサポートする目的でのみ必要とされます。RSTP BPDU は TCA ビットが設定されていません。

  • 伝播:RSTP デバイスは、DP またはルートポートを介して別のデバイスから TC メッセージを受信すると、エッジ以外のすべての DP、およびルートポート(TC メッセージを受信したポートを除く)に変更を伝播します。デバイスはこのようなすべてのポートで TC-while タイマーを開始し、そのポートで学習した情報を消去します。

  • プロトコルの移行:IEEE 802.1D デバイスとの下位互換性を保つため、RSTP は IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU および TCN BPDU をポート単位で必要に応じて送信します。

    ポートが初期化されると、移行遅延タイマーが開始され(RSTP BPDU が送信される最低時間を指定)、RSTP BPDU が送信されます。このタイマーがアクティブである間、デバイスはそのポートで受信したすべての BPDU を処理し、プロトコル タイプを無視します。

    デバイスはポートの移行遅延タイマーが満了した後に IEEE 802.1D BPDU を受信した場合、IEEE 802.1D デバイスに接続されていると想定し、IEEE 802.1D BPDU のみの使用を開始します。ただし、RSTP デバイスが 1 つのポートで IEEE 802.1D BPDU を使用していて、タイマーが満了した後に RSTP BPDU を受信した場合、タイマーが再起動し、そのポートで RSTP BPDU の使用が開始されます。

プロトコル移行プロセス

MSTP が稼働しているデバイスは、IEEE 802.1D 準拠のレガシーデバイスとの相互運用を可能にする組み込み型のプロトコル移行メカニズムをサポートします。このデバイスは、レガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコルバージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信すると、そのポート上では IEEE 802.1D BPDU のみを送信します。また、MSTP デバイスは、レガシー BPDU、別のリージョンに関連付けられている MST BPDU(バージョン 3)、または RST BPDU(バージョン 2)を受信することによって、ポートがリージョンの境界に位置していることを検出できます。

ただし、デバイスが IEEE 802.1D BPDU を受信していない場合は、自動的に MSTP モードに戻りません。これはレガシースイッチが指定デバイスでない限り、レガシースイッチがリンクから削除されたかどうか検出できないためです。また、接続するデバイスがリージョンに加入していると、デバイスはポートに境界の役割を割り当て続ける場合があります。

マルチ スパニングツリー プロトコルのデフォルトの設定

表 3. MSTP のデフォルト設定

機能

デフォルト設定

スパニングツリー モード

デバイスプライオリティ(CIST ポートごとに設定可能)

32768

スパニングツリー ポート プライオリティ(CIST ポート単位で設定可能)

128

スパニングツリー ポート コスト(CIST ポート単位で設定可能)

hello タイム

転送遅延時間

最大エージング タイム

20 秒

最大ホップ カウント

20 ホップ

MSTP および MSTP パラメータの設定方法

ここでは、MSTP および MSTP パラメータの設定について説明します。

マルチ スパニング ツリー リージョン設定の指定とマルチ スパニング ツリー プロトコルのイネーブル化

2 つ以上のスイッチを同じ MST リージョンに設定するには、その 2 つのスイッチに同じ VLAN/インスタンス マッピング、同じコンフィギュレーション リビジョン番号、同じ名前を設定しなければなりません。

リージョンには、MST 設定が同一である、1 つ以上のメンバーを含めることができます。各メンバーでは、RSTP BPDU を処理できる必要があります。ネットワーク内の MST リージョンの数に制限はありませんが、各リージョンは最大 64 のスパニングツリー インスタンスのみをサポートできます。VLAN には、一度に 1 つのスパニングツリー インスタンスのみ割り当てることができます。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst configuration

例:

Device(config)# spanning-tree mst configuration

MST コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

instance instance-id vlan vlan-range

例:

Device(config-mst)# instance 1 vlan 10-20

VLAN を MSTI にマップします。

  • instance-id に指定できる範囲は、0 ~ 4094 です。

  • vlan vlan-range に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。

    VLAN を MSTI にマップする場合、マッピングは増加され、コマンドに指定した VLAN は、以前マッピングした VLAN に追加されるか、そこから削除されます。

