N ポート バーチャライゼーションに関する情報
この項では、次のトピックについて取り上げます。
NPV の概要
N ポート バーチャライゼーション(NPV)を使用すると、SAN におけるファイバ チャネル ドメイン ID 数が減少します。NPV モードで動作するスイッチはファブリックに参加せず、NPV コア スイッチ リンクとエンド デバイスの間でトラフィックを通過させます。このため、これらのエッジ スイッチのドメイン ID が不要になります。
NPV は、次の Cisco MDS 9000 スイッチおよび Cisco Nexus 5000 シリーズ だけでサポートされています。
- Cisco MDS 9124 マルチレイヤ ファブリック スイッチ
- Cisco MDS 9134 ファブリック スイッチ
- Cisco MDS 9148 マルチレイヤ ファブリック スイッチ
- Cisco MDS 9148S マルチレイヤ ファブリック スイッチ
- HP c-Class BladeSystem 用の Cisco ファブリック スイッチ
- IBM BladeCenter 用のシスコ ファブリック スイッチ
- Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチ
- Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ
(注
) これらのスイッチでは、NPV モードの場合にかぎって NPV を使用できます。スイッチ モードの場合は NPV を使用できません。
N ポート ID バーチャライゼーション
N ポート識別子仮想化(NPIV)は単一 N ポートに複数の FC ID を割り当てる手段を提供します。この機能を使用すると、N ポート上の複数のアプリケーションが異なる ID を使用したり、アクセス コントロール、ゾーニング、ポート セキュリティをアプリケーション レベルで実装したりできます。図 7-1 に、NPIV を使用したアプリケーション例を示します。
図 7-1 NPIV の例
NPIV 対応アプリケーションで複数の N ポート ID を使用できるようにするには、MDS スイッチ上のすべての VSAN で NPIV をグローバルにイネーブルにする必要があります。
(注
) すべての N ポート ID は同じ VSAN 内で割り当てられます。
N ポート バーチャライゼーション(NPV)
一般的にファイバ チャネル ネットワークは、コアエッジ モデルを使用して、多くのファブリック スイッチをエッジ デバイスに接続して展開します。このようなモデルが費用有効性が高い理由は、ディレクタ クラス スイッチのポート別コストが、ファイバ チャネルのコストよりもはるかに高いためです。しかし、ファブリックのポート数が増えると、展開するスイッチ数も増えて、ドメイン ID の数が大幅に増加することがあります。ファイバ チャネル ネットワークでブレード シャーシをさらに展開すると、この課題は難しくなります。
NPV では、ファブリック スイッチまたはブレード スイッチをコア ファイバ チャネル スイッチのホストおよびファブリック スイッチかブレード スイッチのサーバのファイバ チャネル スイッチのようにすることで、多くのポートの展開に必要となるドメイン ID の数の増加に対処します。NPV では、複数のローカル接続 N ポートを 1 つ以上の外部 NP リンクに集約し、NPV コア スイッチのドメイン ID を複数の NPV スイッチ間で共有します。NPV では、NPV コア スイッチの同一ポートに複数のデバイスを接続することもできるので、コアでより多くのポートが必要になることがなくなります。
スケーラビリティの制限事項の詳細については、『 Cisco MDS NX-OS Release 6.2 Configuration Limits Guide 』を参照してください。
図 7-2 Cisco NPV ファブリック設定
NPV は N ポート ID バーチャライゼーション(NPIV)に似ていますが、同じ機能を提供するわけではありません。NPIV では複数の FC ID を単一の N ポートに割り当てることができ、N ポートの複数のアプリケーションが別々の ID を使用できます。NPIV では、アクセス コントロール、ゾーン分割、ポート セキュリティをアプリケーション レベルで実装することもできます。NPV では NPIV が使用され、コア スイッチから複数の FCID を NP ポートで割り当てることができます。
(注
) NPV モードをサポートしている Cisco MDS 9124、Cisco MDS 9134、および Cisco MDS 9148 の各レガシー スイッチ、Cisco MDS 9148S スイッチ、ならびに Cisco MDS 9396S スイッチでは、階層型 NPV スイッチはトポロジでサポートされていません。
図 7-3 に、NPV 設定の詳細(インターフェイス レベル)を示します。
図 7-3 インターフェイス レベルの Cisco NPV 設定
NPV モード
