設置の準備

Cisco NCS 5700 シャーシを設置する前に、設置場所を準備する必要があります。

場所の準備には、次の作業が含まれます。

設置ロードマップの確認

次の図は、Cisco NCS 5700 シリーズ固定ポートシャーシとそのコンポーネントを設置する手順、および運用に向けてシステムを準備する手順を示しています。このワークフローを参考にして、すべてのコンポーネントを正しい順序で適切に設置してください。各ステップの詳細については、本設置ガイドのそれぞれのセクションを参照してください。

図 1. インストール ワークフロー

安全に関する注意事項の確認

このマニュアルに記載されている手順を実行する前に、人身事故や機器の損傷を防ぐために、ここで説明する安全に関する注意事項を確認してください。人身事故または機器の損傷を防ぐために、次の注意事項に従ってください。これらの注意事項にすべての危険が含まれているわけではないため、常に注意してください。

  • 設置中および設置後は、作業場所を清潔で埃がない状態に保ってください。レーザーベースのコンポーネント内に汚れや埃が入らないように注意してください。

  • ゆったりした衣服、装身具など、ルータやその他の関連コンポーネントに引っかかる可能性があるものは着用しないでください。

  • シスコの装置は、その仕様および製品使用手順に従って使用した場合に、安全に運用できます。

  • 固定構成 PDU やモジュラ構成電源シェルフは、シャーシから取り外す前に電源を落としてください。

  • 危険が生じる可能性がある場合は、1 人で作業しないでください。

  • 複数の装置を電源回路に接続するときは、配線が過負荷にならないように注意してください。

  • この装置は、接地させる必要があります。アース導体を破損しないよう注意し、アース導体を正しく取り付けないまま装置を稼働させないでください。アースが適切かどうかはっきりしない場合は、電気検査機関または電気技術者に連絡してください。

  • 怪我またはシャーシの破損を防ぐために、モジュール(電源装置、ファン、またはカードなど)のハンドルを持ってシャーシを持ち上げたり、傾けたりすることは絶対に避けてください。これらのハンドルは、シャーシの重さを支えるようには設計されていません。

  • システムの稼働中は、バックプレーンに高電圧が流れています。作業を行うときは注意してください。

  • 装置を設置または交換するときには、必ずアースを最初に接続し、最後に取り外します。

  • ラックの安定装置をかけるか、ラックを床にボルトで固定してから、保守のために装置を取り外す必要があります。ラックを安定させないと、転倒することがあります。


警告


ステートメント 1051 - レーザー放射

接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。


NEBS に関する注意および規格準拠宣言

NEBS GR-1089-CORE の注意、規格準拠宣言、および要件を次に示します。

  • 装置またはサブアセンブリの屋内ポートでは、シールドされた建物内配線または、両端がアースに接続された配線を使用する必要があります。


注意    


機器またはサブアセンブリの屋内ポートは、建物内配線や非露出配線、またはケーブル配線のみの接続に適しています。機器またはサブアセンブリの屋内ポートは、OSP またはその配線につながるインターフェイスに金属的に接続しないでください。これらのインターフェイスは、屋内インターフェイス専用(GR-1089-CORE に記載されたタイプ 2 ポートまたはタイプ 4 ポート)に設計されており、屋外用の OSP ケーブルと区別する必要があります。一次保護装置を追加しても、これらのインターフェイスを OSP 配線に金属的に接続するには不十分です。
  • 製品には、外部のサージ保護デバイス(SPD)が AC 電源供給装置で使用される展開用の AC 電源ポートがあります(国内の電気規定の定義を参照してください)。

  • この製品は共通ボンディング網(CBN)導入を前提に設計されています。

  • この製品は、国内の電気規定が適用されるネットワーク通信設備や場所に設置できます。

  • 電導経路を必ず本製品のシャーシと製品を搭載するラックまたは筺体の金属面との間に設置するか、またはアース導体に接続するようにしてください。ネジ山を形成するタイプの取り付けネジを使用して塗料または非導電コートを除去し、金属間接点を作ることにより必ず電気的導通を確保してください。取り付け金具と筺体またはラックとの接触面の塗料または非導電コートはすべて除去してください。設置する前に必ず表面の汚れを除去し、腐食防止剤を塗布してください。

