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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco ONS 15454 の Synchronous Transport Signal(STS)、Virtual Tributary(VT)、および Virtual Concatenated(VCAT)の各回線、および VT、Data Communications Channel(DCC;データ通信チャネル)および IPカプセル化トンネルについて説明します。回線とトンネルのプロビジョニングについては、『Cisco ONS 15454 Procedure Guide』を参照してください。
• 「概要」
• 「モニタ回線」
• 「回線のマージ」
• 「回線の再構成」
回線は、ONS 15454 ノード内およびノード間に設定し、各回線に異なるアトリビュートを指定できます。たとえば、次の設定ができます。
• オートレンジによる複数回線の自動作成。VT トンネルは、オートレンジを使用しません。
• ONS 15454 の Unidirectional Path Switched Ring(UPSR; 単方向パス スイッチ型リング)とサードパーティの UPSR 機器を相互運用するための、回線のセカンダリ送信元および宛先の定義
• UPSR 回線をリバーティブまたは非リバーティブとして設定
• カードを装着する前。ONS 15454 では、トラフィック カードを装着する前に、スロットおよび回線をプロビジョニングできます。
• Small Form-Factor Pluggable(SFP)(または、Provisionable Port Module [PPM])の事前プロビジョニングの実行後
• カードおよび SFP を装着し、ポートの稼働開始後。カードおよび SFP が装着され、ポートが In-Service and Normal(IS-NR)、Out-of-Service and Autonomous, Automatic In-Service(OO-AU, AINS)、または Out-of-Service and Management, Maintenance(OOS-MA, MT)に設定されていないと、回線はトラフィックを伝送しません。回線は、信号を受信すると、すぐにトラフィックを伝送します。
回線の情報を表示するには、ネットワーク ビュー、ノード ビュー、およびカード ビューで表示される ONS 15454 Cisco Transport Controller(CTC)の Circuits ウィンドウを使用します。Circuits ウィンドウ(図11-1)には、次の情報が表示されます。
• Name ― 回線の名前。回線名は手動で割り当てることも、自動的に生成させることもできます。
• Type ― 回線のタイプは、STS(STS 回線)、VT(VT 回線)、VTT(VT トンネル)、VAP(VT 集約ポイント)、OCHNC(Dense Wavelength Division Multiplexing [DWDM;高密度波長分割多重] 光チャネル ネットワーク接続、『 Cisco ONS 15454 DWDM Installation and Operations Guide 』を参照)、STS-V(STS VCAT 回線)、または VT-V(VT VCAT 回線)です。
• Size ― 回線のサイズ。VT 回線のサイズは 1.5 です。STS 回線のサイズは、1、3c、6c、9c、12c、24c、36c、48c、または 192c です。OCHNC のサイズは、規定なし、マルチレート、2.5 Gbps
Forward Error Correction(FEC;前方エラー訂正)なし、2.5 Gbps FEC、10 Gbps FEC なし、10 Gbps FEC(OCHNC は DWDM のみ、『 Cisco ONS 15454 DWDM Installation and Operations Guide 』を参照)です。VCAT 回線のサイズは、VT1.5- n v、STS-1- n v、STS-3c- n v、および STS-12c- n v で、 n は、メンバー数です。連結 STS のタイム スロットの可用性については、「連結 STS のタイム スロットの割り当て」を参照。
• OCHNC Wlen ― OCHNC の場合、光チャネル ネットワーク接続用にプロビジョニングされた波長。詳細は、『 Cisco ONS 15454 DWDM Installation and Operations Guide 』を参照。
• Direction ― 回線の方向(双方向または単方向)
• OCHNC Dir ― OCHNC の場合、光チャネル ネットワーク接続の方向は、東から西、または西から東です。詳細は、『 Cisco ONS 15454 DWDM Installation and Operations Guide 』を参照。
• Protection ― 回線保護のタイプ。保護タイプのリストは、「回線保護のタイプ」を参照。
• Status ― 回線のステータス。「回線のステータス」を参照。
• Source ― 回線の送信元。形式: node/slot/port "port name"/STS/VT (ポート名は引用符内に表示)。ノードとスロットは常に表示されます。 port "port name"/STS/VT の表示は、送信元のカード、回線タイプ、およびポートに名前が割り当てられているかどうかによって異なります。OC192-XFP および MRC-12 カードの場合、ポートは、 Port Pluggable Module ( PPM ) -port として表示されます。回線のサイズが連結サイズ(3c、6c、12c など)の場合、回線で使用される STS は「S7..9」(STS 7、8、および 9)または「S10..12」(STS 10、11、および 12)というように省略記号で表されます。
• Destination ― 回線の送信元と同じ形式で表示される回線の宛先
• # of VLANS ― イーサネット回線で使用される VLAN 数
• # of Spans ― 回線に含まれるノード間リンク数。カラムを右クリックすると、回線スパンの詳細を表示または非表示にできるショートカット メニューが表示されます。
•State ― 回線のステート。「回線のステート」を参照。
図11-1 ONS 15454 ネットワーク ビューの Circuits ウィンドウ
表11-1 に、CTC を使用して回線をプロビジョニングする場合、連結 STS に割り当てることができるタイム スロットを示します。
Circuits ウィンドウの Status カラムに表示される回線のステータスは、回線パスの条件に基づいて、CTC により生成されます。 表11-2 に、Status カラムに表示されるステータスを示します。
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CTC で作成された回線に失われたクロスコネクトまたはネットワーク スパンがあります。送信元から宛先までの完全なパスが存在しないか、いずれかの回線ノードで Alarm Interface Panel(AIP; アラーム インターフェイス パネル)が変更されているため、回線は修正する必要があります(AIP にはノードの MAC アドレスが保存されます)。 CTC では、回線は、クロスコネクトおよびネットワーク スパンを使用して表されます。回線からネットワーク スパンが失われた場合、回線ステータスは PARTIAL になります。ただし、PARTIAL ステータスの場合、トラフィックが保護パス上で伝送されている場合もあるので、必ずしも回線のトラフィック障害を示しているとは限りません。 ネットワーク スパンのステートは、アップまたはダウンのいずれかです。CTC の回線およびネットワーク マップ上では、アップ スパンはグリーンの線で表示され、ダウン スパンはグレーの線で表示されます。CTC セッション中にネットワーク スパン上で障害が発生した場合、そのスパンはネットワーク マップ内に残りますが、色がグレーに変わり、スパンがダウンしたことを示します。障害が発生している状態で CTC セッションを再起動すると、新しい CTC セッションはそのスパンを検出できず、そのスパンに対応する線はネットワーク マップ上に表示されません。 その結果、ダウンしたネットワーク スパン上の回線は、現在の CTC セッション中は DISCOVERED と表示されますが、スパン障害後にログインしたユーザに対しては、PARTIAL として表示されます。 |
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TL1 で作成した回線、または TL1 と同様の CTC で作成した回線が作成されています。送信元から宛先までの完全なパスが存在します。 |
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TL1 で作成した回線または TL1 と同様の CTC で作成した回線に、クロスコネクトまたは回線スパン(ネットワーク リンク)の損失があります。送信元から宛先までの完全なパスは存在しません。 |
