Prime Network 統合層のインストール
Prime Network は、Multi-Technology Operations Systems Interface(MTOSI)および 3rd Generation Partnership Project(3GPP)ノースバウンド インターフェイスで使用することもできます。それには、Prime Network 統合層(PN-IL)を MTOSI および 3 gpp バンドルと併せてインストールする必要があります。
(注) Prime Network をスイート モードで使用する予定の場合、PN-IL のインストールが必須となります。
PN-IL サーバでは、Prime Network が MTOSI および 3GPP API を Simple Object Access Protocol(SOAP)で公開できるようになっています。統合層で MTOSI および 3GPP インターフェイスを公開することで、クライアントが登録して通知を受信できるようにします。統合層で公開される MTOSI および 3GPP のインターフェイスについては、『 Cisco Prime Network OSS Guide 』を参照してください。OSS クライアントではこれらの標準的なベンダー拡張 API を使用して Prime Network を統合できます。
PN-IL をインストールするには、GUI ウィザードを使用する方法(推奨される方法)と CLI コマンドを使用する方法の 2 つがあります。
次のトピックで PN-IL のインストール関連のタスクを説明します。
(注) インストール済みの統合層を最新バージョンにアップグレードする場合は、Prime Network 統合レイヤ(PN-IL)のアップグレードを参照してください。
PN-IL インストールの前提条件
PN IL のインストールを開始する前に、次の点を確認してください。
- Prime Network が完全にインストールされていること。
- PN IL に必要なポートが使用可能であること。 Prime Network 統合層のポートを参照してください。PN-IL で使用するポートをデフォルトから変更するには、PN-IL で使用するポートを変更するを参照してください。
- システムで 4 GB 以上の RAM が使用可能であること。これは、 top コマンドを使用して確認できます。
- システムの temp ディレクトリに 1 GB 以上の空き領域があること。
- GUI(インストール ウィザード)を使用してインストールする場合は、以下の点を確認します。
– ウィザードを起動する予定のローカル マシンに X クライアント アプリケーション(Xming など)がインストールされていること。
– ウィザードを起動する予定のローカル マシンに Telnet/SSH クライアント(PuTTY など)がインストールされていて、X11 転送が有効になっていること。
– マシン上の最大ユーザ プロセス数が 2048 を超えていること。これを確認するには、次のコマンドを実行します。
インストール ウィザードを使用して PN-IL をインストールする
GUI インストール ウィザードを使用すると、PN-IL を素早く簡単にインストールできます。
はじめる前に
PN-IL をインストールするための前提条件がすべて満たされていることを確認します。PN-IL インストールの前提条件を参照してください。
手順 1 X クライアント アプリケーション(Xming など)を起動します。
手順 2 ルート ユーザとして、Prime Network ゲートウェイ サーバに対してターミナルを起動します。
手順 3 DVD ドライブに Disk 2: Software and Documentation を挿入します。(インストール DVDを参照)。
手順 4 mount コマンドを使用して、挿入した DVD をマウントし、マウント ディレクトリに移動します。
手順 5 マウント ディレクトリ内で PNIntegrationLayer_v1.9.0.bin ファイルを見つけて実行します。これにより、インストール ウィザードが起動します。
./PNIntegrationLayer_v1.9.0.bin
手順 6 [Welcome] ページに表示される概要を読んでから、[Next] をクリックします。
手順 7 [License] ページで使用許諾条件に同意し、[Next] をクリックします。
手順 8 [Prime Network Credentials] ページで、次の情報を入力してから [Next] をクリックします。
- [Operating System user]:Prime Network ゲートウェイのインストール時に定義した、Prime Network オペレーティング システムのユーザ名。
- [Prime Network Root User]:Prime Network ゲートウェイのインストール時に定義した、ルート ユーザのユーザ名。
- [Prime Network Root User Password]:ルート ユーザのパスワード。
手順 9 Prime Network クレデンシャルの入力後、ディスク スペースと RAM のインストール チェックが行われ、Prime Network がスタンドアロン モードまたはスイート モードのどちらでインストールされているかが識別されます。[OK] をクリックしてインストールを続行します。
図 10-1 PN-IL インストール ウィザード - Prime Network クレデンシャル