ユーザが NPV をイネーブルにしてスイッチの再起動に成功すると、スイッチは NPV モードになります。NPV モードはスイッチ全体に適用されます。NPV モードのスイッチに接続するすべてのエンド デバイスは、N ポートとしてログインし、この機能を使用する必要があります(ループ接続デバイスはサポートされていません)。(NPV モードの)エッジ スイッチから NPV コア スイッチへのすべてのリンクは、(E ポートではなく)NP ポートとして確立されます。このポートは、通常のスイッチ間リンクに使用されます。NPIV は、NPV コア スイッチへのリンクを共有する複数のエンド デバイスにログインするために、NPV モードのスイッチで使用されます。
(注
) 2 つのエンド デバイス間におけるやり取りでは NPV デバイスからコアへの同じアップリンクが使用されるので、NPV モードでは順序どおりのデータ配信が必要ありません。NPV デバイスを超えるトラフィックの場合、コア スイッチは必要に応じて、または設定されている場合、あるいはその両方で順序どおりの配信を実行します。
NPV モードを開始した後は、次のコマンドだけを使用できます。
|
|
aaa |
aaa 機能を設定します。 |
banner |
バナー メッセージを設定します。 |
boot |
ブート変数を設定します。 |
callhome |
コールホーム コンフィギュレーション モードを開始します。 |
cfs |
CFS 設定コマンド。 |
cli |
CLI コマンドを設定します。 |
clock |
時刻クロックを設定します。 |
crypto |
crypto 設定を設定します。 |
event |
Event Manager コマンド。 |
fcanalyzer |
Cisco ファブリック アナライザを設定します。 |
feature |
機能をイネーブル/ディセーブルにするコマンド。 |
fips |
FIPS モードをイネーブル/ディセーブルにします。 |
flex-attach |
FlexAttach を設定します。 |
hardware |
ハードウェア内部情報。 |
hw-module |
OBFL 情報をイネーブル/ディセーブルにします。 |
interface |
インターフェイスを設定します。 |
ip |
IP 機能を設定します。 |
ipv6 |
IPv6 機能を設定します。 |
license |
ライセンス機能を変更します。 |
line |
端末回線を設定します。 |
logging |
メッセージ ロギング機能を変更します。 |
module |
モジュールを設定します。 |
no |
コマンドを無効にするか、そのデフォルトに設定します。 |
npv |
FC N ポート バーチャライザの設定コマンド。 |
ntp |
NTP 設定。 |
password |
ユーザのパスワード |
port-group-monitor |
ポート グループ モニタを設定します。 |
port-monitor |
ポート モニタを設定します。 |
power |
電源を設定します。 |
poweroff |
スイッチのモジュールの電源をオフにします。 |
radius |
RADIUS 設定を設定します。 |
radius-server |
RADIUS の関連パラメータを設定します。 |
rate-mode |
レート モードのオーバーサブスクリプション制限を設定します。 |
rmon |
Remote Monitoring(リモート モニタリング)。 |
role |
ロールを設定します。 |
snmp |
SNMP を設定します。 |
snmp-server |
SNMP サーバを設定します。 |
span |
SPAN コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ssh |
別のシステムに SSH 接続します。 |
switchname |
システムのネットワーク名を設定します。 |
system |
システム管理コマンド。 |
terminal |
端末の設定を設定します。 |
this |
現在のオブジェクト(モードのインスタンス)の情報を表示します。 |
username |
ユーザ情報を設定します。 |
vsan |
VSAN コンフィギュレーション モードを開始します。 |
wwn |
追加の WWN のセカンダリ ベース MAC アドレスおよび範囲を設定します。 |
NP ポート
NP ポート(プロキシ N ポート)は、NPV モードになっているデバイスのポートであり、F ポートで NPV コア スイッチに接続されます。NP ポートは N ポートのように動作しますが、N ポート動作を提供することに加えて、複数の物理 N ポートのプロキシとして機能します。
NP リンク
NP リンクは、基本的に特定エンド デバイスへの NPIV アップリンクです。NP リンクは、NPV コア スイッチへのアップリンクがアップしたときに確立します。アップリンクがダウンすると、NP リンクは終了します。アップリンクが確立すると、NPV スイッチは内部 FLOGI を NPV コア スイッチに対して実行し、FLOGI が正常に実行された場合は、NPV コア スイッチのネーム サーバに自身を登録します。この NP リンクにおけるエンド デバイスからのその後の FLOGI は FDISC に変換されます。詳細については、“内部 FLOGI パラメータ” sectionを参照してください。
サーバ リンクは、NP リンク間で均等に分散されます。サーバ リンクの背後にあるすべてのエンド デバイスは、1 つの NP リンクだけにマッピングされます。