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トポロジーのアップグレード中、既存の回線がこのステートになります。トポロジーのアップグレードが完了すると、回線は DISCOVERED ステートに戻ります。トポロジーのアップグレードの詳細については、 第 12 章「SONET トポロジーおよびアップグレード」 を参照。 |
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トポロジーのアップグレード中の代替パスとして作成した新しい回線は、一時回線になるので、すべてこのステータスになります。これらの回線は、トポロジーのアップグレードに失敗した場合、削除できます。トポロジーのアップグレードの詳細については、 第 12 章「SONET トポロジーおよびアップグレード」 を参照。 |
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回線のサービス ステートは、回線内のクロスコネクト ステートの集約です。
• 回線内のすべてのクロスコネクトが In-Service and Normal(IS-NR)サービス ステートであれば、回線のサービス ステートは In-Service(IS)になります。
• 回線内のすべてのクロスコネクトが Out-of-Service and Management, Maintenance
(OOS-MA,MT)、Out-of-Service and Management, Disabled(OOS-MA, DSBLD)、または
Out-of-Service and Autonomous, Automatic In-Service(OOS-AU, AINS)など、Out-of-Service(OOS)サービス ステートの場合、回線のサービス ステートは Out-of-Service(OOS)になります。
• 回線内のクロスコネクト ステートがすべて IS-NR ではなく混在している場合、OOS 回線サービス ステートに PARTIAL が付加されます。OOS-PARTIAL ステートは、自動または手動でのステートの移行中に発生することがあります。たとえば、送信元または宛先として DS-1 または DS3XM カードを使用する回線に IS, AINS 管理ステートを割り当てた場合、OOS-PARTIAL が表示されます。クロスコネクトは IS-NR サービス ステートに移行するものと、OOS-AU, AINS に移行するものがあります。OOS-PARTIAL は、CTC クラッシュ、通信エラー、またはいずれかのクロスコネクトを変更できないなど、異常なイベントが原因で手動による移行を行う場合にも、表示されることがあります。トラブルシューティングの手順については、『 Cisco ONS 15454 Troubleshooting Guide 』を参照してください。OOS-PARTIAL 回線ステートは、OCHNC 回線タイプには適用されません。
回線のクロスコネクトには、次の 2 つの時点でステートを指定できます。
• 回線の作成中。Create Circuit ウィザードを使用してステートを設定します。
•回線の作成後。Edit Circuit ウィンドウ、または Tools > Circuits > Set Circuit State メニューを使用して、回線のステートを変更できます。
回線の作成中に、回線内のドロップ ポートにサービス ステートを適用できます。ただし、次の条件の場合、CTC はドロップ ポートに、IS-NR 以外のリクエストされたステートを適用しません。
• ポートがオーダワイヤまたはトンネル オーダワイヤ用にプロビジョニングされている
• ポートが DCC または DCC トンネルとしてプロビジョニングされている
• ポートが 1+1 またはBidirectional Line Switched Ring(BLSR; 双方向ライン スイッチ型リング)をサポートしている
回線はソーク タイマーを使用しませんが、ポートは使用します。ソーク時間は、信号を継続的に受信したあと、ポートが OOS-AU, AINS サービス ステートを持続する時間です。回線内のクロスコネクトが OOS-AU, AINS サービス ステートの場合、ONS 15454 はクロスコネクトのエラーなしの信号をモニタします。回線パスに割り当てられた各クロス コネクトが完了すると、回線のステートは OOS から IS または OOS-PARTIAL に移行します。これにより、TL1 を使用して回線をプロビジョニングしたり、パスの連続性を検証したり、ポートのソーク タイマーの指定時間内にエラーのない信号を受信した場合、ポートがサービス ステートになるように準備することができます。CTC を使用して回線をプロビジョニングする場合、通常、次の 2 つのステート変更を確認できます。
• VT 回線または VT トンネル内のクロスコネクトに IS, AINS 管理ステートを割り当てた場合、VT 回線上の送信元および宛先ポートは、ソーク タイマーの時間中にアラームなしの信号を受信するまでは、OOS-AU, AINS サービス ステートのままになります。ソーク タイマーが時間切れになり、アラームなしの信号が検出されると、VT 送信元ポートおよび宛先ポートのサービス ステートが IS-NR に移行し、回線のサービス ステートが IS になります。
• STS 回線内のクロスコネクトに IS, AINS 管理ステートを割り当てた場合、回線の送信元および宛先ポートは、OOS-AU, AINS サービス ステートに移行します。アラームなしの信号を受信しても、送信元および宛先ポートは、ソーク タイマーが時間切れになるまでは OOS-AU, AINS ステートのままです。ポートのソーク タイマーが時間切れになると、STS の送信元および宛先ポートは IS-NR に移行し、回線のサービス ステートが IS になります。
ポートの残りのソーク時間を表示するには、カード ビューで Maintenance > AINS Soak タブを選択し、Retrieve ボタンをクリックします。ポートが OOS-AU, AINS ステートで、正常な信号を受信している場合、Time Until IS カラムにソーク時間のカウントダウンが表示されます。ポートが OOS-AU, AINS ステートで、不正な信号を受信している場合、Time Until IS カラムに信号が不正であることが示されます。最新の残り時間を表示するには、Retrieve ボタンをクリックする必要があります。
ポートおよびクロスコネクトのステートの詳細については、 付録 B「管理ステートおよびサービス ステート」 を参照してください。
Circuits ウィンドウの Protection カラムには、回線パス全体に使用されるカード(ライン)保護と SONET トポロジ(パス)保護が示されます。 表11-3 に、このカラムに表示される保護タイプを示します。
ONS 15454 の回線情報は、Edit Circuit ウィンドウに表示される詳細な回線マップで確認できます。次のルーティング情報が表示されます。
• 回線が通過するノード、STS、および VT(スロットおよびポート番号を含む)
• Open Shortest Path First(OSPF)エリア ID
• リンク保護(UPSR、非保護、BLSR、1+1)および帯域幅(OC-N)
• 同じノード上または異なるノード上の 2 つのカード間のプロビジョン可能なパッチコード
BLSR の場合は、詳細マップに、BLSR ファイバの数と BLSR リング ID が示されます。UPSR の場合は、回線の送信元から宛先までのアクティブ パスとスタンバイ パス、および運用パスと保護パスが示されます。詳細な回線マップ上では、セレクタは五角形で表示されます。マップには、DRI ノードとして設定されているノードが示されます。VCAT 回線の場合、詳細マップには、VCAT 回線全体は表示されません。ただし、詳細マップから、個々のメンバーの回線ルートを確認できます。
また、回線マップには、次のアラームおよびステートが表示されます。
デフォルトでは、運用パスはグリーンの双方向矢印で示され、保護パスはパープルの双方向矢印で示されます。送信元ポートと宛先ポートは、それぞれ S および D という文字の付いた円で示されます。ポートのステートは、 表11-4 に示されている色で表示されます。
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詳細ビューでは、正方形または五角形のセレクタに表示される記号により、切り替えおよびループバック情報が示されます。
• L = Lockout Switch(ロックアウト切り替え)
• 矢印 = ファシリティ(外部)またはターミナル(内部)ループバック
ノード、ポート、およびスパン上にマウス カーソルを移動すると、ノード上のアラーム数(重大度別)、ポートのサービス ステート、保護トポロジーなどの情報を示すツールチップが表示されます。
詳細な回線マップ上でノード、ポート、またはスパンを右クリックすると、次の操作を実行できます。
• 単方向回線の宛先ノードを右クリックして、回線にドロップ ポイントを追加する
• パス トレース可能なカードを含むポートを右クリックして、パス トレースを開始する
• UPSR スパンを右クリックして、UPSR 回線内のパス セレクタのステートを変更する