手順 10 [Port Details] ページに、PN-IL で使用するポートが一覧表示されます。これらのポートが使用可能であることを確認します。[Next] をクリックします。
手順 11 [Pre-Installation Summary] ページでインストールの要約をレビューします。変更する必要があるユーザ入力がある場合は、[Previous] をクリックします。そうでなければ、[Install] をクリックして続行します。
手順 12 Prime Network で 3GPP サービスを実行するために、次のコマンドを使用して NBI スクリプトを有効にします。
install/scripts/accessconfig.sh nbi enable
手順 13 PN-IL を再起動します。
$PRIMEHOME/bin/itgctl restart
手順 14 インストールが完了したら、[Done] をクリックしてウィザードを閉じます。
手順 15 Prime Network ユーザ(たとえば、pn432)としてゲートウェイ上の Prime Network bin ディレクトリにログインし、次のコマンドを実行して PN-IL がインストールされていることを確認します。
統合層のステータスは [Restarted] となっているはずです。
(注) PN-IL のインストールが完了すると、PN-IL インストール ディレクトリを指す新しい環境変数 $PRIMEHOME が作成されます。
CLI を使用して PN-IL をインストールする
はじめる前に
PN-IL をインストールするための前提条件がすべて満たされていることを確認します。PN-IL インストールの前提条件を参照してください。
次の手順に従って PN-IL をインストールします。
手順 1 PN-IL をインストールする Prime Network ゲートウェイ サーバ上で、ルート ユーザとしてターミナルを開きます。
手順 2 DVD ドライブに Disk 2: Software and Documentation を挿入します。
手順 3 mount コマンドを使用して、挿入した DVD をマウントし、マウントの場所に移動します。
手順 4 ユーザを pnuser に切り替えます。
手順 5 PN-IL のインストール ディレクトリ(この例では pnil)を作成します。
mkdir -p $PRIME_NETWORK_HOME/pnil
手順 6 このディレクトリに、マウント ロケーションから PN-IL インストール tar ファイルをコピーします。
cp /mnt/**/Integration/sil-esb-x.x.x.tar.gz $PRIME_NETWORK_HOME/pnil-directory
手順 7 tar ファイルをコピーしたディレクトリに移動し、PN-IL インストール tar を抽出します。
cd $PRIME_NETWORK_HOME/pnil-directory
tar -zxf sil-esb-x.x.x.tar.gz
手順 8 インストール tar を抽出したディレクトリに移動し、インストール スクリプトを実行します。
cd sil-esb-x.x.x./install/packages/
./installAndConfigureEsb.sh
手順 9 次のコマンドを使用して、ユーザ プロファイルをリロードします。
source $PRIME_NETWORK_HOME/.cshrc
インストールでは、次の処理が行われます。
- $PRIMEHOME 変数を PN-IL ホーム ディレクトリに設定します。
- 3 分間隔で PN-IL ステータスをチェックするように PN-IL ヘルス モニタを設定します。
手順 10 PN-IL をスタンドアロン モードで設定するために、 pnuser として次のコマンドを実行します。
(注) Prime Network がスイート モードでインストールされている場合は、Prime Network が Prime Central に統合された後、スイート モードで実行するように PN-IL を設定する必要があります。『Cisco Prime Central Quick Start Guide』を参照してください。
手順 11 cd で現在のディレクトリをパス $PRIMEHOME/bin に変更します。
itgctl config 1 --anaPtpServer ana_host_ip --anaPtpUser user --anaPtpPw password --authURL pnetwork-authentication-URL
値は次のとおりです。
- user は、Prime Network ルート ユーザ(通常は root )です。
- password は、Prime Network ルート ユーザのパスワードです。
- pnetwork-authentication-URL は、Prime Network 呼び出しを認証するために使用する URL(通常は https://localhost:6081/ana/services/username)です。
手順 12 Prime Network で 3GPP サービスを実行するために、次のコマンドを使用して NBI スクリプトを有効にします。
install/scripts/accessconfig.sh nbi enable
手順 13 PN-IL を再起動します。
$PRIMEHOME/bin/itgctl restart
PN-IL ヘルス モニタを有効化/無効化する
PN-IL ヘルス モニタは 3 分間隔で PN-IL ステータスをチェックします。何らかの理由でサービスがダウンしている場合、ヘルス モニタは PN-IL を再起動します。
