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目次
この章では、FLOGI、ネーム サーバ、FDMI、および RSCN データベースの設定と管理方法について説明します。
この章は、次の項で構成されています。
ファイバ チャネル ファブリックでは、ホストまたはディスクごとに FC ID が必要です。 FLOGI テーブルにストレージ デバイスが表示されるかどうかを確認するには、次の例のように show flogi コマンドを使用します。 必要なデバイスが FLOGI テーブルに表示されていれば、FLOGI が正常に行われます。 ホスト HBA および接続ポートに直接接続されているスイッチ上の FLOGI データベースを検査します。
次に、FLOGI テーブルのストレージ デバイスを確認する例を示します。
switch# show flogi database --------------------------------------------------------------------------- INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME --------------------------------------------------------------------------- vfc23 1 0xb200e2 21:00:00:04:cf:27:25:2c 20:00:00:04:cf:27:25:2c vfc23 1 0xb200e1 21:00:00:04:cf:4c:18:61 20:00:00:04:cf:4c:18:61 vfc23 1 0xb200d1 21:00:00:04:cf:4c:18:64 20:00:00:04:cf:4c:18:64 vfc23 1 0xb200ce 21:00:00:04:cf:4c:16:fb 20:00:00:04:cf:4c:16:fb vfc23 1 0xb200cd 21:00:00:04:cf:4c:18:f7 20:00:00:04:cf:4c:18:f7 vfc31 2 0xb30100 10:00:00:05:30:00:49:63 20:00:00:05:30:00:49:5e Total number of flogi = 6.
次に、特定のインターフェイスに接続されたストレージ デバイスを確認する例を示します。
switch# show flogi database interface vfc1/1
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
---------------------------------------------------------------------------
vfc1/1 1 0x870000 20:00:00:1b:21:06:58:bc 10:00:00:1b:21:06:58:bc
Total number of flogi = 1.
次に、VSAN(仮想 SAN)1 に関連付けられたストレージ デバイスを確認する例を示します。
switch# show flogi database vsan 1
ネーム サーバ機能は、各 VSAN 内のすべてのホストおよびストレージ デバイスの属性を含むデータベースを維持します。 ネーム サーバでは、情報を最初に登録したデバイスによるデータベース エントリの変更が認められます。
プロキシ機能は、別のデバイスによって登録されたデータベース エントリの内容を変更(更新または削除)する必要がある場合に役立ちます。
ネーム サーバ登録要求はすべて、パラメータが登録または変更されたポートと同じポートから発信されます。 同一ポートから送られない場合、要求は拒否されます。
この許可を使用すると、WWN が他のノードに代わって特定のパラメータを登録できるようになります。
ネーム サーバ登録要求はすべて、パラメータが登録または変更されたポートと同じポートから発信されます。 同一ポートから送られない場合、要求は拒否されます。
この許可を使用すると、WWN が他のノードに代わって特定のパラメータを登録できるようになります。
ネーム サーバ プロキシを登録できます。
別のデバイスの pWWN を使用した悪意のあるログインまたは偶発的なログインを回避するには、reject-duplicate-pwwn オプションをイネーブルにします。 このオプションをディセーブルにすると、このような pWWN のファブリックへのログインが許可され、ネーム サーバ データベースにある最初のデバイスと置き換えられます。
重複 pWWN を拒否できます。
ネーム サーバはすべてのホストのネーム エントリを FCNS データベースに保管しています。 ネーム サーバを使用すると、Nx ポートで(ネーム サーバへの)PLOGI 中に属性を登録し、その他のホストの属性を取得できます。 Nx ポートが明示的または暗黙的にログアウトする時点で、これらの属性は登録解除されます。
マルチスイッチ ファブリック構成では、各スイッチ上で稼働するネーム サーバ インスタンスが分散型データベースで情報を共有します。 スイッチごとに 1 つのネーム サーバ プロセスのインスタンスが実行されます。
次に、すべての VSAN のネーム サーバ データベースを表示する例を示します。
switch# show fcns database
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x010000 N 50:06:0b:00:00:10:a7:80 scsi-fcp fc-gs
0x010001 N 10:00:00:05:30:00:24:63 (Cisco) ipfc
0x010002 N 50:06:04:82:c3:a0:98:52 (Company 1) scsi-fcp 250
0x010100 N 21:00:00:e0:8b:02:99:36 (Company A) scsi-fcp
0x020000 N 21:00:00:e0:8b:08:4b:20 (Company A)
0x020100 N 10:00:00:05:30:00:24:23 (Cisco) ipfc