内部 FLOGI パラメータ
NP ポートがアップすると、NPV デバイスがまず NPV コア スイッチに自分自身をログインし、次のパラメータを含む FLOGI 要求を送信します。
- 内部ログインで pWWN として使用される NP ポートの fWWN(ファブリック ポート WWN)
- 内部 FLOGI で nWWN(ノード WWN)として使用される NPV デバイスの VSAN ベース sWWN(スイッチ WWN)
NPV デバイスは、FLOGI 要求が完了すると、次のパラメータをさらに使用して、ファブリック ネーム サーバに自分自身を登録します。
- NPV デバイス自体のネーム サーバ登録のシンボリック ポート名に、NP ポートのスイッチ名とインターフェイス名(fc1/4 など)が埋め込まれています。
- NPV デバイスの IP アドレスは、NPV デバイスのネーム サーバ登録で IP アドレスとして登録されます。
(注
) NP ポートにおける内部 FLOGI の BB_SCN は、常にゼロに設定されます。BB_SCN は NPV デバイスの F ポートでサポートされます。
図 7-4 に、NPV コア スイッチと NPV デバイスの間における内部 FLOGI のフローを示します。
図 7-4 内部 FLOGI フロー
表 7-1 に、図 7-4 の内部 FLOGI パラメータを示します。
表 7-1 内部 FLOGI パラメータ
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pWWN |
NP ポートの fWWN。 |
nWWN |
NPV デバイスの VSAN ベース sWWN。 |
fWWN |
NPV コア スイッチの F ポートの fWWN。 |
シンボリック ポート名 |
スイッチ名および NP ポート インターフェイス文字列。 (注) スイッチ名が使用不可である場合、出力は単に「switch」となります。たとえば、switch: fc1/5 というようになります。 |
IP アドレス |
NPV デバイスの IP アドレス。 |
シンボリック ノード名 |
NPV スイッチ名。 |
fWWN ベースのゾーン分割が NPV デバイスでサポートされますが、次のような理由のために推奨できません。
- ゾーン分割は NPV デバイスで実施されない(NPV コア スイッチで実施される)。
- NPV デバイスの背後にある複数のデバイスは、コアで同じ F ポートによってログインする(同じ fWWN が使用され、別々のゾーンに分割できない)。
- 使用する NPV リンクによっては同じデバイスがコア スイッチの異なる fWWN を使用してログインする可能性があり、異なる fWWN でゾーン分割する必要がある。
IP を介した NPV CFS 配信
NPV デバイスは、トランスポート メディアとして IP だけを使用します。CFS では、マルチキャスト フォワーディングを使用して CFS 配信を行います。NPV デバイスは ISL 接続を行わず、FC ドメインもありません。IP を介した CFS を使用するには、NPV スイッチに物理的に接続するネットワーク全体で、イーサネット IP スイッチ上のマルチキャスト フォワーディングがイネーブルである必要があります。NPV 対応スイッチで、IP を介した CFS 配信にスタティック IP ピアを手動で設定することもできます。詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
NPV トラフィック管理
ここでは、ロード バランシングの次の側面について説明します。
Auto
Cisco MDS SAN-OS Release 3.3(1a) 以前では、NPV で外部リンクの自動選択がサポートされていました。サーバ インターフェイスが起動すると、使用可能なリンクから負荷が最も小さい外部インターフェイスが選択されます。外部リンクを使用するサーバ インターフェイスでは、手動選択は行われません。また、さらに外部インターフェイスが起動した場合、既存の負荷は新たに起動した外部インターフェイスに自動的には分散されません。この最後に起動したインターフェイスを使用するのは、このインターフェイスよりあとに起動するサーバ インターフェイスだけです。
トラフィック マップ
Cisco MDS SAN-OS Release 3.3(1a) および NX-OS Release 4.1(1a) では、NPV でトラフィック管理がサポートされており、サーバがコア スイッチへの接続に使用する外部インターフェイスを選択して設定できます。
(注
) NPV トラフィック管理を設定すると、サーバでは設定された外部インターフェイスだけが使用されます。使用可能な外部インターフェイスが他にあっても、そのインターフェイスは使用されません。
NPV トラフィック管理機能には、次のような利点があります。
- NPV に接続したサーバ専用の外部インターフェイスが提供され、トラフィック エンジニアリングが容易になる。
- サーバ インターフェイスごとに外部インターフェイスを選択するので、最短パスが使用される。
- リンクの中断後、または NPV やコア スイッチの再起動後に同じトラフィックが提供され、永続的 FC ID 機能が使用される。
- 外部インターフェイス間で負荷を均等に分散できるので、負荷が分散される。
中断