図11-2に、4 ファイバの BLSR 上でルーティングされた VT 回線を示します。
ONS 15454 の XCVT、XC10G、および XC-VXC-10G クロスコネクト カードは、ポート間の Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重)をサポートしています。XCVT、XC10G、および XC-VXC-10G カードは、STS および VT1.5 多重化を実行します。
XCVT クロスコネクト カードの STS マトリクスには、288 の STS 終端に対応するキャパシティがあり、XC10G および XC-VXC-10G カードには 1152 の STS 終端に対応するキャパシティがあります。各 STS 回線には 2 つ以上(入力および出力)の終端が必要なので、XCVT カードには 144 の STS 回線に対応するキャパシティ、XC10G および XC-VXC-10G カードには 576 の STS 回線に対応するキャパシティがあります。ただし UPSR と 1+1 ノードでは、回線の送信元ノードと宛先ノードに 3 つの STS 終端、1+1 回線のパススルー ノードに 4 つの終端が必要なので、これらのノードではキャパシティは減少します。UPSR パススルー ノードに必要なのは、2 つの STS 終端だけです。
XCVT および XC10G カードは、XCVT または XC10G VT マトリクス上の 24 の論理 STS ポートで VT1.5 多重化を実行し、XC-VXC-10G カードは XC-VXC-10G VT マトリクス上の 96 の論理 STS ポートで VT1.5 多重化を実行します。各論理 STS ポートは 28 の VT1.5 を伝送できます。したがって、XCVT または XC10G の VT マトリクスには、672 の VT1.5 終端、または 336 の VT1.5 回線に対応するキャパシティがあります。XC-VXC-10G の VT マトリクスには、2688 の VT1.5 終端、または 1344 の VT1.5 回線に対応するキャパシティがあります。各回線には、入力用および出力用の 2 つの終端が必要です。ただし、このキャパシティは、次の条件を満たす場合にのみ実現されます。
• VT マトリクスのすべての STS ポートが 28 の VT1.5 を伝送している
たとえば、ドロップ カード上の STS-1 から VT1.5 回線を作成する場合、図11-3に示すように、2 つの VT マトリクス STS ポートを使用します。ドロップ カード上の同じ STS ポートから 2 つめの VT1.5 回線を作成する場合には、VT マトリクス上で追加の論理 STS ポートは使用されません。実際には、同じ STS-1 ポートを使用して、最大 28 の VT1.5 回線を作成できます。ただし、次の VT1.5 回線を別の STS から作成すると、図11-4に示すように、VT マトリクス上の追加の STS ポート ペアが使用されます。異なる EC-1 STS 上で VT1.5 回線の作成を続け、各回線を未使用の発信 STS にマップすると、XCVT または XC10G カードの場合には 12 の VT1.5 回線、XC-VXC-10G カードの場合には 48 の VT1.5 回線を作成した時点で、VT マトリクスのキャパシティは最大限に達します。
図11-3 1 つの STS 上の 1 つの VT1.5 回線
(注) DS1-14 および DS1N-14 を送信元または宛先とする回線は、VT マトリクス上の 1 つの STS ポートを使用します。DS-1 カードから作成できる VT1.5 回線は最大 14 なので、VT マトリクス上の未使用の VT1.5 は 14 です。
VT マトリクスのキャパシティは、SONET 保護トポロジ、および回線パス内のノードの位置によっても影響されます。UPSR ノードでのマトリクスの使用率は、BLSR および 1+1 ノードの場合よりも、わずかに高くなります。VT トンネルと集約ポイントを使用しない場合、回線はパススルー ノードで 2 つの VT マトリクス ポートを使用します。回線が VT トンネルまたは集約ポイント上でルーティングされる場合には、VT マトリクスのリソースは使用されません。 表11-5 に、VT 1.5 回線の基本的な STS ポートの使用数を示します。
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クロスコネクト カードのリソースは、Maintenance > Cross-Connect > Resource Usage タブで確認できます。このタブには、次の内容が表示されます。
• STS-1 Matrix ― 使用されている STS マトリクス リソースの割合。XCVT カードでは 288、XC10G および XC-VXC-10G カードでは 1152 の STS を使用できます。
• VT Matrix Ports ― 使用されている VT マトリクス ポート(論理 STS ポート)の割合。XCVT および XC10G カードでは、24 のポートを使用できます。XC-VXC-10G カードでは、96 のポートを使用できます。VT Port Matrix Detail には、使用されている各 VT マトリクス ポートの割合が示されます。
• VT Matrix ― 使用されている VT マトリクスの終端の割合。XCVT および XC10G カードには、672 の終端があります。672 は、論理 STS VT マトリクス ポート数(24)に、ポート単位の VT1.5 数(28)を乗じた値です。XC-VXC-10G カードには、2688 の終端があります。2688 は、論理 STS VT マトリクス ポート数(96)に、ポート単位の VT1.5 数(28)を乗じた値です。
クロスコネクト カードの VT マトリクスでリソースを最大限に利用するには、回線をプロビジョニングするときに、次の事項に留意してください。
• 次のポートまたは STS に移る前に、特定のポートまたは STS 上で 28 のすべての VT1.5 を使用します。
• VT1.5 回線の送信元および宛先として、EC-1、DS3XM、または OC-N カードを使用します。送信元または宛先がDS-1-14 または DS1N-14 である VT1.5 回線は、作成できる VT1.5 回線がわずか 14 であっても、VT マトリクスのすべてのポートを使用します。
• VT トンネルと VT 集約ポイントを使用すると、VT マトリクスの使用率を減らすことができます。VT トンネルを使用すると、VT1.5 回線はパススルー ノード上の VT マトリクスをバイパスできます。VT トンネルは STS として相互接続され、STS マトリクスのみを通過します。VT 集約ポイントでは、複数の VT1.5 回線を単一の STS に集約して、この集約ノードで VT マトリクスをバイパスできます。
DS3XM-12 カードには、DS-3 を VT1.5 に変更するためのポートレス トランスマックス インターフェイスがあります。XCVT ドロップ スロットの場合、DS3XM-12 カードは最大 6 のポートレス トランスマックス インターフェイスを提供します。XCVT トランク スロットおよび XC10G または XC-VXC-10G スロットの場合、DS3XM-12 カードは最大 12 のポートレス トランスマックス インターフェイスを提供します。2 つのポートをポートレス トランスマックスとして設定した場合、CTC で、これらのポートの 1 つを回線のエンド ポイントとする DS3/STS1 回線を作成できます。また、このポートレス トランスマックス ペアの他方のポートを使用して、個別の DS1/VT1.5 回線(最大 28)を作成できます。
DS3XM-12 カードを使用して回線を作成する場合、ポートレス ペアにより、マップした物理ポートがブロックされます。回線の作成中、CTC には、送信元または宛先ドロップダウン リストにブロックされた物理ポートは表示されません。 表11-6 に、XCVT ドロップ ポートのポートレス トランスマックス マッピングを示します。
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表11-7 に、XCVT トランク ポートおよび XC10G または XC-VXC-10G 任意スロット ポート用のポートレス トランスマックスを示します。
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SONET には、Network Element(NE;ネットワーク要素)のOperation,Administration,Maintenance,and Provisioning(OAM&P)用に 4 つの DCC が提供されています。1 つは SONET セクション レイヤ(DCC1)、3 つは SONET 回線層(DCC2、DCC3、および DCC4)にあります。ONS 15454 では、ONS 15454 の管理およびプロビジョニングに Section DCC(SDCC; セクション DCC)を使用します。SDCC および Line DCC(LDCC;ライン DCC)はそれぞれ、各チャネルに 192 Kbps の帯域幅を提供します。3 つの LDCC の集約帯域幅は、576 Kbps です。2 つの隣接ノード間に複数の DCC チャネルが存在する場合、ONS 15454 はロード バランシング アルゴリズムを使用して、既存の DCC チャネル上にトラフィックを分散します。このアルゴリズムでは、パケットのサイズと DCC の使用率に基づいて、パケットを伝送する DCC が選択されます。ONS 15454 ネットワークでサードパーティ製の SONET 機器をトンネルとして使用する場合、2 つのトンネリング方式を使用できます。従来の DCC トンネル、または IP カプセル化トンネルです。
