ルータの設置

この章は、次の項で構成されています。

概要

このセクションでは、Cisco IR1800 シリーズ ルータを正しく設置するために必要な機材と実行する手順について説明します。

安全に関する情報


注意    


暖房機器の排気口など、熱源のそばにルータや電源装置を設置しないでください。



警告


ステートメント 9001 - 製品の廃棄

本製品の最終処分は、各国のすべての法律および規制に従って行ってください。



警告


ステートメント 1073 - ユーザが保守可能な部品なし

内部に保守可能な部品はありません。感電の危険を避けるため、開かないでください。



(注)  


水平方向または垂直方向のいずれに取り付ける場合も、製品のすべての側面に少なくとも 1 インチの隙間を空けることが必要です。ルータ上部に熱を放散する物体を載せないでください。ケーブル接続へのアクセスに必要なため、I/O 側の隙間が必要です。DIN レールブラケットと壁面用マウントブラケットを取り付ける際、隙間を空けることが必要です。


機器、工具、接続手段

このセクションでは、Cisco IR1800 の設置に必要な機器、工具、および接続について説明します。


(注)  


IR1800 シリーズ ルータにアンテナは付属していません。

ルータの付属品

箱を開けて、請求書に記載されているすべての品目が Cisco IR1800 に同梱されていることを確認します。

次の項目がルータに付属しています。

  • ポインタ カード
  • アース ラグ キット
  • 電源コネクタ

その他の必要な部品

ルータを設置する際には、ルータの付属品以外に、次のものをご用意ください。

  • 静電気防止用コードとリストストラップ
  • シャーシのアースに使用する圧着工具
  • シャーシに接続するアース線。
  • イーサネット WAN ポートおよび LAN ポート接続用のイーサネットケーブル。
  • 最大 15 インチポンド(1.69 N-m)の圧力を加えられるラチェット トルク マイナス ドライバ。
  • No.1 プラス ドライバ。
  • No.2 プラス ドライバ。

ルータの設置

この項では、IR1800 シリーズ ルータを設置する方法について説明します。このルータは、次の方法で設置できます。

  • テーブル上
  • 水平な平面
  • 壁面への取り付け
  • DIN レールの使用

(注)  


NEC 準拠の接地を行うためには、16awg(1.5mm2)以上の銅線と内径 6 ~ 7 mm(1/4 インチ)の丸端子を使用してください。


壁面、卓上、またはその他の平面への設置

Cisco IR1800 は、垂直方向または水平方向に取り付けることができます。ネジを使用して壁面のスタッドに取り付けるか、アンカーマウントを使用して中空の壁面に取り付けることができます。


ヒント


壁に取り付ける場所を決める際には、ケーブルの制限と壁の構造を考慮し、事前に適切なアンテナの位置を検討してください。

警告


ステートメント 1094 - 設置前に壁面への取り付けに関する説明を読む

設置を開始する前に、壁面への取り付けに関する説明を注意してお読みください。 正しいハードウェアを使用しなかったり、正しい手順に従わなかったりすると、人体が危険にさらされたり、システムが損傷する場合があります。



(注)  


適切なエアーフローを可能にするため、設置の際、製品のすべての側面に少なくとも 1 インチの隙間を空けることが必要です。

ルータを壁面その他の平面に取り付けるには、次の手順に従ってください。

手順


ステップ 1

ガイドとして次の図を使用して、デバイスを取り付ける領域の寸法を測ります。

(注)  

 
次の図は、縦位置での取り付けを示しています。この方向はサポートされています。ただし、横位置での取り付けが推奨されます。
図 1. 取り付け穴の寸法

(注)  

 
ルータを適切な壁面構造に取り付け、デバイスの重量を支えます。できる限り、ネジが壁面の間柱に固定される取り付け場所を使用します。

ステップ 2

ユニットを隣接する面に取り付ける場合は、4 本の #10 ネジを使用します。ネジの長さは、支えとなる木製または金属製のスタッドに、1.0 インチ(25.4 mm)以上差し込めるだけの長さが必要です。ガイダンスについては、次の図を参照してください。

図 2. 取り付け穴

ステップ 3

コネクタまたは取り付け金具を引っ張らないようにケーブルを配線します。

(注)  

 
デバイスを中空の壁に取り付ける場合は、壁の素材がルータの重量を支持できることを確認してください。適切な壁面アンカーマウントを使用してください。

DIN レールの取り付け

DIN レールキットは別途ご注文いただく必要があります。シスコの製品番号は IR1800-DINRAIL です。


(注)  


DIN レールブラケットは水平方向に組み立てられています。垂直方向での設置が必要な場合は、コンポーネントを分解して再度組み立ててください。

ルータへの DIN レールブラケットの取り付け(水平)

手順


ステップ 1

次の図に示すように、ルータの背面に DIN レールブラケットをあてます。

ステップ 2

キット付属の 4 本の 8-32 ネジを使用して、DIN マウントブラケットをルータに取り付けます。4 つの取り付け穴にブラケットを合わせ、ブラケットからシャーシにネジを差し込みます。次に、14 インチポンドのトルクをかけて、ブラケットをルータにネジ留めします。

ステップ 3

ブラケットを取り付けたら、DIN レールにルータを設置する準備は完了です。


DIN レールへのブラケットの取り付け

ブラケットを使用して Cisco IR1800 を DIN レールに取り付けるには、次の図と指定の手順に従ってください。

1

クランプ

2

DIN レール

3

プラスチックラッチ

手順


ステップ 1

DIN レール (2) の上端に DIN レールブラケットのクランプ (1) がひっかかるようにルータを置きます。プラスチックラッチが固定されている間、製品重量がフックに一時的にかかる可能性があります。