中断を伴うロード バランスは、インターフェイスの自動選択および外部インターフェイスに設定されたトラフィック マップとは無関係に動作します。この機能によってサーバ インターフェイスは強制的に再初期化され、この機能がイネーブルにされたとき、および新しい外部インターフェイスが起動するたびにロード バランスが行われます。サーバ インターフェイスが必要以上に何度もフラップされないように、この機能をイネーブルにして必要なロード バランスが実現されたら、この機能を毎回ディセーブルにしてください。
中断を伴うロード バランスをイネーブルにしない場合は、サーバ インターフェイスを手動でフラップし、負荷の一部を新規の外部インターフェイスに移動する必要があります。
複数の VSAN のサポート
VSAN に基づいて別々の NPV セッションにデバイスをグループ化すると、複数の VSAN を NPV 対応スイッチでサポートできます。アップリンクが伝送している VSAN に基づいて、正しいアップリンクを選択する必要があります。
注意事項および制約事項
この項では、この機能のガイドラインと制限事項について説明します。
NPV の注意事項および要件
以下は、NPV 展開時の注意事項および要件です。
- NPV コア スイッチでは NPIV がサポートされている必要があります。
- 105 までの NPV デバイスを設定できます。
- スムーズ アップグレードがサポートされます。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fundamentals Configuration Guide 』を参照してください。
- ポート トラッキングがサポートされます。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
- NPV コア スイッチで使用可能なすべてのメンバー タイプを使用し、NPV デバイスに接続されているエンド デバイスにゾーン分割を設定できます。fWWN、sWWN、ドメイン、ポートベースのうちいずれかのゾーン分割を使用する場合は、NPV コア スイッチの fWWN、sWWN、またはドメイン/ポートを使用する必要があります。
- NPV コア スイッチでは、NPV でログインするデバイス用にポート セキュリティがサポートされます。
- NPV ではロードバランシング アルゴリズムが使用され、VSAN のエンド デバイスが最初のログイン時にいずれかの NPV コア スイッチ リンク(同一 VSAN)に自動的に割り当てられます。同一 VSAN に複数の NPV コア スイッチ リンクがある場合は、エンド デバイスに特定の NPV コア スイッチ リンクを割り当てることはできません。
- サーバおよびターゲットを両方とも NPV デバイスに接続できます。
- リモート SPAN はサポートされません。
- ローカル スイッチングはサポートされません。すべてのトラフィックは NPV コア スイッチを使用してスイッチングされます。
- NPV デバイスは複数の NPV コア スイッチに接続できます。言い換えると、さまざまな NP ポートをさまざまな NPV コア スイッチに接続できます。
- NPV は、NPIV 対応サーバをサポートしています。この機能は階層型 NPIV と呼ばれます。
- 2 つの Cisco NPV スイッチの同時接続はサポートされていません。
- NPV モードでは F、NP、および SD ポートだけがサポートされます。
- NPV を使用する SAN 上で起動されたサーバの場合、NPV リンクのフェールオーバーが発生すると、サーバは一時的にブート LUN にアクセスできなくなります。
- サードパーティ製コア スイッチとの相互運用性に課題があるため、NPV スイッチでは xNP ポート上の BB_SCN 設定が認識されません。
NPV トラフィック管理の注意事項
NPV トラフィック管理を導入する際には、次の注意事項に従ってください。
- NPV トラフィック管理は、NPV デバイスによる自動トラフィック エンジニアリングがネットワーク要件を満たさない場合にだけ使用します。
- すべてのサーバに対してトラフィック マップを設定しないでください。未設定のサーバに対しては、NPV によって自動トラフィック エンジニアリングが使用されます。
- コア スイッチで永続的 FC ID を設定します。トラフィック エンジニアリングによって、関連付けられたサーバ インターフェイスが同じコア スイッチにつながる外部インターフェイスに転送されます。サーバは、ログインのたびに同じ FC ID に割り当てられます。91x4 スイッチをコア スイッチとして使用している場合、この注意事項は該当しません。
- 外部インターフェイス セットに設定されたサーバ インターフェイスは、設定されているインターフェイスを使用できない場合に、使用できる外部インターフェイスが他にあったとしてもそのインターフェイスを使用できません。
- 中断を伴うロード バランシングは設定しないでください。この機能を設定すると、デバイスが外部インターフェイス間を移動する必要があります。外部インターフェイス間でデバイスを移動するには、NPV が F ポートでコア スイッチに再ログインする必要があり、このときにトラフィックが中断します。
- コア スイッチにリンクした外部インターフェイス セットにサーバを設定して、サーバ セットをコア スイッチにリンクします。