0x020200 N 21:01:00:e0:8b:22:99:36 (Company A) scsi-fcp
次に、指定された VSAN のネーム サーバ データベースおよび統計情報を表示する例を示します。
switch# show fcns database vsan 1
VSAN 1:
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x030001 N 10:00:00:05:30:00:25:a3 (Cisco) ipfc
0x030101 NL 10:00:00:00:77:99:60:2c (Interphase)
0x030200 N 10:00:00:49:c9:28:c7:01
0xec0001 NL 21:00:00:20:37:a6:be:14 (Seagate) scsi-fcp
Total number of entries = 4
次に、すべての VSAN のネーム サーバ データベースの詳細を表示する例を示します。
switch# show fcns database detail
次に、すべての VSAN のネーム サーバ データベースの統計を表示する例を示します。
switch# show fcns statistics
Cisco SAN スイッチは、FC-GS-4 規格で記述されている Fabric-Device 管理インターフェイス(FDMI)機能をサポートしています。 FDMI を使用すると、ファイバ チャネル HBA などのデバイスをインバンド通信によって管理できます。 この機能を追加することにより、既存のファイバ チャネル ネーム サーバおよび管理サーバの機能を補完します。
FDMI 機能を使用すると、独自のホスト エージェントをインストールしなくても、スイッチ ソフトウェアによって接続先 HBA およびホスト オペレーティング システムに関する次のような管理情報を抽出できます。
FDMI エントリはすべて永続ストレージに保存され、FDMI プロセスを起動した時点で取り出されます。
次に、指定された VSAN のすべての HBA の詳細情報を表示する例を示します。
switch# show fdmi database detail vsan 1
Registered State Change Notification(RSCN)は、ファブリック内で行われた変更について各ホストに通知するためのファイバ チャネル サービスです。 ホストは、(State Change Registration(SCR)要求によって)ファブリック コントローラに登録することにより、この情報を受信できます。 次のいずれかのイベントが発生した場合、適宜通知されます。
スイッチ RSCN(SW-RSCN)は、登録されたホストおよびファブリック内の到達可能なすべてのスイッチに送信されます。
(注) |
スイッチは RSCN を送信して、登録済みのノードに変更が発生したことを通知します。 ネーム サーバに再度クエリーを発行して新しい情報を取得するのは、各ノードの責任範囲です。 スイッチが各ノードに送信する RSCN には、変更に関する詳細情報は含まれていません。 |
スイッチ RSCN(SW-RSCN)は、登録されたホストおよびファブリック内の到達可能なすべてのスイッチに送信されます。
(注) |
スイッチは RSCN を送信して、登録済みのノードに変更が発生したことを通知します。 ネーム サーバに再度クエリーを発行して新しい情報を取得するのは、各ノードの責任範囲です。 スイッチが各ノードに送信する RSCN には、変更に関する詳細情報は含まれていません。 |
次に、登録済みデバイス情報を表示する例を示します。
switch# show rscn scr-table vsan 1
(注) |
SCR テーブルは設定不可能です。 ホストが RSCN 情報と一緒に SCR フレームを送信する場合にかぎり、入力されます。 ホストが RSCN 情報を受信しない場合、show rscn scr-table コマンドはエントリを返しません。 |
RSCN の multi-pid オプションをイネーブルに設定すると、登録済みの Nx ポートに対して生成された RSCN に、影響を受けた複数のポート ID が含まれる場合があります。 この場合、ゾーン分割ルールを適用してから、影響を受けた複数のポート ID が 1 つの RSCN にまとめられます。 このオプションをイネーブルにすることによって、RSCN の数を減らすことができます。 たとえば、スイッチ 1 に 2 つのディスク(D1、D2)および 1 台のホスト(H)が接続されていると仮定します。 ホスト H は、RSCN を受信するように登録済みです。 D1、D2、および H は、同じゾーンに属しています。 ディスク D1 および D2 が同時にオンラインである場合、次のどちらかの処理が適用されます。
(注) |
Nx ポートには、multi-pid RSCN ペイロードをサポートしないものがあります。 その場合は、RSCN multi-pid オプションをディセーブルにしてください。 |
multi-pid オプションを設定できます。
ドメイン フォーマット SW-RSCN は、ローカル スイッチ名またはローカル スイッチ管理 IP アドレスが変更されるとすぐに送信されます。 この SW-RSCN は、ISL を介して、他のすべてのドメインおよびスイッチに送信されます。 リモート スイッチから、ドメイン フォーマット SW-RSCN を開始したスイッチに対して GMAL コマンドおよび GIELN コマンドを発行すると、変更内容を判別できます。 ドメイン フォーマット SW-RSCN によって、一部の他社製の SAN スイッチで問題が発生することがあります。
これらの SW-RSCN の ISL を介した送信を抑制できます。
カウンタをクリアしたあとに、それらのカウンタを別のイベントに関して表示することができます。 たとえば、特定のイベント(ONLINE または OFFLINE イベントなど)で生成された RSCN または SW-RSCN の個数を追跡できます。 このような統計情報を利用して、VSAN 内で発生する各イベントへの応答を監視できます。
次に、指定された VSAN の RSCN 統計情報をクリアする例を示します。
switch# clear rscn statistics vsan 1
