クラスタ管理の概要
ここでは、次の内容について説明します。
• 「クラスタ管理」
• 「クラスタ サーバ環境」
• 「マスター サーバ ロール」
• 「分散サーバ タスク」
• 「サーバ タスク分散におけるクラスタ変更の影響」
クラスタ管理
クラスタ管理を使用すると、サーバ クラスタで動作するように設定された DCNM-LAN サーバに関する情報を表示できます。クラスタで動作するように DCNM-LAN サーバが設定されていない場合、クラスタ管理機能では単一サーバに関する情報を表示できます。
クラスタ管理の要約ペインに表示される各サーバについて、DCNM-LAN のリリース番号、Java バージョン、オペレーティング システム、システム スレッド、メモリ利用状況、IP アドレス、ディスク ドライブの使用状況などの情報を表示できます。
クラスタ サーバ環境
サーバ クラスタに DCNM-LAN を配置できます。1 つのクラスタには最大 5 つの DCNM-LAN サーバを配置できます。1 つのクラスタ内にある複数の DCNM-LAN サーバは、マルチキャスト IP メッセージを使用して通信します。クラスタ型サーバ配置の主な利点は、DCNM-LAN で実行するデバイス管理タスクの処理性能が向上することです。クラスタ型のサーバ配置により、DCNM-LAN サーバのアベイラビリティも確保できます。DCNM-LAN は、クラスタ内のすべてのサーバ間でタスクを分散させます。クラスタ内のサーバは常にアクティブであり、スタンバイ モードになることはありません。
クラスタ サーバの配置に関するサーバ システムとネットワークの要件、およびサーバ クラスタのインストール手順の詳細については、『 Cisco DCNM Installation and Licensing Guide, Release 5.x 』を参照してください。
マスター サーバ ロール
DCNM-LAN サーバ クラスタ内の 1 つのサーバがマスター サーバです。マスター サーバの役割は、自身を含め、サーバ クラスタ内のすべてのサーバにタスクを割り当てることです。タスクは DCNM-LAN データベースに保存されます。マスター サーバに障害が発生した場合、マスター サーバ ロールを担うサーバがデータベース内のタスクにアクセスできます。
ユーザは DCNM-LAN クライアントへのログイン時に、マスター サーバの IP アドレスまたは DNS 名を指定する必要があります。マスター サーバに要求を送信すると、マスター サーバは必要に応じてタスクを分散させます。
DCNM-LAN は、サーバの開始時間が早い順にどのサーバがマスター サーバであるかを判断します。最初に開始された DCNM-LAN サーバが、常にサーバ クラスタのマスター サーバになります。マスター サーバに障害が発生した場合、その次に開始時間の早い DCNM-LAN サーバがマスター サーバ ロールを担います。クラスタ内でサーバを開始する順序を制御することにより、マスター サーバにするサーバを制御できます。
分散サーバ タスク
マスター サーバは、管理対象デバイスをサーバ クラスタ内のサーバに割り当てることで、タスクを分散させます。たとえば、4 つのサーバから成るクラスタで、DCNM-LAN が 20 台のデバイスを管理している場合、マスター サーバは自身を含めて 5 台の管理対象デバイスを各サーバに割り当てます。
マスター サーバがサーバにデバイスを割り当てた後、サーバはそのデバイスに対して次のタスクを実行します。
• デバイスとの自動同期化:システム メッセージ ログ ファイルをデバイスから定期的に取得します。自動同期化の詳細については、「デバイスとの自動同期化の管理」を参照してください。
• 統計データ収集:仮想ポート チャネル(vPC)の統計情報を除き、デバイスの統計データ コレクタを実行します。マスター サーバは常に、vPC 統計情報の統計データ コレクタを実行します。統計データ収集の詳細については、「統計データ収集の管理」を参照してください。
• デバイス ディスカバリ:デバイスに対してデバイス コンフィギュレーション ディスカバリを実行しますが、デバイス ディスカバリの残りのフェーズはマスター サーバが実行します。デバイス ディスカバリのフェーズについては、「ディスカバリ プロセス」を参照してください。
たとえば、DC-NEXUS-7010-3 というスイッチのデバイス ディスカバリを開始した場合、マスター サーバはデバイス ディスカバリの初期フェーズを実行します。次に、DC-NEXUS-7010-3 のデバイス コンフィギュレーション ディスカバリ フェーズをクラスタ内のいずれかのサーバに割り当て、ディスカバリ タスクが均等に分散されるようにします。ディスカバリが完了すると、マスター サーバは DC-NEXUS-7010-3 を、管理しているデバイス数が最も少ないサーバに割り当てます。マスター サーバは、DC-NEXUS-7010-3 の自動同期化を実行するように、割り当てたサーバに指示します。DCNM-LAN クライアント ユーザが DC-NEXUS-7010-3 で管理される機能の統計図を開始すると、マスター サーバは割り当てられたサーバに対し、図の統計データ コレクタを実行するように指示します。
サーバ タスク分散におけるクラスタ変更の影響
サーバがクラスタに参加する、またはクラスタから脱退するとき、マスター サーバは常に、サーバに対する管理対象デバイスの割り当てを、クラスタ内のサーバ間で均等になるように分散させます。 表 22-1 で、具体的なイベントに対する DCNM-LAN サーバ クラスタの動作を説明します。
表 22-1 クラスタ変更イベントと動作
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マスター サーバの停止または障害の発生時 |
最も開始時間の早いサーバがマスター サーバになり、クラスタ内に残っているサーバ間で均等になるように管理対象デバイスの割り当てを分散させます。クラスタ サイズが減少するため、各サーバに割り当たるデバイス数は増加します。 |
サーバの停止または障害の発生時 |
マスター サーバは、クラスタ内に残っているサーバ間で均等になるように管理対象デバイスの割り当てを分散させます。クラスタ サイズが減少するため、各サーバに割り当たるデバイス数は増加します。 |
ユーザによって開始されたデバイス コンフィギュレーションの展開を実行中にサーバに障害が発生した場合 |
