デジタルI/O、イグニッション、および CAN バス接続

この章は、次の項で構成されています。

デジタル I/O、イグニッション、および CAN バス接続の概要

コネクタには、4 つの GPIO 接続、1 つのリターン接続、および 1 つのイグニッション接続があります。デジタル I/O は、ドライとウェット両方の接点を 60 V までサポートしています。

  • ドライ接点は、電圧源から分離されており(つまり無電圧)、組み込みリレー機能を持ち(NPN トランジスタ)、通常はイベント(開/閉、アラームなど)を示すために使用されます。

  • ウェット接点は、外部電源(+3.3V ~ +60V、高電圧で許可されている電流は 150mA まで)による接点で、通常は何か(ソレノイド、照明など)を通電するために使用されます。

  • CAN バスの接続は、車両の OBD-II コネクタに接続する電源コネクタ内の 2 本のワイヤを介して行われます。

デジタル I/O 機能

デジタル I/O の共通機能は次のとおりです。

  • 端子にかかる 60V までの電圧に耐えます。
  • 逆電圧からの保護機能があり、機器の損傷が発生しません。
  • デジタル入力とデジタル出力は、異なるチャネルでの共存が可能です。
  • LED インジケータ:プロビジョニング可能、オン:アクティブ、オフ:非アクティブ
  • 4kV サージ保護(IEC 61000-4-5)

デジタル I/O コネクタ

次の図は、コネクタを示しています。

図 1. デジタル I/O コネクタ

(注)  


デジタル I/O のデフォルトの状態は Input(入力)であり、オープンコレクタはオープン(オフ)になっています。

電源コネクタのピン割り当ては次のとおりです。

  • 上列:ピン 6、5、4
  • 下列:ピン 3、2、1

デジタル I/O のピン割り当てについては、次の表を参照してください。

表 1. デジタル I/O のピン割り当て

ピン番号

名前

方向

説明

1

DIGI_IO_1

I/O

デジタル IO ポート 3

2

GND

接地

3

DIGI_IO_3

I/O

デジタル IO ポート 2

4

DIGI_IO_2

I/O

デジタル IO ポート 4

5

イグニッション

In

イグニッション入力(6 V 〜 36 V)

6

DIGI_IO_4

I/O

デジタル IO ポート 1

自動車の接続

自動車の電源に接続する場合、イグニッション出力は(バッテリの電圧に応じて)+12 VDC または +24 VDC になることが予想されます。ルータのイグニッション入力を自動車のイグニッション出力に接続します。DC 入力 + と DC 入力 - のリードは、バッテリに直接接続できます。ただし、ヒューズの後に接続することを推奨します。


重要


車両に設置する場合は、イグニッション入力を接続し、ルータのイグニッション電源管理機能を使用する必要があります。これにより、車両の電源をオフにしてからオンに戻すたびに、ルータの不要な電源の再投入がなくなります。

デジタル I/O 仕様

デジタル I/O の仕様について、次の表で説明します。

表 2. デジタル入力仕様

仕様

最小

最大

単位

入力電圧高

2.2

60

V

入力電圧低

1.2

V

入力電流

0.68 mA

mA


(注)  


信号は入力ですが、電流は端子から流れ出ます(電源供給)。出力端子には電流が流れ込みます(シンク電流)。
表 3. デジタル出力仕様

仕様

最小

最大

単位

注記

出力電圧高

2.5

V

外部電圧は適用されていません。

出力電圧低

0.4

V

外部電圧は適用されていません。

内部プルアップ抵抗

1K – 1%

1K – 1%

内部プルアップ電圧

3

V

外部プルアップ電圧

3.3

60

V

電流を 200mA に制限するために外部抵抗が必要です。

シンク電流

200

mA

コントローラ エリア ネットワーク バス機能

IR1800 は、車両の OBD-II コネクタに接続する 2 本のワイヤを介したコントローラ エリア ネットワーク(CAN)バスインターフェイスをサポートします。

次に、CAN バスの特徴の一部を示します。

  • CAN バスを使用すると、車両内の ECU(電子制御ユニット)が他のすべての ECU と通信できます。

  • 最大 1 Mbs のデータレートをサポートする 2 本のワイヤ(CAN バス High および Low)で構成

  • 高速 CAN バス 2.0B:ISO 11898-1 データリンク層、最大 1 Mbs データレート(ソフトウェアに依存)の ISO 11898-2 および ISO-11898-5 物理層

  • 最大ケーブル長は 500 m(125 kbit/s)〜 40 m(1 Mbit/s)

  • 120 オームの CAN バス終端

  • ODB II コネクタが接続されているかどうかを検出するハードウェアメカニズムなし

CAN バス電源コネクタ

CAN_P および CAN_N 信号は、4 ピン mini-fit 電源コネクタの 2 つのピンに接続されます。ケーブルを mini-fit コネクタから車両の OBD-II コネクタに接続して、スイッチなしの電源と CAN インターフェイス入力の両方を取得できます。

次の図にピン割り当てを示します。

図 2. 電源コネクタ
表 4. 電源コネクタの説明

ピン番号

名前

説明

1

DC -

DC 電源マイナス(GND-)

2

CAN_P

CAN バス差分信号

3

DC +

DC 電源入力(12 V、24 V)

4

CAN_N

CAN バス差分信号

オンボード診断(OBD-II)

オンボード診断(OBD-II)の特徴の一部を次に示します。

  • OBD または OBDI では、すべての車両で同一になるようにコネクタが標準化されています。

  • 通信プロトコルは、車両のメーカーによって多少異なる部分があります。

  • 車両の電源がオフになっていても、OBDII ポートの電源は常にオンになっています。

  • IR1800 CAN バスを接続する場合、車両の所有者は ODB2 電源とヒューズ保護の特性を確認する必要があります。

以下に、さまざまなタイプの OBD-II ケーブルを示します。ケーブルのタイプは、ルータを設置する車両のモデルに応じて異なります。

表 5. OBD-II ケーブルの説明

OBD2-J1962YA-MF4

OBD-II(J1962)タイプ A からルータへのケーブル(タイプ 1 Y 使用)

OBD2-J1962YB-MF4

OBD-II(J1962)タイプ B からルータへのケーブル(タイプ 2 Y 使用)

OBD2-J1939Y2-MF4

Volvo 用 OBD-II(J1939)タイプ 2 ヘビーデューティ診断用ハーネス

OBD2-J1939Y1-MF4

OBD-II(J1939)タイプ 1 からルータへのケーブル(タイプ 1 Y 使用)

OBD2-J1708Y-MF4

OBD-II(J1708)からルータへのケーブル(タイプ 1 Y 分岐使用)

OBD2-J1962VMB-MF4

J1962-VM-Type B Volvo&Mack

ケーブルのリストを次の図に示します。[Vehicle Conn] というラベルのボックスは、車またはトラックに接続されているコネクタです。[Tool Conn] というラベルのボックスは、診断ツールを接続するためのものです。[MiniFit-Jr] というラベルのボックスは、IR1800 に接続するコネクタです。