  • このシステムへの DC 戻り接続は、システムフレームとシャーシ(DC-I)から絶縁したままにする必要があります。

  • 公称 DC 動作電圧は -48 VDC です。

設置に関する注意事項の確認

シャーシを設置する前に、次の注意事項を満たしていることを確認してください。

  • 設置およびメンテナンスを行うのに十分なスペースが確保されているサイトが準備されていること。シャーシの設置に必要なスペースの仕様については、「スペース要件」を参照してください。

  • 動作環境が『Cisco Network Convergence System 5700 Series: NCS-57B1 Fixed Chassis Data Sheet』の「Environmental properties」の表に記載されている範囲内にあること。

    ラックにスタビライザが付いている場合は、スタビライザを取り付けてから、ラックにシャーシを設置したり、ラック内のシャーシを保守したりすること。

  • シャーシがラック内に入っている唯一の装置である場合は、ラックの一番下に取り付けること。

  • 別の装置が設置されているラックにシャーシを設置する場合は、最も重量のある装置をラックの一番下にして、重い順に下から上に設置すること。

  • シャーシの周辺や通気口からのエアーフローが妨げられないこと。

  • ケーブルがラジオ、電源コード、蛍光灯などの電気ノイズの発生源から遠ざけて配線されていること。また、ケーブルを損傷する可能性のある他の装置から離して安全に配線すること。

  • 光モジュール接続のケーブル要件については、「トランシーバおよびケーブルの仕様」の項を参照してください。各ポートはケーブルの反対側の波長仕様と一致させる必要があります。また、ケーブルは最大のケーブル長を超えないものとします。

スペース要件

固定ポート シャーシには、前面から背面へのエアーフローが必要です。吸気/排気のために、前面と背面には少なくとも 15.24 cm(6.0 インチ)以上のスペースを設ける必要があります。背面にはさらに 15.24 cm(6.0 インチ)のスペースを設けて、電源モジュールとファンモジュールの取り出し、取り付けを行えるようにしてください。

図 2. スペース要件

1

シャーシ

4

背面の吸気/排気用に 15.24 cm(6.0 インチ)のスペース

2

前面の吸気/排気用に 15.24 cm(6.0 インチ)のスペース

5

電源モジュールとファンモジュールの取り出し、取り付け用にさらに 15.24 cm(6.0 インチ)のスペース

(注)  

 
NCS-57C3-MOD 電源はシャーシの前面から取り付けます。したがって、NCS-57C3-MOD シャーシの背面には追加のスペースは必要ありません。

3

シャーシの奥行:

  • NCS-57B1:59.944cm(23.6 インチ)

  • NCS-57C3-MOD:31.88cm(12.55 インチ)

  • NCS-57C1:50.00 cm(19.68 インチ)

  • NCS-57D2:59.99 cm(23.62 インチ)


(注)  


  • 温度は、装置の吸気口で測定されます。

  • 温度は海抜ゼロメートルで有効です。高度が上がると、最大許容温度は低くなります。高度が 300 m 上がるごとに 1°C低下します。

  • 1 つのファンに障害が発生した場合、最大許容温度は指定された温度より低くなります。

  • エアーフィルタが目詰まりしている場合は、記載されている温度より低い温度でも温度アラームが発生することがあります。


エアーフローの方向

Cisco NCS 5700 シリーズ ルータのファン トレイと電源モジュールを通るエアーフローは、モジュールの発注仕様に応じて、ポート側排気またはポート側吸気となります。適切なエアーフローを確保するため、ルータの設置時は空気取り入れ口がコールドアイルに、排気口がホットアイルに配置されるようにする必要があります。

図 3. ポート側吸気エアーフローの方向
図 4. ポート側排気エアーフローの方向

工具と部品の調達

シャーシを取り付けるための次の工具および機器を用意します。

  • シャーシをラックマウントするためのトルク調整可能な #1 および #2 プラス ドライバ

  • 3/16 インチ マイナス ドライバ

  • メジャーおよび水準器

  • 静電気防止用リスト ストラップなどの静電気防止用器具

  • 静電気防止用マットまたは静電気防止材

  • アダプタを取り付けるためのトルクス T15 ドライバまたはトルクス T15 キー

  • アース線(6 AWG を推奨します)。地域および各国の規定に適合するサイズを使用してください。アース線の長さは、スイッチから適切なアース場所までの距離に応じて異なります。