従来の DCC トンネルでは、3 つの LDCC および SDCC を使用できます(ONS 15454の DCC 終端として使用されていない場合)。従来の DCC トンネルのエンドポイントは、スロット、ポート、および DCC によって定義されます。この場合の DCC は、SDCC または 1 つの LDCC です。LDCC は LDCC に、SDCC は SDCC にリンクできます。また、SDCC を LDCC に、LDCC を SDCC にリンクすることもできます。DCC トンネルを作成するには、トンネルのエンドポイントを、1 つの ONS 15454 光ポートから別の ONS 15454 光ポートへと接続します。ONS 15454 の DCC トンネル接続数は、最大 84(推奨)です。 表11-8 に、各種の OC-N カードを使用して作成できる DCC トンネルを示します。
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図11-5に、DCC トンネルの例を示します。ノード 1/スロット 3/ポート 1、およびノード 3/スロット 3/ポート 1 の OC-3 カードには、サードパーティ製の機器が接続されています。各 ONS 15454 のノードは、OC-48 トランク(スパン)カードで接続されています。この例では、3 つのトンネル接続が作成されています。ノード 1(OC-3 から OC-48 へ)、ノード 2(OC-48 から OC-48 へ)、およびノード 3(OC-48 から OC-3 へ)です。
DCC トンネルを作成する場合には、次のガイドラインに従ってください。
• 各 ONS 15454 に設定できる DCC トンネルは、最大 84 です。
• 各 ONS 15454 に設定できるSDCC 終端は、最大 84 です。
• 終端する SDCC は、DCC トンネルのエンドポイントとしては使用できません。
IP カプセル化トンネルは、送信元ノードで IP パケットに SDCC を組み込み、パケットを宛先ノードにダイナミックにルーティングします。従来の DCC トンネルと IP カプセル化トンネルを比較した場合、従来の DCC トンネルはネットワーク上の 1 つの専用パスとして設定されるので、パスがダウンしても、障害回復メカニズムは提供されません。IP カプセル化トンネルは仮想パスなので、異なるネットワーク間でトラフィックを伝送する場合、保護が提供されます。
IP カプセル化トンネルリングの場合、DCC ネットワークにトラフィックがフラッディングされ、CTC のパフォーマンスが低下する可能性があります。IP トンネルから発信されるデータは、SDCC の全帯域幅に対して数パーセントの割合で、ユーザが指定するレートに抑制できます。
各 ONS 15454 は、最大 10 の IP カプセル化トンネルをサポートします。従来の DCC トンネルと IP カプセル化トンネルは、相互に変換することができます。変換できるのは、DISCOVERED ステータスのトンネルだけです。
単方向の回線に複数の宛先を設定すると、ブロードキャスト回線スキームとして使用できます。ブロードキャスト設定では、トラフィックが 1 つの送信元から複数の宛先に送信されますが、トラフィックは送信元には戻されません。
単方向の回線を作成する場合、有効な入力信号で終端するバックプレーン受信(Rx)入力がカードに設定されていないと、Loss of Signal(LOS;信号損失)アラームが生成されます。アラームをマスクするには、LOS アラームを抑制するアラーム プロファイルを作成し、Rx 入力が終端されていないポートにプロファイルを適用します。
モニタ回線は、プライマリ双方向回線上のトラフィックをモニタするセカンダリ回線です。図11-6に、モニタ回線の例を示します。ノード 1 で、EC1-12 カードのポート 1 からの VT1.5 がドロップされています。VT1.5 トラフィックをモニタするには、EC1-12 カードのポート 2 にテスト装置を接続し、ポート 2 へのモニタ回線をプロビジョニングします。モニタ回線は単方向です。図11-6のモニタ回線は、EC1-12 カードのポート 1 が受信した VT1.5 トラフィックをモニタします。
図11-6 EC1-12 ポートで受信した VT1.5 のモニタ回線
UPSR セレクタを変更し、保護パスを切り替えるには、Edit Circuits ウィンドウを使用します(図11-7)。Edit Circuits ウィンドウの UPSR Selectors サブタブでは、次の操作を実行できます。
• Payload Defect Indication Path(PDI-P; ペイロード障害表示パス)設定の変更
(注) VT 信号の Bit Error Rate(BER;ビット エラー レート)モニタリングをサポートしていないノードの場合、UPSR Selectors タブの SF Ber Level および SD Ber Level カラムに「N/A」と表示されます。ソフトウェア Release 6.0 では、VT 信号の BER モニタリングをサポートしているのは Cisco ONS 15310-CL だけです。
UPSR Switch Counts サブタブでは、次の操作を実行できます。
ONS 15454 をサードパーティのネットワークに接続する場合、オープンエンドの UPSR 回線を作成し、その回線を経由して、回線をルーティングできます。これを実現するには、3 つの回線を作成します。1 つの回線は、送信元の ONS 15454 ネットワーク上で作成します。この回線には 1 つの送信元と、サードパーティのネットワークに接続している各 ONS 15454 に 1 つずつ、2 つの宛先を設定します。2 番めの回線は、ONS 15454 への 2 つのパスからネットワーク経由で回線を接続できるように、サードパーティのネットワーク上で作成します。この回線は、ネットワーク経由で、反対側のネットワークに接続している ONS 15454 に対し、2 つの回線信号をルーティングします。3 番めの回線は宛先ノードのネットワークで作成し、サードパーティのネットワークに接続している各ノードに 1 つずつ、2 つの送信元を設定します。宛先ノードのセレクタは、標準 UPSR 回線と同様に、ノードに到達した 2 つの信号のいずれかを選択します。
ゴーアンドリターン UPSR ルーティング オプションにより、UPSR 運用パスを 1 つのファイバ ペア上でルーティングし、保護パスを別のファイバ ペア上でルーティングできます(図11-8)。運用パスは、常に最短パスになります。障害が発生しても、運用ファイバおよび保護ファイバはいずれも影響を受けません。この機能を適用できるのは、双方向 UPSR 回線だけです。ゴーアンドリターン オプションは、[Circuit Creation] ウィザードの [Ciucuit Attributes] パネルに表示されます。
障害のない状態でも、トラフィックが BLSR 保護チャネルで伝送されるように回線をプロビジョニングできます。BLSR PCA 回線上でルーティングされるトラフィックは、余剰トラフィックと呼ばれ、運用チャネル上のトラフィックよりもプライオリティが低くなり、保護されません。リング切り替えまたはスパン切り替えが実行されると、PCA 回線は強制排除されます。たとえば、2 ファイバ OC-48 BLSR では、リング切り替えがアクティブでない場合、STS 25~48 で余剰トラフィックを伝送できますが、リング切り替えが発生した場合には、これらの STS 上の PCA 回線は強制排除されます。リング切り替えの原因となった状態が修復され、リング切り替えが解除されると、PCA 回線は復元します。BLSR がリバーティブとしてプロビジョニングされていれば、障害から回復し、リバージョン タイマーが期限切れになったあと、自動的に復元されます。
BLSR 保護チャネル上のトラフィックのプロビジョニングは、回線のプロビジョニング中に行います。Circuit Creation ウィザードで、Fully Protected Path をオフにすると Protection Channel Access チェックボックスが表示されます。詳細については、『 Cisco ONS 15454 Procedure Guide 』を参照してください。PCA 回線のプロビジョニングでは、次の 2 つの事項に留意することが重要です。
• BLSR が非リバーティブとしてプロビジョニングされていると、リングまたはスパン切り替え後、PCA 回線は自動的には復元されません。BLSR を手動で切り替える必要があります。