DPVM 設定時の注意事項
NPV をイネーブルにするときは、次の要件を満たしてから DPVM を NPV コア スイッチで設定する必要があります。
- 内部 FLOGI の WWN を DPVM で明示的に設定する必要があります。NPV デバイスに接続されているエンド デバイス用に NPV コア スイッチで DPVM を設定する場合は、同一 VSAN に含まれるようにそのエンド デバイスを設定する必要があります。別の VSAN に含まれるようにデバイスを設定すると、NPV デバイスに接続されているデバイスからのログインはエラーになります。VSAN の不一致を防ぐには、内部 FLOGI VSAN を NP ポートのポート VSAN と一致させます。
- NP ポートからの最初のログインにより、そのポートの VSAN が決まります。この最初のログイン、つまり NPV デバイスの内部ログイン用に DPVM を設定すると、NPV コア スイッチの VSAN F ポートがその VSAN で特定されます。DPVM を設定しない場合、ポート VSAN は変更されません。
DPVM 設定の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fabric Configuration Guide 』を参照してください。
NPV およびポート セキュリティの設定時の注意事項
NPV コア スイッチでは、ポート セキュリティがインターフェイスごとにイネーブルになります。NPV でログインするデバイス用に NPV コア スイッチでポート セキュリティをイネーブルにするには、次の要件に従う必要があります。
- 内部 FLOGI をポート セキュリティ データベースに含める必要があります。これにより、NPV コア スイッチのポートで通信やリンクが許可されます。
- すべてのエンド デバイスの pWWN もポート セキュリティ データベースに存在する必要があります。
この要件を満たしたら、その他のコンテキストと同じようにポート セキュリティをイネーブルにすることができます。ポート セキュリティのイネーブル化の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
Cisco MDS NX-OS 6.2(13) より前のバージョンを実行する NPV スイッチへの NPIV 対応 Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチの接続
6.2(13) より前のリリースの MDS NX-OS で実行されている(Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチより前にリリースされた)いずれかの MDS スイッチの NPV ポートでトランキングをイネーブルにし、NPIV 対応 Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチを接続する場合は、ポート fc1/63 経由でポート fc1/1 を使用してください。
(注
) トランキング障害が非ポート チャネル(個々の物理 NP アップリンク)とポート チャネル NP アップリンクの両方で発生する可能性があります。トランキング障害を回避するため、必ず、NPV スイッチを Cisco MDS NX-OS Release 6.2(13) 以降にアップグレードしてください。
N ポート バーチャライゼーションの設定
この項では、次のトピックについて取り上げます。
N ポート ID バーチャライゼーションのイネーブル化
NPIV 対応アプリケーションで複数の N ポート ID を使用できるようにするには、MDS スイッチ上のすべての VSAN で NPIV をグローバルにイネーブルにする必要があります。
(注
) すべての N ポート ID は同じ VSAN 内で割り当てられます。
手順の詳細
スイッチの NPIV をイネーブルまたはディセーブルにするには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードに入ります。 |
ステップ 2 |
switch(config)# feature npiv |
スイッチ上のすべての VSAN の NPIV をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
switch(config)# no feature npiv |
スイッチ上の NPIV をディセーブルにします(デフォルト)。 |
NPV の設定
NPV をイネーブルにすると、システム設定は消去され、システムは NPV モードがイネーブルの状態でリブートします。
(注
) NPV をイネーブルにする前に、現在の設定をブートフラッシュまたは TFTP サーバのいずれかに保存することを推奨します(あとで設定を使用する必要がある場合)。NPV 以外の設定または NPV の設定を保存するには、次のコマンドを使用します。
switch#
copy running bootflash:filename
設定を後で再度適用するには、次のコマンドを使用します。
switch#
copy bootflash:filename running-config
(注