ステップ 2

2 つのプラスチックラッチ (3) を同時に引き下げ、DIN レールの上下の端がクランプ内に収まるように DIN レールブラケットの位置を調整します。

ステップ 3

DIN レールがクランプ内にしっかりと固定されたら、プラスチックラッチを解除します。これでルータは DIN レールに取り付けられました。

ステップ 4

DIN レールからルータを取り外すには、この手順を逆に実行します。


ブラケットの向きの変更

DIN レールブラケットは、水平取り付け位置の状態で出荷されます。デバイスを垂直方向に取り付けるには、ブラケットハードウェアを分解し、新しい方向に再度組み立てます。

次の図に、水平方向の状態を示します。

図 3. 水平方向

次の図に、垂直方向の状態を示します。

図 4. 垂直方向

ブラケットの分解

ブラケットハードウェアを分解するには、次の図を参照し、指定の手順に従います。

1

ネジ

2

DIN レールクランプ

3

スプリング

4

プラスチックラッチ

5

DIN レールクリップ

手順

ステップ 1

2 つの DIN レールクランプ (2) を固定している 2 本のネジ (1) を取り外します。

ステップ 2

DIN レールクランプ (2) をスライドさせてプラスチックラッチ (4) から離して取り外します。

ステップ 3

プラスチックラッチ (4) をスライドさせて DIN レールプレートから外し、2 つのスプリング (3) を取り外します。

ステップ 4

取り付けブラケットから 2 つの DIN レールクリップ (5) を取り外します。

ステップ 5

注:垂直方向に取り付ける時に再利用できるように、すべてのコンポーネントを保管してください。


ブラケットの再組み立て

次の手順は、垂直方向で使用できるように、すべてのブラケットコンポーネントを再度取り付ける方法を示しています。次の図を参照し、指定の手順に従ってください。

1

ネジ

2

DIN レールクランプ

3

スプリング

4

プラスチックラッチ

5

DIN レールクリップ

手順

ステップ 1

薄いタブに 2 つのスプリング (3) をスライドさせます。

ステップ 2

プラスチックラッチ (4) をスプリングの上から後方にスライドさせ、DIN レールプレートの開口部に差し込みます。

ステップ 3

各プラスチックラッチ (4) を後方に押し、DIN レールプレートの開口部に DIN レールクランプ (2) を挿入します。12 インチポンドのトルクをかけて、各クランプをネジ (1) で固定します。

ステップ 4

9 インチポンドのトルクをかけて、2 つの DIN レールクリップ (5) を垂直方向で取り付けブラケットに再度取り付けます。


ルータへの DIN レールブラケットの取り付け(垂直)

手順


ステップ 1

次の図に示すように、ルータの背面に DIN レールブラケットをあてます。

ステップ 2

キット付属の 4 本の 8-32 ネジを使用して、DIN マウントブラケットをルータに取り付けます。4 つの取り付け穴にブラケットを合わせ、ブラケットからシャーシにネジを差し込みます。次に、14 インチポンドのトルクをかけて、ブラケットをルータにネジ留めします。

ステップ 3

ブラケットを取り付けたら、DIN レールにルータを設置する準備は完了です。


ルータのアース接続


警告


ステートメント 1024 - アース導体

この装置は、接地させる必要があります。感電のリスクを軽減するため、絶対にアース導体を破損させたり、アース線が正しく取り付けられていない装置を稼働させたりしないでください。アースが適切かどうかはっきりしない場合には、電気検査機関または電気技術者に確認してください。



警告


ステートメント 2004 - アース線機器

この装置は、放射およびイミュニティに関する要件に準拠するようにアースされていることが前提になっています。通常の使用時には、必ずスイッチのアース ラグがアースされているようにしてください。



(注)  


ケーブル配線システムは、ANSI/NFPA 70、National Electrical Code(NEC)、特に 820.93 項「Grounding of Outer Conductive Shield of a Coaxial Cable」に従って接地(アース)する必要があります。

NEC 準拠の接地を行うためには、16 AWG(1.5 mm2)以上の銅線と内径 1/4 インチ(5 ~ 6 mm)の丸端子を使用してください。

アース接続は次の手順で行います。

手順


ステップ 1

アクセサリトレイにあるアースラグの位置を確認します。

ステップ 2

アース線の片側を 5.56 mm(0.22 インチ)剥がします。

ステップ 3

圧着工具を使用してアース ラグにアース線を圧着します。

ステップ 4

付属のネジを使用して、シャーシにアースラグ(1 )を取り付けます。8 ~ 10 インチ ポンド(0.9 ~ 1.1 ニュートン メートル)のトルクでネジを締めます。次の図を参照してください。

図 5. シャーシ アース接続部

1

アースラグ

ステップ 5

アース線の反対側の端を、確実にアースできる接地点に接続します。

ステップ 6

このルータを車両で使用している場合は、付属のネジのいずれかと緑色の線または緑色と黄色のストライプの線を使用してシャーシに丸端子を取り付けます。車両アースに線のもう一方の端を接続します。


次のタスク

ルータの設置とアース接続が完了したら、必要に応じて、電源コード、LAN ケーブル、管理アクセス用のケーブルを接続できます。