• BLSR を 2 ファイバから 4 ファイバへ、または ある光速度からより高速な光速度へアップグレードすると、PCA 回線は運用チャネルでルーティングされるようになります。たとえば、2 ファイバの OC-48 BLSR を OC-192 にアップグレードすると、OC-48 BLSR 上の STS 25~48 は、OC-192 BLSR の運用チャネルになります。
SONET J0 セクション、および J1 と J2 のパス トレースは、16 または 64 の連続バイトで構成される固定長文字列の繰り返しです。この文字列を使用して、回線トラフィックの中断または変更をモニタできます。
OC192-XFP および MRC-12 カードは、J0 セクション トレースをサポートしています。 表11-9 に、J1 パス トレースをサポートしている ONS 15454 カードを示します。DS-1 および DS-3 カードでは J1 フィールドを送受信できますが、EC-1、OC-3、OC-48 AS、および OC-192 カードでサポートされるのは、J1 バイトの受信だけです。表にリストされていないカードは、J1 バイトをサポートしていません。DS3XM-12 カードは、VT 回線の J2 パス トレースをサポートしています。
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DS1-141 |
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回線のドロップ ポートで受信した文字列が、ポートが予期していた文字列と一致しない場合、アラームが発生します。2 つのパス トレース モードを使用できます。
SONET フレーム内のオーバーヘッド バイトの 1 つに C2 バイトがあります。SONET 規格では、C2 バイトをパス信号ラベルとして定義しています。このバイトの目的は、STS Path Overhead(POH;パス オーバーヘッド)によってカプセル化されているペイロード タイプと通信することです。C2 バイトの機能は、EtherType およびイーサネット ネットワークの Logical Link Control(LLC; 論理リンク制御)/Subnetwork Access Protocol(SNAP; サブネットワーク アクセス プロトコル)のヘッダー フィールドと似ていますが、C2 バイトでは単一のインターフェイスで複数のペイロード タイプを同時に送信できます。 表11-10 に、C2 バイトの 16 進値を示します。
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SONET 上の High-level Data Link Control(HDLC;ハイレベル データリンク制御)のマッピング |
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終端カードを使用して回線をプロビジョニングした場合、終端カードは C2 バイトを提供します。VT 回線は XCVT、XC10G、または XC-VXC-10G カードで終端し、STS 終端カードへの C2 バイト(0x02)のダウンストリームを生成します。XCVT、XC10G、または XC-VXC-10G カードは、DS1 または DS3XM 終端カードへの C2 値(0x02)を生成します。終端カードを使用しないで光回線を作成する場合には、テスト機器を終端モードにしてパス オーバーヘッドを提供する必要があります。テスト機器がパススルー モードの場合、C2 値は通常 0x00~0xFF の範囲で頻繁に変化します。光回線に終端カードを追加することで、通常、C2 バイトの問題のある回線が修復されます。 表11-11 に、ペイロード障害を示す信号のラベル割り当てを示します。
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回線の作成中に自動ルーティングを選択すると、CTC は、保護ドメインに基づいて回線ルート全体をいくつかのセグメントに分割し、ルーティングを実行します。完全保護としてプロビジョニングされた回線の非保護セグメントに対しては、CTC により、そのセグメントを保護する代替ルートが検出され、仮想 UPSR が作成されます。回線パスの各セグメントは、それぞれ個別の保護ドメインになります。各保護ドメインは、カード保護(1+1、1:1 など)または SONET トポロジー(UPSR、BLSR など)を含む特定の保護スキームで保護されます。
• 回線ルーティングでは、ユーザ指定の、またはネットワーク固有の最短パスの使用が試みられます。VT トンネルは、CTC によるパス保護メッシュ ネットワーク内の回線パスの計算時にショートカットとみなされるので、VT 回線には VT トンネルを使用することを推奨します。
• 回線作成中に完全なパス保護を選択しなくても、回線に保護されたセグメントを含めることができます。回線ルーティングでは常に最短パスが選択されるので、1 つまたは複数のリンクまたはセグメントになんらかの保護を適用できます。CTC は、非保護回線パスの計算中にリンク保護を参照しません。
• 回線ルーティングでは、ダウンしているリンクは使用されません。すべてのリンクをルーティング対象にする場合には、いずれかのリンクがダウンしているときに回線を作成しないでください。
• 新しいドロップ ポイントを既存の回線に追加すると、回線ルーティングによって最短パスが計算されます。新しいドロップ ポイントから既存の回線の任意ノードまでの最短パスが検索されます。
• ネットワークに VT 対応ノードと VT 非対応ノードが混在している場合には、CTC により自動的に VT トンネルが作成されます。それ以外の場合、CTC に VT トンネルの必要性を確認するプロンプトが表示されます。
• 複数のトポロジー間で保護される回線を作成するには、共有ノード上に XCVT、XC10G、または XC-XVC-10G クロスコネクト カードを装着します。
• STS 回線の場合、ネットワークに DS3XM-12 カードが組み込まれていれば、ポートレス トランスマックス インターフェイスを使用できます。CTC は、指定したノードのポートレス トランスマックス インターフェイス上に回線を自動的にルーティングし、エンドツーエンドの STS 回線を作成します。
特定のネットワーク内で、CTC は、保護およびタイプなどの回線アトリビュートに基づいて、送信元と宛先間の可能な最短パス上で回線をルーティングします。CTC は、次の要件を満たしているリンクだけを回線に使用します。
• リンクに、BLSR と同じタイム スロット制限を強制できるタイム スロットがある
CTC がこれらの要件を満たすリンクを検出できない場合、エラーが表示されます。
VT トンネル上の VT 回線にも、同じ論理が適用されます。VT トンネルは特定の送信元と宛先間のショートカットなので、回線のルーティングには通常、VT トンネルが使用されます。ルート内の VT トンネルがフル稼働している(予備の帯域幅がない)場合、CTC では追加の VT トンネルを作成するかどうかの確認が行われます。
CTC は、回線のセカンダリ送信元および宛先(ドロップ)をサポートしています。セカンダリ送信元および宛先は通常、図11-9に示すように、2 つのサードパーティ ネットワークを相互接続します。トラフィックは、ONS 15454 のネットワークを通過している間、保護されます。
セカンダリ送信元および宛先には、いくつかの規則が適用されます。
• 単方向回線の場合、回線作成後にいつでも追加の宛先を指定できるので、CTC ではセカンダリ宛先を設定できません。
• 送信元および宛先を、DS-3、DS3XM、または DS-1 ベースの STS-1 または VT1.5 にすることはできません。
• セカンダリ送信元および宛先は、通常の STS/VT1.5 接続(VT トンネルおよびマルチカード EtherSwitch 回線以外)に対してのみ許可されます。
• ポイントツーポイント(ストレート)イーサネット回線の場合、複数の送信元または宛先として指定できるのは、SONET STS のエンドポイントだけです。
双方向回線の場合、CTC では送信元ノードに UPSR 接続が作成され、ONS 15454 ネットワーク上の 2 つの送信元のうちのどちらかをトラフィックとして選択できます。回線の作成時に Fully Path Protected オプションをオンにすると、ONS 15454 ネットワーク上でトラフィックが保護されます。宛先では、ONS 15454 ネットワークからのトラフィックを 2 つの宛先へブリッジするために、別の UPSR 接続が作成されます。宛先から送信元へのトラフィックの逆フローについても、同様の逆方向のパスが存在します。
• ルートに沿った各リンク上での特定の STS/VT1.5 の選択
• マルチカード EtherSwitch 回線の共有パケット リングの作成
• マルチカード EtherSwitch 回線の保護パスの選択(仮想 UPSR セグメントを使用可)
• 共有パケット リング内のマルチカード EtherSwitch 回線を除くすべての回線には、送信元から宛先に向けて流れるリンクが存在する必要があります。これは、共有パケット リング内に存在しないマルチカード EtherSwitch 回線にも当てはまります。
• パスの完全保護を有効にする場合には、すべての非保護セグメントについて、ダイバース保護(代替)パスを選択します(図11-10)。