メンバーのサーバに障害が発生し、ユーザによって開始されたデバイス コンフィギュレーションの展開が完了しなかった場合、展開に失敗し、デバイス コンフィギュレーションを展開するサーバ タスクは消失します。 展開の消失から復旧するには、設定手順を繰り返し、設定を再度展開する必要があります。失敗の結果、デバイスが「Unmanaged」になることもあり、この場合は、デバイスを再検出してから設定手順を繰り返す必要があります。 マスター サーバは、クラスタ内に残っているサーバ間で均等になるように管理対象デバイスの割り当てを分散させます。クラスタ サイズが減少するため、各サーバに割り当たるデバイス数は増加します。 |
サーバの開始時 |
マスター サーバは、クラスタ内に残っているサーバ間で均等になるように管理対象デバイスの割り当てを分散させます。クラスタ サイズが増加するため、各サーバに割り当たるデバイス数は減少します。 |
クラスタ管理のライセンス要件
次の表に、この機能のライセンス要件を示します。
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DCNM-LAN |
クラスタ管理にライセンスは必要ありません。ライセンス パッケージに含まれていない機能は DCNM-LAN にバンドルされており、無料で提供されます。Cisco DCNM LAN エンタープライズ ライセンスの取得とインストールの詳細については、『 Cisco DCNM Installation and Licensing Guide, Release 5.x 』を参照してください。 |
クラスタ管理の前提条件
クラスタ管理機能には次の前提条件があります。
• クラスタ内のサーバは、クラスタ サーバの要件を満たしている必要があります。詳細については、『 Cisco DCNM Installation and Licensing Guide, Release 5.x 』を参照してください。
クラスタ管理の注意事項と制約事項
クラスタ管理機能には次の制約事項があります。
• クラスタ管理機能では、実行中のサーバに関する情報だけを表示します。クラスタ内のサーバの停止または障害が発生すると、そのサーバはクラスタから脱退しているように見え、クラスタ管理機能ではそのサーバの情報は表示されません。
サーバ情報の表示
サーバ クラスタとして動作するように設定された DCNM-LAN サーバに関する情報を表示できます。サーバ クラスタのメンバーとして動作するように設定されていない単一サーバを使用している場合は、クラスタ管理機能を使用して、そのサーバに関する情報を表示できます。
手順の詳細
ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[DCNM Server Administration] > [Cluster Administration] の順に選択します。
[Summary] ペインに、インストール中にクラスタに割り当てられたパーティション名でクラスタが表示されます。単一サーバ環境では、インストール中に割り当てられたパーティション名を維持します。
ステップ 2 クラスタを展開します。
[Summary] ペインに、サーバに関する情報とともに、クラスタ内の各 DCNM-LAN サーバが一覧表示されます。
ヒント サーバ情報を更新するには、ツールバーで [View] > [Refresh] の順に選択します。
ステップ 3 (任意)ディスク使用状況の情報を表示する場合は、[Details] タブで [Logical Disk(s)] セクションを展開します。
クラスタ管理のフィールドの説明
ここでは、クラスタ管理機能における次の各フィールドについて説明します。
• 「[Summary] ペイン」
• 「[Server]:[Details] タブ」
[Summary] ペイン
表 22-2 クラスタ管理の [Summary] ペイン
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Cluster partition name |
表示のみ。 サーバ ソフトウェアのインストール時に DCNM-LAN サーバ パーティションに割り当てた名前。 (注) [Summary] ペインの残りのフィールドは、クラスタ内の特定のサーバに関するものです。 |
IP Address |
表示のみ。 DCNM-LAN サーバの IPv4 アドレス。現在、このサーバがサーバ クラスタ内のマスター サーバである場合、[IP Address] フィールドでも、そのサーバがマスター サーバであることが表示されます。 |
DCNM-LAN Version |
表示のみ。 サーバが実行している DCNM-LAN のリリース番号。 |
Java Version |
表示のみ。 CNM-LAN サーバが使用中の Java バージョン。 |
Total Threads |
表示のみ。 サーバ システム上の DCNM-LAN ソフトウェアが使用している処理中スレッド数。 |
Memory Utilization (Percentage) |
表示のみ。 サーバ システム上の DCNM-LAN ソフトウェアで使用しているシステム メモリのパーセンテージ。 |
Last Local Refresh Time |
表示のみ。 クライアントが最後に更新情報を受信したときの DCNM-LAN サーバのローカル日時。 |
[Server]:[Details] タブ
表 22-3 [Server]:[Details] タブ
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このセクションのフィールドには、[Summary] ペインの同じ名前のフィールドと同じ情報が表示されます。 |
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Name |
表示のみ。 デバイスの名前。 |
Size (MB) |
表示のみ。 ドライブの合計容量(MB 単位)。 |
Free Space (MB) |
表示のみ。 ドライブ上で使用可能な MB 単位の数値。 |
その他の関連資料
クラスタ管理に関する追加情報については、次を参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準」
標準
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この機能によってサポートされる新しい標準または変更された標準はありません。またこの機能による既存標準のサポートに変更はありません。 |
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クラスタ管理機能の履歴
表 22-4 は、この機能のリリースの履歴です。
表 22-4 クラスタ管理機能の履歴
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クラスタ管理 |
5.0(2) |
サポートが追加されました。 |