RSCN 統計情報をクリアした後、show rscn statistics コマンドを入力してクリアされたカウンタを表示できます。
switch# show rscn statistics vsan 1
RSCN は、VSAN 単位のイベント リスト キューを維持します。RSCN イベントは、生成されると、このキューに入れられます。 最初の RSCN イベントがキューに入ると、VSAN 単位のタイマーが始動します。 タイムアウトになると、すべてのイベントがキューから出され、結合 RSCN が登録済みユーザに送信されます。 デフォルトのタイマー値の場合に、登録済みユーザに送信される結合 RSCN の数が最小になります。 配置によっては、ファブリック内の変更を追跡するために、イベント タイマー値をさらに小さくする必要が生じることがあります。
(注) |
RSCN タイマー値は、VSAN 内のすべてのスイッチで同一にする必要があります。 |
(注) |
ダウングレードを実行する場合は、事前に、ネットワーク内の RSCN タイマー値をデフォルト値に戻してください。 デフォルト値に戻しておかないと、VSAN およびその他のデバイスを経由するリンクがディセーブルになります。 |
RSCN タイマーを設定できます。
RSCN タイマー設定を確認するには、show rscn event-tov vsan コマンドを使用します。 次に、VSAN 10 の RSCN 統計情報をクリアする例を示します。
switch# show rscn event-tov vsan 10
Event TOV : 1000 ms
各スイッチのタイムアウト値は、手動で設定されるため、異なるスイッチが別々の時間にタイムアウトになると、誤設定が生じます。 つまり、ネットワーク内の異なる N ポートが別々の時間に RSCN を受信してしまうことがあります。 Cisco Fabric Service(CFS)インフラストラクチャでは、RSCN タイマー設定情報をファブリック内のすべてのスイッチに自動的に配布することで、この状況を解消します。また、SW-RSCN の数も削減します。
RSCN は、配布と非配布の 2 つのモードをサポートしています。 配布モードでは、RSCN は CFS を使用して、ファブリック内のすべてのスイッチに設定を配布します。 非配布モードでは、影響を受けるのはローカル スイッチに対するコンフィギュレーション コマンドだけです。
(注) |
すべてのコンフィギュレーション コマンドが配布されるわけではありません。 配信されるのは、rscn event-tov tov vsan vsan コマンドのみです。 |
注意 |
RSCN タイマー設定だけが配布されます。 |
RSCN タイマーは、初期化およびスイッチオーバーの実行時に CFS に登録されます。 ハイ アベイラビリティを実現するため、RSCN タイマー配布がクラッシュし再起動する場合、またはスイッチオーバーが発生した場合には、クラッシュまたはスイッチオーバーが発生する前の状態から、通常の機能が再開されます。
追加情報については、ご使用のデバイスの『System Management Configuration Guide』の「Using Cisco Fabric Services」を参照してください。
RSCN タイマー設定の配布をイネーブルに設定できます。
データベースを変更するときの最初のアクションによって、保留中のデータベースが作成され、VSAN 内の機能がロックされます。 ファブリックがロックされると、次のような状況になります。
アクティブ データベースに加えられた変更をコミットする場合、ファブリック内のすべてのスイッチに設定がコミットされます。 コミットが正常に行われると、設定の変更がファブリック全体に適用され、ロックが解除されます。
RSCN タイマー設定の変更をコミットできます。
保留中のデータベースに加えられた変更を廃棄(中断)する場合、コンフィギュレーション データベースは影響を受けないまま、ロックが解除されます。
RSCN タイマー設定の変更を廃棄できます。
RSCN タイマー設定を変更したが、変更をコミットまたは廃棄してロックを解除するのを忘れた場合、管理者はファブリック内の任意のスイッチからロックを解除できます。 管理者がこの操作を行うと、ユーザによる保留データベースの変更は廃棄され、ファブリックのロックは解除されます。
保留中のデータベースは揮発性ディレクトリでだけ有効で、スイッチが再起動されると廃棄されます。
管理者の特権を使用して、ロックされた RSCN セッションを解除するには、EXEC モードで clear rscn session コマンドを使用します。 次に、VSAN 10 の RSCN セッションをクリアする例を示します。
switch# clear rscn session vsan 10
次に、RSCN 設定の配布の登録ステータスを表示する例を示します。
switch# show cfs application name rscn
Enabled : Yes
Timeout : 5s
Merge Capable : Yes
Scope : Logical
(注) |
結合対象のファブリックの RSCN タイマー値が異なる場合、結合は失敗します。 |
次に、設定のコミット時に有効な一連のコンフィギュレーション コマンドを表示する例を示します。
(注) |
保留中のデータベースには、既存設定と変更された設定の両方が含まれます。 |
switch# show rscn pending
rscn event-tov 2000 ms vsan 1
rscn event-tov 2000 ms vsan 2
rscn event-tov 300 ms vsan 10
次に、保留中の設定とアクティブな設定の違いを表示する例を示します。
switch# show rscn pending-diff vsan 10
- rscn event-tov 2000 ms vsan 10
+ rscn event-tov 300 ms vsan 10
次の表に、RSCN のデフォルト設定を示します。
パラメータ |
デフォルト |
---|---|
RSCN タイマー値 |
2000 ミリ秒(ファイバ チャネル VSAN) |
RSCN タイマー設定の配布 |
ディセーブル |