• マルチカード EtherSwitch 回線の場合、Fully Path Protected オプションは無視されます。
• 選択したリンクに基づく UPSR セレクタが存在するノードの場合、UPSR セレクタへの入力リンクを 1+1 または BLSR で保護することはできません(図11-11)。UPSR ブリッジにも同じ規則が適用されます。
図11-11 1+1 または BLSR 保護リンクと UPSR の混在
• 共有パケット リング内では、送信元から宛先、さらに宛先から送信元までのルーティングがサポートされるマルチカード EtherSwitch 回線リンクを選択します(図11-12)。これ以外の場合、ループ付きの選択したルート(リンクのセット)は無効になります。
図11-12 イーサネット共有パケット リングのルーティング
• 送信元または宛先が UPSR ドメイン内に存在しない場合、マルチカード EtherSwitch 回線に仮想 UPSR セグメントを設定できます。この制約は回線の作成後にも適用されます。したがって、UPSR セグメントのある回線を作成する場合、イーサネットの宛先を UPSR セグメント上に設定することはできません(図11-13)。
• VT トンネルを UPSR セグメントのエンドポイントにすることはできません。UPSR セグメントのエンドポイントには、UPSR セレクタが存在します。
完全なパス保護をプロビジョニングした場合は、CTC ではすべてのセグメントでルート選択が保護されているかどうかが検証されます。1 つのルートに、それぞれ別のスキームで保護される複数の保護ドメインを存在させることができます。
表11-12 ~表11-15 に、使用可能なノード接続の概要を示します。この表に記載されていない組み合わせは無効で、エラーが生成されます。
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仮想 UPSR セグメントは VT トンネル内で使用可能ですが、VT トンネルは非保護とみなされます。VT 回線を保護する必要がある場合には、個別にルーティングされる 2 つの独立した VT トンネルを使用するか、1+1、BLSR、または 1+1 と BLSR の混在リンク上でルーティングされる VT トンネルを使用します。
回線の作成時には、完全に保護されたパスを選択し、送信元から宛先までの回線を保護できます。使用される保護メカニズムは、CTC が回線について計算するパスによって異なります。ネットワーク全体が BLSR または 1+1 リンクで構成されている場合、または送信元から宛先までのパス全体を 1+1 または BLSR リンクを使用して保護できる場合には、Path-Protected Mesh Network(PPMN; パス保護メッシュ ネットワーク)、または仮想 UPSR 保護は使用されません。
PPMN によりパスを保護する必要がある場合には、Circuit Creation ダイアログボックスの Circuit Routing References 領域で、完全パスの PPMN 部分について、次のようにノード ダイバーシティ レベルを設定します。
• Nodal Diversity Required ― 完全パスの各 PPMN ドメインのプライマリ パスおよび代替パスに、ノードのダイバース セットを設定します。
• Nodal Diversity Desired ― CTC により、ノード ダイバース パスを検索します。ノード ダイバース パスを使用できない場合、完全パスの各 PPMN ドメインについてリンク ダイバース パスを検索します。
• Link Diversity Only ― 各 PPMN ドメインについて、リンク ダイバース パスだけを作成します。
回線の作成時に自動回線ルーティングを選択した場合、ルート計算に含める、または除外するノードとリンクを選択できます。このオプションを使用すると、次の結果が得られます。
• 手動ルーティングの簡略化(特にネットワークが大規模で、すべてのスパンを選択するのに手間がかかるような場合)。送信元から宛先までの一般的なルートを選択し、CTC の画面でルートの詳細を入力できます。
• ネットワーク トラフィックの分散。CTC のデフォルトでは、最短パスが選択されるので、他のリンクの帯域幅がほとんど使用されていない場合でも、特定のリンク上のトラフィック負荷だけが増大することがあります。必要なノードまたはリンクを選択し、CTC にエレメントを強制的に使用(または除外)させることで、ネットワーク リソースをより効率的に使用できます。
CTC は、指定したノードとリンクを、一連のエレメント セットであるとみなします。指定したすべてのリンクの送信元ノードは、必要なノードとして処理されます。CTC はパスの計算時に、指定された一連のノードとリンクを通過し、除外されたノードとリンクは通過しないルートを選択します。
必要なノードとリンクの制約は、プライマリ パスの計算時と、PPMN ドメインおよびセグメントだけに適用されます。代替パスは、通常どおり計算されます。つまり、PPMN 上のすべてのプライマリ パスと代替パスを検索するときには、除外されていたノードやリンクもその対象となります。
Virtual Concatenated(VCAT)回線は、VCAT グループ(VCG)とも呼ばれ、連続していない TDM タイム スロットを使用してトラフィックを伝送することにより、Contiguous Concatenated(CCAT)回線で発生する帯域幅のフラグメンテーション問題を回避します。VCAT 回線は、CE-100T-8、FC_MR-4(ライン レートおよび拡張モード)、および ML シリーズ カードでサポートされます。
VCAT 回線では、回線の帯域幅が、VCAT メンバーと呼ばれる小さな回線に分割されます。個々のメンバーは、独立した TDM 回線として動作します。VCAT メンバーはすべて、同じサイズで、始点および終点が同じでなければなりません。2 ファイバ BLSR 構成の場合には、一部のメンバーは保護されたタイム スロット上でルーティングされ、他のメンバーは PCA タイム スロット上でルーティングされることがあります。
VCAT 回線のステートは、すべてのメンバー回線の集約ステートです。Edit Circuits ウィンドウの VCAT State カラムで、各 VCAT メンバーが In Group であるか Out of Group であるかを確認できます。
• すべてのメンバー回線が IS ステートであれば、VCAT 回線のステートは IS になります。
• すべての In Group メンバー回線が OOS ステートであれば、VCAT 回線ステートは OOS になります。
• メンバー回線が存在しない、またはすべてのメンバー回線が Out of Group の場合、VCAT 回線ステートは OOS になります。
• In Group メンバーのステートがさまざまで、IS ステートではないメンバーが含まれている場合、VCAT 回線は OOS-PARTIAL ステートになります。
VCAT 回線全体で、自動または手動でのルーティングを選択できます。つまり、すべてのメンバーを手動または自動でルーティングします。双方向 VCAT 回線は対称設定となり、各方向で同数のメンバーがトラフィックを伝送します。自動ルーティングでは、各メンバーの制約を指定できます。手動ルーティングでは、各メンバーに異なるスパンを選択できます。
VCAT メンバーの自動または手動ルーティングでは、2 つのタイプを使用できます。共通ファイバ ルーティングおよびスプリット ルーティングです。CE-100T-8、FC_MR-4(ライン レートおよび拡張モード)、および ML シリーズ カードは、共通ファイバ ルーティングをサポートしています。共通ファイバ ルーティングでは、すべての VCAT メンバーが同じファイバを使用するので、メンバー間の遅延は発生しません。共通ファイバ ルーティングには、3 つの保護オプションを適用できます。完全保護、PCA、および非保護です。図11-14に、共通ファイバ ルーティングの例を示します。
CE-100T-8 カードはまた、各メンバーを異なるファイバ上にルーティングしたり、各メンバーに異なるルーティング制約を指定できる、スプリット ファイバ ルーティングをサポートしています。このモードでは、帯域幅を最大限に効率的に使用できます。遅延差が発生する可能性がありますが、これは終端カード上のバッファで処理します。スプリット ファイバ ルーティングには、4 つの保護オプションを適用できます。完全保護、PCA、非保護、および DRI です。図11-15に、スプリット ファイバ ルーティングの例を示します。
共通ファイバ ルーティングでも、スプリット ファイバ ルーティングでも、各メンバーに異なる保護スキームを適用できます。ただし、共通ファイバ ルーティングの場合には、有効なルートが存在するかどうかを確認するために、CTC により保護スキームの組み合わせが確認されます。有効なルートが存在しない場合、保護タイプを変更する必要があります。共通ファイバ ルーティングでも、スプリット ファイバ ルーティングでも、中間ノードは、VCAT メンバーを 個別にルーティングされ、SONET ネットワークで保護された標準回線として処理します。メンバー回線は、終端ノード上で、連続するデータ ストリームとして多重化されます。