(たとえばメンテナンス期間に)PN-IL が自動的に再起動されないようにするには、手動でヘルス モニタを無効化する必要があります。それには、pnuser として次のコマンドを入力します。
$PRIMEHOME/local/scripts/il-watch-dog.sh disable
ヘルス モニタを再び有効化するには、次のコマンドを入力します。
$PRIMEHOME/local/scripts/il-watch-dog.sh enable
(注) デフォルトでは、PN-IL ヘルス モニタは無効化されています。
Prime Network 統合層の FTP サーバを管理する
各 PN-IL FTP サーバには、フェールオーバー オプションまたはレプリケーション オプションを使用してプライマリとセカンダリの FTP サーバが設定されます。
- フェールオーバー:プライマリ サーバが到達不可能の場合、ファイルはセカンダリ FTP サーバに転送されます。セカンダリ サーバも到達不可能な場合、ファイルはローカル マシン上の設定済みディレクトリにコピーされます。
- レプリケーション:ファイルはプライマリとセカンダリ両方の FTP サーバに転送されます。
PN-IL ディレクトリに格納されているスクリプト(ftpConfig.sh)は、PN-IL インストール ディレクトリ内にあります。デフォルトの場所は $PRIMEHOME /esb/bin です。
ファイル転送コンポーネントに変更を加えるには、次のオプションを指定した ftpConfig.sh スクリプトを使用します。
ftpConfig.sh [ -help ] [ -ftp enable | disable ] [ -localDir new-location ] [ -replication enable | disable ] [- clearConfig ] [- display ]
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-help |
スタンドアロンの統合層で使用できる FTP オプションを表示します。 |
-ftp enable | disable |
FTP サービスを有効化/無効化します。 |
-localDir new-location |
ファイル転送が無効な場合に使用するローカル マシン上のストレージ ディレクトリを変更します(デフォルトは /tmp)。 |
-replication enable | disable |
プライマリとセカンダリ両方の FTP サーバでの XML ファイルとステータス ファイルのレプリケーションを有効化/無効化します。ファイルの保管先を調べるには、PN-IL の複製ファイルの保管先を参照してください。 |
-clearConfig |
FTP 設定をクリアします。スタンドアロンの統合層サーバの FTP 設定をクリアするを参照してください。 |
- display options |
FTP 設定を表示します。次の オプション を使用できます。 |
im [ -hostOption primary | secondary ] |
3GPP のインベントリ管理インターフェイス タイプに対して設定されているすべてのサーバを表示します。プライマリ サーバまたはセカンダリ サーバを指定するには、 -hostOption を指定します。 |
global |
3GPP のすべての管理インターフェイス タイプのプライマリおよびセカンダリ サーバの FTP 設定を表示します。 |
all |
グローバル FTP 設定を表示します。 |
PN-IL の複製ファイルの保管先
表 10-1 に、レプリケーションが有効化/無効化されている場合のファイルの保管先を記載します。チェック マークは、FTP 詳細が特定の FTP サーバに対して設定されていることを示します。
表 10-1 レプリケーションが有効化/無効化されている場合の FTP 設定
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○ |
○ |
プライマリ |
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○ |
プライマリ |
○ |
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○ |
セカンダリ |
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○ |
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プライマリ |
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プライマリ、セカンダリ |
スタンドアロンの統合層サーバの FTP 設定をクリアする
設定をクリアするには、サーバのタイプに応じて次のいずれかのコマンドを使用します。
./ftpConfig.sh -clearConfig true -hostOption primary -mgmtDataType global
./ftpConfig.sh -clearConfig true -hostOption secondary -mgmtDataType global
./ftpConfig.sh -clearConfig true -hostOption primary -mgmtDataType im
./ftpConfig.sh -clearConfig true -hostOption secondary -mgmtDataType im
PN-IL で使用するポートを変更する