) NPV は、ASCII 設定ファイルを使用してイネーブルまたはディセーブルにすることはできません。コマンド ラインからのみイネーブルまたはディセーブルにすることができます。
手順の詳細
CLI を使用して NPV を設定するには、次の作業を実行します。
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ステップ 1 |
switch# config t switch(config)# |
NPV コア スイッチで、コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# feature npiv switch (config)# switch (config)# no feature npiv |
NPV コア スイッチで NPIV モードをイネーブルにします。 NPV コア スイッチで NPIV モードをディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
switch(config)# interface fc 2/1 switch(config-if)# switchport mode F switch(config-if)# no shutdown |
NPIV コア スイッチのポートを F ポートとして設定します。 インターフェイスがアップするように管理ステータスを変更します。 |
ステップ 4 |
switch(config)# vsan database switch(config-vsan-db)# vsan 8 interface fc 2/1 switch(config-vsan-db)# vsan 10 interface fc 2/1 |
NPIV コア スイッチの F ポートのポート VSAN を設定します。 |
ステップ 5 |
switch(config)# npv enable |
NPV デバイス(モジュール、Cisco MDS 9124、Cisco MDS 9134、Cisco MDS 9148 ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9148S マルチレイヤ ファブリック スイッチ、Cisco MDS 9250i マルチレイヤ ファブリック スイッチ、および Cisco MDS 9396S マルチレイヤ ファブリック スイッチ)で NPV モードをイネーブルにします。モジュールまたはスイッチがリブートし、アップ状態に戻ると、NPV モードになります。 (注) リブート時に write-erase 操作が実行されます。 |
ステップ 6 |
switch(config)# interface fc 1/1 switch(config-if)# switchport mode NP switch(config-if)# no shutdown |
NPV デバイスで、アグリゲータ スイッチに接続されるインターフェイスを選択し、それらを NP ポートとして設定します。 インターフェイスがアップするように管理ステータスを変更します。 |
ステップ 7 |
switch(config)# vsan database switch(config-vsan-db)# vsan 9 interface fc 1/1 |
NPV デバイスの NP ポートのポート VSAN を設定します。 |
ステップ 8 |
switch(config-if)# exit |
ポートのインターフェイス モードを終了します。 |
ステップ 9 |
switch(config)# interface fc 1/2 - 6 switch(config-if)# switchport mode F switch(config-if)# no shutdown |
NPV 対応デバイス上の残りのインターフェイス(2 ~ 6)を選択し、F ポートとして設定します。 インターフェイスがアップするように管理ステータスを変更します。 |
ステップ 10 |
switch(config)# vsan database switch(config-vsan-db)# vsan 12 interface fc 1/1 - 6 |
NPV デバイスの F ポートのポート VSAN を設定します。 |
ステップ 11 |
switch(config-npv)# no npv enable switch(config)# |
セッションを終了し、NPV モードをディセーブルにします。これにより、NPV デバイスがリロードされます。 |
NPV トラフィック管理の設定
NPV トラフィック管理機能は、NPV の設定後にイネーブルになります。NPV トラフィック管理の設定では、サーバに対して外部インターフェイスのリストを設定し、中断を伴うロード バランシングをイネーブルまたはディセーブルにします。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
サーバ インターフェイスごとの外部インターフェイス リストの設定
外部インターフェイスのリストは、サーバ インターフェイスがダウンしているとき、または指定した外部インターフェイス リストにすでに使用中の外部インターフェイスが含まれている場合に、サーバ インターフェイスにリンクされます。
手順の詳細
サーバ インターフェイスごとの外部インターフェイスのリストを設定するには、次の作業を実行します。