CE-100T-8 カードは、Link Capacity Adjustment Scheme(LCAS)をサポートしています。これは、VCAT 回線の帯域幅をダイナミックに調整できるシグナリング プロトコルです。いずれかのメンバーに障害が発生すると、トラフィックが瞬間的に中断されます。LCAS は、障害が回復されるまで、障害のあるメンバーを VCAT 回線から一時的に除外し、他のメンバーにはトラフィックの伝送を継続させます。障害から回復すると、トラフィックには影響せずに、そのメンバー回線を VCAT 回線に自動的に復帰させます。LCAS は、VCAT 回線の作成時に選択できます。
(注) LCAS の動作はエラーを生じませんが、SONET のエラーが 1 つまたは複数の VCAT メンバーに影響することがあります。この場合には、VCAT Group Degraded(VCG-DEG)アラームが発生します。アラームをクリアする方法については、『Cisco ONS 15454 Troubleshooting Guide』を参照してください。
FC_MR-4(拡張モード)および ML シリーズ カードは、LCAS の代わりに Software LCAS(SW-LCAS)をサポートしています。SW-LCAS は、LCAS の限定された機能で、VCAT 回線のメンバー障害が発生した場合、帯域幅を減らした状態でトラフィックの伝送を継続できます。SW-LCAS は、AIS-P および Remote Defect Indication, Path(RDI-P)などの従来の SONET 障害インジケータを使用して、メンバーの障害を検出します。SW-LCAS は、障害が発生したメンバーを VCAT 回線から除外し、残りのメンバーにはトラフィックの伝送を継続させます。障害から回復すると、そのメンバー回線を VCAT 回線に自動的に復帰させます。ML シリーズ カードでは、SW-LCAS により 2 ファイバ BLSR 上で回線ペアを設定できます。回線ペア機能では、2 つの ML シリーズ カード間に VCAT 回線が設定されます。1 つは保護された回線(ライン保護)、もう 1 つは PCA 回線です。4 ファイバ BLSR の場合、メンバー保護を混在させることはできません。SW-LCAS は、VCAT 回線の作成時に選択します。FC_MR-4(ライン レート モード)は、SW-LCAS をサポートしていません。
LCAS または SW-LCAS を使用しない、非 LCAS VCAT 回線を作成することもできす。LCAS および SW-LCAS のメンバーのクロスコネクトは異なるサービス ステートに対応していますが、In Group の非 LCAS メンバーのクロスコネクトは、同じサービス ステートにする必要があります。In Group メンバーが同じサービス ステートであれば、非 LCAS 回線に Out of Group および In Group のメンバーを混在させることができます。非 LCAS メンバーは、OOS-MA, OOG サービス ステートをサポートしていません。非 LCAS メンバーを Out of Group VCAT ステートにするには、OOS-MA, DSBLD 管理ステートを使用します。
(注) LCAS および非 LCAS VCAT 回線の保護スイッチングには、60 ミリ秒以上かかることがあります。VT VCAT 回線では、STS VCAT 回線の約 2 倍のトラフィック損失が発生します。トラフィック損失は、パスの遅延差を減少することにより、最小限に抑制できます。
表11-16 に、VCAT 回線のサポート対象レート、および各カードのメンバー数を示します。
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1~32 |
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2.CE-100T-8 カードを送信元または宛先とする場合、および ML シリーズ カードを送信元または宛先とする場合、VCAT 回線のメンバー数は 2 に限定されます。 |
VCAT 回線のメンバーを追加または削除するには、Edit Circuit ウィンドウの Members タブを使用します。メンバーの追加または削除の機能は、カードによって、および VCAT 回線が LCAS、SW-LCAS、または非 LCAS であるかによって異なります。
• CE-100T-8 カード ― サービスに影響せずに、LCAS VCAT 回線のメンバーを追加または削除できます。LCAS VCAT 回線のメンバーを削除する前に、メンバーを OOS-MA, OOG サービス ステートにすることを推奨します。CE-100T-8 カード上で非 LCAS VCAT 回線を作成した場合、回線のメンバーを追加および削除できますが、サービスに影響します。
• FC_MR-4(拡張モード)カード ― SW-LCAS VCAT メンバーを追加または削除できますが、サービスに影響することがあります。メンバーを削除する前に、メンバーを OOS-MA, OOG サービス ステートにすることを推奨します。FC_MR-4 カードの場合、非 LCAS VCAT 回線のメンバーを追加または削除することはできません。
• FC_MR-4(ライン モード)カード ― FC_MR-4(ライン モード)カードを使用する VCAT 回線はすべて、メンバー数が固定されています。メンバーを追加または削除することはできません。
• ML シリーズ カード ― ML シリーズ カードを使用する VCAT 回線はすべて、メンバー数が固定されています。メンバーを追加または削除することはできません。
表11-17 に、各カードの VCAT 機能の要約を示します。
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あり3 |
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3.CE-100T-8 カードの場合、非保護の VCAT 回線の作成後にメンバーを追加または削除できます。メンバーの追加または削除の処理中(数秒~数分)は、VCAT 回線全体のトラフィック伝送が中断されます。 |
CTC の Bridge and Roll ウィザードでは、サービスを中断せずに、ライブ トラフィックのルートを変更できます。ブリッジ プロセスは、指定された「roll from」ファシリティからのトラフィックを、指定された「roll to」ファシリティにクロスコネクトします。受信側のエンドポイントでブリッジ信号が確認されると、ロール プロセスにより、新しい信号を受信するための新しいクロスコネクトが作成されます。ロールが完了すると、元のクロスコネクトは解除されます。ブリッジおよびロール機能は、カードまたはファシリティの交換などのメンテナンス作業、またはロード バランシングに使用できます。ブリッジおよびロールは、次の ONS プラットフォームで実行できます。ONS 15454、ONS 15454 SDH、ONS 15600、ONS 15327、および ONS 15310-CL
Rolls ウィンドウには、ロール プロセスが完了する前に、ロールされた回線の情報が表示されます。Rolls ウィンドウにアクセスするには、ネットワーク ビューまたはノード ビューで Circuits > Rolls タブをクリックします。図11-16に、Rolls ウィンドウを示します。
• Roll From Circuit ― ロール プロセスの完了後、使用されなくなる接続を持つ回線
• Roll To Circuit ― ロール プロセスの完了後、トラフィックを伝送する回線。単一回線上でロールを実行する場合、Roll To Circuit は Roll From Circuit と同じになります。
• Roll State ― ロースのステータス。「ロールのステータス」を参照
• Roll Valid Signal ― Roll Valid Signal ステータスが true であれば、新しいポートで有効な信号が検出されています。Roll Valid Signal ステータスが false の場合、有効な信号が検出されていません。単方向の宛先ロールの場合、Roll Valid Signal ステータスは true になりません。
• Roll Mode ― ロールが自動モードまたは手動モードのどちらであるかを示します。
(注) CTC は、回線レベルでロール モードを実現します。TL1 は、クロスコネクト レベルでロール モードを実現します。シングル ロールを実行する場合には、CTC と TL1 の動作は同じです。デュアル ロールを実行する場合には、CTC に指定したロール モードが、TL1 で検索されるロール モードと異なることがあります。たとえば、自動を選択すると、CTC はバックグラウンドで手動モードを使用し、トラフィックの中断が最小限になるように 2 つのロールを調整します。両方のロールに正常が信号が検出されると、CTC はノードにロールの完了を通知します。
–Automatic ― 新しいパス上で有効な信号を受信すると、CTC はノードでのロールを自動的に完了します。単方向の送信元ロールは、常に自動です。
–Manual ― 有効な信号を受信したあと、手動でロールを完了する必要があります。単方向の宛先ロールは、常に手動です。