ここでは、Prime Network 統合層のポートに記載されているデフォルトのポートを変更する方法を説明します。
(注) この手順では、PN-IL を停止します。3 分後にヘルス モニタによって自動的に PN-IL が再起動されないようにするには、PN-IL ヘルス モニタを有効化/無効化するで説明する手順に従ってヘルス モニタを無効化してください。
NIO および SSL のポートを変更する
デフォルトでは、NIO および SSL 転送ポートはそれぞれ 61616、61615 となっています。ポート番号を変更するには、次の手順に従います。
手順 1 $PRIMEHOME/es b /etc/activemq.broker.cfg ファイルを次のように編集します。
- [nioTransportPort] の値を未使用のポート番号(61614 など)に変更します。
- [sslTransportPort] の値を未使用のポート番号(61613 など)に変更します。
手順 2 $PRIMEHOME/e sb /etc/com.cisco.prime.esb.jms.cfg ファイルを編集して、[prime.connection.port] の値を手順 1 で使用した [nioTransportPort] 値に変更します。
手順 3 activemq.broker.cfg ファイルと com.cisco.prime.esb.jms.cfg ファイルを保存して閉じます。
手順 4 $PRIMEHOME/bin ディレクトリから itgctl stop を呼び出して、統合層サーバを停止します。
MTOSI Web サービスのポートを変更する
デフォルトでは、MTOSI Web サービスはポート 9110 で実装されます。ポート番号を変更するには、次の手順に従います。
手順 1 $PRIMEHOME/esb/etc/com.cisco.prime.esb.mtosi.cfg ファイルを開き、[mtosiPort] の値を未使用のポート番号に変更します。
手順 2 com.cisco.prime.esb.mtosi.cfg ファイルを保存して閉じます。
手順 3 $PRIMEHOME/bin ディレクトリから itgctl stop を呼び出して、統合層サーバを停止します。
3GPP Web サービスのポートを変更する
デフォルトでは、3GPP Web サービスはポート 9220 で実装されます。ポート番号を変更するには、次の手順に従います。
手順 1 $PRIMEHOME/esb/etc/com.cisco.prime.esb.tgpp.cfg ファイルを開き、[tgppPort] の値を未使用のポート番号に変更します。
手順 2 com.cisco.prime.esb.tgpp.cfg ファイルを保存して閉じます。
手順 3 $PRIMEHOME/bin ディレクトリから itgctl stop を呼び出して、統合層サーバを停止します。
アラーム Web サービスのポートを変更する
デフォルトでは、アラーム Web サービスはポート 9020 で実装されます。ポート番号を変更するには、次の手順に従います。
手順 1 $PRIMEHOME/esb/etc/com.cisco.prime.esb.alarm.cfg ファイルを開き、[alarmMgmtPort] の値を未使用のポート番号に変更します。
手順 2 com.cisco.prime.esb.alarm.cfg ファイルを保存して閉じます。
手順 3 $PRIMEHOME/bin ディレクトリから itgctl stop を呼び出して、統合層サーバを停止します。
PN-IL をスタンドアロン モードからスイート モードに移行する
スタンドアロン モードでインストールされた Prime Network が、その後スイート モードに移行されてスイートの一部として機能するようになった場合、PN-IL もスイート モードに移行する必要があります。それには、インストール ウィザードを使用できます。
インストール時に、システムはスイート モードへの移行が必要であることを自動的に検出し、ユーザから移行の確認を受けてから、スイート モードに関連するインストールと設定を続行します。
PN-IL をスイート モードに移行するには、次の手順に従います。
手順 1 Prime Network ユーザとして Prime Network ゲートウェイにログインします。
手順 2 次のコマンドを使用して、PN-IL インスタンスを停止してから PN-IL ヘルス チェッカーを無効化します。
$PRIMEHOME/bin/itgctl stop
$PRIMEHOME/local/scripts/il-watch-dog.sh disable
手順 3 インストール ウィザードを起動して、インストール ウィザードを使用して PN-IL をインストールするのステップ 1 からステップ 8 まで実行します。
手順 4 Prime Network クレデンシャルの入力後、システムで Prime Network がスイート モードでインストールされていることが識別されます。表示されるメッセージで、[Continue Migration] をクリックします。
図 10-2 スイート モードへの移行
手順 5 [Port Details] ページで、[Next] をクリックします。
手順 6 [Pre-Installation Summary] ページで、インストール モードが [Suite Mode Deployment] に設定されていることを確認してから、[Install] をクリックします。
手順 7 インストールが完了したら、[Done] をクリックしてウィザードを閉じます。