VLAN の範囲を指定するには、ハイフンを使用します。たとえば instance 1 vlan 1-63 では、VLAN 1 ~ 63 が MSTI 1 にマップされます。

VLAN を列挙して指定する場合は、カンマを使用します。たとえば instance 1 vlan 10, 20, 30 と指定すると、VLAN 10、20、30 が MST インスタンス 1 にマッピングされます。

ステップ 5

name name

例:

Device(config-mst)# name region1

コンフィギュレーション名を指定します。name 文字列の最大の長さは 32 文字であり、大文字と小文字が区別されます。

ステップ 6

revision version

例:

Device(config-mst)# revision 1

設定リビジョン番号を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。

ステップ 7

show pending

例:

Device(config-mst)# show pending

保留中の設定を表示し、設定を確認します。

ステップ 8

exit

例:

Device(config-mst)# exit

すべての変更を適用し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 9

spanning-tree mode mst

例:

Device(config)# spanning-tree mode mst

MSTP をイネーブルにします。RSTP もイネーブルになります。

スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスは以前のモードであるため停止し、新しいモードで再起動するので、トラフィックを中断させる可能性があります。

MSTP と PVST+ または MSTP と Rapid PVST+ を同時に実行することはできません。

ステップ 10

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)ルート デバイスの設定

ルート デバイスを設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。.

  • 指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst instance-id root primary

例:

Device(config)# spanning-tree mst 0 root primary

デバイスをルートデバイスとして設定します。

instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。指定できる範囲は 0 ~ 4094 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)セカンダリ ルート デバイスの設定

拡張システム ID をサポートするデバイスをセカンダリルートとして設定する場合、デバイスプライオリティはデフォルト値(32768)から 28672 に修正されます。プライマリルートデバイスで障害が発生した場合は、このデバイスが指定インスタンスのルートデバイスになる可能性があります。ここでは、その他のネットワークデバイスが、デフォルトのデバイスプライオリティの 32768 を使用しているためにルートデバイスになる可能性が低いことが前提となっています。

このコマンドを複数のデバイスに対して実行すると、複数のバックアップルートデバイスを設定できます。spanning-tree mst instance-id root primary グローバル コンフィギュレーション コマンドでプライマリルートデバイスを設定したときと同じネットワーク直径および hello タイム値を使用してください。

セカンダリ ルート デバイスを設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

  • 指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst instance-id root secondary

例:

Device(config)# spanning-tree mst 0 root secondary

デバイスをセカンダリルートデバイスとして設定します。

instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。指定できる範囲は 0 ~ 4094 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)ポート プライオリティの設定

ループが発生した場合、MSTP はポート プライオリティを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。最初に選択されるインターフェイスには高いプライオリティ値(小さい数値)を割り当て、最後に選択されるインターフェイスには低いプライオリティ値(高い数値)を割り当てることができます。すべてのインターフェイスに同じプライオリティ値が与えられている場合、MSTP はインターフェイス番号が最小のインターフェイスをフォワーディング ステートにし、他のインターフェイスをブロックします。


(注)  


デバイスがスイッチスタックのメンバーの場合、spanning-tree mst[instance-id] port-priority priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの代わりに、spanning-tree mst[instance-id] cost cost インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用し、フォワーディングステートにするポートを選択する必要があります。最初に選択させたいポートには、より小さいコスト値を割り当て、最後に選択させたいポートには、より大きいコスト値を割り当てることができます。


ポートの優先順位を設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

  • 指定された MST インスタンス ID と使用されるインターフェイスも把握する必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

spanning-tree mst instance-id port-priority priority

例:

Device(config-if)# spanning-tree mst 0 port-priority 64

ポート プライオリティを設定します。

  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。指定できる範囲は 0 ~ 4094 です。

  • priority 値の範囲は 0 ~ 240 で、16 ずつ増加します。デフォルト値は 128 です。値が小さいほど、プライオリティが高くなります。

    使用可能な値は、0、16、32、48、64、80、96、112、128、144、160、176、192、208、224、240 だけです。その他の値はすべて拒否されます。

ステップ 5

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

show spanning-tree mst interface interface-id 特権 EXEC コマンドで情報が表示されるのは、ポートがリンクアップ動作可能の状態にある場合に限られます。そうでない場合は、show running-config interface 特権 EXEC コマンドを使用して設定を確認してください。

(任意)パス コストの設定

MSTP パス コストのデフォルト値は、インターフェイスのメディア速度に基づきます。ループが発生した場合、MSTP はコストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。最初に選択されるインターフェイスには低いコスト値を割り当て、最後に選択されるインターフェイスには高いコスト値を割り当てることができます。すべてのインターフェイスに同じコスト値が与えられている場合、MSTP はインターフェイス番号が最小のインターフェイスをフォワーディング ステートにし、他のインターフェイスをブロックします。

パス コストを設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

  • 指定された MST インスタンス ID と使用されるインターフェイスも把握する必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。有効なインターフェイスには、物理ポートとポート チャネル論理インターフェイスがあります。指定できるポートチャネルの範囲は 1 ~ 48 です。

ステップ 4

spanning-tree mst instance-id cost cost

例:

Device(config-if)# spanning-tree mst 0 cost 17031970

コストを設定します。

ループが発生した場合、MSTP はパス コストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。低いパス コストは高速送信を表します。

  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。指定できる範囲は 0 ~ 4094 です。

  • cost の範囲は 1 ~ 200000000 です。デフォルト値はインターフェイスのメディア速度から派生します。

ステップ 5

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

show spanning-tree mst interface interface-id 特権 EXEC コマンドによって表示されるのは、リンクアップ動作可能状態のポートの情報だけです。そうでない場合は、show running-config 特権 EXEC コマンドを使用して設定を確認してください。

(任意)デバイス プライオリティの設定

デバイスのプライオリティを変更すると、スタンドアロンスイッチまたはスタック内のスイッチであるかに関係なく、ルートスイッチとして選択される可能性が高くなります。


(注)  


このコマンドの使用には注意してください。通常のネットワーク設定では、spanning-tree mst instance-id root primary および spanning-tree mst instance-id root secondary グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、デバイスをルートまたはセカンダリルートデバイスとして指定することをお勧めします。これらのコマンドが動作しない場合にのみデバイスプライオリティを変更する必要があります。


デバイス優先順位を設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

  • 使用する指定された MST インスタンス ID も把握する必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst instance-id priority priority

例:

Device(config)# spanning-tree mst 0 priority 40960

デバイスプライオリティを設定します。

  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。指定できる範囲は 0 ~ 4094 です。

  • priority の範囲は 0 ~ 61440 で、4096 ずつ増加します。デフォルトは 32768 です。この値が低いほど、デバイスがルートスイッチとして選択される可能性が高くなります。

    使用可能な値は、0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。これらは唯一の許容値です。

ステップ 4

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)Hello Time の設定

hello タイムはルートデバイスによって設定メッセージが生成されて送信される時間の間隔です。

Hello Time を設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst hello-time seconds

例:

Device(config)# spanning-tree mst hello-time 4

すべての MST インスタンスについて、hello タイムを設定します。hello タイムはルートデバイスによって設定メッセージが生成されて送信される時間の間隔です。このメッセージは、デバイスが活動中であることを表します。

seconds に指定できる範囲は 1 ~ 10 です。デフォルトは 3 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

転送遅延時間の設定

転送遅延時間を設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst forward-time seconds

例:

Device(config)# spanning-tree mst forward-time 25

すべての MST インスタンスについて、転送時間を設定します。転送遅延時間は、スパニングツリー ラーニング ステートおよびリスニング ステートからフォワーディング ステートに移行するまでに、ポートが待機する秒数です。

seconds に指定できる範囲は 4 ~ 30 です。デフォルトは 20 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