• Roll Path ― ロール オブジェクトの固定ポイント
• Roll From Circuit ― プロセスの完了後、使用されなくなる接続を持つ回線
• Roll From Path ― 再ルーティングされた元のパス
• Roll To Path ― Roll From Path が再ルーティングされた新しいパス
• Complete ― 有効な信号を受信したあと、手動でロールを完了します。ロールを完了できるのは、手動ロールが ROLL_PENDING ステータスで、ロールをまだ完了していない場合、または関連ロールを取り消していない場合です。
• Force Valid Signal ― 有効な信号が検出されなくても、ロールを Roll To Circuit の宛先に強制的に変更します。
(注) Force Valid Signal を選択すると、ロールの完了後、ロールに含まれている回線上のトラフィックがドロップされます。
• Finish ― 手動および自動の両方のロールの回線処理を完了し、回線ステータスを
ROLL_PENDING から DISCOVERED に変更します。ロール完了後、Finish ボタンを選択すると、Roll From Circuit フィールドから、使用されなくなったすべてのクロスコネクトが削除されます。
(注) ロール モードが手動の場合、Complete ボタンをクリックしないと、ロールを取り消すことはできません。ロール モードが自動の場合、ロールを取り消すことができるのは、ノードが正常な信号を検出する前、または Force Valid Signal ボタンをクリックする前だけです。
表11-18 に、ロールのステータスを示します。
(注) 再ルーティングできるのは、DISCOVERED ステータスの回線だけです。ROLL_PENDING ステータスの回線の再ルーティングはできません。
回線には、シングルまたはデュアルのロール タイプの追加レイヤがあります。回線のシングル ロールは、1 つのクロスコネクト上でのロールです。シングル ロールは、次の場合に使用します。
• 選択した回線の送信元または宛先のいずれかを変更する(図11-17および図11-18)。
• 回線のセグメントを、選択した別の回線にロールする(図11-19)。この場合、新しい宛先または新しい送信元が設定されます。
図11-17では、ノード 1 の任意の使用可能な STS を新しい送信元として選択できます。
図11-18では、ノード 2 の任意の使用可能な STS を新しい宛先として選択できます。
図11-19では、1 つの回線を宛先が別の回線にロールしています。新しい回線は、ノード 1、ノード 3、およびノード 4 でクロスコネクトします。ロール完了後、CTC はノード 2 のクロスコネクトを削除します。
図11-19 1 つの回線から他の回線へのシングル ロール(宛先の変更)
図11-20では、1 つの回線を送信元が別の回線にロールしています。
図11-20 1 つの回線から他の回線へのシングル ロール(送信元の変更)
(注) Roll To Circuit を作成してから、送信元がノード 3、宛先がノード 4 である回線をロールします。
デュアル ロールには、2 つのクロスコネクトが含まれます。これにより、元の送信元と宛先は変更せずに、回線の中間セグメントを再ルーティングできます。新しいセグメントに新しいクロスコネクトが必要な場合には、Bridge and Roll ウィザードを使用するか、新しい回線を作成してロールを実行します。
• デュアル ロールでは、ロールした 2 つのクロスコネクトを両方とも完了するか、両方とも取り消す必要があります。1 つのロールを完了し、他方のロールを取り消すことはできません。
• デュアル ロールに Roll To Circuit を指定する場合には、最初のロールを Roll To Circuit の送信元、2 番めのロールを Roll To Circuit の宛先にロールする必要があります。
図11-21に、同じ回線上でのデュアル ロールを示します。
図11-22に、2 つの回線上でのデュアル ロールを示します。
図11-22 デュアル ロールによる異なるノードへの再ルーティング
(注) Bridge and Roll ウィザードを使用してノード 3 およびノード 4 に新しいセグメントを作成すると、作成した回線の名前は元の回線の名前と同じになり、接尾辞 _ROLL** が付加されます。この回線の送信元はノード 3、宛先はノード 4 です。
ブリッジおよびロール機能により、2 つの回線を使用してトラフィックを再ルーティングする場合には、次の制約が適用されます。
• ロールを作成する前に、ロールに含める回線上で DCC を有効にしておく必要があります。
• 2 つの回線間に 2 つのロールを指定する場合には、両方のロールを元の回線上で作成する必要があります。2 番めの回線では、ライブ トラフィックを伝送すべきではありません。2 つのロールは、2 番めの回線から元の回線にループします。2 つのロールのロール モード(自動または手動)は一致している必要があります。
• 回線に 1 つのロールが存在する場合には、接続を 2 番めの回線の中間ノードではなく、送信元または宛先にロールする必要があります。
CTC では、どちらのパスがアクティブであるかに関係なく、運用パスまたは保護パスをロールすることができます。非保護の回線を完全保護の回線にアップグレードしたり、完全保護の回線を UPSR 回線以外の非保護の回線にダウングレードできます。UPSR 回線上でブリッジおよびロールを使用する場合には、送信元、宛先、またはデュアル ロールで両方のパス セレクタをロールできます。ただし、1 つのパス セレクタだけをロールすることはできません。
回線をマージすると、選択した 1 つの回線が、1 つまたは複数の回線と結合されます。マージできるのは、VT トンネル、VAP 回線、CTC で作成した回線、および TL1 で作成した回線です。回線をマージするには、CTC の Circuits ウィンドウで回線を選択し、Edit Circuits ウィンドウの Merge タブで、選択した(マスター)回線と結合する回線を選択します。Merge タブには、マスター回線と結合できる回線だけが表示されます。
• 回線クロスコネクトでは、単一の連続するパスを作成する必要があります。
• 回線のタイプは、互換性がなければなりません。たとえば、STS 回線と VAP 回線を結合して、より長い VAP 回線を作成することはできますが、VT 回線と STS 回線を結合することはできません。
• 回線の方向は、互換性がなければなりません。単方向と双方向の回線を結合することはできますが、逆方向の 2 つの単方向回線を結合することはできません。
• 回線のエンドポイントが、同じフレーム同期形式で送受信している必要があります。
• 結合した回線が、DISCOVERED 回線になる必要があります。
マスター回線からのすべての接続と、結合した回線からのすべての接続が整合し、単一の完全な回線を形成していれば、マージは成功です。マスター回線からのすべての接続と、他の回線からの一部の接続の整合によって、単一の完全な回線が形成されている場合には、CTC に通知が表示され、マージ処理を取り消すことができます。処理を続行すると、整合された接続は正常に結合してマスター回線となりますが、整合していない接続は元の回線に残ります。
マージを完了して回線を結合するには、マスター回線のすべての接続と、他の選択した回線の最低 1 つの接続が使用されている必要があります。マージに失敗した場合、マスター回線および他のすべての回線は、元の状態のままです。回線のマージが正常に完了すると、結果として生成された回線が、マスター回線と同じ名前になります。
オーダワイヤと、フレーム ペイロードの代わりにオーバーヘッド バイトを使用してデータを伝送する User Data Channel(UDC)オーバーヘッド回線をマージすることもできます。オーバーヘッド回線をマージするには、ネットワーク ビューの Provisioning > Overhead Circuits ウィンドウで、オーバーヘッド回線を選択します。マージできるのは、オーダワイヤと UDC 回線だけです。
PARTIAL ステータスの回線が多数ある場合には、複数の回線を再構成することができます。複数の回線を再構成する場合、DISCOVERED、PARTIAL、DISCOVERED_TL1、または PARTIAL_TL1 回線を任意の組み合わせで選択できます。再構成できるのは、トンネル、VAP 回線、VLAN 指定の回線、CTC で作成した回線、および TL1 で作成した回線です。
選択した回線を再構成するには、CTC の Tools > Circuits > Reconfigure Circuits メニューを使用します。再構成を実行すると、CTC は、パスのサイズ、方向、配置に基づいて、選択した回線のすべての接続を新たな回線として再構築します。マージされる回線もあれば、複数の回線に分割される回線もあります。再構成された回線が有効な回線であれば、DISCOVERED 回線として表示されます。有効でない場合、回線は PARTIAL または PARTIAL_TL1 になります。
(注) PARTIAL トンネルおよび PARTIAL VLAN 対応回線は、再構成を実行しても、複数の回線に分割されることはありません。