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ステップ 1 |
switch# config t switch(config)# |
NPV のコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# npv traffic-map server-interface svr-if-range external-interface fc ext-fc-if-range switch (config)# |
svr-if-range に外部インターフェイスを指定することにより、サーバ インターフェイスごとの外部 FC インターフェイスのリストを設定できます 。 ext-fc-if-range にはリンク先のサーバを指定します 。 |
switch(config)# npv traffic-map server-interface svr-if-range external-interface port-channel ext-pc-if-range switch (config)# |
svr-if-range に外部インターフェイスを指定することにより、サーバ インターフェイスごとの外部ポートチャネル インターフェイスのリストを設定できます 。 ext-pc-if-range にはリンク先のサーバを指定します 。 |
switch(config)# no npv traffic-map server-interface svr-if-range external-interface ext-if-range switch (config)# |
NPV の NPV トラフィック管理機能をディセーブルにします。 |
中断を伴うロード バランシング用グローバル ポリシーのイネーブル化
中断を伴うロード バランシングを使用すると、すべての外部インターフェイスの負荷を確認し、中断を伴ってその負荷を分散できます。このロード バランシングでは、高負荷の外部インターフェイスを使用するサーバが、低負荷で動作している外部インターフェイスに移されます。
手順の詳細
中断を伴うロード バランシング用グローバル ポリシーをイネーブルまたはディセーブルにするには、次の作業を実行します。
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ステップ 1 |
switch# config t switch(config)# |
NPV のコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# npv auto-load-balance disruptive switch (config)# |
NPV コア スイッチで中断を伴うロード バランシングをイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
switch (config)# no npv auto-load-balance disruptive |
NPV コア スイッチで中断を伴うロード バランシングをディセーブルにします。 |
NPV 設定の確認
この項では、次のトピックについて取り上げます。
NPV の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。
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show fcns database |
アグリゲータ スイッチが属するすべての VSAN のすべての NPV デバイスを表示します。 |
show fcns database detail |
NPV デバイスについて、IP アドレス、スイッチ名、インターフェイス名などの詳細を表示します。 |
show npv flogi-table |
ログインしている NPV デバイスのリストとともに、VSAN、送信元情報、pWWN、および FCID を表示します。 |
show npv status |
さまざまなサーバおよび外部インターフェイスのステータスを表示します。 |
show npv traffic-map |
NPV トラフィック マップを表示します。 |
show npv internal info traffic-map |
NPV 内部トラフィックの詳細を表示します。 |
これらのコマンドの出力フィールドの詳細については、『 Cisco MDS NX-OS Command Reference 』を参照してください。
NPV の確認
アグリゲータ スイッチが属するすべての VSAN のすべての NPV デバイスを表示するには、 show fcns database コマンドを入力します。
switch# show fcns database
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x010000 N 20:01:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco) npv
0x010001 N 20:02:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco) npv
0x010200 N 21:00:00:e0:8b:83:01:a1 (Qlogic) scsi-fcp:init