  • アース ラグ(1)

  • ラグ端子の寸法に適した圧着工具

  • ワイヤ ストリッパ

  • (ANSI)一組の 19 インチ取り付けブラケット

  • ブラケットを固定するための M4 ネジ(16)

  • アース ラグを固定するための M4 ネジ(2)

固定ポートルータ用のアクセサリキット

次の表に、固定ポートルータのアクセサリキットの PID と、アクセサリキットに含まれている品目を示します。アクセサリキットにあるラックマウントキットには、設置に必要なネジとブラケットが含まれています。

表 1. アクセサリキット情報

ルータ

アクセサリキット1

アクセサリキット 1 の品目

NCS-57C1-48Q6-SYS / NCS-57C1-48Q6D-S

NC57-1RU-ACC-KIT1

19 インチ 4 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-1RU-ACC-KIT2

19 インチ 2 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-1RU-ACC-KIT3

23 インチ 4 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-1RU-ACC-KIT4

23 インチ 2 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NCS-57C1-CAB-MGMT

ケーブル管理キット

NCS-57B1-6D24-SYS

8200-1RU-KIT

ラックマウントキットおよびアースラグキット

NCS-57B1-5DSE-SYS

NCS-57D2-18DD-SYS

NC57-2RU-ACC-KIT

19 インチ 4 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-2RU-ACC-KIT2

19 インチ 2 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-2RU-ACC-KIT3

23 インチ 4 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-2RU-ACC-KIT4

23 インチ 2 支柱ラックマウントキットおよびアースラグキット

NC57-2RU-FILTER

エアー フィルタ

NCS-57C3-MOD-SE-S

NC57-3RU-ACC-KIT

ラックマウントキットおよびアースラグキット

NCS 57C3-MOD-S

設置場所の準備

ここでは、シャーシを収容する建物を適切にアース接続する方法について説明します。


(注)  


このイメージは説明のみを目的としています。接地の要件は建物によって異なります。


図 5. アース接続されたラック ルームのある建物

設置場所の計画のエアーフロー

表 2. Cisco NCS 5700 のエアーフロー

デバイス

最大システム温度での最大システムエアーフロー(CFM)

NCS-57B1-5DSE-SYS

150

NCS-57B1-6D24-SYS

NCS-57C1-48Q6-SYS

NCS-57D2-18DD-SYS

150

NCS-57C3-MOD-S

350

NCS-57C3-MOD-SE-S

作業者の準備

ここでは、密封された静電気防止袋からシャーシを取り出す前の作業者の準備について説明します。次の図は、静電気防止用ストラップを手首に取り付ける方法と、袖口を地面に接続するコードの接地方法を示しています。静電気防止用リスト ストラップは、担当者の静電気を制御する主要な手段です。

図 6. 静電気防止用ストラップの着用
図 7. シャーシの取り扱い

シャーシを取り付けるためのラックの準備

取り付けレールが ANSI/EIA-310-D-1992 セクション 1 に基づく英国ユニバーサルピッチの規格に準拠する、標準 19 インチ 4 支柱 Electronic Industries Alliance(EIA)キャビネットまたはラックに、Cisco NCS 5700 シリーズ シャーシを取り付けます。

ラックの支柱間の間隔は、シャーシの幅に合わせて十分な幅にする必要があります。

シャーシを移動したりラックにシャーシを取り付ける前に、次のステップを行うことをお勧めします。

手順


ステップ 1

シャーシを取り付ける場所にラックを配置します。「設置場所の準備」の説明に従って、シャーシを取り付けるラックを必ずアース接続してください。

ステップ 2

ラックを床面に固定します。

床面にラックをボルト固定するには、フロア ボルト キット(アンカー埋め込みキットとも言う)が必要です。ラックを床にボルト留めする方法の詳細については、フロア取り付けキットを専門に扱っている会社(Hilti 社(詳細については、Hilti.com を参照)など)に相談してください。特にボルトを毎年増し締めする必要がある場合は、フロア取り付けボルトにアクセスできることを確認してください。