最大エージング タイムの設定

最大エージング タイムを設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst max-age seconds

例:

Device(config)# spanning-tree mst max-age 40

すべての MST インスタンスについて、最大経過時間を設定します。最大エージングタイムは、デバイスが再設定を試す前にスパニングツリー設定メッセージを受信せずに待機する秒数です。

seconds に指定できる範囲は 6 ~ 40 です。デフォルトは 20 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)最大ホップ カウントの設定

最大ホップ カウントを設定するには、次の手順を実行します。

始める前に

MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

spanning-tree mst max-hops hop-count

例:

Device(config)# spanning-tree mst max-hops 25

BPDU を廃棄してポート用に保持していた情報を期限切れにするまでの、リージョンでのホップ数を設定します。

hop-count に指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルト値は 20 です。

ステップ 4

end

例:

Device(config)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

(任意)ネイバー タイプの指定

トポロジには、先行標準に準拠したデバイスと IEEE 802.1s 標準準拠のデバイスの両方を加えることができます。デフォルトの場合、ポートは準規格デバイスを自動的に検出できますが、規格 BPDU および準規格 BPDU の両方を受信できます。デバイスとそのネイバーの間に不一致がある場合は、CIST だけがインターフェイスで動作します。

準規格 BPDU だけを送信するようにポートを設定できます。先行標準のフラグは、ポートが STP 互換モードにある場合でも、すべての show コマンドで表示されます。

ネイバータイプを指定するには、次の手順を実行します。

始める前に

MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure terminal

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

interface interface-id

例:

Device(config)# interface gigabitethernet 1/0/1

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。有効なインターフェイスには、物理ポートが含まれます。

ステップ 4

spanning-tree mst pre-standard

例:

Device(config-if)# spanning-tree mst pre-standard

ポートが準規格 BPDU だけを送信できることを指定します。

ステップ 5

end

例:

Device(config-if)# end

特権 EXEC モードに戻ります。

プロトコル移行プロセスの再開

この手順では、プロトコル移行プロセスを再開し、ネイバーデバイスとの再ネゴシエーションを強制します。また、デバイスを MST モードに戻します。これは、IEEE 802.1D BPDU の受信後にデバイスがそれらを受信しない場合に必要です。

デバイスでプロトコルの移行プロセスを再開する(隣接するデバイスで再ネゴシエーションを強制的に行う)手順については、これらの手順に従ってください。

始める前に

  • MST が、デバイスで指定されて有効になっている必要があります。

  • コマンドのインターフェイス バージョンを使用する場合は、使用する MST インターフェイスが分かっている必要があります。

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

次のいずれかのコマンドを入力します。

  • clear spanning-tree detected-protocols
  • clear spanning-tree detected-protocols interface interface-id

例:

Device# clear spanning-tree detected-protocols

または

Device# clear spanning-tree detected-protocols interface gigabitethernet 1/0/1

デバイスが MSTP モードに戻り、プロトコルの移行プロセスが再開されます。

次のタスク

この手順は、デバイスでさらにレガシー IEEE 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコルバージョンが 0 に設定された BPDU)を受信する場合に、繰り返しが必要なことがあります。

MSTP に関する追加情報

関連資料

関連項目 マニュアル タイトル

この章で使用するコマンドの完全な構文および使用方法の詳細。

Command Reference (Catalyst 9600 Series Switches) の「Layer 2/3 Commands」の項を参照してください

MSTP の機能の履歴

次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。

これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。

リリース

機能

機能情報

Cisco IOS XE Fuji 16.9.2

複数のスパニングツリープロトコル

高速コンバージェンスのために RSTP を使用する MSTP では、複数の VLAN をグループ化して同じスパニングツリー インスタンスにマッピングすることが可能で、多くの VLAN をサポートするのに必要なスパニングツリー インスタンスの数を軽減できます。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn [英語] からアクセスします。