0x010300 N 21:01:00:e0:8b:32:1a:8b (Qlogic) scsi-fcp:init
Total number of entries = 4
show fcns database コマンド出力に表示される NPV デバイスの詳細(IP アドレス、スイッチ名、インターフェイス名など)を表示するには、 show fcns database detail コマンドを入力します。
switch# show fcns database detail
port-wwn (vendor) :20:01:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco)
node-wwn :20:00:00:0d:ec:2f:c1:40
node-ip-addr :172.20.150.38
ipa :ff ff ff ff ff ff ff ff
fc4-types:fc4_features :npv
symbolic-port-name :para-3:fc1/1
symbolic-node-name :para-3
fabric-port-wwn :20:01:00:0d:ec:04:99:40
permanent-port-wwn (vendor) :20:01:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco)
connected interface :port-channel6
switch name (IP address) :switch (192.0.2.1)
port-wwn (vendor) :20:02:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco)
node-wwn :20:00:00:0d:ec:2f:c1:40
node-ip-addr :172.20.150.38
ipa :ff ff ff ff ff ff ff ff
fc4-types:fc4_features :npv
symbolic-port-name :para-3:fc1/2
symbolic-node-name :para-3
fabric-port-wwn :20:02:00:0d:ec:04:99:40
permanent-port-wwn (vendor) :20:02:00:0d:ec:2f:c1:40 (Cisco)
connected interface :port-channel6
switch name (IP address) :switch (192.0.2.1)
サポートに連絡する必要がある場合は、 show tech-support NPV コマンドを入力し、その出力をサポート担当者が問題の解決に使用できるように保存してください。
ログインしている NPV デバイスのリストとともに、VSAN、送信元情報、pWWN、および FCID を表示するには、 show npv flogi-table コマンドを入力します。
switch# show npv flogi-table
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Total number of flogi = 4.
さまざまなサーバおよび外部インターフェイスのステータスを表示するには、 show npv status コマンドを入力します。
Interface: fc1/1, VSAN: 2, FCID: 0x1c0000, State: Up
Interface: fc1/2, VSAN: 3, FCID: 0x040000, State: Up
Number of External Interfaces: 2
Interface: fc1/7, VSAN: 2, NPIV: No, State: Up
Interface: fc1/8, VSAN: 3, NPIV: No, State: Up
Number of Server Interfaces: 2
NPV トラフィック管理の確認
NPV トラフィック マップを表示するには、 show npv traffic-map コマンドを入力します。
switch# show npv traffic-map
NPV Traffic Map Information:
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NPV 内部トラフィックの詳細情報を表示するには、 show npv internal info traffic-map コマンドを入力します。
switch# show npv internal info traffic-map
NPV Traffic Map Information:
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Server-If Last Change Time External-If(s)
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fc1/1 2015-01-15 03:24:16.247856 fc1/5
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